ディクテーションの正しいやり方は?その効果や英語力を伸ばすコツを解説
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「ディクテーションって何?」
「ディクテーションって効果あるの?」
ディクテーションは英語学習に役立つ練習方法ですが、その効果や勉強法を十分に理解している人は少ないでしょう。
本記事では、ディクテーションの正しい活用法や、効果を高めるコツについて詳しくご紹介します。
自分の学習方法に自信がない方や、新しいアプローチに挑戦したい方には、ぜひ参考にしてみてください。
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ディクテーションって意味ない?
ディクテーションとは何か
ディクテーションとは、英語の音声を聞きながら、その内容を書き取る英語の学習方法です。全文を聞きながら書き起こす方法と、あらかじめ空欄のある文章の空白部分を聞いて埋める方法があります。どちらの方法でも、リスニング力、スペリング、文法、語彙力を総合的に鍛えることができ、自分で書き起こすことで、アウトプット能力も養えます。
ディクテーションは単なる書き取り練習ではありません。音を聞いて文字に置き換える過程で、思考力と集中力も養われます。英語の音から文字への変換を通じて、英語力を多角的に伸ばすことができる魅力的な学習方法なのです。「意味がない」と感じるかもしれませんが、積極的に取り組めば飛躍的な効果が見込める英語学習法と言えます。
ディクテーションに準備するもの
ディクテーションに取り組む際は、適切な準備をしましょう。まず、話されたことを文字に書き残すためのノートが必要です。重要な単語やフレーズをまとめるための別のノートを用意しておくと便利でしょう。
また、使い慣れた鉛筆やシャーペン、ボールペンなど、直感的に書きやすい筆記用具を選びましょう。ディクテーションでは聞きながら即座に書く必要があり、鉛筆やシャーペンが推奨されます。このような万全の準備をした上でディクテーションに臨めば、より効果的な練習ができるはずです。
シャドーイングとの違い
ディクテーションとシャドーイングは、ともに英語の習得に役立つ効果的な方法です。
シャドーイングは、聞こえてくる音声をわずかに遅れて繰り返し発声する練習方法です。初めは難しいかもしれませんが、継続すると外国語を即座に理解できるようになり、自然なリズムや発音も身に付きます。
ディクテーションとの違いは、書き取らないところにあります。シャドーイングは、正確な発音やリズムの理解にはつながりますが、スペルや細かい文法・単語の知識は十分には得られません。
ディクテーションをする意味とは?
ディクテーションは単なる聞き取り練習以上の価値があります。英語をノートに書き留めることで、自分の理解度を具体的に把握することができます。
単に聞いただけでは理解が曖昧なところを見逃してしまいがちですが、ディクテーションではそういった部分が浮き彫りになります。
つまり、ディクテーションはリスニング力の現状を客観的に把握するための有効なツールなのです。定期的に行えば、自分の成長度合いもわかり、何に重点を置くべきかが明確になります。ディクテーションは理解度の確認だけでなく、学習の方向性を示し、継続する原動力にもなるのです。
穴埋めディクテーション
穴埋めディクテーションは、空欄部分を自分で書き加えるだけで済むため、初心者にとっても簡単なリスニングの練習方法です。一文全体を書き取るよりも負担が少なく、ディクテーションに慣れるための良い訓練になります。
しかし、その一方で注意が散漫になる恐れがあります。空欄部分に気を取られすぎて、文章全体の内容把握が疎かになってしまう可能性があるのです。
穴埋めディクテーションは効果的な方法ではありますが、文章を全体的に理解する能力は養えません。そのため、徐々に全文書き取りに移行することが望ましいでしょう。
全文書き取り
全文書き取りのディクテーションは、音声の全文を文字に書き起こすため、高度な集中力と理解力が必要とされます。
この練習では、単に言葉を聞き取るだけでなく、それらを整理し理解する能力が養え、ワンランク上のリスニング力が身につくでしょう。会議や講義など、リアルタイムで情報をメモする場面でも役立ちます。
穴埋めディクテーションと全文書き取りでは異なるレベルのスキルが求められるため、自分のレベルに合わせて両方をバランスよく練習することが効果的です。最終的には、全文書き取りができる英語力を身につけることを目標にしましょう。
ディクテーションの効果とは?
リスニングが上達する
ディクテーションは、英語のリスニング力を飛躍的に向上させる有効な手段です。ディクテーションを通じて、聞いた内容をより正確に理解する能力が養われます。
ディクテーションは、特に英語特有の音のつながりや変化を把握する良い練習になり、短時間で同じ音を何度も聞くことで、単語や発音を深く理解できます。今までのリスニング練習では理解できなかった英語の細かい部分も推測できるようになります。
英語を深く理解することで、リスニング力は格段に向上します。その効果を実感したいなら、日々の学習にディクテーションを取り入れてみましょう。
弱点の克服につながる
ディクテーションは、自分の弱点の克服につながる有益な練習方法なのです。ディクテーションを通して、聞き取りが難しい音やスペルの間違い、語彙不足、文法の誤解など、自分の未熟な部分が浮き彫りになります。
そうした弱点を認識できれば、それらを意識しながら効率的に練習することができます。つまり、ディクテーションは自分の英語力の課題を明確にし、その克服への道筋を示してくれる効果的なツールなのです。
英語を推測できるようになる
ディクテーションでは、全ての単語を書き起こすため、全体の流れから細かい単語や言葉の意味を推測する力が養われます。
たとえば、一部の単語が聞き取れなくても、これまでの文脈から次にどのような言葉が来るかを予測できるようになります。また、リスニング中に次の単語やフレーズを予測することもできるので、英語の自然な流れを捉えられ、理解のスピードが上がるのです。
つまり、ディクテーションはリスニング能力の向上だけでなく、英語を推測し、深く理解する力を同時に鍛えることができます。この力は日常での英会話や試験対策において、非常に重要なスキルとなります。
英語への理解が深まる
ディクテーションは、英語への理解を深められる非常に効果的な練習方法です。ディクテーションをすることで、英語特有のアクセント、リズム、イントネーションが理解できるだけでなく、細かい単語や表現にも注目することができます。
そのため、リーディング・リスニングの際に、理解のスピードが高まり、少しのニュアンスの違いや文章全体の流れを推測することもできます。ディクテーションは英語の本質的な理解力を高め、あらゆる英語の能力を底上げできる有効な手段なのです。
スピーキングやライティングにも役立つ
ディクテーションでは英語の自然な発音やリズムが理解でき、それをうまく自分のスピーキングにも活用すれば、自然かつ流暢に話せるようになります。
また、ディクテーションでは細かい単語や表現も書き起こすため、実際にライティングでもより自然な英語を使えるようになるでしょう。
つまり、ディクテーションは音声を理解する力が身につくだけでなく、その理解した内容を活用することで、スピーキングやライティングなどのアウトプットの能力も成長するのです。
正しいスペルが身につく
ディクテーションでは、英語をひたすら書き起こし、その後正解と照らし合わせて間違った部分を確認します。
実際に手を動かして書き続けるので、体が正しいスペルを覚えるようになります。また、自分で採点することで、間違った箇所をより効果的に記憶することが可能です。
このようにディクテーションは、英語のスペルを正確に習得する上で大変有効な方法なのです。間違えた箇所を意識しながら何度も復習を行い、体にスペルを染み込ませましょう。
英語脳になれる
ディクテーションは、英語を英語のまま理解する能力が養えます。
ネイティブの話すスピードはとても速く、いちいち日本語に訳して文章を理解しながら英語を書き起こそうとすると、ディクテーションは間に合いません。そのため、初心者は理解することを後回しにして、とりあえず英語を書き取ることに専念するでしょう。
これは実際とても有効な学習方法で、これを繰り返すことで、英語をいちいち日本語に訳す癖が自然となくなり、英語を英語のまま理解するようになります。このようにして英語脳を身につけることで、あらゆる場面でスムーズに英語が活用できるのです。
ディクテーションの効果的な勉強法
一度全文を聞く
ディクテーションをより効果的に行うには、最初に音声の全文を聞くことが重要です。書き起こしを行う前に、全体の内容を把握することを意識しながら、全文を聞いてみましょう。
この方法の目的は、ディクテーションする音声の全体像を把握することです。音声全体を一度聞くことで、トピックの流れや展開を事前に理解することができます。
この作業を行うことで、大まかな話題から単語を推測したり、文章の流れから表現を推測したりすることができ、ディクテーションが格段にやりやすくなります。
音声を区切る
ディクテーションの効果的な学習法は、英語の音源を一文ごとに区切り、その文章を書き取ることです。
音源を止めずに聞き続けると、どんなに英語が得意な人でも書き起こすのが間に合わなくなるでしょう。聞き取れない箇所が出てくると、その後の部分も理解できなくなってしまいます。
初めは一文で区切って完全に理解することに集中し、分からない部分はカタカナや空欄にして後で補うようにしましょう。慣れてきたら、2〜3文ずつ聞き取るようにしてもいいですが、自分の集中力が続く範囲で無理せずに聞き取ることが重要です。
採点の前に全文を聞き直す
ディクテーション学習において、音源全体の書き取りが終わった後、書き取った文章と照らし合わせながら全文を通しで聞くことが大切です。
初めて聞いた時とは違い、余裕を持って内容を理解できるようになるため、意味の把握が深まり、聞き違いや誤解を見つけやすくなります。
また、全文の聞き直しは、ミスの修正ができるだけでなく、内容を理解しながら英文を聞く感覚を体に染み込ませるという効果もあり、リスニング力の成長にもつながります。
スクリプトを見ないでチェックする
ディクテーションの効果的な学習方法は、スクリプトを見ずに書き取った文章全体をチェックすることです。重要なのは単語のスペルや用法だけでなく、文法的な観点から丁寧に見直すことです。
冠詞や前置詞の有無、複数形の扱い、他動詞の目的語の適切な使用など、細かな点にも注意を払う必要があります。このような自己チェックを通じて、英語の基礎的な文法を改めて確認することができ、ディクテーションの学習効果を最大限に高めることができるでしょう。
スクリプトで間違いを探す
自己チェックが終わったら、自分が書き取ったものとスクリプトを照らし合わせ、間違いを探すましょう。複数形のsの有無から、動詞の活用までくまなく探すことが大切です。
しかし、スペリングミスに細かく注意を払う必要はありません。ディクテーションは書き取るスピードが命なので、スペルミスには仕方のないものもあります。特に初心者は、単語や文法の理解を優先し、スペリングはその後徐々に身につけていけば良いでしょう。
最後にノートに書いた全文を聞く
ディクテーションの最終段階では、チェックし終わった全文を再度聞き直します。聞き違いや勘違いをしていた部分を注意深く聞きましょう。
さらに、同時に声に出して読みながら聞いてみるのも効果的です。こうすることで、自分が聞き取れなかった発音や音の変化を深く理解し、身につけることができます。
間違えた原因を分析する
ディクテーションは自分の弱点を把握する良い機会となります。全文の聞き直しが終わったら、自分が間違えた箇所の原因を整理してみましょう。
間違える原因には、語彙力、発音、音の変化など、様々な要素があります。間違えた原因を分析し自分の弱点を理解することで今後の効果的な学習方法につながるでしょう。
間違えたところをもう一度聞く
ディクテーションが終わったら、自分が間違えた部分をメモして定期的にその部分を聞き直してみましょう。何度も聞き直すことで、間違えた部分が一連の音として記憶され、単語ひとつ一つで考えるのではなく、英語をひとまとまりのものとして捉えられるようになります。
この作業によって、自分の弱点を克服できるだけでなく、実用的な英語力を確実に向上させることができ、よりネイティブに近い考え方ができるようになるのです。
間違えた部分を日々の勉強で意識する
一連のディクテーションが終わったら、そこで明確になった自分の弱点や間違えた箇所を日々の学習に意識的に取り入れることが大切です。
たとえば、ディクテーションで音の変化が聞き取れなかった場合は、普段英文を読むときに、「この二つの単語の並びは発音が変化しそうだな」と考えてみることが大切です。
ディクテーションは自分の弱点を発見するのに最適な勉強方法であり、そこで得られた自分の課題に真摯に向き合うことで、効率的に総合的な英語力を養うことができます。
聞き取れなかった時の勉強法【原因別】
そもそも知らない単語だった時
聞き取りが難しい主な理由の一つは、そもそも単語や熟語、表現を知らないということです。この場合、解決策はとても簡単で、分からなかった単語をひたすら覚えるしかありません。
まず、知らない語彙を整理し、メモすることが重要です。次に、その語彙を集中的に学習し、記憶に定着させましょう。ただし、ほとんどの単語が分からない状態であれば、ディクテーションをする前に、単語帳などで基本的な単語を一通り覚える必要があります。
発音が聞き取れなかった時
リスニング初心者に多いのが、英語特有の発音が聞き取れないというケースです。知っている単語しかないのに、リスニングになると分からないという人も多いでしょう。
発音の聞き取りが難しい大きな理由として、母音や子音の微妙な発音の違いを正確に区別できないことが挙げられます。この問題を解決するには、単語を覚える際に、発音もセットで覚えることが大切です。
また、同じ単語でも品詞によって発音が違うものや、全く違う単語でも発音が似ているものを集中的に覚えることも効果的です。普段の学習でより発音を意識して、英語特有の発音に慣れましょう。
文法知識が足りない時
英語の聞き取りが上手くいかない大きな理由の一つは、文法知識が不足していることです。英語の基礎的な文法を理解できていないと、文脈を把握できず、フレーズや文章の意味を正確に捉えられません。
この問題を解決するには、英作文の教材が役立ちます。英作文の教材では、さまざまな文法に触れられるだけでなく、実際に自分で活用するため、記憶に定着しやすいです。この方法で英語の基礎的な文法知識を積み重ねていけば、聞き取りに必要な理解力が身につくでしょう。
音の変化でわからなかった時
単語もその発音も知っているのに、実際に聞いてみると聞き取れないことがあります。これは、文脈や音のつながりによって発音が変化しているからです。
例えば、細かい前置詞や過去形の"ed"が文章によっては発音されないことがあります。また、連続する複数の単語の音が繋がって、元々の発音とは全く異なる音になることもあります。
このような音の変化を理解するには、慣れと推測が必要です。普段たくさんの英語を聞いていれば、英語を、単語一つ一つではなく、ひとまとまりの音として捉えられるようになります。これによって音の変化の知識が増え、徐々に対応できるようになるでしょう。
また、音の変化が聞き取れなくても、推測によってどうにかなる場合が多いです。英文をたくさん読んで、文脈を理解する力をつければ、適切な前置詞や動詞の活用を推測できるようになり、聞き取れなかったところを修正することができます。
スピードについていけない時
ディクテーションの難しさの主な原因は、英語のスピードについていけないことです。ただのリスニングではなく、書き取りも求められるため、ネイティブのスピードについていくのは至難の業でしょう。
この問題を解決するには、まず手軽な素材からリスニング練習を始めて、基礎的なリスニング力を鍛えることが重要です。ただし、単に聞き流すだけでなく、自分で英語を声に出す必要があります。発音することで、リスニングとスピーキングの両方の能力が鍛えられ、英語のリズムやスピードに慣れることができます。
毎日のリスニング練習を続けることで、徐々に高速な英語に慣れ、難解な音源でも理解できるようになるはずです。
ディクテーションで効果的に勉強するコツ
自分の実力に合わせて教材を選ぶ
ディクテーションは英語学習に広く活用されていますが、効果的に活用するには適切な教材を選ぶ必要があります。自分のレベルに合わせて、身近な話題に関する教材を選びましょう。
教材の長さも30秒から1分程度なら初心者でも集中力を維持しやすいでしょう。趣味や関心に合わせて、お気に入りの音楽や映画、ニュース番組などを教材として活用するのも良い方法です。モチベーションを維持しながら、定期的な練習を続けることで、実践的な英語力を身につけましょう。
スクリプトがある音源を選ぶ
ディクテーション学習を効果的に行うためには、音源にスクリプトが付いているかどうかを確認することが大切です。スクリプトがなければ、実際にあっているかどうかのチェックができず、ディクテーションの意味がなくなってしまいます。
スクリプトと自分の書き取りと照らし合わせて、細かいミスや誤解を修正でするために、必ずスクリプトが付随している教材を選びましょう。自分の好きな映画やドラマ、ニュース番組を教材にするのはいいですが、スクリプトがついていないことが多いので注意する必要があります。TEDのように英語教材として定評のあるものを使うのがおすすめです。
聞きながら推測する
ディクテーションの効果的な学習方法は、音声を聞きながら次に来る言葉を予測することです。最初は難しく感じるかもしれませんが、英語には一定の法則や頻出表現があり、そのパターンを理解すれば、徐々にできるようになります。
ディクテーションは、ただ漠然と聞くのではなく、次に何が来るかを積極的に推測しながら書き取ることで、その効果を倍増させることができます。次にくる言葉を予想しながら聞けるようになれば、よりスムーズに英語を聞いたり話したりできるようになるでしょう。
速度を調整してみる
ディクテーションにおいて、速度の調整機能がある教材を使うのは非常に効果的です。速度をコントロールすることで、より自分のレベルに合った学習ができます。
聞き取れない部分を諦めるのではなく、徐々に速度を下げることで、できる限り自力で解決できるようにすることを心がけましょう。また、それでも分からない場合は、そもそもの単語・発音の知識や音の変化に課題があると考えることができます。
このように、適切な速度調整は、効果的な勉強や弱点の分析につながり、ディクテーションの質を高めてくれるでしょう。
聞いたことのある話題の音源を選ぶ
ディクテーション学習を効果的に継続するためには、身近な話題の音源を選ぶことが重要です。専門的な内容や難しい単語が多く含まれる話題はなるべく避け、聞いたことのある音源や理解しやすい話題を選べば、理解しながら正確に書き取ることができます。
ディクテーションは、むやみに難易度を上げる必要はなく、内容を理解しながら聞ける音源を選んで着実に英語力を伸ばしていきましょう。
反復練習をする
ディクテーション学習において、反復練習は最も効果的な方法の一つです。一度学習したら、一定期間を置いて同じ教材に繰り返し取り組むことが重要です。
一度の学習では、記憶は定着しづらいです。時間を置いて何回も復習することで、徐々に慣れてきて、最初は聞き取れなかった箇所がスムーズに聞き取れるようになっていくはずです。
英語の学習では、頻繁に触れていないと新しい単語や文法をすぐに忘れてしまいます。そのため、新しい知識を定着させるためには、忘れる前に反復練習を行い、再確認することが不可欠となります。
ディクテーションだけをやらない
ディクテーションは英語学習に非常に役立つツールですが、それだけに頼り過ぎるのは避けましょう。ディクテーションでは、リスニング力は身につきますが、それ以外の能力、特に会話力は養えません。もちろん単語や表現は身につきますが、単語帳を使った方が格段に効率的に覚えられます。
また、長時間のディクテーションは、集中力と労力を要するため、負担になりやすく、最終的に学習意欲を失ってしまう恐れがあります。
大切なのは、ディクテーションで分かった自分の弱点を、他の教材で克服に取り組むことです。特に英会話を上達させるためには、スピーキングを中心に学習することがおすすめです。
ディクテーションの勉強で注意すること
綺麗にノートを使おうとしない
ディクテーション学習では、聞こえてくる音声を素早く書き取り、聞き取れなかった箇所を自分でわかるように整理することが最も重要です。ノートの格子線を気にしたり、きれいな文字を心がける必要は全くありません。
音声に追いつくために、ノートを自由に活用し、できるだけ多く記録することに集中しましょう。ノートは贅沢に使って、がむしゃらに書くことで、英語を体に染み込ませることができます。
間違いは当たり前と思う
ディクテーションで間違えることは当然のことです。誰もが初めから完璧にこなすことは難しく、些細なミスは英語に自信のある人でも普通のことです。
「間違ったらどうしよう」と心配するよりも、間違いは避けられないものと受け入れることが大切です。間違いを恐れるあまり、慎重に書き取っていれば、ネイティブのスピードには到底追いつけないでしょう。
ディクテーションの最大の目的は、自分の弱点を知るということです。むしろ、間違いはラッキーなものと捉えることができ、成長のための第一歩となります。ディクテーションの勉強では、まず「間違いは当たり前」と考えて、それを受け入れることが何よりも大切なのです。
長時間はやらない
ディクテーションは集中力が非常に求められる作業です。長時間続けると、極度の疲労から学習効率が落ち、多くの時間を費やしても目に見えた上達が感じられないことがあります。
そのため、ディクテーションの学習では、一度に長時間取り組むのではなく、適度な長さのセッションに分けて行うことが重要です。
1回15分から30分程度のセッションを、毎日または2日に1回のペースで継続的に行えば、学習効果を最大限に引き出すことができます。継続こそが上達の鍵であり、自分の集中力が続く範囲でディクテーションを進めることが大切です。
採点するまでは何度も聞き返さない
ディクテーションで「分からないところは何度も聞き直せばよい」と考えがちですが、その方法には注意が必要です。
実際のリスニング試験では、音源が流れる回数が決まっているように、ディクテーションも採点するまでは再生回数に制限を付ける必要があります。何度も聞き返せばいいと思っていれば、完全に集中して聞くことができず、学習効率が下がり、試験本番でも聞き取れないでしょう。
ディクテーションは単に聞き取るだけでなく、素早い理解力と反応力を鍛えることが大切です。無駄な繰り返しをするのではなく、適切なアプローチを心がければ、確実に英語力が向上します。
細かく音声を区切らない
ディクテーションの勉強では、ある程度の文量で区切って再生することが重要です。しかし、音声を細かく区切りすぎてはいけません。
例えば、単語単位で音声を止めてしまえば、言語の自然なリズムや音の変化を掴む機会を逃してしまいます。英語は、単語が組み合わさることで意味が生まれ、連続性があってこそリズムが生まれるのです。
また、短く区切りすぎては、文章の文脈を全体的に理解する力も養えません。細かく区切らずに音声を聞くことで、言語のリズム感や音の変化を身に付け、文章全体の文脈も理解できるようになりましょう。
スペルミスを気にしない
ディクテーションにおいて、スペルミスは全く気にする必要がありません。高速で英語を書き取るためには、スペルミスは仕方がないことです。
もちろんスペルミスに気づくことは大切で、その都度覚えるように心掛ける必要はありますが、スペルを間違っていたからといって、スペルミスをした単語を整理したり、復習するようにしたりする必要はありません。スペルは、繰り返しディクテーションをする上で覚えていけばいいのです。
おすすめのディクテーション教材
ゼロからスタートディクテーション
「ゼロからスタートディクテーション」は、英語のディクテーションに初めて取り組む初心者向けの教材です。段階的に難易度が上がっていくので、無理なく練習できるよう工夫されています。
最初は穴埋め問題形式で、基本的な語彙や文法を身につけられます。次第に長い文章のディクテーションに進み、簡単な文章からニュースなどの複雑な内容へと移行していきます。
様々なジャンルの英語表現に触れられるので、実際の英語を使う場面に備えられます。段階的な難易度と、多様な題材による内容の充実さが、この教材のおすすめポイントです。
究極の英語ディクテーション Vol. 1
「究極の英語ディクテーション Vol. 1」は、ワンランク上の英語学習をするための最適な教材です。中級者にとって特に有益で、実践的な英語力の向上とリスニング力の飛躍的な向上を助けてくれます。
この教材は、英語耳を育てるための独自のアプローチを取り入れています。カタカナ英語に慣れた耳を本物の英語耳に変えることに重点を置き、日常会話や報道番組での英語を理解する力を養います。
ディクテーションを通して文法理解を深め、正確なリスニングスキルを身につけることができます。総合的な英語力向上を目指す方、特に実践的なスキルを求める方にとって、この一冊は強くおすすめの教材です。
ディクテーション以外でリスニング力を伸ばすには?
ここまでディクテーションの正しいやり方について説明してきましたが、リスニング力を含めて英語力を伸ばす方法はディクテーションだけではありません。
特に独学でディクテーションをしていてもモチベーションが上がりにくかったり、効率的に勉強できないことはよくあります。
そこでおすすめなのがオンライン英会話です。以下の記事で初心者におすすめのオンライン英会話を紹介しているので、そちらも参考にしてみてください。
特にベルリッツがおすすめ
ベルリッツは選び抜かれた講師陣からオンラインでも対面でも授業を受けることができます。自分の発音のクセを直してくれたり、リスニング力アップにもつながることは間違い無いです。
オンライン英会話の場合は自分の空いている時間に家から勉強できるので特におすすめです。ぜひ一度無料体験で感じ取ってみてください!
ディクテーションの正しいやり方についてまとめ
この記事では、ディクテーションの効果と学習方法を解説しました。
ディクテーションは効果的に英語力を養える最高のツールです。
しかし、ディクテーションには注意するべき点もあり、やり方を間違えれば効果が出ないこともあります。
独学に自信がない方は、本記事やディクテーション教材をぜひ参考にしてみてください。
ディクテーションは継続することがポイントで、自分のできる範囲から地道始めて行きましょう。