本調査では、留学またはワーキングホリデー(ワーホリ)を経験した287人を対象に、渡航先や留学・ワーホリに関する実態を調査した。
特に渡航先や留学費用、満足度に関する要素に焦点を当て、今後の留学・ワーホリに向けた指針を提供することを目的としている。
- 滞在タイプはホームステイが半数以上を占める
- 留学期間が長くなるほど満足度も高まる
- 留学の目的や期間に応じて滞在方法も変わる
【調査概要】
項目 | 詳細 |
調査名 | ワーホリ・留学経験についての調査 |
対象者 | 留学・ワーホリに行った経験のある人 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2025年2月9日〜2月16日 |
回答数 | 287(男性51名、女性234名、未回答2名) |
ワーホリ・留学の形式や渡航時の年齢
渡航時の年齢は30歳以下が半数超
調査結果によると、ワーホリや留学を経験した人々は18〜24歳での渡航経験が40.4%と最も高く、25〜30歳も19.2%を占めている。
一方で40代以上も3割を占める
一方で、41歳以上の層も33.4%に達し、年齢層が広範囲にわたることが特徴的である。
この結果から、留学やワーホリが若年層だけでなく、中高年層にも人気があることが示唆される。
特に、キャリアの転機を迎えた人々や新たな挑戦を求める人々が増えている可能性がある。
留学・ワーホリ先で人気の国はフィリピンとオーストラリア
調査結果によると、留学・ワーホリの目的地として最も選ばれた国はフィリピンで、全体の28%がフィリピンを選択している。次いで、オーストラリアが27.5%でほぼ同等の人気を誇り、これらの国が留学やワーホリの目的地として最も選ばれている。
アメリカ(11.1%)やカナダ(8%)も比較的高い割合で選ばれており、英語圏の国が引き続き人気のある選択肢となっている。
また、イギリス(4.2%)やニュージーランド(3.8%)はやや少ない割合となっているが、欧米の英語圏を中心に留学を希望する人が多いことがわかる。
滞在タイプはホームステイが半数を超える
調査結果によると、留学・ワーホリで選ばれた滞在タイプで最も多かったのは「ホームステイ」で、全体の51.1%がこの選択をした。
ホームステイは現地の家庭で生活しながら語学や文化を学べるため、異文化交流を重視する人々にとって魅力的な選択肢となっていると推察される。
次いで、「語学学校・大学附属語学コース」が18.6%で選ばれており、語学力向上を目的とする人々に支持されている。
また、語学学習や専門的な教育を受けるための滞在タイプも一定の人気を集めていることがわかった。
留学の期間や国別の費用
留学・ワーホリの総費用は滞在期間に比例する
調査結果から、留学・ワーホリにかかる総費用は滞在期間によって比例することがわかった。
費用が「~50万円」で留学をした人は、92.6%が短期(約3ヶ月)であった。滞在期間が短いほど、低コストで済む傾向が強いことが示された。
一方、滞在期間が長くなると費用も増加し、「200~300万円」の費用をかけた人は7割以上が1年以上の留学となっている。
費用も渡航先ごとに異なる傾向
調査結果から、留学・ワーホリの総費用は渡航先によって大きく異なることがわかった。
フィリピンでは95%の人が「~50万円」の範囲で留学・ワーホリを実施しており、比較的低コストで留学に行けたことがうかがえる。
一方、オーストラリアでは「50~100万円」と「100~200万円」にも分かれており、コストが若干高めの傾向が見られる。
アメリカやイギリスでは「50~100万円」や「100~200万円」の層が多く、特にアメリカでは「400万円以上」と高額な費用をかけた人が15.6%を占め、他の国と比較して大きな差が見受けられる。
結果から、渡航先によって求められる予算が異なることが理解でき、留学・ワーホリの計画において費用面を重視する人々が多いことがうかがえる。
留学の満足度と期間や形式についての実態
留学期間が長くなるほど満足度も高まる
調査結果から、留学期間が長くなるほど総合的な満足度が高くなる傾向が見受けられる。
短期(約3ヶ月)の留学では、56.4%が「3点」を付け、満足度が中程度である一方で、約半年以上の留学になると、「5点」と評価した人が増加する。
特に、約1年半以上の留学者では、64%が「5点」と非常に満足していることがわかった。
留学期間が長ければ長いほど、留学を通じて得られる学びや成果が多いため、満足度が向上することが示唆できるだろう。
留学の目的や期間に応じて滞在方法も変わる
調査結果から、留学期間が短いほど「ホームステイ」を選ぶ割合が高く、長期滞在の場合は「大学・院留学」や「ワーキングホリデー」で渡航する割合が増える傾向が見受けらた。
短期(約3ヶ月)の留学では、71%の人が「ホームステイ」を選んでおり、比較的低コストで現地生活を支援してもらえる形式を選ぶ傾向が強いことがわかった。
一方、約半年や約1年の留学では、「語学学校・大学附属語学コース」や「大学・院留学」を選んだ人が増加し、学習やキャリアにより焦点を当てた選択が多いことが示される。
留学の目的や期間に応じて、短期滞在では生活支援を重視し、長期滞在では学業やキャリアアップを目指した選択が増えることが示唆できるだろう。
留学先の選定基準と実際に渡航した感想
留学・ワーホリ先選定の主な理由は教育環境
調査結果によると、留学・ワーホリ先を選んだ理由として最も多かったのは「(学校・機関の)教育環境が良かった」という回答で、63.2%の人がこれを選んだ。
次いで「その国の言語を習得したかった」(20.5%)や、「特定の分野を学びたかった」(13.7%)といった学習面が主な選択理由となった。
これらの結果から、留学やワーホリ先の選定においては、教育の質や学びの機会が最も重要視されていることがわかった。
留学・ワーホリ先で「実際に良かったこと」は多様
調査結果によると、留学・ワーホリ先で最も良かったこととして最も多かったのは「(学校・機関の)教育環境が良かった」(33.2%)である。
次いで「その国の文化に触れられた」(26.8%)や、「(その国・学校特有の)特定の分野を学べた」(9.8%)という回答が続いた。
一方で、留学先を選ぶ理由としては「教育環境が良かった」という回答が過半数を占めたのに対し、この設問では3割にとどまった。
例えば、教育環境が良かったことに満足している一方で、留学先選定の理由としては「その国の文化に触れたかった」といった理由が重要視されることもあり、文化体験や異文化交流に対する期待が大きかったことが伺える。
今後の課題・展望
留学やワーホリに対する需要は依然として高いが、費用面での課題が残る。
特に、アメリカなど高額な国への渡航には多くの資金が必要であり、予算面での負担を軽減するために、低コストで充実した学びの機会を提供する選択肢を増やすことが求められる。
留学・ワーホリ市場において、異文化交流や教育の質に重きを置いた選択は今後さらに重要視されるだろう。
特に、短期のプログラムでは「ホームステイ」などの現地生活支援が好まれ、長期プログラムでは専門的な学びを提供する機関への需要が高まると予測される。
調査結果の引用・転載について
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