保育士から異業種へ転職するには?|おすすめの転職先や職務経歴書の書き方を解説

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保育士は待遇改善が進んでいるとはいえ、給料の低さや人間関係に疲れてや転職を検討する人が多いです。

保育士以外の異業種へ転職しようと考えたとき、保育士経験を活かせるのか不安に感じることもあるでしょう。

こちらの記事では、保育士から異業種へ転職するときにおすすめの転職先や、職務経歴書の書き方などを解説していきます。

転職を検討している保育士の方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

保育士からの異業種やキャリアチェンジは難しい?

保育士から異業種への転職を目指す場合、業界が異なるため苦労することも多いです。

しかし、全く不可能ではなく、保育士経験をプラスに伝えれば十分に異業種への転職は可能です。

転職を成功させるためにも、保育士として得た経験を分析し、他の業界でも活かせるスキルセットを把握することは欠かせません。

  • コミュニケーション能力
  • 問題解決能力
  • カウンセリングスキル
  • 時間配分スキル

など、保育士経験で培ったスキルは、異なる業界でも求められる場面が多くあります。

自身の価値観や保有スキルに応じて、心地よく働ける職場を見つけましょう。

元保育士が異業種に転職した主な理由は?

 元保育士の異業種転職理由

東京都「令和4年度東京都保育士実態調査結果(報告書)」 によると、元保育士が異業種に転職した主な理由は上記のグラフの通りです。

  • 職場の人間関係
  • 仕事量が多い
  • 給料が安い

上記の理由がトップ3となっており、女性の退職理由として多く挙げられるライフイベントではなく、労働環境に対する不満が主な理由であることがわかります。

保育士の仕事にやりがいや理想を描いていても、仕事量が多かったり給料が安かったりすると、保育士の業務に希望を見いだせなくなくなります。

また、保育園は女性が多い特徴がある上に、外部からの目が行き届きにくいため閉鎖的になりがちです。

その結果、人間関係の悩みを抱えてしまう保育士が多いことも見て取れます。

保育士の資格を活かした保育系の転職先は?

保育士の資格を活かして転職できる、保育系の職場は多くあります。

保育士経験をそのまま活かしやすいため、スムーズに仕事に慣れることができるメリットがあります。

学童スタッフ

学童スタッフとは、共働きなどで家を空ける時間が長い家庭の小学生を預かる施設です。

小学校に併設されているケースが多く、学童スタッフに勤務すると小学生も見守りや宿題の手伝いなどを行うことになります。

勤務時間は昼頃から18時過ぎまでとなっているケースが多く、ほぼ固定時間での勤務なのでライフワークバランスを実現しやすい点が特徴です。

パート求人が多く、時給は1,000円前後が一般的です。

正社員で勤務する場合、保育士よりも少し収入が上がる程度が相場と考えておきましょう。

メリット

学童保育が開くのは、小学校の授業が終わった後です。

児童が来園する13~14時頃までは事務作業に充てられるため、集中してしっかり時間をとって事務作業に向き合うことができます。

また、持ち帰りの仕事が発生しづらく仕事は職場で完結するケースが多いため、プライベートを充実させることが可能です。

学童スタッフになるためには放課後児童支援員の資格が必要ですが、研修を4~8日程度受ければ取得できるため、ハードルは低いです。

デメリット

学童スタッフは小学生を相手にするため、保育園児を相手にする場合と勝手が違います。

接する年齢が高くなるので、「身の回りの世話」よりも「体を動かす遊びに付き合う」「宿題を手伝う」ことが多くなります。

体力的に消耗することに加えて、子どもによっては言葉遣いが荒く暴力を振るうケースもあるため、保育園児を相手にする場合よりも対応に苦慮する可能性がある点は知っておきましょう。

ベビーシッター

ベビーシッターとは、主に個人宅や託児所で乳幼児を預かる仕事です。

また、イベント会場や宿泊施設などでベビーシッターサービスを行っているケースもあります。

ベビーシッターの勤務体系は様々で、ライフスタイルなどに合わせて自分で柔軟に決めることができます。

時給にして1,000円~1,500円程度が相場となっていますが、早朝・夜間・病児や障がい児など特別なケアが必要な場合に対応すると、時給が上がることが多いです。

共働き世帯が増えている昨今において、需要が伸びているサービスと言えるでしょう。

メリット

ベビーシッターは雇用形態が様々で、勤務する場所や時間を柔軟に決定できる魅力があります。

雇用される働き方はもちろん、自分が事業主になってベビーシッターサービスを展開することも可能です。

ベビーシッターサービスの需要は増えていることから、将来性が高い点もメリットと言えるでしょう。

デメリット

ベビーシッターは、保育士や幼稚園教諭などと比較すると、求人数自体はそこまで多くありません。

そのため、ベビーシッターとして働きたいと考えていても、理想通りの就職・転職がかなわない可能性があります。

また、保育士のように一定期間の雇用が保障されていないため、雇用が不安定である点もデメリットの一つです。

ベビーシッターとして一定程度の収入を求める場合、毎日継続的に依頼を受けることができる状況を作る必要があります。

子育て広場

子育てひろばとは「地域子育て支援拠点」と呼ばれることもあり、自治体が運営している子育て支援の場です。

0~3歳を中心とした乳幼児と保護者が、一緒に遊びながら、必要な子育てに関する相談ができる場所です。

子育て広場に勤務すると、乳幼児の遊び相手や本の読み聞かせ、保護者との相談業務を行うことになります。

また、自治体が行っている子育て支援の情報を提供することもあります。

時給は1,000~1,200円程度であるケースが多く、各自治体のホームページなどで採用情報が掲載されるため、興味がある場合はこまめにチェックすると良いでしょう。

メリット

子育て広場は自治体が運営しているため、パートでも福利厚生面がしっかりと整備されている点がメリットです。

勤怠管理や有給休暇などの就労環境はしっかりと整備されており、安心して働くことができるでしょう。

夜勤はなく勤務時間も決まっているため、生活スタイルに合わせて柔軟に働ける点も大きなメリットです。

デメリット

子育て広場の求人はパートがほとんどです。

正社員として安定した雇用を得たいと考えている方にとって、子育て広場のスタッフは相性が悪いと言わざるを得ません。

また、自治体が運営していることもあり、中には深刻な事情を抱えている家庭の親子が来る可能性もあります。

場合によっては深刻な話題の相談に乗り、適切な支援機関につなぐことを求められるため、自治体の仕事ならではの難しさがあります。

保育ママ

保育ママとは、主に3歳未満の子どもを自宅などで預かる仕事です。

最も規模が小さい保育園のかたちとして近年注目を集めており、1人の保育ママが3人程度の子どもの世話を行います。

保育園とは異なり、少人数の子どもを相手にするため家庭的な環境で子供の成長を見守ることができます。

メリット

保育ママは自宅で子どもを預かることもあるため、家庭的な環境できめ細かい保育サービスを提供できます。

子どもが安心できる環境で少人数の子どもと接するため、一人一人の成長を間近で見ることができます。

保護者の要望を受け入れつつ、一人ひとりに合ったきめ細やかな保育を行うことができる点は、保育園とは違うやりがいを感じられるポイントです。

また、保育ママは利用者との距離が近く、保護者と密接なコミュニケーションをとる機会が多いです。

保護者とも積極的に交流しながら関係構築ができるため、多くの保護者と薄い関係しか構築できない保育園とは大きく異なっていると言えるでしょう。

デメリット

保育ママとして働くためには、自治体の認可を受ける必要があります。

各種手続きが面倒で、実際に開業したくてもスムーズに進まない可能性がある点はデメリットと言えます。

もちろん、認可を受けるためには審査に通過する必要があるため、必ず保育ママとして働ける保証もありません。

保育ママを行う場合は十分な保育スペースを確保する必要があることから、必要に応じてテナントを借りる必要に迫られることもあります。

ベビーホテル

ベビーホテルとは、宿泊を伴う一時預かりの認可外保育園です。

保育園は深夜まで子どもを預かっていないため、深夜に就業している保護者にとってベビーホテルは非常にありがたい存在です。

ベビーホテルの仕事内容は保育士とほとんど変わらず、子どもの世話や遊び相手、寝かしつけなどを行っています。

メリット

ベビーホテルは営業している時間が長いため、自身が希望している時間帯で就労しやすいメリットがあります。

また、深夜手当などが支給されるため、一般的な保育士よりも時給単価が高い点もメリットと言えるでしょう。

また、利用する子どもが一般的な保育園より少ないため、イベントや事務仕事が少ないです。

年齢別にクラス分けをしていない施設が多く、幅広い年齢の子どもと接することが出来るでしょう。

デメリット

ベビーホテルは24時間営業しているところも多く、不規則な勤務時間となる可能性があります。

規則正しい生活を送りたいと考えている方にとって、深夜業務が発生しうる点はデメリットと言えるでしょう。

人手が不十分の職場だと、慢性的に深夜業務を強いられる可能性があることから、しっかりと就労環境を確認することが大切です。

チャイルドマインダー

チャイルドマインダーとは、イギリス発祥の保育に関わるプロフェッショナルです。

対象としている子どもの年齢は0歳~12歳と幅広く、一般的に1〜4名の少人数保育を行っています。

少人数かつ家庭的保育のプロとして、自宅や保護者の家庭で子どもの世話を行います。

メリット

チャイルドマインダーは、家庭的な環境の中で子どもの世話を行うため、一人一人と密接に関わることができます。

また、基本的には保護者の価値観や意向に沿いながら個別保育を行うため、保護者とも信頼関係を築きやすい特徴があります。

集団保育とは異なり、預かる子ども一人ひとりの個性に応じてよりきめ細かい保育が行える点は、チャイルドマインダーならではのメリットです。

デメリット

チャイルドマインダーは、保護者の方針や価値観に合わせて保育を行う必要があります。

自身の保育観と保護者の保育観が異なると、心地よく保育を行うことができない恐れがあります。

なお、日本ではチャイルドマインダーの認知度が低いため、興味があっても理想の求人が見つからない可能性もあります。

放課後デイサービス

放課後等デイサービスは、障がいなどを抱えており支援が必要な児童に対して、放課後に生活サポートなどを行います。

子どもに合わせた発達支援や集団活動を通して、障がいなどのハンデを抱えつつも社会生活が営めるように支援するのが仕事です。

子どもは6歳から18歳までの就学児童で、児童発達管理責任者が作成する個別支援計画に基づいて必要な支援を行うことになります。

メリット

放課後等デイサービスでは、子どもの自立支援や日常活動の充実を目指しており、ハンデを抱えている子どもを支援しています。

近年はダイバーシティが重視されているため、障がいなどを抱えながらも社会で活躍できるように支援する仕事は、社会的にも非常に重要と言えるでしょう。

地域との交流や余暇の提供を行っており、間近で成長をサポートできることでやりがいを感じられるでしょう。

デメリット

放課後等デイサービスでは障がいを抱えた子どもの対応をするため、一般的な保育とは異なります。

障がいや特性に合わせた支援を行う必要があるため、難しさを感じる場面も多いでしょう。

また、障がいによってはコミュニケーションをとることも難しく、また身体の大きい子どもを支援するため体力的な負担も重いデメリットがあります。

児童発達支援事業所

児童発達支援事業所とは、障害発達支援を行う施設です。

小学校就学前の子どもを受け入れており、療育の観点から支援が必要な子どもの生活の世話などを行っています。

児童発達支援センターとる児童発達支援事業所が主な職場ですが、必要に応じて子どもの居宅へ訪問するタイプの支援もあります。

児童発達支援事業所では、場面に応じて個別療育や集団療育を行っている点も特徴です。

個別療育では、子どもの発達状況と保護者からの要望を踏まえたうえで個別に課題を設定し、子どもの発達や成長に応じてプログラムを微調整します。

集団療育では、年齢別・障害の種類などでグループ分けを行ったうえで、全員が参加できるプログラムを展開しています。

メリット

児童発達支援事業所での仕事を通じて、障がいを抱えている子どもの成長を間近で見守ることができます。

ハンデを抱えながらも健やかな成長を支援する仕事を行うことで、大きなやりがいを感じることができるでしょう。

保育園と比較すると支援人数が少ないため、子どもや保護者などと関係を構築しやすい点も大きなメリットです。

デメリット

児童発達支援事業所を利用している子どもの障がいによっては、支援が難しいこともあります。

また、難易度の高いプログラムにあたってしまう可能性もあり、支援計画どおりに進まない難しさを感じることもあるでしょう。

思ったようにプログラムが進捗しないと、自信を失ってしまう可能性があります。

しっかりと障がいの特性を理解したうえで、最適な支援を行う難しさを感じやすい点はデメリットと言えます。

企業内保育士

企業内保育士とは、企業内や企業の近隣に設置された保育施設です。

企業の従業員の子どもを預かり、就業時間中に世話をするため、仕事内容は一般的な保育園と変わりません。

企業内保育士によっては、地域の子どもを受け入れることもあります。

共働きが増えている昨今において、企業内保育士の需要はますます高まっていくことが予測できます。

メリット

企業内保育士は、企業の就業規則に則って働くことになります。

企業が土日休みであれば保育所も土日休みになるため、プライベートを充実させやすいメリットがあります。

また、勤怠管理や福利厚生が整備されていることが多く、また残業がほとんどないため働きやすい点もメリットです。

デメリット

企業によっては夜勤があるところもあります。

保育園で働くよりも帰宅が遅くなってしまう可能性があることから、事前に開園時間を調べておくことが大切です。

また、企業内保育所は企業が運営しているため、就業条件は企業の一存で決まります。

企業の業績が芳しくないと、企業内保育所を閉めることにもなりかねない点は、企業内保育所のデメリットと言えるでしょう。

院内保育士

院内保育士とは、病院内に設置された保育所で勤務する保育士です。

医師や看護師の子どもを預かるため、勤務時間は病院に準拠して24時間・365日となっているケースが多いです。

交代勤務などで勤務時間が不規則になるのが一般的で、医師や看護師が安心して働くために重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

メリット

院内保育士は、保育園より少人数なので業務負担が軽い傾向にあります。

また、大きな行事がないため保育以外の業務負担が軽く、残業がほとんど発生しない点もメリットと言えるでしょう。

院内保育士は夜勤が発生する可能性があるため、一般的な保育士よりも給料が高いメリットもあります。

大きな病院であれば福利厚生が充実しているため、院内保育士も安心して働けるでしょう。

デメリット

院内保育士はシフトが変則的なので、規則正しい生活を送りづらいデメリットがあります。

また、出勤するたびに関わる子どもが変わることもあるため、じっくりと保育に向き合うことができない可能性があります。

行事やイベントが少なく業務負担が軽いメリットがある一方で、行事の経験を積むことができないため、保育士としての経験値を積めない点もデメリットです。

院内保育園だと保育士としてのノウハウやスキルを習得しにくいため、要注意です。

児童館

児童館とは、0歳から18歳の子どもたちの遊び場を提供している児童厚生施設です。

遊びを通して子どもたちの健やかな成長を図り、誰でも自由に利用できる特徴があります。

  • 大型児童館
  • 小型児童館
  • 児童センター

規模別に上記の3種類に分かれており、 子育ての悩みを話し合える場や妊娠中の方へのイベントなども行っています。

また、児童館には公営と民営があり、公営の児童館で働く場合は公務員試験に合格する必要があります。

公務員試験の内容は各自治体で異なるため、事前にチェックすることが大切です。

メリット

児童館の開館時間は決まっているため、夜勤などは発生しません。

仕事量は保育園ほど多くないため、持ち帰り仕事がほとんど無いメリットがあります。

また、保育園とは異なり担任業務がないため、業務負担も軽いです。

ワークライフバランスを実現しやすいため、仕事とプライベートの両立を目指したい方におすすめできます。

デメリット

児童館は0~18歳までの子どもが利用できますが、主に小学生が相手となります。

小学生は保育園児よりも体力があるため、児童館で勤務する場合は体力的につらく感じる可能性があります。

また、時には保護者の子育て相談に乗ることもありますが、悩みの種類が幅広く子育てに関する豊富な知識が求められます。

保育に関する様々な知識が求められるため、常に勉強をする必要がある点もデメリットと言えるでしょう。

保育士経験・資格が活かせる異業種

続いて、保育士経験・資格が活かせる異業種の職場・業界を紹介していきます。

保育に携わることはありませんが、保育経験を生かせる職場は多くあるため、活躍できるフィールドは幅広いです。

子供用品メーカー

子供用品メーカーで、保育士経験を活かすことができます。

子供用品メーカーでは、子どもの衣類やおもちゃなどの製造・販売に従事することになりますが、子どもの動きや保護者心理など保育の現場で得た経験や知識が役立ちます。

勤務体系はメーカーによって異なりますが、正社員の場合は9:00~17:00の勤務が多いです。

保育士に比べると給与の水準が高いため、働きやすさと待遇の良さを両取りできる可能性があります。

メリット

子供用品メーカーで勤務する場合、採用される職種によりますが事務や営業が任されるケースが多いです。

デスクワークが中心となると、保育士の仕事が体力的にきつかった人にとっては負担を軽減できるメリットがあります。

また、企業によっては保育士よりもいい条件で働けるため、働きやすい環境で保育士経験を活かせるメリットがあります。

デメリット

保育用品メーカーでは子ども達と直接会うことはないため、子どもとコミュニケーションを取りたいと考えている方には向かない可能性があります。

また、事務職で採用されると単調な仕事を任される可能性があるため、やりがいを感じられない可能性も考えられます。

保育士とは違って子どもと接する機会がほとんどないため、ギャップに苦しんでしまう可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。

商業施設・アミューズメント施設

商業施設・アミューズメント施設では子どもが多く来場するため、子どもと接することに慣れている保育士経験者は重宝されます。

家族が安心して楽しめるように、受付スタッフや誘導を行います。

また、大型の施設内では子どもの一時預かりを行うこともあるため、子どもと触れ合う場面を仕事がしたい人に向いています。

施設によって雇用形態は様々で、勤務する時間も日中で収まるケースがほとんどです。

メリット

商業施設・アミューズメント施設では実際に子どもと触れ合う機会も多いため、子どもとの接する機会を引き続き持ちたい人にとってメリットが大きいです。

保育士経験を活かして子どもが楽しめるように対応できるため、施設側としても安心して仕事を任せられます。

また、多くの雇用形態があるため、自身の都合に応じて最適な形で働ける点もメリットと言えるでしょう。

デメリット

商業施設・アミューズメント施設では多くの人が出入りするため、特に土日祝日は多忙になるケースが多いです。

また、子どもを預かる業務を行う場合、保護者によっては無理難題を押し付けてくることがあります。

さらに、商業施設・アミューズメント施設は土日祝日が忙しいことから、平日休みになりやすい点もデメリットと言えるでしょう。

助産師・産婦人科

助産師・産婦人科では、妊産婦の相談や申請時の世話などを行います。

保育園で乳幼児クラスを担当した経験があれば、母子が安心して過ごせるように対応できるでしょう。

勤務する産婦人科や病院によって雇用形態は異なりますが、正社員でもパートでも柔軟に働けるケースが多いです。

メリット

助産師・産婦人科に勤務していると、新しい命の誕生に立ち会うことができます。

新生児と妊産婦が安心して過ごせるようにケアする仕事は、非常に大きなやりがいを感じられるでしょう。

また、仕事にやりがいを感じられるだけでなく、自身の生活スタイルに合わせて柔軟に働ける点もメリットと言えます。

デメリット

大病院に勤務する場合、24時間体制で開院していることからシフトが不規則になる可能性があります。

その結果、規則正しい生活が送れずに心身が消耗してしまう可能性がある点はデメリットと言えます。

また、新しい命に向き合うことから、大きな責任感やプレッシャーを感じやすい点にも留意しましょう。

介護福祉士

介護福祉士とは、要介護状態にある人の心身の状況に応じて、最適な介護サービスを提供する仕事を行います。

保育士と同じく「福祉分野」の仕事に分類されますが、生活の世話をする対象が子どもから高齢者に変わります。

必要な支援を行うという点では、保育士も介護福祉士も共通しているため、比較的仕事に慣れやすいでしょう。

介護人材は不足していることから、介護福祉士資格を取得すれば職に困ることもありません。

メリット

日本は今後ますます高齢化が進むと考えられているため、介護のプロである介護福祉士は非常に将来性が高いです。

自分の好きな雇用形態で働きやすく、また職に困るリスクが非常に低い点は介護福祉士のメリットです。

また、夜勤などがある施設であれば収入も高くなりやすいため、やりがいを感じながら好待遇を勝ち取ることもできるでしょう。

デメリット

介護業界は慢性的な人手不足の状況にあるため、介護士一人あたりの業務量は重くなりがちです。

また、夜勤のある施設で勤務すると勤務時間が不規則になる可能性があることから、規則正しい生活を送りたい場合は勤務先を慎重に選ぶ必要があります。

生活の世話をする相手が子どもから大人になるため、介護は身体的な負担が重くなるデメリットがある点も押さえておきましょう。

写真スタジオで働くカメラマン

赤ちゃんが誕生した時や七五三など、節目のタイミングで写真を撮る家庭は多いです。

写真スタジオで働くカメラマンは、子どもを笑顔にすることも求められるため、保育士経験があり子ども慣れしている方は活躍しやすいでしょう。

子どもの着替えを手伝い、あやして子どもの自然な笑顔を引き出すことができれば、お客さんにも満足してもらえるでしょう。

また、写真スタジオで働くカメラマンはパートの求人が多い傾向にあります。

メリット

写真スタジオで働くと子どもの成長の節目やお祝いの日に立ち会うことになるため、大きなやりがいを感じられます。

働き方の面でも、日中の都合がいい時間に働けるため、ワークライフバランスを実現しやすいでしょう。

デメリット

写真スタジオで働くと、子どもと接する機会は多くありますが、基本的に接点は一度きりです。

継続的に会って子どもの成長を見守りたいと考えている方にとって、物足りなく感じる可能性があります。

また、写真スタジオの求人は保育士ほど多くないため、都合よく働けるとは限らない点もデメリットです。

塾講師

塾講師は、学習塾に勤務して小学生や中学生に勉強を教える仕事です。

学習塾は非常に多くあるため、家の近所でも仕事が見つかりやすいでしょう。

子どもの成長意欲を刺激して勉強のモチベーションを高めるうえで、保育士経験は役に立ちます。

学習塾はパート求人が多く、「1コマ2,000円」などの形態が多いです。

メリット

学習塾は多くあるため、すぐに勤務先候補が見つかる点がメリットです。

駅前に塾を構えているケースが多いため、出勤しやすい魅力もあります。

また、学習塾によっては出勤できるコマを柔軟に決定できるため、家庭事情に合わせて出勤日数を調整できるでしょう。

デメリット

学習塾で働くためには、勉強をわかりやすく教える「学力」と「指導力」が求められます。

保育士経験があっても、一定の学力がないと採用されない点には注意しましょう。

また、指導した生徒の学力が伸びない場合や志望校に合格できなかった場合は、自信を失ってしまう可能性がある点には注意が必要です。

給食関連の仕事

保育園や小学校などの給食調理の場で、給食関連の仕事をする際にも保育士経験を活かせます。

食事は子どもの健全な発達には欠かせない要素ですが、保育士経験があれば安全かつ健康的な食事についての知識を有しています。

学校給食だけでなく、介護施設などで給食調理をする際にも知識と経験を活かせるでしょう。

メリット

給食関連の仕事は基本的に夜勤がなく、日中に働くことになります。

パート求人が多いですが、規則正しい生活を送りながら自分の生活と仕事を両立しやすい点は大きなメリットと言えます。

デメリット

給食関連の仕事は「調理補助」などの職種で募集されることが多いですが、総じて時給は1,000円程度と安めです。

簡単な仕事なので仕方ないとはいえ、条件を比較するとほかの職種よりも劣ってしまう点は否めません。

幼児教室

知育やスポーツなど、自分の得意分野を子どもに教える幼児教室もあります。

様々な年齢層の子どもが利用しているため、子どもとの関わり方や接し方慣れている保育士経験者は活躍できる可能性が高いです。

また、多くの保育教室はパート求人で午後の数時間での募集をかけているため、仕事と家庭を両立しやすいです。

メリット

幼児教育は、レッスン時間に合わせた勤務が可能なので都合に合わせて働きやすいメリットがあります。

カリキュラムやマニュアルが整備されていれば、自分の得意分野でなくても、問題なく働くことができます。

子どもたちにさまざまな経験をさせてあげることを通じて新たな価値観をはぐくみ、成長する場面に立ち会える点は幼児教育に携わるメリットです。

デメリット

もし子どもが自発的ではなく「受けさせられている」状況だと、モチベーションを高めるのに苦労します。

また、自分の得意分野以外の幼児教育に携わる場合、わかりやすく教えることができず苦労する可能性もあり得ます。

場合によっては子どものやる気を掻き立てることができず、働くモチベーションを失ってしまう可能性がある点には注意しましょう。

【職種別】保育士から一般企業への転職

保育士から一般企業へ転職することも十分に可能です。

以下で、保育士経験を生かせいやすい一般企業の職種を紹介していきます。

事務職

事務職は、会社で書類整理や電話応対などの事務を行います。

場合によって、総務事務や経理事務など特定の分野に特化した事務作業を任されることもあります。

基本的に就業時間は決まっており9:00~18:00で勤務するケースが多いです。

雇用形態は様々ですが、アルバイトで平均時給1,100円程度が相場となっています。

メリット

事務職は体力的な負担が軽いため、保育士の仕事が体力的に厳しいと感じていた人におすすめできます。

基本的なPCスキルがあればこなせる仕事なので、保育士経験を通じてPCスキルを習得しておくと転職しやすいでしょう。

基本的に勤務時間内で仕事は完結し、持ち帰りの仕事はないため仕事と生活を両立しやすいメリットがあります。

デメリット

事務職はルーチンワークが多く、頑張りが数字として表れにくい点がデメリットです。

会社からの評価を得づらく、保育士の仕事に慣れている人にとっては物足りなさを感じる可能性もあります。

営業職

営業職には、

  • 法人営業
  • 個人営業
  • ルート営業
  • 新規開拓営業
  • カウンターセールス

など、様々な仕事があります。

資格がなくても働けるため、保育士から未経験でも転職しやすいでしょう。

自社製品やサービスを売り込む必要があるため、コミュニケーションスキルが高い人に向いています。

メリット

営業職の中にはインセンティブ制度を設けているところもあるため、営業成績が良ければ大きく稼げるチャンスがあります。

また、特別な資格が不要でコミュニケーションスキルがあれば活躍しやすいため、未経験でも転職しやすいです。

デメリット

会社によっては、営業成績にシビアで、成績が芳しくないと居心地が悪くなってしまう可能性があります。

また、コミュニケーションが苦手な人には向かず、場合によっては残業が常態化するケースもあり得ます。

体力やストレス耐性が求められる点は、事前に押さえておきましょう。

介護職

介護職は高齢者の生活支援を行っており、「人の生活の世話をする」という点では保育士と共通しています。

高齢化が進んでいる日本ではますます重要性が高まる仕事で、非常に社会貢献性が高い特徴があります。

保育と同じく「福祉」に関する仕事なので、保育士経験を活かしやすい点も特徴です。

メリット

介護職は今後ますます需要が高まることが予想できるため、長期的に安心して働ける点がメリットです。

また、人手不足で売り手市場の状況にあるため、比較的自身が望んでいる条件で就職しやすいでしょう。

雇用形態も豊富にあるため、生活スタイルや家庭事情に合わせて就職しやすい点も大きなメリットです。

デメリット

介護施設の中には、慢性的な人手不足に陥っているところもあります。

常に需要がある業界とはいえ、一人あたりの業務量が過重になりやすく、心身が消耗しやすい点には注意が必要です。

また、施設によっては夜勤があるため、規則正しい生活を送れない可能性がある点はデメリットです。

IT職

近年はIT人材の需要が高まっているため、PC作業が苦にならない場合はIT職への転職もおすすめです。

IT職には未経験者向けの求人も多くあるため、興味がある方は応募してみる価値があります。

ITについて学ぶ意欲があれば、働きながら効率よくスキルを磨き高度な知識を習得できます。

メリット

IT人材は不足していることから、未経験でも就職しやすい点がメリットです。

また、高度なスキルを習得すれば市場価値が高まり、好待遇で働けるチャンスもあります。

独立してフリーランスになることも可能なので、柔軟な働き方を実現できる点はIT職のメリットといえるでしょう。

デメリット

ベンチャーのIT企業では、十分な研修体制が整っていないケースがあります。

自発的に学ぶ意欲がないと、知識もスキルも習得できずに挫折してしまう可能性がある点には注意しましょう。

ITには専門用語が多く、新しい技術が次々と生まれているので、常に勉強する必要がある点はデメリットといえるでしょう。

アパレル職

アパレル職は、ファッションに関する接客を行います。

接客販売や品出し、店舗運営などを任されるため、接客スキルや事務スキルをトータルで伸ばすことができるでしょう。

アパレル職は必要な資格がないため、コミュニケーションが得意な方であれば転職しやすい特徴があります。

メリット

特別な資格やスキルが不要で、未経験でも転職しやすい点がメリットです。

また、来店した人との接客がメインになるため、自ら営業をかけることはほとんどありません。

ファッションに興味がある方であれば楽しみながら働ける点も、アパレル職のメリットです。

デメリット

アパレル職は接客がメインになるため、多くの来店者が見込める土日祝日が忙しくなります。

土日に休むことが難しくなるため、土日休みを希望している方とは合わない可能性が高いです。

また、人手不足の店舗では一人に多くの業務が割り当てられてしまい、負担が重くなりがちな点はデメリットと言えます。

製造業

製造業は、モノづくりに関する仕事を行います。

保育士は、レクリエーションの準備などで図画工作を行うことが多く、製造業に向いている人が多いです。

製造業の代表的な仕事は、物品の組み立て・加工・縫製で、一人作業も多いことからコツコツ一人で仕事をするのが得意な方に向いています。

メリット

製造業は、モノづくりが好きな方や一人で黙々と作業をしたい方にとって、非常に働きやすい職種です。

また、多くの製造業の工場では様々な雇用形態で求人を出していることから、生活スタイルに合わせて働きやすいメリットがあります。

デメリット

製造業の工場などは駅から離れているところにあるケースが多く、通勤が困難であるケースが多いです。

また、コミュニケーションをほとんどとらずに一人で黙々と作業する日が続くと、退屈感を感じてしまう可能性もあります。

運輸業

運輸業の職種は人手不足の状況にあるため、未経験でも採用されやすいです。

物流倉庫やドライバーなどが代表的な職種で、子どもとの遊びを通じて培った体力を活かすことができます。

保育園とは全く異なる就労環境にはなりますが、新しい環境でチャレンジしてみたいと考えている方におすすめです。

メリット

運輸業は慢性的な人手不足の状況にあるため、未経験でも採用されやすいメリットがあります。

特に、ドライバーの人手不足は深刻で、大型免許などを保有していれば即戦力として好待遇での転職を勝ち取ることができます。

デメリット

運輸業は人手不足で体力を要する仕事であるため、心身を消耗しやすいデメリットがあります。

また、圧倒的に男性が多い業界なので、女性が転職を目指す際には環境に溶けこみづらい点もデメリットです。

保育士から異業種に転職するメリットは?

保育士から異業種に転職することで、様々なメリットが期待できます。

収入面やキャリア面における、具体的なメリットを解説していきます。

収入アップが期待できる

 保育士の年収推移

保育士の平均年収は全職種の平均を下回っていることから、保育士から異業種へ転職することで収入アップが期待できます。

令和3年度の厚生労働省の調査によると、保育士の平均年収は約382万円でした。

しかし、国税庁が調査した令和2年度時点の民間平均給与は約433万円という結果だったため、保育士の平均年収と民間平均給与には約50万円程度の差があります。

異業種へ転職することで、収入アップが期待できることがデータ上からも見て取れます。

シフト勤務を避けやすくなる

保育士は早番や遅番があることから、一般的に勤務時間が不規則になりがちです。

また、クラス担任を持つとなかなか休みにくくなってしまい、プライベートの時間を確保できなくなることもあります。

シフト勤務の弊害として「プライベートの時間が取れない」点があげられるため、シフト勤務ではない職種に転職することで、仕事と生活を両立しやすくなるでしょう。

精神的、身体的なストレスが緩和される

保育士は、子どもを預かり日々の生活のサポートをする仕事を行うため、責任重大な職業と言えます。

子どもの遊び相手や生活の世話を行う体力が求められるのはもちろん、保護者対応でも気を遣うため心身を消耗してしまいがちです。

保育士から異業種へ転職することで、精神的、身体的なストレスが緩和できる可能性があります。

精神的、身体的なストレスに悩んでいる方は、環境を変えるためにも異業種への転職を検討する意義が大きいでしょう。

保育士と違う仕事に転職するデメリットは?

保育士と違う仕事に転職すると、メリットが期待できる一方でデメリットも考えられます。

以下で、保育士と違う仕事に転職するデメリットについて解説していきます。

待遇面が改善されない

異業種に転職したとしても、待遇面が改善されるとは限りません。

場合によっては、家賃の補助額が減るなどの影響で実質的に賃金が下がることも有り得るでしょう。

また、未経験だと新卒者と同じ給与水準や、賃金が低いトライアル期間を設けられる可能性もあります。

しっかりと条件については確認しておき、ミスマッチが起こらないように気を付けることが大切です。

現在の悩みが解消されないことも

異業種へ転職しても、現在の悩みが解消できない可能性があります。

例えば、仕事での人間関係はどの職場でもつきまとう問題なので、転職したからと言って解消できるとは限りません。

また、新たな仕事に慣れるまでには気苦労を感じることもあるため、環境の変化に対するストレスを感じる点も覚悟する必要があります。

保育士の仕事で感じているやりがいを失う

保育士の仕事を離れると、当然ですが保育士の仕事で感じていたやりがいを失うことになります。

保育士の仕事は大変ではありますが、社会的に重要な役割を果たしているうえに多くの保護者から感謝される特徴があります。

また、子ども達の成長を身近に感じられる点は保育士ならではの魅力なので、保育士の仕事にやりがいを感じている場合、安易に異業種へ転職するべきではありません。

【年代別】保育士から異業種転職する際の注意点

保育士から異業種転職する際に、年代別に注意するべきポイントがあります。

以下で、年代別に注意点を詳しく解説していきます。

20代

20代はまだ若いため、これまでの職務経験よりもポテンシャルで採用してくれる可能性が高いです。

異業種へ転職できるチャンスは十分にあるため、強い転職希望を持っている場合は前向きに転職を検討するといいでしょう。

しかし、短期間でキャリアチェンジを繰り返すと「長続きしない人」というレッテルを張られてしまうため、求人選びは慎重に行うことが大切です。

30代

30代も転職市場においてはまだまだ有利な年代で、20代と同様に転職のチャンスは多くあります。

20代とは異なり一定の経験がある強みがあるため、保育士の職場で部下を指導した経験やコミュニケーションスキルなどを持っている点をアピールしましょう。

30代になると新卒同様に扱ってもらえないため、「自分には何ができるか」を分析することが大切です。

40代

40代になると、異業種にチャレンジすることが難しくなってきます。

保育士経験が活かしやすい職種や、子どもと接する機会が多い職種であれば即戦力として評価してもらえる可能性があります。

また、40代は社会人経験が豊富な強みがあるため、対人スキルの高さが大きなアピール材料になります。

  • 児童発達支援
  • 託児所
  • ベビーシッター
  • 幼児教室
  • 学童保育
  • 介護職

など、保育士経験を活かしやすく、コミュニケーション能力が重視されている職場であれば重宝されるでしょう。

50代

50代は他の年代よりも異業種への転職が難しくなりますが、保育士経歴を活かした職種や介護職などであれば転職できる可能性が高いです。

50代は「これまでの経歴」が重視されるため、未経験の職種よりも経験を活かしやすい職種への転職を検討しましょう。

保育士の転職までの流れ

続いて、実際に保育士が転職を目指す際の流れについて解説していきます。

計画的に転職活動を進めることでミスマッチが起こりづらくなるため、できるだけ日程にゆとりを持つことが大切です。

保育士が転職活動を始める時期は?

保育士が転職を目指す際には、年度末や卒園で区切りの良い3月に退職するケースが多いです。

3月に退職し、4月に転職できるようにスケジュールを立てて転職活動を行いましょう。

この場合、面接などの転職活動は10月頃から本格的に行われます。

8~9月頃から求人の選定や応募書類の作成などを行い、選考に備えましょう。

転職活動のスケジュールを決める

具体的な転職活動のスケジュールを決めておくと、スムーズに転職活動を進めることができます。

自分の行うべきことをタイムリーに把握できれば、応募書類の作成や面接対策に専念できるようになります。

転職先に求めることを決める

転職先に求めていることを整理し、優先順位をつけておきましょう。

  • 年収
  • 年間休日
  • 福利厚生
  • 職場の雰囲気

など、自分が大切にしたい項目をリストアップし、優先順位をつけておけばミスマッチが起こりづらくなります。

現在の職場に抱えている不満から、職場に求めていることを整理することもおすすめです。

転職先を探す

転職先に希望することが整理できたら、いよいよ転職先を具体的に探すことになります。

転職先探しは、自分自身で行っても問題ありませんが、効率よく情報収集するためにも転職サイトやエージェントの活用がおすすめです。

希望条件に合わせて求人を紹介してくれるため、働きながらでも効率よく自分にマッチする可能性のある求人情報を知ることができます。

求人に応募する

気になる転職先が見つかったら、実際に応募します。

選考フローは各職場によって異なりますが、書類選考を経て面接を行うケースが多いです。

実際に応募する前に、待遇などの条件をしっかりと確認しておきましょう。

履歴書や職務経歴書の作成

履歴書や職務経歴書を作成して送ることが多いため、早い段階で用意して負いましょう。

いずれも「自分の第一印象」となるため、丁寧に作成することが大切です。

なお、履歴書や職務経歴書は手書きでもPCで作成しても構いません。

面接を受ける

履歴書や職務経歴書などの書類選考に通ったら、面接を受けます。

面接は1回で終わるケースもあれば複数回行われるケースもあります。

転職したい熱意や説得力のある志望動機を伝えて、好印象を与えることを意識しましょう。

採用選考の面接は緊張しますが、雑談する気持ちでリラックスして臨みましょう。

内定をもらう

書類選考と面接に通過したら、内定をもらいます。

「〇〇までに返事を下さい」と言われるケースが多いため、転職するべきか慎重に判断しましょう。

内定を受諾すると決めたら、できるだけ早く伝えるようにしましょう。

退職する

無事に転職先が決まったら、現在勤務している保育園を退職することになります。

退職の理由を尋ねられたら、前向きな表現で伝えれば余計な波風を起こさずに済みます。

引継ぎや保護者へのあいさつなどを行い、気分良く送り出してもらえるようにしましょう。

【保育士からの転職】職務経歴書の書き方

転職活動を進めるにあたって、職務経歴書の作成は避けて通れません。

以下で、職務経歴書の書き方について解説していきます。

職務要約とこれまでの職歴を記載する

職務経歴書とは、これまでの職歴と得られた経験やスキルを記載するものです。

これまでの職歴に関する記述から志望動機や自己PRにつなげると、きれいな流れの職務経歴書ができあがります。

保育士としての具体的な業務や得られた経験などをアピールすれば、より採用担当者に自分の良さや強みが伝わります。

また、職歴以外にも任されていた役職や業務内容、保有資格なども忘れずに記載しましょう。

業務内容はできる限り詳細に記載する

職務経歴書は「これまでの経験を通じて、自分は何ができるのか」をアピールする書類です。

過去に勤務した保育園の情報と、自分が担当した業務の内容をできるだけ詳細に書くことを意識しましょう。

また、読み手がわかりやすいように保育に関する専門的な用語は使わず、簡潔な言葉でまとめることも大切です。

担当していた園児の年齢や担当業務の内容を記載しつつ、「どのような経験をした」「どのような知識・スキルを習得できたか」を記載しましょう。

異業種でも活かせる自分の長所を整理する

職務経歴書を書く過程で、異業種でも活かせる自分の長所を整理してみましょう。

保育士としての経験や培ったスキルの中には異業種の中でも活かせるものが多くあるため、アピールしないともったいないです。

  • 保護者や同僚とのコミュニケーション
  • 部下や後輩への指導経験
  • 効率よく仕事を進めるための工夫

など、どのような業界でも使えそうな強みを自己PRに交えると良いでしょう。

保育士の退職理由の伝え方

保育士から転職する際には、現職の退職理由を伝える場面があります。

退職理由の伝え方を間違えると悪印象になるため、気をつけましょう。

退職理由を確認

まずは、自分の中で退職したい理由を整理することが重要です。

現在の職場に対して抱いている不満を書き出し、自分の中でまとめてみましょう。

退職理由を自分の中で整理しておかないと、転職先でも同じようなストレスを感じてしまう可能性があります。

また、面接で退職理由を尋ねられた際に説得力のある回答ができないため、退職理由を正直な気持ちで整理することが大切です。

就業規則の確認

就業規則には「退職する際には○日前までに退職届を提出する」ことが定められているケースが多いです。

明確なルールが無かったとしても、一般的なマナーとして遅くとも3ヶ月前までには退職する意向を上司に伝える必要があります。

学年の更新やクラスの入れ替えなどが起こる年度末に退職すれば、他の時期よりもスムーズに引き継ぎができます。

また、園に残る保育士への負担を軽減できるため、迷惑を掛けずに退職できるでしょう。

伝える方法、伝える人に注意

退職の意向を伝える順番は、

  • 直属の上司である主任
  • 同じクラスを担当している同僚
  • 園長

とするのがおすすめです。

園長には、主任や同僚へ報告した後に直接伝えましょう。

なお、退職の意向を伝える際には、直接時間をとってもらい話をすることが大切です。

退職理由の伝え方

現在の職場で自分が退職する情報が広まると、退職理由について聞かれることもあるでしょう。

退職理由について聞かれたら、職場のネガティブな面について話さずに「キャリアアップのため」「今のスキルを活かして他のことにチャレンジしたい」など前向きな理由を伝えましょう。

保育士は人手不足なので引き留められる可能性が高いですが、次の転職先が決まってる旨を伝えれば、上司としても引き止めづらくなります。

引き止められたら

もし強い引き留めにあったら、今までの感謝と現在の職場に留まる意思がないことを強調して伝えましょう。

退職することは労働者の権利である以上、退職を認めないことは違法です。

労働者は法的に保護されていることを念頭に置き、「退職する」という強い意志を持っていることを強調しましょう。

引き継ぎを忘れずに

引き継ぎの資料は書面で残し、残った保育士が困らないように配慮しましょう。

子ども達や保護者の特徴などを詳しく書いておくと、退職後に他の保育士の負担を軽くできます。

しっかりと引き継ぎを行うことも大切な仕事なので、おざなりにすることなく丁寧に済ませることが大切です。

保育士を辞めたいと思ったら考えるべきポイント

保育士からの転職を検討していても、いざ転職に踏み切れないこともあるでしょう。

以下で、保育士を辞めたいと思ったら考えるべきポイントについて解説していきます。

保育士の処遇改善は進んでいる

厚生労働省の資料によると、保育士の年収は上記のグラフのように右肩上がりで上昇しています。

平成29年には新制度の「技術・経験に応じた処遇改善」が追加させるなど、政府が保育士の処遇改善を進めています。

処遇改善加算Ⅰ・Ⅱをはじめ、勤続年数や役職に就くことで新たに月額の給与が加算される仕組みや保育士のキャリアアップを後押しする仕組みが導入されており、今後も保育士の給料アップは続く公算が高いです。

待遇の悪さに悩んでいる方串の方は、今後の処遇改善に希望を持ってキャリアを継続することも検討しましょう。

長所を活かせる私立保育園も

保育園には公立保育園と私立保育園がありますが、私立保育園の中には保育士の強みを活かせる職場があります。

小学校受験に対応している保育園や、英語・リトミック・プールなど特別教育が充実している保育園など、様々な私立保育園があります。

自分の得意を活かしながら子どもと接することができれば、よりやりがいをもって保育士の仕事と向き合えるでしょう。

もし保育士としてのキャリアを継続したい場合は、自身の強みを活かせる私立保育園を探すのも一つの手段です。

今の職場が合わないだけかも

「現在の仕事が嫌」と感じていても、保育士の職業が嫌なのではなく今の職場が合っていない可能性があります。

保育士の仕事が嫌なのか、今の職場が嫌なのかを自分の中で整理してみましょう。

保育園を変えてみれば保育士として心地よく働き続けることができる可能性もあるため、しっかりと転職を検討するに至った理由を検討することが大切です。

保育士としての転職なら「レバウェル保育士」

保育士からの転職活動におけるアドバイス

続いて、実際に保育士が異業種へ転職する際のアドバイスを紹介します。

自分にマッチした転職を実現するためにも、参考にしてみてください。

転職を繰り返すのは避ける

短期間で転職を繰り返していると、採用担当者に悪い印象を与えてしまいます。

一つの勤め先で長続きできないことで、

  • ストレス耐性が低すぎる
  • 環境適応能力が著しく低い
  • 人間性に問題があるかも

など、ネガティブな評価をされる可能性があるためです。

短期間で転職を繰り返すとキャリアにも傷がついてしまうため、できるかぎり避けるようにしましょう。

志望動機・自己PRの書き方に気を付ける

志望動機では「なぜ、この園を志望したのか」を伝えることになります。

志望動機を聞かれて、前の職場のネガティブを伝えても好印象を与えることができません。

好印象を与えるためにも、園を志望した理由をポジティブに言い換えることが大切です。

例えば、職場の人間関係が悪いことが原因で退職を決めた場合は「円滑にコミュニケーションが取れる職場で、互いの意見を尊重しながら成長していきたい」と伝える方法があります。

また、自己PRでは保育士ならではのスキルやこれまでの経験をもとに、自分の長所を伝えると効果的です。

  • 年齢に関係なく円滑にコミュニケーションが取れる
  • 親身に話すことが得意
  • 子どもの相手をしていたので体力には自信がある

など、他の求職者との差別化のために有効なアピール材料を探してみてください。

面接で気を付けるべきこと

面接は、実際のコミュニケーションを通じて人柄を知ってもらう貴重な場です。

面接に苦手意識を持つ人は多くいますが、逆に言えばしっかりと面接対策を行い、効果的なアピールができれば他の候補者と差が付きます。

緊張していると上手く話せなくなるという方は、雑談をしている感覚で話してみてください。

自分の言葉で自然に話すことで、円滑にコミュニケーションが取れて会話を楽しむことができます。

特に、相手の質問の本質を理解して的確に返答することで、保育士として培ったコミュニケーションスキルをアピールできます。

面接の苦手意識が払拭できない場合は、転職エージェントに頼りながら何度も練習することをおすすめします。

転職エージェントを活用する

保育士としての、日々の業務を行いながら転職活動をするのは簡単ではありません。

時間がない中で効率よく転職活動をするためにも、転職支援のプロである転職エージェントの活用がおすすめです。

希望条件などを伝えておけば、アドバイザーが希望にあった条件の求人を探してくれるため、自分で求人を調べる手間を省くことができます。

また、過去のデータなどに基づいて転職先の細かい情報や事情などについても教えてくれるため、ミスマッチも起こりづらいです。

無料で利用できる上に、応募書類の添削や面接対策なども行ってくれるため、活用しない手がありません。

保育士の異業種転職に関するFAQ

最後に、保育士の異業種転職に関するFAQを紹介していきます。

異業種転職をする際には不安が伴いますが、少しでも不安を軽減するためにも、参考にしてみてください。

男性保育士は異業種転職できる?

男性保育士の場合、異業種転職をするタイミングは30歳前後がベストと言われています。

一般的に、性別関係なく業界未経験で新しい業種へ転職する場合、若い方が有利です。

30歳前後は「未経験でも採用されるラストチャンス」と捉えておきましょう。

もし保育士から転職を考えている場合は、早めに検討する必要があります。

異業種への転職後、保育士に戻るのは可能?

異業種へ転職した後も、保育士に戻ることは可能です。

特に、円満退社できれば転職後に「やっぱり保育士に戻りたい」となっても、スムーズに以前の園に戻ることが可能です。

以前の園でなくても、保育士として働きたい場合は他の保育施設に勤務することも視野に入れると良いでしょう。

保育士は人手不足の状況にあるため、「出戻り」でも迎えられる可能性が高いです。

保育士から異業種へ転職する方まとめ

保育士が異業種へ転職することは十分に可能です。

保育士経験で培った知識やスキルは多くの業界で活かせるため、キャリアチェンジを検討している方でも安心です。

また、保育に関連した職業も多くあるため、自身がイメージしているキャリア展望などに応じて最適な仕事を探していきましょう。

こちらの記事を参考にしながら、保育士としてキャリを積むか、思い切ってキャリアチェンジするか判断してください。