保育士の職務経歴書の書き方は?フォーマットの例やポイントを徹底解説
更新
保育士として実績を活かし次のキャリアアップの機会を掴むには、説得力のある職務経歴書の作成が必要になります。
しかし、どのように自分の強みを効果的に伝えればよいか、悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、保育士の方々が自信を持って職務経歴書を書けるように項目ごとにわかりやすく解説します。
また、フォーマット例や書き方のコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも保育士の職務経歴書ってなに?
職務経歴書は、自分の経験やスキルを採用担当者に伝えるための書類です。
保育士など人と接する仕事では職務経歴書の提出が一般的になってきており、自己アピールの機会としても活用されています。
以下で職務経歴書の意義と作成のポイントを詳しく説明していきます。
職務経歴書はあったほうがいい
保育園の採用に際して、職務経歴書はあったほうがいいと言い切ることができます。
近年、多くの保育園で職務経歴書の提出が求められており、履歴書に加えて職務経歴書を用意することで、自分が保育園でどのような貢献ができるかを伝えられます。
さらに郵送応募の際は、あいさつ状である「送付状」を同封しましょう。
手書き、PCどちらでも可
手書きにするかPC入力するか、どちらにしようか迷われる方もいることでしょう。
手書きの職務経歴書のメリットは、字の美しさで丁寧さをアピールできることです。テンプレートはコンビニや文具店、オンラインで入手できますが、間違えた場合は修正ペンではなく新しい用紙に書き直す必要があります。
一方、PCで作成するメリットはPCスキルの高さをアピールできることです。PCでも様々なテンプレートが用意されており簡単に入力できます。さらにWebサービスやアプリを使えばスマホの作成も可能です。
A4サイズで2~3枚がベスト
一般的には、A4サイズの用紙に2~3ページで記載することが推奨されています。
A4サイズは汎用性が高く取り扱いやすい大きさであり、ビジネスシーンで広く活用されているためです。
2~3ページが適切な理由は、1ページでは経歴や能力を十分に伝えきれない可能性があるからです。
逆に4ページ以上だと、情報が過多になり読み手に負担がかかるおそれがあります。
職歴の書き方は2種類ある
履歴書での職歴記述には、大きく「編年体形式」と「キャリア形式」の2つのスタイルがあります。
編年体形式
この形式では、古い職歴から最新のものへと時系列で経歴を記載していきます。
各職歴には在籍期間、会社名、役職、業務内容、成果などを詳細に記しましょう。同業界や同職種に長期間勤めてきた場合には、この形式が適しています。
一方で、最新の職歴から過去へと記載する「逆編年体形式」もあります。自身の経歴や重視する情報に応じて、適切な形式を選ぶことが大切です。
キャリア形式
キャリア形式は、アピールしたい経歴を先頭にするなど自分の強みや成果を見せやすくなっています。
特に、職歴が多岐にわたる人や転職経験がたくさんある人にとって効果的です。
複数の業界や職種での経験を一つひとつ分かりやすく整理し、それぞれの職場での成果を具体的に強調することができます。
【見本付き】職務経歴書の書き方
ここからは実際の見本も踏まえた上で、職務経歴書の書き方について解説します。
①日付・住所・名前・電話番号などの基本情報
履歴書と職務経歴書の作成にあたっては、日付や住所、氏名、連絡先などの基本情報を正確に記載する必要があります。
- 日付は和暦か西暦かを統一し、投函日や提出日をそのまま記入します。
- 住所は建物名や部屋番号まで省略せずに詳しく書きましょう。
- 氏名は、姓名の間にスペースを入れることで読みやすくします。
- 連絡先は、採用担当者から確実に連絡が取れる電話番号や携帯番号を記載し、指示があればメールアドレスも追加するとよいでしょう。
②職務要約
職務要約では、200~250文字程度にコンパクトにまとめることが肝心です。簡潔な文章で構成することで、視覚的にもすっきりとした印象になります。
さらに、次の「職務経歴」への導入としての役割を持たせ文章の流れを自然にすれば、読み手にも理解してもらいやすくなります。
③職務経歴
まず、勤務期間を日付で明確に示しましょう。
次に、勤務先の正式名称を略さずに記入します。
その後、勤務先での事業内容を簡潔に箇条書きで示し、雇用形態(正社員、契約社員、パート等)と担当していた具体的な役職(例:○歳児クラスの担任で○名の園児を担当)も記載します。
最後に、実際の業務内容を要約して箇条書きで簡潔に記します。
④取得資格・免許など
この欄では、現在保有している資格や免許を正確に記載するだけでなく、今後取得を予定している資格についても具体的に明記しましょう。
また、資格名は法改正などで変更される可能性があるため、最新の名称を調べて記入することが大切です。
資格記載の例
取得年月 | 資格・免許 |
---|---|
20xx年xx月 | 幼稚園教諭二種免許 取得 |
20xx年xx月 | ベビーシッター検定試験 合格 |
20xx年xx月 | 日本語能力試験N2 合格 |
20xx年xx月 | 普通自動車第二種運転免許 取得 |
免許記載の例
項目 | 内容 |
---|---|
バイオリン | 5歳から大学まで習っていました |
中国語 | 2年間の留学経験があり、ビジネス会話レベルの中国語が可能です |
PCスキル | Adobe Photoshop・Illustratorを利用したデザイン作成が可能です |
⑤得意分野とスキル
「得意分野とスキル」という項目では、得意分野とスキルを自由に表現しましょう。
たとえば音楽や芸術、料理など、保育士として活かせる可能性のある特技があればそれらを強くアピールできます。
また、自身の業績などについて記し、自分ならではのスキルがどのように活用できるかを具体化してみましょう。
⑥自己PR
自己PRは採用担当者が一番重視する部分です。
自分の長所や経験を簡潔にまとめ、それらをどのように活かせるかを示すことが重要です。適切な長さは300~400字程度で、アピールポイントを存分に伝えましょう。
困った際は、後述の【自己PRの書き方を例文付きで紹介】を参考にしてみてください。
自己PRの書き方を例文付きで紹介
自己PRは、面接で自分の強みを伝える機会となりますが、うまく表現できずに苦労する人も多いことでしょう。
自分の長所や経験を効果的にアピールするために、具体例を交えながら自分の強みとその活かし方を分かりやすく説明することが大切です。
そもそも自己PRとは何?
自己PRとは、自身の強みを具体的に示し、応募先企業に対して興味の理由を伝えるためのものです。
一般的に300から400字程度で内容をまとめて伝えるのがよいとされています。
自己PRを書く時に抑えておくべきポイント
自己PRを効果的に行うには、自身の経験や性格、特技といった要素を的確に記すことが重要です。
また、ポジティブな言葉遣いを心掛けることも大切です。ネガティブな表現は避け、前向きな言葉を選びながら素直な自分を伝えましょう。
例えば、「大雑把」は「おおらか」、「仕事が遅い」は「丁寧」、「飽きっぽい」は「好奇心が旺盛」といった具合に前向きな言葉に言い換えるだけで、印象が大きく変わります。
種類別の自己PR例文
ピアノの特技を活かす場合
「幼少期からピアノを学んできた私は、3歳児クラスの保育士としてピアノを日々活用しています。ピアノを使って音楽を一緒に楽しむ時間は、子どもたちの感性を磨く貴重な機会となっており、保護者の皆様からも高い評価をいただいています。
貴園では、楽器を通じて子どもたちの感性育成に注力されていると伺っており、まさにこの方針に私は共感しております。私の特技であるピアノを活用し、子どもたち一人ひとりの感性や創造力を最大限に引き出すよう努めてまいります。精一杯尽くし、個性や能力を最大限に伸ばす保育を心がけていく所存です。」
保育士経験を活かす場合
「以前、私は大規模な保育園で働いていました。しかし、多くの保育士がいたため意見の相違や協力関係の構築が難しい面もありました。
そこで、リーダーとして全体の意見をまとめ、保育士間のコミュニケーションを図りながら問題解決に取り組みました。この経験から、保育の質向上には保育士間の協力と良好な関係性が重要だと学びました。
そこで今回、少人数の保育士と共に子ども一人ひとりにきめ細かく対応できる小規模保育園で働くことを選びました。これまでの経験と知識を活かし、職員の皆さんと緊密に連携しながら、一人ひとりの子どもに合わせた十分な保育を提供していきたいと考えています。」
ブランクを活かした場合
「育児に専念するためにいったん保育士を離れましたが、保護者の視点から保育の大切さを実感しました。かつては子どもの育成に重きを置いていましたが、保護者に寄り添い、安心して子育てできる環境づくりも保育士の重要な役割だと気づきました。
保育士と保護者としての経験を生かし、保護者の立場に立った温かい保育を心がけたいと思います。ブランク明けの新たな視点を活かして皆様のお役に立てることを楽しみにしております。」
【独自調査】実際保育士は何を自己PRしたの?
ここでは、スキルアップ研究所が行った独自調査をもとに、実際に保育士が自己PRとして挙げた要素を紹介していきます。
最も強調されるのは「子どもとのコミュニケーション能力」
保育士の良い点として、対人なのでやりがいを身近に感じられます。子どもの成長を感じるだけでなく、保護者の方から直接感謝を言われたり一緒に悩みを解決したり『役に立ちました』と言ってもらえることが多いので、やりがいをすごく感じます。
独自調査より
少ない時間の中でいかに様々な仕事をこなしていくかも大事なので効率的に動く力も身につきます。職場の人との人間関係、子どもとのやりとり、保護者対応や面談からコミュニケーション能力も向上します。
独自調査より
回答のうち26.5%が「子どもとのコミュニケーション能力」を自己PRの内容として挙げています。
子どもは大人と違い自分の感情や考えを適切に表現することが難しい場面が多く、保育士には子どもの気持ちをくみ取り、安心感を与えるコミュニケーション能力が不可欠です。
例えば、子どもが不安や興奮を感じているときに適切に対応することで、安心して過ごせる環境を作ることができるため、現場での信頼関係構築においても重要視されています。
「柔軟な対応力」や「責任感、誠実さ」も重要視
保育経験、保護者対応、連絡帳記入スキルなどは今も役立っています。
独自調査より
保護者とのやり取りで価値観や気持ちのすれ違いがある中でいかに柔軟な対応をとれるか、言葉遣いや言葉選び、マナーなども非常に難しいです。
独自調査より
「柔軟な対応力」や「責任感、誠実さ」も多くの回答で挙げられています。
保育の現場では急な天候の変化や子どもの体調不良、保護者からの要望などの予測できない事態が日常的に起こります。
また、保育士は子どもの命を預かる立場であり、誠実に責任を持って行動することが求められます。
子どもだけでなく保護者からの信頼を得るためにも、保育士としての責任感と誠実な姿勢は欠かせません。
チームワークや協調性、体力や忍耐力も一定の需要
仕事はキツイですが、きちんと毎月お給料をいただけますし、自分の子どもの行事の日に有給がとれることです
独自調査より
チームワーク・協調性、および体力・忍耐力は、それぞれ10.2%と同じ割合で回答されています。
保育士の仕事は、一人で完結するものではなく他の職員と協力しながら子どもたちの世話や教育を行うため、周囲と円滑に連携できる協調性が欠かせません。
また、保育士の仕事は肉体的にも精神的にも負担が大きく、体力と忍耐力も重要なスキルとして挙げられています。
例えば、長時間にわたる外遊びや活動、子どもの突発的な行動に対する迅速な対応が求められるため、体力がないと十分なケアが行き届かない可能性があります。
職務経歴書作成のコツ4選
本章では、印象的な経歴書を作成するためのポイントを4つご紹介します。
これまでの経験やスキルを具体的に記載しているか
職務経歴書は、自分のこれまでの経験やスキルを採用担当者に効果的にアピールするためのツールです。
具体的な事例を交えて過去の実績や能力、人柄を明確に示すことで、あなたの強みが伝わりやすくなります。
そのためには、自分の経歴を振り返り、成果や実績を具体的に記載することが大切です。
こうすることで、採用担当者に「将来性のある人材」として認識され、他の候補者との差別化が図れるでしょう。
面接での説明を想定して内容を記入しているか
履歴書や職務経歴書を作成する際は、あらかじめ面接の質疑を想定してその内容を盛り込むことが大切です。
さらに、想定問答を事前に準備しておけば、面接での緊張も和らぎ自分の力を存分に発揮できるでしょう。
職務経歴書は面接を見据えた上で作成することをおすすめします。
箇条書きを活用しているか
さらに、読みやすさもポイントです。採用担当者にとって分かりやすい職務経歴書にするために、箇条書きや簡潔な文章を活用しましょう。
長文や複雑な表現は避け、一文を短くまとめたり、具体的な表現を用いたりすることで視覚的にも読みやすい構成を心がけてください。
応募先の求める人物像に合致しているか
さらに、応募先の求める人材像に自分が合致しているかを確認しましょう。
たとえ優れた実績や能力があっても、企業のニーズと一致しなければ採用につながらないこともあります。
求人情報や企業のウェブサイトを通じて、応募先が求める人物像を事前に把握し、それに沿って自己PRや経験をアピールすることが重要です。
企業のニーズに合わせた職務経歴書を作成し、自分の強みを最大限に伝えましょう。
採用担当者が注目しているポイント
職務経歴書の評価の視点は、応募者の前職が保育士かどうかで変わってきます。
では、実際にどのようなポイントが採用担当者に評価されるのでしょうか。以下で、具体的なパターンに沿って見ていきましょう。
前職が保育士の場合
保育士としての経験は、ビジネスシーンでも活かせる多くの能力を培っており、特に子どもたちへの思いやりや柔軟な対応力、時間管理能力、緊急時の冷静さなどは、企業にとっても貴重なスキルです。
そのため、採用担当者は、こうした経験が新しい職場でも有効に活用されるかどうかを見極めるでしょう。
どのような園で働いていたか
保育園は園によって特色や教育方針が異なるため、あなたの保育士としての経験が新しい職場でどのように活かせるかを伝えることが大切です。
前職の園の特徴(規模、教育方針、カリキュラムなど)や、特に注力していた業務内容、実施していた活動などを具体的に記載することで、採用担当者にあなたの実績や考え方が伝わりやすくなります。
必要であれば、所属していた園の公式サイトや資料を確認し、自身の経験が企業にどのように貢献できるか整理しておきましょう。
どれくらい働いていたか
前職の勤務期間も採用において注目されるポイントです。
長期にわたって勤続してきた場合はその経験を強調し、安定して貢献できる点をアピールしましょう。
短期間で退職している場合は、その理由について誠実に説明することが重要です。
職場環境の変化やキャリアアップのための退職であったことを伝え、責任感があり長期的に働ける人材であることを示すと良いでしょう。
どのような業務を行ってきたか
採用担当者は、前職での業務内容やそこで培ったスキル・成果にも関心を持っています。
保育士としての業務で得た子どもに関する知識や、保護者対応を通じたコミュニケーション力、チームでの連携スキルなど、業務から得た具体的なスキルや成果をアピールしましょう。
たとえば、日常業務に加えてイベント企画や園内研修を担当した経験があれば、その内容を伝えることで、即戦力としての印象を高められます。
どのようなスキルをもっているのか
保育士時代に培ったスキルが企業のニーズと一致するかも大切なポイントです。
たとえば、緊急時に冷静な判断を下す力、時間管理能力、周囲と協力しながら物事を進める力など、企業が求める人物像に合致するスキルを持っていることを強調しましょう。
また、創造性や柔軟性といった保育士ならではの強みも、職場のニーズに応じて有効であることを示すと良いです。
異業種からの転職の場合
異業種からの転職は、前職で培ったコミュニケーション力や課題解決能力、リーダーシップなどのスキルも高く評価されます。
転職希望者は、自身の強みや経験を活かせる点、未経験の課題をどう克服するかを具体的に示しましょう。
どうして保育士になろうと思ったのか
保育士を目指す動機は、転職の際に最も重視される部分です。
単に「子どもが好き」という理由ではなく、自分自身の経験や背景に基づいた具体的なエピソードを交えて伝えると、採用担当者に強い印象を残せます。
たとえば、家族や地域での子どもとの関わりから得た気づきや、自分の人生観に基づく子どもたちの支援への意欲などを交えると説得力が増します。
保育士の経験はあるか
保育経験者は、一時期離職していた理由や前職での経験を活かせる点、離職理由が今の採用にどう影響するかの説明や明確な回答が求められます。
一方で、保育未経験者の場合は、なぜこの職を目指したのかという熱意や適性、自分の長所をいかに活かせるかをアピールしましょう。
過去にどのような職種を経験しているか
採用担当者は、異業種での経験が保育士としてどのように活かせるかに注目します。
例えば、営業や接客業の経験から培ったコミュニケーション能力は、保護者や子ども、同僚とのスムーズな連携に役立ちます。
また、プロジェクト管理やチームでの仕事の経験がある場合、それを保育園の行事企画やチーム運営に応用できると示すことで、他の応募者との差別化が図れるでしょう。
どのようなスキルをもっているのか
保育士として必要な直接的な経験がなくても、特技や趣味をアピールポイントに変えられます。
音楽や美術、手作業、読み聞かせなどは、子どもたちの感性や創造力を育むために重要です。
また、趣味として行っていた活動を保育に活かすことで、子どもたちと良好な関係を築けるとアピールできます。
書く前に考えるべき3つのポイントは?
職務経歴書作成の前に、3つの重要なポイントについて理解を深めましょう。
応募先はどんな人材を求めているのか
就職・転職活動の成功には、応募先の特徴や教育方針を事前に調べ、求められている人材像を把握することが欠かせません。
例えば、音楽教育を重視している園では、リトミックや楽器の知識・経験が評価される可能性が高いです。
また、自然体験を重視する園では、子どもたちと一緒に外で虫や植物と触れ合うことが好きで、自然を通じて学びを提供できる人材が求められるでしょう。
応募先で活かせる自分のスキルや強み
保育の現場で役立つ自分の長所やスキルをしっかり把握し、それが応募先でどう活かせるかを具体的にアピールしましょう。
自分の得意な分野を振り返り、音楽や運動、工作などの子供たちを引きつけられる特技があれば大きな強みになります。
また、保育士には一人ひとりの個性を尊重しながらも大人数をまとめるリーダーシップが求められるため、自分がチームの中でどのように貢献できるかも意識して伝えると良いでしょう。
さらに、保護者や同僚との円滑なコミュニケーション、子どもたちと接するための体力や忍耐力も採用担当者にとって重要なポイントです。
キャリア目標と保育園のビジョンは一致しているか
自身のキャリア目標と保育園のビジョンが一致していることも、保育士として長く働くための大切な条件です。
共通のビジョンを持っていると高い意欲を持って日々の保育に取り組めるため、保育の質を高めることができます。
また、長期的な雇用関係を築けることで保育園は安定した人材を確保でき、適切な保育の提供を継続できるメリットもあります。
全員が同じ目標を共有することで組織全体の協力体制が強まり、チームワークが向上し、保育の質もさらに高まります。
【雇用形態や応募役職別】職務経歴書の書き方
職務経歴書の書き方は、応募先の雇用形態や役職によって強調するべきポイントが変わってきます。
保育士の求人に応募する場合、正社員とパートでは求められる責任や必要なスキルが異なり、それぞれの経歴やスキルを上手に伝える必要があるのです。
パートやアルバイト
パートやアルバイトの保育士は、主に一対一での保育を担うことが多くなります。
そのため、職務経歴書では温かい人柄や細かい気配りができる点や、実際の子育て経験などをアピールするとよいでしょう。
個々の子どもに適切に対応する力が強みとなるため、そうした面をアピールすると効果的です。
フリーの保育士
フリーの保育士は、クラスの担任をもつことは基本的にありません。
しかし、子ども一人ひとりに細かく気を配りながら保育の補助的役割を果たすことが求められます。
職務経歴書では、状況に合わせた配慮力や臨機応変な対応力を持っていると示すとよりよいものになります。
派遣保育士
派遣保育士は、責任を持って真摯に業務に取り組む姿勢が何より大切です。
どのような状況でも誠実に対応できる人間性と、様々な環境の中でもコミュニケーション能力を発揮する力が求められます。
さらに、子どもたち一人ひとりに適切に接することができる点をアピールすることも重要なポイントになるでしょう。
主任保育士
主任保育士は現場全体の運営をサポートするリーダー的役割を担い、チームビルディングやリーダーシップが求められます。
職務経歴書には、保育士としての経験に加え、チームをまとめた経験や他の保育士との関係構築力を具体的に記載すると良いでしょう。
また、リーダーシップを発揮した実例を交えることで、主任としての資質を効果的にアピールできます。
保育園の園長
保育園の園長は、園の運営を統括する最重要な役職であり、保護者や職員とのコミュニケーション能力が欠かせません。
職務経歴書では、保護者説明会での方針説明の経験や、職員一人ひとりと向き合い公平な視点でコミュニケーションを図った実績を具体的に示すと良いでしょう。
そのため、園長の職務経歴書作成では、自身の考え方や人間性、リーダーシップ力を交えてアピールしましょう。
保育士の職務経歴書でよくあるミスと解決法
保育士の職務経歴書で起こりがちなミスとその解決策とはどういったものなのか、みていきましょう!
記述が具体性に欠ける
保育士の職務経歴書を書く際は、具体的な業務内容や成果を記載することが大切です。
例えば、
「0歳児クラスの担任を務め、一人ひとりの成長段階に合わせた保育計画を立てていました。また、連絡帳を活用して家庭との綿密なコミュニケーションを図り、保護者の方々から高い評価をいただいていました」
と記述すれば、実際の業務内容や成果が伝わります。
さらに、行事の企画・運営や特別な配慮が必要な子どもへの対応なども含めると、実績がより伝わりやすくなります。
フォーマットが統一されていない
職務経歴書は自身の経験やスキルを伝える重要な書類ですが、フォーマットに統一感がないと全体が見づらくなってしまいます。
具体的には、見出しの書体や大きさ、本文のフォントや文字サイズ、行間のばらつきなどがその例です。このような乱れがあると、読み手が内容に集中するどころか体裁の部分で見づらくなる可能性があります。
見出しは太字で揃え、本文は同一のフォントと文字サイズを使うようにしましょう。適切な行間と段落スペースで読みやすいレイアウトを心がけ、箇条書きや番号付きリストで要点をまとめればより良いでしょう。
誤字脱字がある
誤字脱字は、職務経歴書作成において避けたい大きなミスです。そうしたミスは全体の質を下げてしまいます。
これを避けるには、何度も自分で確認し可能であれば他者にもチェックしてもらうことが重要です。
そうしなくとも、文章を声に出して読めば見落とした誤字脱字や文法ミスに気づけるはずです。
さらに、校正ツールや文法チェックソフトを活用すればミスを大幅に減らせます。
自己PRが不足している
保育士として職務経歴書を作成する際、自己PRが充実しているかどうかが重要です。
例えば、「子どもたちから人気の絵本の読み聞かせが得意」「保護者との良好なコミュニケーションを図るため、定期的に個別面談を実施していた」など、具体的な実践例を挙げると説得力があります。
さらに、これまでの経験から得た知識、今後の活用方法についても触れれば他の応募者と一線を画せます。自身ならではの視点やアプローチを交えつつ、園への貢献度を説明しましょう。
仕事の成果を記載していない
職務経歴書では、単に業務内容を並べるのではなく自分の業務がどのような具体的な成果につながったかをしっかりと示すことが大切です。
例えば「子供向けイベントを企画し保護者から高い評価を得た」「保育プログラムを改良したことで、子供の成長を効果的に促進できた」など、自分の取り組みが及ぼした影響や結果を明確にすることで、実績をアピールできます。
さらに数値を用いて成果を表せば、より分かりやすく説得力も増すでしょう。
志望動機が不明確
志望動機が曖昧だと、応募先の保育園で本当に働きたいという熱意が伝わりません。
例えば「保育園の教育方針に共感し、自分の経験と知識を活かして子供の成長を支援したい」などの具体性のある表現を心がけましょう。
自分のキャリア目標と保育園のビジョンがリンクしているか、これまでの経験から得たものをどう応募先で活かせるか、を示せれば園に対しての意欲が伝わるでしょう。
文章が長すぎる
職務経歴書は長くなりすぎると、読み手が重要な部分に集中しづらくなってしまうので、業務の概要と具体的な成果を中心に箇条書きでコンパクトにまとめるのが効果的です。
例えば「保育園で保護者対応や乳幼児保育、行事企画・運営に携わった」など、短くまとめることで、経験をすぐに把握しやすくなります。
職務経歴書と履歴書の内容が一致しない
職務経歴書と履歴書の記載内容に矛盾があると、信頼性を損ねかねません。
勤務期間や役職の変更がある場合は、両方に正確に反映させて採用担当者に整合性の取れた情報を提供しましょう。
職務経歴書では、具体的な役割や成果を明示し、履歴書と一貫した内容にすることが重要です。
転職時に気を付けるポイント4選
転職は誰にとっても大きな決断であり、適切なタイミングと準備が欠かせません。
保育士の皆さんが転職を検討する際の4つのポイントをお伝えします。
転職活動開始は9月~11月がおすすめ
転職活動を始めるのに適したタイミングは9月から11月です。
この時期は多くの保育園で新年度に向けた採用活動が本格化し、求人数が増加します。
また、年明けの新年度に向けて転職手続きを進めるための余裕があり、繁忙期を避けて円滑に職場を移行しやすい時期です。
現在働いている保育園にも転職の意向を早めに伝える
転職を考えている保育士は、現在の職場に早めに転職の意向を伝えることが重要です。
それにより、保育園側は後任の採用準備に時間を確保でき、業務の引き継ぎや新人教育を計画的に進められます。
保育の質とサービスレベルを維持しつつ、多忙な時期も円滑に対応できるでしょう。
保育士自身も落ち着いて引き継ぎ作業ができるほか円満な退職が可能となり、キャリアアドバイスなどのサポートを受けやすくなります。
求人探しは保育専門の求人情報サイトがおすすめ
保育士の転職活動には、保育業界に特化した求人サイトの利用がおすすめです。
保育専門の求人サイトは、一般的な求人サイトに比べて保育士向けの求人情報が豊富で、希望に合った求人を見つけやすいという利点があります。
また、給与や勤務条件、福利厚生など細かな条件に対応した求人や、専門性の高い求人が多く、一般の求人サイトでは得にくい情報にも出会える可能性が高いです。
さらに、保育園の職場環境や口コミ情報なども掲載されているため、事前に職場の雰囲気を知ることができ、ミスマッチを避けやすくなります。
転職活動にはエージェントを利用する
転職活動では、保育士転職に強いエージェントの活用も効果的です。
転職エージェントは求職者と保育園との橋渡しを行い、一般には公開されていない非公開求人を紹介することができるため、より適した求人に出会えるチャンスが広がります。
自分の希望条件に合った保育園を見つけたり、給与や勤務条件の交渉を代理で行ってもらうことも可能です。
また、エージェントの利用は基本的に無料で、業界に詳しいアドバイザーからのアドバイスを得られるため、初めての転職活動でも安心して取り組めます。
よくある質問
本章では、保育士の職務経歴書作成にまつわるよくある質問と、そのポイントをわかりやすく解説していきます。安心して職務経歴書作成にとりかかってください。
職務経歴書はどこまでさかのぼればいい?
職務経歴書では、直近の職歴に重点を置きつつ、過去の職歴も簡潔にまとめることでバランス良く全体像を伝えられます。
直近1~2つの職歴は具体的な業務内容、実績、役職などを詳しく記載し、それ以前は勤務期間、役職、業務概要を簡潔にまとめるといったバランスが良いでしょう。
情報量と文書の長さを調整し、キャリアの全体像を伝えられるといいですね。
在籍歴が短い職業でも記載する?
履歴書や職務経歴書には、短期間の職歴も含めすべて記載するのが基本です。
短い在籍期間を省略すると場合によっては経歴詐称と見なされる可能性があり、信頼性を損なうリスクがあります。
短い職歴でも、その職場で得た学びや経験を簡潔に説明し、面接時には在籍期間が短かった理由を丁寧に説明できるように準備しておきましょう。
提出方法の種類には何があるの?
履歴書や職務経歴書の提出方法には、メール、郵送、面接時の持参の3つがあります。
メールで提出する
メール提出の場合、PDFファイルに変換して送るのが一般的です。PDFはレイアウトが崩れにくく、改変も防げるため信頼性が高くなります。
ファイル名は「名前_職務経歴書.pdf」とし、メール本文には簡単な挨拶と職務経歴書を添付した旨を明記すると丁寧です。
郵送で提出する
郵送提出の場合、A4サイズの封筒を使用し、履歴書と職務経歴書をクリアファイルに入れて送ります。書類が折れや汚れを防ぐため、クリアファイルに入れることが推奨されます。
また、送付状を添え、挨拶文と同封した書類リストを記載しましょう。
封筒には「履歴書在中」と赤字で書き、送付先住所、自分の住所と連絡先を記入します。
面接に持参する
面接時に職務経歴書を持参する方法もあります。
面接時に複数部必要な場合もあるため、予備も用意しておくと安心です。この場合、A4サイズの封筒やクリアファイルに入れて持参すると、書類が折れる心配がなくなります。
事前に職務経歴書の内容を確認し、面接での質問に備えておきましょう。
保育士の職務経歴書まとめ
今回は、保育士の皆さんが職務経歴書を作成する際に気をつけるべきポイントを詳しく解説しました。
ぜひ、これらのポイントを参考にして、ご自身の経験やスキルをしっかりと伝えられる職務経歴書を作成してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【調査概要】
項目 | 詳細 |
調査名 | 保育士への転職経験者が対象の当社独自調査 |
対象者 | 保育士として働いた経験がある方 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2024年10月19日~10月26日 |
回答数 | 90 |