社労士試験の平均受験回数は?受かる人の特徴や一発合格のための勉強法を解説

更新

社会保険労務士、通称「社労士」の試験は非常に難易度が高く広範な専門知識と理解力が求めらるので、合格するまでに何回も受験することになる人も多いです。

ここでは社労士試験の平均受験回数や合格者の共通点、そして一発合格に効果的な勉強法まで、実際の調査結果をもとにご紹介します。


このページにはプロモーションが含まれています

社労士試験の平均受験回数は?

社労士試験の平均受験回数

受験回数

合格者

1回目(初受験)

18%

2回目

32%

3回目

18%

4回目

18%

5回目以上

14%

資格予備校のアガルートが実施した調査によると、社労士試験の合格者の受験回数のうち最も多かったのは「2回目」で、こちらが全体の約3分の1を占めていました。

次点は1回目、3回目、4回目が全て同率18%となっていることから、社労士試験の合格者の平均受験回数は2〜3回程度であることが分かります。

合格までに何年かかる?

社労士合格までの年数

合格までの学習期間

回答数

6ヶ月未満

1

6~12ヶ月

5

1年~1年半

3

1年半~2年

5

2年以上

7

3年以上

5

スキルアップ研究所でも、社労士試験の合格者に「合格までにかかった学習期間」のアンケートを実施しました。

アンケート結果によると、合格までにかかった期間としては「2年以上3年未満」が最も多く、次点で「1年半〜2年」と「3年以上」が並ぶ形になっています。そのため社労士試験の合格までには平均2〜3年かかると結論づけて良いでしょう。

ただし、当然ながらそれぞれの受験生の準備状況によって合格までの年数は変動します。アンケート結果からも1年未満で合格している人も全体の25%程度を占めており、4人に1人は1発合格を果たしていることが分かります。

そのため社労士試験に挑戦する際は、おおよそ2年から3年程度の勉強が必要になる覚悟を持ちつつ、勉強時間を詰め込める人は一発合格も狙う形で進行するのが良いでしょう。

【調査概要】

項目

内容

調査方法

インターネット調査(クラウドワークス)

調査期間

2024年1月21日〜2024年1月28日

調査概要

社労士試験の学習に関するアンケート

調査対象

20代〜50代の社労士試験に合格した方26名

社労士試験の合格率

年度

合格率

令和元年度

6.6%

令和2年度

6.4%

令和3年度

7.9%

令和4年度

5.3%

令和5年度

6.4%

過去5年の社労士試験の合格率を見ると、5〜8%の間で推移していることが分かります。そのため単純に確率だけ見れば「10回受験しても1回受かるか受からないか」という計算になります。

ただし実際には合格者の平均受験回数は2〜3回となっています。これは社労士試験に何年も合格できず、途中で挫折してしまう人も多いことを意味します。

したがって何度か不合格になってしまっても諦めずに勉強を続けていれば、合格率の数字が示すよりも遥かに高い確率で合格を狙うことができるでしょう。

社労士試験に落ちる人がやりがちなこと

勉強時間の不足

社労士試験に合格するためには十分な学習時間を確保することが重要です。実際、調査でも合格者と不合格者とでは明確に勉強時間に違いがあり、合格者の方が多くの勉強時間を費やしています。

スキルアップ研究所が実施した調査でも、社労士の合格者は平均900時間の勉強時間が必要だったことがわかっています。

時間が不足すると必要な知識や理解が足りず、試験で対応できなくなる可能性が高まります。

基礎の知識理解の不足

社労士の試験に合格するためには基礎知識の理解が何より重要です。

法律用語や概念には一般的な意味とは異なる解釈があり、それらを正しく理解することが法律全体を把握する上で欠かせません。基礎知識が不足していると問題に適切な知識を適用できず合格への道のりは遠のいてしまいます。

演習量の不足

社労士試験合格にはただ知識を詰め込むだけでは不十分です。重要なのは問題を解くことで知識を定着させ、解答のコツを身につけることです。

情報をインプットしてもそれを問題に落とし込んで解答する練習が不足していては試験で活かせません。社労士試験に合格するには知識の習得に加えて一定量以上の演習を重ね、知識を深化させることが欠かせません。過去問題を多く解きながら理解を深め試験に臨む実力を養うことが重要なのです。


社労士に受かる人の特徴とコツ

隙間時間を活用している

社労士試験に合格するには長時間の勉強が必要ですが、合格者の多くは日々の生活の中で小さな時間を見つけ出し、それを効率的に活用して学習に充てています。通勤時間や休憩時間、家事の合間など自分のライフスタイルに合わせて「勉強時間」を作り出しているのです。

勉強に費やせる時間は限られているため、どれだけ上手に時間を捻出できるかが合格への近道となります。

演習問題を意識して多く解いている

社労士試験に合格するためには参考書を読むだけでなく自分の言葉で内容を表現したり、演習問題を解いたりするなど、学んだ知識を積極的にアウトプットすることが重要です。

合格者は読解した内容を説明できるようにしたり記述問題の演習を繰り返したりすることで知識の理解を深め、筆記能力も磨いています。このように学習過程でアウトプットを意識することが社労士試験に合格する上で不可欠なのです。

予備校や通信講座の利用

社労士試験に合格するには効率的な学習が不可欠ですが、予備校や通信講座の利用はその一つの方法です。

予備校や通信講座の魅力は講師が試験対策に精通していることです。講師陣は過去問の傾向、頻出問題、重要論点などを熟知しており、細かい点までカバーした的確な指導を行ってくれます。

実際、社労士の予備校・通信講座の中でも特に優れた実績を持つフォーサイトの場合、受講生の合格率は全国平均の4.13倍となっており、講座の受講が如何に学習効率を上げてくれるかがよく分かります。

また、フォーサイトはスマホで学べるeラーニングシステムも充実しており、なかなか校舎に通学する余裕がない方でも隙間時間にスマホで勉強を進められるので、社労士試験に挑戦する方はぜひフォーサイトの社労士講座をチェックしてみてください。


社労士に一発合格するための勉強法

過去問を多く解く

社労士試験の合格に向けて過去問題を頻繁に解くことは極めて効果的な学習法です。単に問題を解くだけでなく、思考過程を把握したり間違えやすいポイントを理解したりすることができます。時間をかけて問題に取り組めば自然と問題への対応力を身につけることができ、本番でも冷静に判断でき、適切に回答できるようになります。

また社労士試験では過去問題と類似した問題が出題されることが多いため、過去問に慣れていれば新しい問題の意図を読み取りやすくなり、問題を早く正確に解くことができるようになります

苦手科目を作らない

社労士試験では各科目に足切りの点数が設定されており、どれか1つの科目でも足切りの点数を下回ると不合格になってしまいます。そのため社労士試験の合格には苦手科目を作らないことが大切です。

具体的な対策としてはまず過去問題で間違えた部分や理解不足の箇所を特定し、それらが苦手な分野や単元である可能性が高いことを認識します。次にその苦手分野を克服するために同じ問題に何度も挑戦したり過去問を解き直したりして理解を深めていきます。

一つの科目だけに偏った学習は避け、全ての科目で苦手を作らないよう適度に科目をローテーションさせながら学習することが重要です。こうすることで足切りリスクを最小限に抑え一発合格する確率を高めることができます。

数字が出てくる問題に注意する

社労士試験では勤続年数や保険料など、数値が登場する問題が非常に多く出題されるため、そのパターンを理解することが合格への近道となります。過去10年間の問題を見ると毎年15問以上が数値の理解を確認する問題でした。

このような傾向から数値問題への理解と対策が非常に重要であることが分かります。

模擬試験を複数受ける

社労士試験に合格するための近道は複数の模擬試験を受けることです。自分の実力を知ることが合格への道しるべとなるからです。まずは自分のレベルを把握するため何度も模擬試験を受けましょう。

模擬試験を受けることで得意な分野と苦手な分野が明確になるため、弱点を特定しそれを克服する計画を立て強みは伸ばしましょう

また、模試を受けることで本番試験の環境や時間配分に慣れ、より本番当日にリラックスして実力を発揮できる可能性も高まります。本番試験のリハーサルとしても、模試は最大限有効活用するのが良いでしょう。

社労士は浪人してまで取るメリットはある?

社労士試験に一発合格できる人は全体の4分の1程度であり、ほとんどの人は浪人をして2回目・3回目の試験に臨む形になりますが、そこまでして社労士資格を取得するメリットはあるのでしょうか。

ここでは社労士の資格を取得することによるメリットを改めて確認していきましょう。

専門人材としてキャリアアップできる

社労士の資格を持つことで人事労務の専門家としての価値が高まり、従来の枠を超えて経営層の戦略的意思決定に関与できるようになります。社会保険や労働法の専門知識を活かして企業のビジネスパートナーとなり、法的トラブルの予防や従業員満足度向上のための助言さらには経営戦略への助言が可能になります。

また、企業経営者や起業家からの信頼を得やすくなり専門性の高い存在として企業から求められるようになるでしょう。一時的な困難を乗り越えて資格を取得することで長期的なキャリアアップが実現し、ビジネスの現場で有効で価値のある存在となれます。

資格手当の対象になり得る

社労士の資格を持つと、企業の人事労務部門で高く評価され、多くの企業で資格手当の対象となります。大手企業では、月額2万円から5万円程度の手当が支給されるのが一般的です。これは年間で24万円から60万円の収入アップにつながります。

さらに、専門職としてのスキルが認められ、昇進や昇格のチャンスも広がります。こうしたメリットを考えると、社労士の資格取得は十分に費用対効果が見込めるため、その取得を目指すことが賢明な選択だと言えるでしょう。

就職や転職に強い

社労士の資格は、就職や転職の際に大きな強みとなります。社労士には労働法や社会保険に関する専門知識が求められ、その知識を活用して従業員の待遇改善や福利厚生の提案ができます。これにより、働き方改革や人事評価制度の改革など、企業全体の経営改善に貢献することが期待できます。

資格取得には時間とコストがかかりますが、長期的な視点で見れば、キャリアアップや転職の際の強力な武器となり、投資としての価値は十分にあると言えます。

独立開業時に活かせる

社労士資格を持つことで、独立開業する際に大きなメリットがあります。社労士が持つ専門知識やスキルを活かすことで、自社の労務管理や人事制度の設計などを自ら行えるため人件費の削減や業務効率化が図れます。

また確かな専門性を示せることで社会的信用力が高まり、顧客や取引先との信頼関係構築に役立ちます。さらにキャリア支援や社会保険手続き代行など新たなビジネス領域への挑戦も可能になります。

実生活にも役立つ

社労士の資格は企業や個人の生活に密接に関わる専門知識とスキルを提供してくれます。企業では人事労務や総務分野で活躍でき、労働者の権利を守り企業の利益を最大化することができます。一般の生活者としても年金や保険制度への理解を深め、賢明な選択ができるようになります。


社労士試験はいつ諦める?

社労士試験に複数回落ちてしまった方の中には、いつが諦めどきなのかが分からず、ズルズルと学習を続けてしまっているケースも見られます。

ここでは社労士試験の諦め時(撤退ライン)を考察していきます。

60代や50代後半の人

現在50代後半から60代の方の場合、体力的にも記憶力的にも衰えを無視できない方もいるでしょう。その場合は、社労士試験の合格は下の世代の人と比べると難しくなってしまっていることを受け入れる必要があります。

実際、60代以上で合格している方は例年全体の10%以下となっています。

また、無事に社労士の資格を取得した場合でも、60代の方は定年が間近に迫ってしまっているので、せっかく取得した資格を活かせる期間が短いのも懸念点となります。

就職経験がないまま30歳を超えた人

社会人経験がないまま30歳を過ぎると、専門知識を得ることよりも、むしろ仕事に必要な社会性や人間関係づくりへの不安が大きくなります。

そのため、30歳以上で就労経験がない方は、社労士試験を受ける前に社会人経験を積む機会を見つけることが重要です。せっかく社労士の資格を取得したとしても、社会人経験がなことを不安視されてしまい、就職活動でなかなか内定が出ない恐れがあります。

そのため一度社労士の勉強は中断し、企業への就職を選ぶのも視野に入れるのが良いでしょう。

10回目でも受かる気がしない人

社労士試験に10回以上挑戦しても合格できずにいる方もいらっしゃるでしょう。

10回もの挑戦はその試験に対する強い熱意の表れです。しかしそのような時間と労力を費やしても合格への道が見えないのであれば、「国家資格の取得」という道が自分に合っていないかもしれません。

それは決して能力の問題ではなく、単に適性や興味が別の分野にあるということです。長年の努力を投じてきたため、新たな道を見つけることは簡単ではありませんが、適性に合った道を進めば、今まで以上のやりがいや成功が待っているかもしれません。

自分自身の可能性と幸せを優先し、新しい選択肢を見つけてみてはいかがでしょうか。

社労士試験の平均受験回数まとめ

社会保険労務士試験の合格には、平均2〜3回の受験を要するとされています。合格者の共通点は、計画的かつ継続的な学習と、出題範囲全体を徹底的にカバーすることです。

一発合格を目指すには、毎日一定の時間を確保しつつ、過去問等を活用した効率的な勉強を心がけることが大切です。

難易度が高く、複数回試験に落ちてしまうケースも珍しくありませんが、それだけ取得するメリットが大きい資格でもあるので、ぜひ社労士試験にチャレンジしてみてください。