弁護士になる難易度は?必要な年数や司法試験の合格率・偏差値も解説
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弁護士といえばその高い収入と社会的地位の高さで知られる人気職ですが、実際にどれほど努力すれば弁護士になれるのでしょうか。
ここでは弁護士になるための難易度について、必要年数や司法試験の難しさを踏まえ解説していきます。
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弁護士になるための難易度
弁護士になるためには、数ある国家試験の中でも最難関に位置付けられている司法試験に合格しなければなりません。
しかし依然として難関ではあるものの近年では司法試験の合格率は約40%と、過去の旧司法試験時代の約10倍に上昇しています。
このことから、2年から5年の準備期間を経て適切な対策を行えば合格は十分に目指せるレベルであると言えるでしょう。
弁護士を偏差値で例えると75
弁護士資格の取得難易度は、偏差値で表すと約75に相当すると言われています。
司法試験が易化しているという声も聞かれますが、推定される偏差値は依然として国家試験の中でも最難関の水準を保っており、これはそのまま弁護士という職業の希少価値につながっています。
実際に弁護士の数の少なさを考慮すると75という偏差値も妥当であると言えるでしょう。
弁護士になる難易度=司法試験の難易度
弁護士になる過程で最も大きな壁となるのは、間違いなく司法試験に合格することです。
しかし、司法試験に合格したら弁護士になれるというわけではなく、合格後は1年間の研修である司法修習を経た上で「二回試験」と呼ばれる最終試験を突破しなければ弁護士として登録することはできません。
ただし、この二回試験の合格率は90%以上と非常に高く、一度司法試験をクリアすれば、ほぼ確実に弁護士として登録されることになります。
そのため、弁護士になる難易度は事実上司法試験の難易度に等しいと言えるでしょう。
弁護士になるには2つの道がある
上記のように弁護士になるためには司法試験に合格する必要があります。そしてさらに、司法試験に挑戦するための受験資格が存在します。
司法試験の受験資格を得る方法は、予備試験の合格、または法科大学院を卒業することの二つに分かれています。
また法科大学院にも受験資格があり、大学を卒業していること、または大学に3年以上在籍し且つ優秀な成績を収めていることなどが求めらます。
司法試験予備試験の合格
司法試験予備試験は、例年合格率が約4%と難易度はかなり高くなっています。
司法試験よりも司法試験予備試験の方が難しく、予備試験合格者の司法試験合格率は80%ほどであることからも予備試験のレベルの高さが伺えます。
しかし試験の特徴として受験資格に制限がなく、学歴や年齢、職歴を問わず誰でも何度でも挑戦できます。
また難易度の高い予備試験の通過は高い法律知識の証明(エリート法曹の証明)となる点も、法科大学院への進学よりも予備試験の受験を選択する利点だと言えます。
法科大学院に進学し高額な授業料を支払う必要がなく、経済的な負担を軽減できることに加え予備試験合格者はその優秀性から法律業界で高く評価され、弁護士事務所への就職や転職においても有利に働くと言われています。
これらの理由から、司法試験合格を目指す者にとって予備試験ルートは高いハードルではあるものの非常に魅力的な選択肢となっています。
法科大学院の卒業
法科大学院は、法律専門職の養成を目的とした教育機関であり、法律既修者向けの2年間コースと法律未修者向けの3年間コースを提供しています。
約80%の司法試験合格者がこの法科大学院ルートを経由しており、現在の法律界における弁護士の多くが法科大学院の卒業生です。
法科大学院では法律知識の深化だけでなく、実務に即したスキルや思考法を身につける訓練も受けられるため、実践的な法律家を育成する場としての役割を果たしています。
法科大学院を卒業することは、司法試験の厳しい試練に挑むための強固な基盤を築くことができだけではなく、同じ夢を持つ仲間とのネットワーキングや法律実務に精通した教授陣からの直接的な指導を受けることができるという利点もあります。
これらの経験は、将来の法律家としてのキャリアを築く上で貴重な財産になります。
弁護士になるのは簡単になっている
法曹人口の増加を目指す政府が導入した新司法試験によって司法試験の合格率は大幅に上昇し、弁護士になるのは以前よりも簡単になりました。
しかし現状政府の当初の計画通りには法曹人口は増加しておらず、未だ目標値には達していません。
司法試験の合格率は急激に上昇している
受検者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
平成30年 | 5,238人 | 1,525人 | 29.10% |
令和元年 | 4,466人 | 1,502人 | 33.60% |
令和2年 | 3,703人 | 1,450人 | 39.20% |
令和3年 | 3,424人 | 1,421人 | 41.50% |
令和4年 | 3,082人 | 1,403人 | 45.50% |
令和5年 | 3,928人 | 1,781人 | 45.30% |
近年司法試験の合格率は継続的に上昇しており、令和3年度以降は40%を超えています。
この合格率自体はかなり高く、類似する法律関係の士業である行政書士試験の合格率8~15%や司法書士試験の合格率は3~4%と比較しても際立っています。
しかし、この合格率の高さは受験資格として法科大学院の修了や予備試験の合格などが必要とされ、受験者自体が法律に関する高い知識と能力を持つ者に限られるためであるので決して他の試験よりも難易度が低いわけではありません。
司法試験の合格基準点
司法試験の合格基準点は、試験の難易度により年度によって変動します。
しかし一般的には、1次の短答試験では約60%、2次の論文試験では約45%以上の得点率が合格の目安とされています。
司法試験は弁護士になるための登竜門ということもあり、完璧に近しい法律知識がないと合格できないと思われがちですが、そのようなことはなく理解の浅い分野があっても十分に合格の可能性があることは覚えておくと良いでしょう。
弁護士になるには何年かかる?
弁護士になるためには、そもそも受験資格を得るために司法試験予備試験に合格するか、法科大学院を卒業する必要があります。
これらの過程を含めると、合格に必要な勉強時間は3000から8000時間程度とされ、合格できるレベルに達するまで数年を要すると言われています。
また、司法試験に合格した後も1年間の司法修習が必要であるため、弁護士になるためには勉強を開始してから少なくとも3年以上の時間が必要とされます。
しかし、この長い時間と努力を費やして得られる弁護士資格を取得できれば、高給に加えて高い社会的地位も得られるため十分にリターンはあるといえます。
弁護士になるための費用は高額
弁護士になるための費用も決して軽視できません。その費用の大部分は法科大学院の卒業、または予備試験の合格を目指す際に必要とされます。
法科大学院に進学する場合、国立でも私立でも入学金として10万円から30万円、さらには年間の学費として80万円から150万円が必要となります。
未修者が3年間のコースを受講すると、合計で500万円以上の費用がかかることも珍しくありません。ただし、成績が優秀な学生には学費免除の制度もあり、一定の費用負担を軽減することが可能です。
一方予備試験の受験を選択した場合、受験指導校にかかる費用が主な出費となります
独学で学習を進めることも可能ですが、専門的な指導を受ける場合には一般的に100万円以上の費用が必要となります。
いずれの道を選んだとしても、受験資格を取得するまでには相応の費用が伴うことを覚悟しなければなりません。
社会人から弁護士を目指すのは無理ゲー?
社会人が弁護士を目指す場合、勉強の量と質が大きな壁となります。
司法試験は法律の幅広い分野から出題されるため、合格には膨大な法知識が必要です。専業学生であってもその学習量には苦労するため、仕事と両立をする必要がある社会人であればかなり厳しい挑戦になります。
加えて法律用語の理解や論理的思考の訓練には、専門家からの指導を受け、長時間にわたって集中して学習を続けることが不可欠です。しかし、忙しい社会人にとっては、このような学習時間を確保すること自体が一つの大きな課題です。
このような社会人にとって有効な手段の一つが、通学不要で隙間時間を活用して学習できる通信講座やオンライン予備校の利用です。
例えば、アガルートの司法試験・予備試験講座はオンラインで利用でき、かつ司法試験合格者の約3分の1を輩出するなど、高い実績を誇っています。このような講座など、合格の助けとなるサービスを最大限活用できれば社会人でも合格は見えてくるでしょう。
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他の士業資格と比べて弁護士はどれくらい難しい?
他の士業資格と比較すると、弁護士は最難関であると同時に、仕事の需要や専門性、給料の高さでも最高ランクの資格となっています。
税理士
税理士試験は税法を中心に、会計学、財務諸表論などの幅広い知識が求められる国家資格試験です。
その難易度は非常に高く、法律の知識に加えて税務計算やケーススタディーを解くために高度な分析能力と応用力が求められ、合格には約2500から3000時間の勉強時間が必要とされます。
弁護士と同じく一般的には数年をかけての学習が必要とされる試験です。
司法書士
司法書士試験は、憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法などの幅広い法律分野に関する知識が求められ、合格には約3000時間の勉強時間が必要とされる難関資格です。
ただし、司法試験合格には受験資格を得るための過程を加えるとこの2倍以上もの勉強時間が必要と言われています。
弁理士
弁理士試験は、特許法、商標法、意匠法、実用新案法など、知的財産法に関する深い知識に加えて、関連する民法や憲法などの基礎法律知識も必要とする難関試験です。
合格率は一般的に10%以下と非常に低く、合格には2000から3000時間以上の勉強時間が必要とされています。
行政書士
行政書士試験は試験科目に憲法、民法、商法など司法試験の試験内容との重複もある試験です。
しかし、その出題難易度は司法試験の方が圧倒的に高く、行政書士試験は600時間ほどの勉強時間で合格できるとされています。
司法試験の合格はこの5倍から12倍もの勉強時間が必要と一般に言われています。
弁護士になれる人の司法試験の勉強法
法律基本7科目をマスターする
司法試験に合格する人の多くは法律基本7科目の対策に集中して時間を費やすといった特徴があります。
これらの科目は予備試験、司法試験、法科大学院入試の多くの部分で重なっている上、それぞれの試験で大きな配点を占めています。
法律実務基礎科目や口述試験の対策については、実務基礎科目が基本7科目の応用という側面が強いこともあり、はじめのうちはあまり時間をかけなくても大丈夫です。
隙間時間に勉強を進める
合格するためには、1日の隙間時間を活用して勉強時間を最大限に確保することも重要です。
通勤電車など物理的に勉強しにくい隙間時間でも学習できるように、法律用語のフラッシュカードを使う、オーディオブックやポッドキャストを聞くなど、場所を選ばずにできる勉強法を取り入れる工夫が合格率の上昇につながります。
アウトプットに割く時間が長い
司法試験の合格のために多くの合格者が実践している方法として、早期に問題演習に取り組むことが挙げられます。
司法試験は法律の暗記だけではなく方知識を使いこなした答案の作成も必要とされます。
この答案作成能力の向上には自身で解答を作成し、復習するというサイクルを何度も繰り返すことが最も効果的であるため、早期の演習はサイクル数を増やすという意味で非常に効果的です。
長期間の勉強でも諦めずに継続する
司法試験や予備試験を突破し、弁護士の資格を手に入れた人々に共通する最大の特徴は、あらゆる困難に負けずに勉強を継続し続けたということです。
試験の申込者数や受験者数や合格者数のデータからは、途中で挫折してしまった人々の存在は明らかになりません。合格者の中にも、最後まで十分な勉強ができなかったと感じている人が少なからずいます。
また、どれだけ頑張っても試験の日に結果が出ない人がいるのも事実です。試験には、準備だけではどうにもならない運の要素も介在します。
しかし、途中で諦めた人と比較すると、最後まで努力を継続した人の数は圧倒的に少ないものです。これは、長期間にわたる勉強を継続することが、合格確率を高めるには最も重要な要因であることを示しています。
合格するためには、知識を深めるだけでなく、自己管理能力や精神的な強さも求められます。最終的には自分自身との戦いに勝つことが、目標達成への鍵となります。
学習計画を立てる
司法試験・予備試験の合格を目指すには、広範囲に及ぶ法律知識を満遍なく身につける必要があります。学習計画を立てることは大量の学習内容を効率的に管理し、体系的に消化するのに役立ちます。
また、計画的に学習することで、時間を最大限に活用し、試験前の重要な時間を復習に用いることもできるでしょう。
後述のように予備校や通信講座を利用すれば、自分で一から計画を練るよりも網羅的かつ効率的に学習を進めることが可能となります。
予備校・通信講座を利用して学習を進めるケースが多い
司法試験・予備試験は膨大な試験範囲の中から頻出の出題分野をメインに効率よく対策を進めていくことが求められます。
独学では、頻出の出題分野に関する情報を手に入れることが難しく結果として対策が思うように進まないケースが多いです。そのため、多くの受験生がこれらの情報に簡単にアクセスできる予備校・通信講座を利用して学習を進めています。
司法試験対策を行う予備校・通信講座は数多く存在しますが、その中でもアガルートの司法試験・予備試験講座は一度チェックしておくべき講座であると言えるでしょう。
アガルートは業界最大手の伊藤塾と比べて20~30万円ほど安い価格で司法試験合格を目指すことができ、価格面で大きなアドバンテージとなります。
さらにアガルート受講生の司法試験の合格者数は2023年度だけでも641名を数えており、多数の合格者を輩出している点も大きな強みと言えます。
弁護士資格の取得は今がおすすめ
昔と比べると簡単に弁護士になれる
近年、弁護士資格の取得が以前よりも一層手が届きやすい時代になっています。
政府は法曹人口の増加を目指し新司法試験の制度を開始しましたが、初期の頃の予想ほど合格者数は伸び悩んでいました。しかしその後の改善と試験システムの調整により、合格率は徐々に上昇し現在では約45%の人が司法試験に合格しています。
この数字は、過去の旧司法試験の合格率が約3%だったことを考えると15倍以上の合格機会を持つことを意味しており、これまでになく弁護士になるチャンスが広がっていると言えます。
このため、弁護士を目指すにあたり、今はまさに最適の時期と言えます。
就職・転職で極めて有利
弁護士資格は、法律関係の職業の中でも最高位の資格とされており、この資格一つで、司法書士や行政書士、社労士、弁理士、税理士など、他の多くの法律関係の職業の業務も行えます。
このため、司法試験に合格することは就職や転職市場において極めて有利な立場に立つことができます。
司法試験の合格者は、その優秀さと法律分野での専門性の高さから企業や法律事務所など様々な場所で高く評価され、全国各地で高額な報酬を提示される弁護士の求人が豊富にあります。
このように弁護士資格を持つことは、キャリアの選択肢を大きく広げ、経済的な見返りも大きいという点で非常に魅力的な選択となります。
年収が高い
弁護士という職業は職業別年収ランキングでも常に上位に位置しており、令和2年に行われた民間給与実態統計調査によると弁護士の平均年収は1,119万円(ボーナス込み)にのぼります。
また、一般企業においてインハウスローヤーとして勤める場合や省庁や役所に勤務する場合でも、弁護士資格を持つことは尊敬の対象となり昇格も速やかに行われる傾向にあります。
このように弁護士資格は、高い年収はもちろんのこと社会的な地位やキャリアアップの面でも大きな利点をもたらします。
独立して事務所を立ち上げることも可能
司法試験に合格すると、弁護士として独立し、自分の事務所を開業することもできます。
この道を選ぶことで、定年退職の概念に縛られることなく自分のペースで働き続けることが可能となります。
さらに、自身の弁護士としての能力や事務所運営の手腕によっては収入の上限が事実上無限であるとも言えます。
独立開業は、自分で事業を立ち上げるという意味で大きな挑戦ですが、それに伴う自由度の高さや、成功した際の経済的・精神的な報酬は計り知れません。このため多くの弁護士が独立を目指し、自らの力で成功を掴み取ろうと努力しています。
弁護士資格の取得難易度について
ここまで、弁護士資格の取得難易度について解説してきました。
弁護士資格の取得難易度はほぼ司法試験の難易度と同等であるといってよく、その司法試験は法律系の資格試験の中で最高難度を誇っています。
しかし、政府の政策の影響もあり、現在は過去と比較してかなり突破が簡単になっています。弁護士の資格を得れば年収や社会的地位などその努力に見合ったリターンが得られることは間違いないため、今こそ挑戦してみるのも魅力的であると言えるでしょう。
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