働き方改革の進展で転職が身近になり、個人のキャリア形成の重要性が高まっている。それに伴い、スキルアップや能力証明の手段として資格取得への需要が増加していることが予想される。
このような状況を踏まえて、2024年に取得して良かった資格について調査した。
- 2024年最も人気がある資格はファイナンシャルプランナー
- 2024年取ってよかった資格1位もファイナンシャルプランナー
- 「収入アップ」が資格を取ってよかったと思う理由で最多
【調査概要】
項目 | 詳細 |
調査名 | 2024年に取得してよかった資格についての調査 |
対象者 | 2024年に資格を取得した方 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット |
調査期間 | 2024年12月7日〜2024年12月14日 |
回答数 | 410(男性 183 女性 220 無回答 7) |
2024年に取得してよかった資格を調査
2024年に最も人気だった資格はファイナンシャルプランナー
2024年に資格を取得した方410人を対象に「あなたが2024年に取得した資格を教えてください。」という質問を行うと、ファイナンシャルプランナーと回答した人が213人で圧倒的に多かった。
近年の働き方改革と雇用の不安定さにより、経済的な不安を感じて取得する人が多いと考えられる。また、企業の経理や副業だけでなく、個人のライフプランニングにも役立つため多様な活用法があることも魅力である。
続いて、簿記が74人、TOEICが21人と続いた。
2024年に取得してよかった思う資格もファイナンシャルプランナーが首位
2024年に資格を取得した方410人を対象に「2024年に取得した資格のうち、取って良かったと思う資格を教えてください。」という質問を行うと、前の質問と同様にファイナンシャルプランナーと回答した方が213人で圧倒的に多かった。
特筆すべきは、簿記やTOEICなどは前の質問に比べて回答数が少し減っているのに対して、ファイナンシャルプランナーは前の質問と全く同じ回答数であることだ。
ファイナンシャルプランナーは他の資格に比べて、効果やメリットを実感しやすい資格であると言える。これは、ファイナンシャルプランナーは、家計や税金の管理など日常的な金銭面での判断にも直結する知識が身につくからだと考えられる。
6割近くが収入アップを目的に資格を取得している
「今回の資格を取得した目的を教えてください。」という質問を行うと、「収入を上げるため」という回答が59.9%で最も多かった。
約6割の人が収入を上げるために資格を取得しており、「資格取得=収入アップ」というイメージが強いと考えられる。
続いて、「スキルアップするため」という回答が35.8%と2番目に多い。1/3以上の人がスキルアップを目的に資格取得しており、資格取得はスキルアップの手段としても捉えられていることが分かる。
ほとんどの人が資格取得のために書籍を読んでいる
「今回の資格を取得するために何に取り組みましたか?」という質問を行うと、「関連書籍を読む」と回答した人が81.4%で圧倒的に多かった。
書籍は自分で好きな時に好きなペースで学習できるため、どんな方でも取り組みやすいからだと考えられる。
また一般的に、資格関連の書籍は体系的な学習が可能で、練習問題や模擬試験も掲載されているため、一冊で総合的に学習することが可能なのも大きな魅力である。
資格を取ってよかったと思う理由で最も多いのは収入アップ
「2024年取って良かった資格について、なぜ取って良かったと思いますか?」という質問を行うと、「収入が上がったから」という回答が54.8%で最も多かった。
半数以上の人が資格を取得して収入が上がっていることから資格取得は収入アップにつながりやすいことが分かる。
また「スキルアップできたから」という回答が29.7%で2番目に多かった。資格取得の目的のグラフと比べると、基本的に目的通りの効果が得られていることが分かる。
大半の人が支援制度を利用していない
「今回の資格取得のために、どのような支援制度を利用しましたか?」という質問を行うと、特に利用していないと回答した人が74.7%であった。
大半の人が支援制度を利用せずに資格を取得しており、支援制度はほとんど普及していないことが分かる。この結果から、支援制度の認知度の低さや企業内で従業員を育てる支援体制が整っていない可能性が指摘できる。
また支援制度が広まれば、取得に費用がかかる資格に取り組む人も増加し、現状のランキングでは下位にある資格も取得者数が上がる可能性がある。
資格取得の課題と今後の展望
2024年の資格ランキングは、ファイナンシャルプランナーが取得者数、満足度ともにトップとなっている。これは、働き方改革や経済的不安定性を背景に、資産運用や老後の見直しへの関心が高まっていることを示唆している。
注目すべきは、資格取得の主な目的と効果がともに「収入アップ」である点だ。この一致は、資格取得が実際に収入増加につながりやすいことを示しており、多くの人が資格取得を収入アップの有効な手段として認識していることが分かる。
一方で、現状では支援制度の利用率が極めて低く、これが資格取得の多様性を制限している可能性がある。
教育訓練給付制度や企業の資格取得支援制度がより身近になれば、現在は費用面で躊躇している人々も、より幅広い分野の資格取得にチャレンジできるようになるだろう。
調査結果の引用・転載について
本レポートの著作権は、株式会社ベンドが保有します。 引用・転載される際は、必ず「スキルアップ研究所調べ」のような形で出典を明記し、本記事のリンクを付してください。 引用・転載されたことにより利用者または第三者に損害その他トラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いません。