リスキリング レポート

50代社会人とそのリスキリングに関する意識調査

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調査: スキルアップ研究所

2021年には高齢者雇用安定法が改正されたことに加え、来年2025年3月には高年齢者雇用安定法による65歳までの雇用確保義務の経過措置が終了し、65歳まで継続雇用を希望する従業員について「希望者全員雇用」の義務が発生する。

そこでリスキリング研究所では今回、今後高齢者雇用の対象にまさになっていく50代のオフィスワーカーの意識調査を実施し、①当事者の目線②20代30代の同僚からの目線の両面からアンケートを行った。

「50代社会人とそのリスキリングに関する意識調査」のポイント
  • 20代〜30代の社会人は、全体的には50代社会人自身の評価と比較して50代に対して期待をしているが、「新たなスキルの習得」については期待値が高くない
  • 「上司や顧客などの指示・依頼に対して向き合わない」「新たなデジタルツールに対応できない」については20代〜30代の社会人が、50代の自己認識と比較して課題感を強く感じている。
  • 「新しいスキルを身に着けたり未経験の仕事に取り組む」ことについて、50代社会人自身としても意欲があり、20代〜30代も7割程度は期待している

50代社会人の会社への貢献と期待する能力について

1問目では実際に50代社会人は会社にどう貢献しているか、2問目ではどんな能力が期待されているか、をそれぞれ50代の人には自己認識を、20代30代の人には客観的な視点からの認識を回答してもらった。

50代社会人は会社にどう貢献しているか

回答項目によって、若手目線と自己認識では乖離があるものもあることが分かった。

具体的には「組織を前に進めるリーダーシップ」や「顧客や協業先等、社外とのコネクションや交渉力」などは、自己認識よりも高い評価を獲得していた。

特にリーダーシップについては、25ポイント近い差があり、50代社会人自身が思っているよりも仕事をリードする立場としての役割は果たせていると考えられる。

反対に、「新たな知識やスキルを素早く学習して仕事に活かす吸収力」などは50代社会人の自己認識と比較して若手からの評価は高くない結果となった

50代社会人に期待される能力は何か

全体としては、20代30代社会人は、50代社会人の自己認識と比較しても50代社会人に期待を寄せている傾向にあることが分かった。

その一方で、50代社会人が思っているよりも「新たな知識やスキルを素早く学習して仕事に活かす吸収力」については期待されていないという結果になった。

50代社会人の抱える課題について


こちらは項目によって、回答結果が分かれた。

20代〜30代の社会人がより課題感を強く感じている項目としてはハラスメントに加えて、「上司や顧客などの指示・依頼に対して向き合わない」「新たなデジタルツールに対応できない」という項目があり、長年仕事をしてきた故の頑固さのような部分は、自己認識と比較して課題になっているのだろう。

逆に、「ポジションに甘んじており、目標や成果に対する意識が低い」という項目については50代社会人の自己認識の方がより課題感を感じている結果となった。

50代社会人のリスキリングについて

50代社会人に対しては、自身のリスキリングについてどう感じているかについてを調査し、20代〜30代の社会人からの客観的な目線についても調査した。

リスキリングの能力的な可否

全体としては、やや二極化した結果となった。

50代社会人から最も多かった回答は「若手に劣るができる」となっておいる一方、50代社会人で「若手よりもできる」と答えた人の割合は20代〜30代からの評価と比較して高く、全体としては自信が強くはない一方で、一部に自信家の人がいると考えられる。

リスキリングに対する意識

50代社会人の「積極的に取り組んでいきたい」「どちらかというと取り組んでいきたい」とい答えた人は8割を超えており、別調査にて40代社会人が9割を超えていた結果と比較するとやや低いものの、十分に意識は高いことが分かった。

20代〜30代からの期待についても「積極的に取り組んで欲しい」「どちらかというと取り組んで欲しい」と答えた人が約7割と、ある程度期待はされていることが分かった。

調査概要

項目

詳細

調査名

50代社会人とそのリスキリングに関する意識調査

対象者

①身近な20代30代と働く、50代のオフィスワーカー

③身近な50代と働く、20代30代のオフィスワーカー

対象地域

全国

調査方法

インターネット調査

調査期間

2024年2月8日~2月14日

回答数

①100名

②20代:58名、30代:142名 計200名

調査結果の引用・転載について

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