リスキリング レポート

エンジニアのリスキリングに関する意識調査

更新日:

調査: スキルアップ研究所

岸田政権がリスキリング支援の表明をしたことで、社会人の学び直し(リスキリング)の注目度は高まっている。リスキリングはあらゆる職種において、キャリアアップを実現してより良い働き方を推進する上で非常に重要である。

そして、これは特定の技能を仕事とする専門的な職種においても例外ではなく、特にコロナ禍を経て人気職種となったエンジニアも例外ではない。

そこでスキルアップ研究所では、エンジニアのリスキリングに関する現状について明確にするため、エンジニアを対象としたアンケートを行いリスキリングの実態を調査した。

「エンジニアのリスキリングに関する実態調査」のポイント
  • エンジニアのリスキリング率は非常に高い
  • スキルアップが業務内容に直結するエンジニアはリスキリングへの意欲が高い
  • 今後幅広い分野でエンジニアのリスキリングを推進していくことが重要


エンジニアでリスキリングに取り組んでいる人は50%

エンジニアのリスキリング実施割合
エンジニアを対象にリスキリングについてのアンケートを実施したところ、現在就業時間外でスキルアップに取り組んでいる人は50%に上ることが分かった。

これは、女性のリスキリング実施率の25%、公務員のリスキリング率の37%と比較すると極めて高い実施率であるといえる。

プログラミング言語・技術の習得に取り組む人が多い

エンジニアのスキルアップ内容

現在スキルアップに取り組んでいるエンジニア71名を対象に、スキルアップに取り組んでいる内容は何かを尋ねたところ、大多数のエンジニアがプログラミング言語(27名)や新技術の習得(43名)に注力していることが分かった。

ただ、英語などの外国語(20名)や会計・金融系の知識(13名)を身につけているエンジニアも一定数おり、より多角的なキャリア展開を見据えている層もいるようだ。

エンジニアがリスキリングに取り組む目的は開発に終始

エンジニアがリスキリングに取り組む目的

同じく現在スキルアップに取り組んでいる人を対象に、スキルアップに取り組む主な目的を尋ねたところ、「新たに身につけた技術・言語で開発をしたい」と回答する人が35.7%と最も高く、次いで「開発に必要で、取り組まざるを得ない」が21%を占めた。

エンジニアのスキルアップが業務内容に直結していることが窺える結果となった。

リスキリング実施率の高さの背景は業務環境

仕事に直結しているためリスキリング実施率が高い

エンジニアの技術向上意欲

「自らのエンジニアとしての技術を向上させることに関心はありますか」という質問には91.5%が「ある」「どちらかといえばある」と回答し、エンジニアのスキルアップへの関心の高さが示された。

言語・技術習得など明確なスキルアップの指標があることや、仕事の幅が広がる・より高度な内容に取り組めるようになるなど、エンジニアはスキルアップの効果を感じやすい環境にあるため、このような関心の高さに繋がっていると考えられる。

リスキリングの効果実感率は91.6%

エンジニアのリスキリングによる効果

実際に、スキルアップにより何らかの効果を感じたというエンジニアは実に91.6%にのぼっている。エンジニアのリスキリング実施率及び関心率の高さには、効果実感のしやすさがあるようだ。

また、スキルアップに取り組んだことによって得られたメリットとして、年収増加を上げる人は19名、キャリアアップを実感している人は22名にのぼった。


エンジニアがリスキリングに取り組めないのは時間の無さが原因

エンジニアがリスキリングに取り組めない原因

リスキリングへの意欲・関心が高いエンジニアであるが、一方でリスキリングに取り組んでいない人も約半数存在する。
現在リスキリングに取り組んでいない人のうち、半分近くが理由として「必要性は感じるが、時間的な余裕がない」を挙げている。

また「キャリアアップのイメージがわかない」という声もみられた。

エンジニアが幅広くリスキリングを行う意義と展望

プログラミング言語・技術以外のリスキリング率は?

エンジニアでも英語などの言語に取り組む人やマネジメント・チームビルディングに取り組みたいと考える人、会計・金融系に取り組む人も少なくない。
上述のアンケートでは、スキルアップに取り組む理由として、「開発以外の仕事も視野に入れたいから(18.6%)」「マネジメント層への昇格を目指したいから(11.4%)」を挙げるエンジニアも一定数存在することが分かる。

エンジニアがリスキリングを行う意義

エンジニアも、開発以外のことを視野に入れると今後のキャリアの選択肢が広がり、昇格・昇給等が望める可能性は高まる。

スキルアップへの意欲が高く、リスキリングの概念に馴染みのあるエンジニアは、環境を整えたり啓発を行ったりすることでよりリスキリングの機会を持てるようになるだろう。

調査概要

項目

詳細

調査名

エンジニアのリスキリングに関する実態調査

対象者

現在エンジニアとして仕事をされている方

対象地域

全国

調査方法

インターネット調査

調査期間

2024年1月28日~2月4日

回答数

141名

調査結果の引用・転載について

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