現在社会人の学び直し(リスキリング)は非常に注目を集めているが、リスキリングをする社会人として、一般企業に務める会社員をイメージする方がほとんどなのではないだろうか。
しかし、公務員も決してリスキリングやキャリアアップと無関係であるわけではない。公務員は安定的な職業だと思われているが故に、リスキリングの実態はこれまであまり触れられてこなかった。
そこで、スキルアップ研究所では①公務員の方②かつて公務員だった方(当時の関心や状況を回答)③配偶者が公務員の方(代理回答を依頼)を対象に、公務員のリスキリングに対する意識についてインターネット調査を実施し、172名より回答を得た。
- キャリアアップへの関心・リスキリングの必要性の実感を持つ公務員は多い
- 公務員の実際のリスキリングへの取り組み率は4割弱に留まる
- 公務員のリスキリング環境を整えることが重要
スキルアップ・キャリアアップへの興味がある公務員は多い
約8割がキャリアップに関心あり
公務員の方で、「キャリアアップに関心がありますか」という質問に「ある」「どちらかといえばある」と回答した方は合わせて79%にのぼった。公務員は安定した職業であり、比較的キャリアアップには消極的であるという世間のイメージとは裏腹に、公務員のキャリアアップへの意識や成長意欲が高いことが示された。
約9割が新たな知識の必要性を実感
また、「勤務をする中で新たに知識を身につけるべきだと感じることはありますか」という質問に89%の人が「思う」「たまに思う」と回答しており、スキルアップへの興味関心も高いことが伺える。
リスキリングに取り組む公務員は37.7%と少ない
実際にキャリアアップやスキルアップのために勉強している公務員は37.7%と、キャリアアップ・スキルアップにへの関心の高さとの乖離が見られる。
一方で、以下の調査で分かるように、リスキリングに取り組んだ経験のある公務員の方の中で「年収がアップした」「キャリアアップに繋がった」といった効果を実感している人も多い。
これを整理すると、割合としては全体の約8割がなんらかの効果は実感しているという結果となった。
時間のなさからリスキリングに取り組めない公務員
では、リスキリングへの関心・リスキリングの効果実感率の高さと、リスキリング実施率の低さの間にはどのようなハードルがあるのだろうか。
現在スキルアップに取り組んでいない方を対象にその主な理由を尋ねたところ、「時間的余裕がない」という声が半数以上を占めていることがわかった。
公務員のリスキリングに関する今後の課題
今回の調査で、安定した職業というイメージが強く、リスキリングの必要性を感じにくい公務員も、リスキリングへの高い意欲ががあることが分かった。
しかしながら、多くの公務員が時間的制約に直面しており、リスキリングへの取り組みが難しい現状も明らかになった。
公務員のリスキリング環境を整えるには
公務員がリスキリングに取り組みやすい環境を整えるためには、勤務時間内に研修の機会を提供することが一つの解決策となり得る。一方で、勤務時間内にスキルアップのための研修などが用意されているにもかかわらず、参加していないという人が62.5%に上っている。この参加率を向上させるためには、研修の内容を公務員のニーズに沿ったものにしていく必要があるだろう。
また、通信講座のような柔軟なスケジュールで学習できるオンラインでの学習なども、雇用者側から促進されるべきだ。加えて、リスキリングの重要性やメリットを広く伝えることで、公務員自身の学ぶ意欲をより高めていくことが求められる。
調査概要
項目 | 詳細 |
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調査名 | 公務員のスキルアップに関する実態調査 |
対象者 |
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対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2024年1月28日~2月3日 |
回答数 | 計172名 |
調査結果の引用・転載について
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