大学生の公務員試験対策はいつから?必要な勉強時間やおすすめの対策法まで徹底解説

更新

「大学生が公務員を目指す場合、いつから対策をはじめるのが最適?」

「公務員試験に合格するために必要な勉強時間は?」

このような疑問をお持ちの大学生も多くいると思います。

公務員はいまでも人気の職業で、大学生の方でも将来の選択肢として考えている方は多いでしょう。

そこで、この記事では、公務員試験に向けた勉強スケジュールや対策法について解説していきます。


このページにはプロモーションが含まれています

大学生は3年生から勉強を開始する人が多い

公務員試験の勉強はいつから始めたか

スキルアップ研究所の調査では、平均して試験の1年前、つまり大学3年生の春頃に勉強をはじめる人が多いことがわかります。

あとで詳細に説明しますが、公務員試験対策に必要な勉強時間は1,000〜1,500時間程度と言われており、1年間あれば1日あたり平均4時間程度と現実的なラインであることがわかるでしょう。

3年生の春といえば、民間就活でもサマーインターン等を意識し始める時期であり、就職活動が動き出すこの時期から公務員を目指す方は対策をはじめることがおすすめです。

職種によっていつから勉強をはじめるかは異なることも

基本的には上述の通りですが、公務員の中でも職種によって試験日や難易度が異なるため、勉強をはじめる時期もやや変わってくる点には注意が必要です。

国家公務員志望は早めに対策を開始する人が多い

公務員試験の対策をいつから始めたのかを国家・地方別で集計

国家公務員の総合職や一般職の試験は、4月から一次試験が始まり6月末には合格発表と、比較的早いスケジュールで行われます。

そのため、国家公務員が第一志望の方はある程度早い段階から準備をはじめておく必要があります。また、国家公務員の中でも総合職試験は最難関であり、総合職を目指す方も早めの対策が必須になります。

また、国家公務員は試験後に官庁訪問があるなど、ただ試験で合格ラインを超えるだけでは内定にはならないため、試験でできる限り高得点を取り高い評価を得ておくことも重要です。

地方公務員志望は比較的遅めのケースも

公務員試験の対策をいつから始めたかの国家・地方別集計

上級公務員であれば4月から受付が開始され、6月ごろから第一次試験がスタート、最も遅い自治体の市役所試験などは、9月下旬に一次試験を実施し最終合格は年明けとなるなど、地方公務員は自治体や職種によって大きく試験時期が異なります。

ただ、共通して国家公務員試験はやや遅い日程であるため、3年生の夏頃から対策をはじめる方も多く見られます。

また、地方公務員の場合でも高得点を取っておくことで後々の配属に有利になる場合もあるため、できるだけ高い点数を得ておくことは大切です。

大学4年生から合格を目指すことも可能

基本的には、上述の通り大学3年生から対策をはじめることが一般的ですが、それより遅くはじめても合格したという方は多く存在します。

ここでは、半年前、3ヶ月前の2つについて詳しく見ていきましょう。

半年前(大学3年生の冬)

半年時間があれば、集中して勉強すれば十分に追いつくことは可能です。

というのも、公務員試験の難しいポイントはその出題範囲の広さにあり、それを網羅するために時間がかかるという点が大きいため、春休みを有効活用して勉強時間さえ確保できれば、十分に遅れを取り返すことができるます。

ただし、周りの受験生と比べて遅れをとっていることは認め、危機感を持って勉強するようにはしてください。

1,500時間を確保するためには、単純計算で1日あたり10時間程度の勉強は必要になるため、もし独学に不安がある場合には、通信講座や予備校を活用して自分に強制力を持たせることもおすすめです。

3ヶ月前(大学4年生の春)

3ヶ月前から勉強を開始する場合は、相当なポテンシャルか覚悟のどちらか、もしくは両方が必要になります。

ポテンシャルの面としては、高学歴の学生で元々一般教養の知識が十分にある人や、暗記力に自信のある学生で学習効率が極めて高い人であれば、3ヶ月でも合格ラインに乗せることは十分可能です。

また、覚悟の面としては、例えば1日に15時間の勉強を90日続けることができれば1,350時間となり、勉強時間を十分に確保することは可能です。

実際、過去には1ヶ月半の対策で地方上級の公務員試験に合格したという方もいます。本気で公務員を目指す方であれば、諦めずに勉強すれば可能性は見えてくるでしょう。

合格には通常1,000〜1,500時間の勉強時間が必要

勉強のイメージ

公務員試験は試験範囲が極めて広いため、一般的には1,000〜1,500時間の勉強が必要と言われています。

これは1年間、毎日平均して4〜5時間程度勉強すれば到達可能な水準であり、これが1年前からの対策をおすすめしている理由になります。

もちろん、個々人のポテンシャルや目指す職種によっても異なることや、ただ「時間」をこなせばいい訳ではなく「内容」を網羅的に身につけることに価値があることは忘れてはいけません。

初学者からのスタートでも十分に合格可能

「1,500時間とはいっても、大学までしっかり勉強してきた人向けで自分はもっとかかるんじゃないか」

と心配する方もいらっしゃるでしょう。しかし、0からでも1,500時間勉強すれば合格に必要な知識を身につけることは可能です。

そのため、大学受験を経験していない方や、大学の授業にほとんど出ていなかったという方でも基礎から固めていけば十分に合格を狙えるため安心してください。

ただし、勉強習慣のない方や自分なりの勉強スタイルのない方は、独学での勉強では誤った方向へ進んでしまう危険があるため、予備校や通信講座の受講を強くおすすめします。

面接対策は直前からでも問題ない

公務員試験では、筆記試験のあとに面接試験を行いますが、面接試験の対策は試験1ヶ月前など直前からで問題ないです。

面接試験は難易度が低く落ちにくく、そもそも筆記試験の成績次第では面接試験にたどり着けないため、まずは筆記試験の勉強を優先しましょう。

聞かれる内容も、自己PRやガクチカ(学生時代に頑張ったこと)などある程度型が決まっているため、よほどコミュニケーションに不安がある方でなければ対策期間は短くても問題ありません。

もし不安がある方は、公務員試験に合格した先輩や予備校の講師の方などに相談し、面接試験について事前に情報だけでも得ておくと安心かもしれません。


大学生の一日の勉強スケジュール例

ここでは、大学生が実際に勉強する場合のモデルとなるスケジュール例を1つご紹介します。

ぜひ実際に合格した先輩のスケジュールを参考にしてみてください。

大学のある平日の勉強スケジュール例(6時間)

時間

内容

8:00〜9:00

身支度・大学へ移動(移動中は復習

9:00〜10:30

授業前に図書館で勉強(数的処理中心)

10:30〜12:00

2限 大学の授業

12:00〜13:00

昼食(スキマ時間で復習

13:00〜16:30

3,4限 大学の授業

16:30〜19:00

図書館で勉強

19:00〜20:00

夕食

20:00〜22:00

図書館で勉強(暗記科目中心)

22:00〜23:00

ジム

23:00〜24:00

就寝準備・就寝

これは、実際に地方上級公務員に合格した方の平日1日の勉強スケジュールです。

大学の授業と両立しながら、机に向かっている時間だけでも6時間の勉強時間を確保しています。

また、他にもポイントになっている部分をいくつか以下にご紹介します。

  • 移動中やスキマ時間で復習をできるようする
  • 毎日運動をしてリフレッシュする時間を作る
  • 8時間は睡眠時間を確保する

大学の授業や通学にかかる時間によっても変わってくるとは思いますが、こちらを参考にして自分だけの勉強スケジュールを作ってみてください。

大学1年生・2年生でも今すぐできる公務員試験対策もある

基本的には、大学1,2年生の間はサークルや部活、アルバイト、趣味など好きなことに熱中して大学生の間しかできない経験をすることがおすすめです。

しかし、公務員を目指すという強い決意が固まっている人も、もしかしたらいるかもしれません。そんな方が「今からでも何か対策をしたい!」という場合におすすめの内容をいくつか紹介します。

一般教養試験に役立つ勉強をする

一般教養では、数的処理・文章理解など高校までの内容を中心に出題されます。

この中で、いくつか自分が絶対的に自信のある科目を作っておけば、本格的に対策を始めるときに一般教養にかける時間を減らすことができ、その分専門科目の対策に充てることができます。

中でもおすすめは英語で、1,2年生のうちにTOEICを受けておくなど勉強をしておくことで、将来的にも役立つだけではなく、間接的に公務員試験の対策もすることが可能です。

大学の勉強を頑張る

言わずもがなですが、大学の勉強はしっかり頑張っておきましょう。

1,2年生のうちに単位を取りきっておくことで、公務員試験の勉強をする3年生以降での負担を減らせる他、4年生になって内定をもらってから卒業可否に怯える必要もなくなります。

また「専門科目」では大学レベルの内容が出題されるため、大学の勉強が直接試験対策に繋がることも多々あります。

そのため、まずは学生の本分でもある大学での勉強は怠らないようにしてください。

不安なら通信講座を受講する

基礎的なレベルに不安がある方は、早いうちから通信講座を受講して勉強を進めておくことも一つの方法です。

おすすめは、まずは自分の現在地を把握するために過去問に一度触れてみること、それと同時に不安があれば通信講座や予備校の資料請求を行い、講師やサポートに相談をしてみるという手順です。

試験対策に特におすすめの通信講座として、アガルートの公務員講座が挙げられます。

アガルートは予備校と通信講座それぞれの良い部分を取り入れた講座として、近年受講者数が急増しています。講座を受講することで受けられるサービスとして

  • 模擬面接を何度でも受けられる
  • 講師による論文添削付き
  • スマホでいつでもどこでもプロ講師による講義を受けられる

などが挙げられます。

これらのサービスが功を奏して合格者数も急増しており、今イチオシの講座であると言えるでしょう。


大学生が公務員試験合格を目指す際の重要ポイント6選

ここでは、合格を目指すための重要ポイントを解説していきます。

十分な勉強時間を確保しよう

公務員試験は多岐にわたる知識を問われるため、十分な勉強時間の確保が成功の鍵を握ります。一般的に、公務員試験対策には最低でも1,000時間の勉強が必要とされています。

この時間は、幅広い範囲を網羅するためのものであり、法律、経済、社会、一般常識といった多岐にわたる分野の知識を身につけるためには欠かせません。しかし、自信がない場合やより高いレベルの合格を目指す場合には、さらに多くの時間を確保することが推奨されます。具体的には1,500時間以上の勉強時間を確保しておくことが望ましいです。

勉強計画を立て、毎日コツコツと積み重ねることが、目標達成への確実な一歩となるでしょう。

独学だと不安が残ることも

独学で公務員試験に挑む場合は、メンタル面での負担が大きく情報の入手も困難です。また、自分の勉強法が適切かどうかの確証が持てず、効率的な勉強時間の確保も難しくなります。

そのため、独学で勉強する場合は、最後まで走り切るだけの覚悟や情報を入手できる縦や横の繋がりは必須になるため、厳しい道程になるでしょう。

予備校や通信講座が受講料はかかってしまいますが、それを惜しんだ結果、試験に不合格という本末転倒の結果を招くこともあります。

勉強を一緒にする友達を作ろう

経済的な理由から独学を選ぶ大学生は、インターネットやX(旧Twitter)を活用して最新の試験情報を定期的に確保することが重要です。

また、学校内やサークルで公務員試験の目標を共有する友人を見つけ、情報共有や励まし合いを行うことも大切です。

公務員試験は大学生にとって就職活動そのものであり、他の資格試験と比べてもプレッシャーが大きいため、孤立せずに周囲とコミュニケーションを取ることが、モチベーションの維持やメンタルの安定につながります。

プレッシャーに負けて孤独になりがちな受験生もいますが、何気ない会話や支え合いが、試験の重圧を乗り越える助けになるでしょう。

スキマ時間を有効活用しよう

大学生は移動時間などスキマ時間が多くあります。そのため、この時間を活用するために、単語シートや穴埋めシートをスマホに入れておくと勉強に役立ちます。

また、移動中や待ち時間に手軽に取り組めるような簡易的な教材を作成し、記憶から情報を引き出す練習をすることもおすすめです。ただ参考書を読むだけではなく、自分で考えて答えを出す作業が、知識の定着には非常に重要です。

また、勉強の合間には適切な気分転換も忘れずに行いましょう。これらの工夫をすることで、効率よく学習を進めることが可能になります。

目指す職種の試験傾向や配点を理解しよう

ひとくちに公務員試験といっても、国家総合職や国家一般職、地方公務員、技術職など、職種によって試験の傾向や配点は異なります。

例えば、国家総合職では2次試験の専門試験(記述式)の配点が高くなっていますし、国家一般職(行政区分)では1次試験の専門試験(多肢選択式)の配点が高くなっています。

配点の高い科目が苦手科目になっている場合は要注意です。試験の傾向や配点を理解することで、学習に際してどの分野に最優先に取り組むべきかを判断することができます。

過去問は積極的に解こう

過去問を解くことは、公務員試験対策において非常に重要です。

過去問はただの「腕試し」ではなく、将来の試験で出題される問題の傾向を理解するための貴重な資料です。そのため、これらを定期的に解くことで、どのような問題がどのように出題されるかの予測が可能となり、試験準備の際に何に重点を置くべきかの指針を提供してくれます。

対策を始める際はもちろん、2週間に1回程度ののペースで過去問を確認し、解き続けることで目標からブレずに勉強をすすめることが可能になるでしょう。

これにより、試験に対する理解を深め、より効果的な学習が可能になります。

予備校や通信講座の復習を徹底しよう

予備校や通信講座を活用しているにも関わらず、学習内容を復習しない受験生が多いというのは驚くべき事実です。

人間の記憶力は非常に脆弱で、新しい情報は復習しない限り、短期間で忘れ去られてしまいます。高額な受講料を支払ってアクセスしたテキストや授業のDVDは、ただ受けるだけでなく、何度も繰り返し読み込む必要があります。

予備校や通信講座の真の価値を引き出し、その効果を最大限に活かすためには、復習を怠らないことが不可欠です。復習を通じて学んだ知識を定着させ、理解を深めることが、公務員試験対策の成功への鍵となります。

働きたい機関・職場についての情報収集を徹底しよう

働きたい機関や職場についての徹底した情報収集は、公務員試験対策の重要な一環です。

自分の将来像を明確にし、公務員試験を含むキャリア選択に対する決意を固めることができるため、それによって試験対策のモチベーションを高め、長期間に及ぶ厳しい準備期間を乗り越える助けになります。

公務員試験対策は精神的につらい部分も大きいため、目指すべき理想へのビジョンを持つことで、学習に対する意欲を維持し、効率的な準備を実現することが可能になります。


大学生の公務員対策のよくある疑問

最後に、大学生が公務員試験を受けるにあたって気にすることが多い3つの疑問に解答していきます。

学歴は関係ある?

大学のランクや入試時の合格点などは、公務員試験とは全く関係がありません。

また、一部の学閥が強い官庁などを除けば、出世に関しても年功序列であり基本的には安定して給料が伸びていくため、ここでも学歴はほぼ関係ありません。

民間企業の採用では、いまだに学歴を厳しく見られる場合もあり、企業によってはES段階で学歴で足切りを行っているケースもあります。それを考えると、公務員は学歴に自信のない方でも挑戦しやすい職種であると言えます。

公務員は失職しないって本当?

公務員の離職率は全体でわずか1%であり、民間企業のようなリストラもないので、ほぼ失職することはないと考えて問題ありません。

離職についても、民間や非営利団体への転職などポジティブなものも多く、基本的に「公務員をクビになる」ということは一切ないでしょう。

民間企業との併願は可能?

制度上は問題ないため可能です。また、両立して就職活動を行っている方は多くいるため、対策自体も十分に可能だと考えられます。

併願を考える場合には、自分がどういったキャリアを目指すのか、対策の比重をどうするのか、という2つを考える必要があります。

前者については、自分にとって譲れない条件や、キャリアを通じて目指す姿・成し遂げたい目標を考えることで公務員と民間との志望順位を整理することに繋がります。後者については、例えば、公務員が第一志望かつ筆記試験に自信がない場合は、民間は数社に絞って公務員試験の対策に集中するという方法もあります。

また、民間企業の面接では公務員との併願について話した際に、理由や志望度について深く聞かれることもあるため、一貫性を持って話せる軸を作っておくことも大切です。

大学生の公務員試験対策のまとめ

この記事では、大学生が公務員試験の対策を「いつから」「どのように」すればよいのかを解説しました。

公務員はいまでも人気は衰えておらず、採用倍率は得てして高くなりがちです。学科試験自体は対策をすれば誰でも合格することは可能なので、勉強時間をしっかり確保して対策を行いましょう。

大学生活も疎かにしないよう、適度に息抜きもしながら自分のルーティンを作り、公務員試験の合格を掴み取ってください!