![]()
※東京都「テレワーク実施率調査結果(令和8年6月)」および「令和7年度多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」等をもとにスキルアップ研究所が分析。両調査は対象・方法が異なる(本文参照)
「テレワークは終わった」のか、それとも「定着した」のか。報道では大手企業がテレワークを廃止し、完全出社へ戻すといった内容が話題になりやすいが、実施率は毎月・毎年の公表値を定点で追うことで、初めて実態がつかめる。
スキルアップ研究所では、東京都が毎月公表している「テレワーク実施率調査結果」を軸に、年次の導入状況調査や全国調査を重ね合わせ、テレワークの現在地を定点分析した。
- 都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は43.8%(令和8年6月)。コロナ禍期の最高値65.0%からは約21ポイント低下した一方、調査開始時の令和2年3月(24.0%)よりは約20ポイント高く、ここ2年ほどはおおむね40〜45%の範囲で横ばいが続いている
- 令和7年度に制度としてテレワークを導入している都内企業は64.0%で、前年度から6.0ポイント上昇。月次の実施率43.8%とのあいだには20.2ポイントの開きがある
- テレワーク実施率は企業規模で約1.5倍の差がある。従業員300人以上の企業は62.2%、30〜99人の企業は40.6%
- テレワークを実施した従業員の実施頻度(別途の従業員向け調査)では、「週3日以上」が39.7%と前月から3.5ポイント減少する一方、最多は「週1日」の38.3%。半日・時間単位の「テレハーフ」の活用も23.5%へ3.2ポイント増加した
- 一方で、都内企業の55.3%は「今後もテレワークを実施する予定はない」と回答している
実施率は43.8%。コロナ禍のピーク時から約21ポイント低下し、この2年は横ばい
東京都は、都内に所在する従業員30人以上の企業を対象に、その月のテレワーク実施状況を毎月調査している(約1,000社を無作為抽出した電話調査。有効回答は約400社規模)。
最新の令和8年6月調査では、テレワークを実施した企業の割合(テレワーク実施率)は43.8%だった。
長期の定点で見ると、実施率は調査開始以降の最高値である65.0%(コロナ禍期)に達したことがある。現在の43.8%はそこから21.2ポイント低い水準である。
一方、この調査の最初の公表値である令和2年3月は24.0%であり、現在はそれより19.8ポイント高い。
これはコロナ禍でテレワーク(リモートワーク)が浸透したことによる影響が大きいと考えられる。

つまり、テレワーク実施率は「伸び続けている」わけでも「消えつつある」わけでもなく、コロナ禍によるピークから大きく下がったあと、ここ2年ほどはおおむね40〜45%の範囲で横ばいが続いている、というのが定点で見た実態である。
制度と実態のあいだに、20.2ポイントのギャップ
月次の実施率とは別に、東京都は年に1回、都内企業のテレワーク「導入」状況を調査している(「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」。都内の従業員30人以上の企業10,000社に調査票を郵送し、2,093社から回収。調査期間は令和7年11月)。
令和7年度調査によると、テレワークを制度として「導入している」企業の割合は64.0%。前年度(58.0%)から6.0ポイント上昇しており、制度の面ではむしろ拡大している。
ここで、2つの数字を並べると特徴的な構図が見えてくる。
制度として導入している企業:64.0%(年次調査・令和7年度)
その月に実施した企業:43.8%(月次調査・令和8年6月)
差:20.2ポイント

なお、この2つの数値は調査が異なる。
導入率は年1回の郵送調査(回答2,093社)で「制度として導入しているか」を、
実施率は毎月の電話調査(有効回答約400社)で「その月に実施したか」を尋ねたものであり、対象企業も回答時期も一致しないため、厳密な引き算として扱うことはできない。
その限界を踏まえてもなお、この2つの公表値の開きは、「制度としてテレワークを導入していても、実際には実施していない企業が相当数ある」可能性を示すものといえる。制度の拡大(前年度比+6.0ポイント)と、実施率の横ばいが同時に起きていることも、この見方と整合的である。
企業規模で約1.5倍の差。中小企業では6割近くが「実施予定なし」
令和8年6月の月次調査を企業規模別に見ると、実施率には明確な差がある。
企業規模 | テレワーク実施率 | 今後も実施予定なし |
|---|---|---|
300人以上(45社) | 62.2% | 37.8% |
100〜299人(106社) | 43.4% | 55.7% |
30〜99人(249社) | 40.6% | 58.2% |
全体 | 43.8% | 55.3% |
従業員300人以上の企業では62.2%が実施しているのに対し、30〜99人の企業では40.6%にとどまる。その差は21.6ポイント、倍率にして約1.5倍である。

また、全体では55.3%の企業が「今後もテレワークを実施する予定はない」と回答しており、規模が小さいほどその割合は高い(30〜99人では58.2%)。
テレワークの有無は、勤め先の規模によって大きく左右される状況にあるといえる。
なお、規模別の集計は回答企業数が少なくなる(300人以上は45社)ため、月ごとの数値の振れは全体値より大きくなりうる点に留意が必要である。
減っているのは「実施そのもの」ではなく「日数」
同じ公表資料には、テレワークの実施回数(頻度)の内訳も掲載されている。
ただしこちらは前掲の企業向け電話調査とは別で、都内企業に勤める従業員(18〜69歳)2,000人を対象としたインターネット調査であり、テレワークを実施した従業員(令和8年6月・回答720人)の内訳を示したものである。
実施回数 | 令和8年6月 | 令和8年5月 |
|---|---|---|
週1日 | 38.3% | 35.4% |
週2日 | 22.0% | 21.4% |
週3日 | 12.4% | 14.4% |
週4日 | 11.6% | 11.1% |
週5日 | 15.7% | 17.6% |
(うち週3日以上の合計) | 39.7% | 43.2% |
週3日以上の合計は39.7%と、前月(43.2%)から3.5ポイント減少した。最も多いのは週1日の38.3%で、前月(35.4%)から増加している。週5日も15.7%へ減少した。
あわせて、半日・時間単位のテレワーク(東京都が「テレハーフ」として推奨)を活用した従業員の割合は23.5%と、前月(20.3%)から3.2ポイント増加している。
また、企業向けの電話調査によると、テレワークを実施した企業(175社)における、テレワークを実施した社員の割合の平均は36.0%と、前回(35.6%)から0.4ポイントの微増だった。
高頻度(週3日以上)の割合が減り、週1日や半日・時間単位の利用が増えている。ただしこれは直近2か月の比較であり、この1か月の変化だけで傾向を断じることはできない。それでも、毎日在宅する働き方から、出社と組み合わせて部分的に使う働き方へという再編の動きは、全国調査でハイブリッド勤務の定着が指摘されていることとも方向が一致している。
全国では、テレワーク経験者の割合が増加に転じた
視点を全国に広げる。国土交通省「テレワーク人口実態調査」(令和7年度・2026年3月公表)によると、雇用型就業者のうちテレワーカー(これまでにテレワークをしたことがある人)の割合は25.2%で、前年度から0.6ポイント上昇し、コロナ禍後に続いていた減少から増加に転じた。首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)では37.7%と、全国平均を大きく上回る。
この調査は「これまでに実施したことがあるか」を個人に尋ねるもので、企業を対象にその月の実施の有無を尋ねる東京都の月次調査とは、対象も定義も異なる。数値の水準を直接比較することはできないが、「首都圏で高く、全国では下げ止まりから増加へ」という方向感は、東京都の「横ばい」と矛盾しない。
働く人の側の意向を見ると、テレワーク経験者1,000人を対象とした民間調査(テレリモ総研「テレワークの実施状況と継続意向に関する調査」2026年)では、現在の働き方はハイブリッド勤務が48.2%で最多(フル出社37.9%、フルリモート勤務13.9%)。テレワークの維持・拡大意向は60.7%にのぼり、縮小意向(5.7%)を55.0ポイント上回った。テレワークを経験した働き手の側には、続けたいという意向が強く残っている。
まとめ
東京都の公表データを定点で分析すると、テレワークの現在地は次のように整理できる。
- テレワークの実施率は最高値の65.0%から43.8%へと約21ポイント低下したが、調査開始時(24.0%)よりは約20ポイント高く、ここ2年ほどはおおむね40〜45%の範囲で横ばいが続いている。
- 制度としての導入率は64.0%へと前年度から6.0ポイント上昇しており、月次の実施率43.8%とのあいだには20.2ポイントの開きがある。調査方法の違いによる限界はあるものの、「制度はあるのに、使われていない」企業が相当数存在する可能性を示す構図である。
- 実施率は企業規模で約1.5倍の差があり、実施頻度は高頻度から週1日・半日単位へと再編が進んでいる。
制度の整備が進む一方で実施が横ばいにとどまる背景は、本分析からは特定できない。
ただ、業務の性質に加え、テレワーク下でのコミュニケーションやマネジメントの難しさといった運用面の課題が各種調査で繰り返し指摘されてきたことを踏まえると、制度と実態のギャップがどう推移していくかは、今後も定点で追う価値のあるテーマである。
付録:分析データ一覧
本レポートで使用した数値の一覧を示す。
基礎データ(東京都・月次/企業向け電話調査)
出典:東京都「テレワーク実施率調査結果(令和8年6月)」(2026年7月15日公表) 調査対象:常用雇用者規模30人以上の都内企業(約33,000社)/調査規模:約1,000社/抽出方法:無作為抽出/調査方法:電話調査/N=400
項目 | 値 | 時点 |
|---|---|---|
テレワーク実施率 | 43.8% | 令和8年6月 |
テレワーク実施率(前月) | 43.3% | 令和8年5月 |
公表グラフ上の最高値 | 65.0% | コロナ禍期 |
調査開始時の値 | 24.0% | 令和2年3月 |
(参考)翌月の値 | 62.7% | 令和2年4月 |
規模別実施率:300人以上(45社) | 62.2% | 令和8年6月 |
規模別実施率:100〜299人(106社) | 43.4% | 令和8年6月 |
規模別実施率:30〜99人(249社) | 40.6% | 令和8年6月 |
「今後実施」(全体) | 1.0% | 令和8年6月 |
「実施予定なし」(全体) | 55.3% | 令和8年6月 |
「実施予定なし」:300人以上/100〜299人/30〜99人 | 37.8%/55.7%/58.2% | 令和8年6月 |
テレワークを実施した社員の割合(実施企業175社の平均) | 36.0% | 令和8年6月 |
同(前月) | 35.6% | 令和8年5月 |
基礎データ(東京都・月次/従業員向けインターネット調査)
出典:同上資料内。調査対象:都内企業に勤める従業員(18〜69歳)/調査規模:2,000人/業種・従業員規模に偏りがないよう割付(経済センサスベース)/回答数:令和8年6月 N=720、令和8年5月 N=758
実施回数 | 令和8年6月 | 令和8年5月 |
|---|---|---|
週1日 | 38.3% | 35.4% |
週2日 | 22.0% | 21.4% |
週3日 | 12.4% | 14.4% |
週4日 | 11.6% | 11.1% |
週5日 | 15.7% | 17.6% |
週3日以上(合計) | 39.7% | 43.2% |
項目 | 令和8年6月 | 令和8年5月 |
|---|---|---|
終日テレワークのみ | 76.5% | 79.7% |
「テレハーフ」活用 | 23.5% | 20.3% |
基礎データ(東京都・年次調査)
出典:東京都「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」(都内の従業員30人以上の企業10,000社に郵送・オンラインで調査)
項目 | 値 | 時点 |
|---|---|---|
テレワーク導入率(回収2,093社) | 64.0% | 令和7年度(調査期間 令和7年11月) |
テレワーク導入率 | 58.0% | 令和6年度 |
テレワーク導入率 | 60.1% | 令和5年度 |
基礎データ(全国・参考)
項目 | 値 | 出典・時点 |
|---|---|---|
雇用型テレワーカーの割合(全国) | 25.2% | 国土交通省「テレワーク人口実態調査」令和7年度(前年度比+0.6pt) |
雇用型テレワーカーの割合(首都圏) | 37.7% | 同上 |
ハイブリッド勤務の割合 | 48.2% | テレリモ総研(株式会社LASSIC)2026年・テレワーク経験者n=1,000 |
フル出社の割合 | 37.9% | 同上 |
フルリモート勤務の割合 | 13.9% | 同上 |
テレワークの維持・拡大意向 | 60.7% | 同上 |
テレワークの縮小意向 | 5.7% | 同上 |
分析指標と計算式
指標 | 値 | 計算式 |
|---|---|---|
制度と実態のギャップ | 20.2ポイント | 導入率64.0% − 実施率43.8%(※異なる調査の公表値の差) |
最高値からの低下幅 | −21.2ポイント | 実施率43.8% − 最高値65.0% |
調査開始時との差 | +19.8ポイント | 実施率43.8% − 令和2年3月24.0% |
企業規模による差(倍率) | 約1.5倍 | 300人以上62.2% ÷ 30〜99人40.6% = 約1.53 |
企業規模による差(ポイント) | 21.6ポイント | 300人以上62.2% − 30〜99人40.6% |
導入率の前年度差 | +6.0ポイント | 令和7年度64.0% − 令和6年度58.0% |
維持・拡大意向と縮小意向の差 | 55.0ポイント | 60.7% − 5.7% |
分析の概要
- 主な出典データ:東京都「テレワーク実施率調査結果(令和8年6月)」(2026年7月15日公表・毎月調査)/東京都「令和7年度多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」(調査期間 令和7年11月)/国土交通省「令和7年度テレワーク人口実態調査」(2026年3月公表)/テレリモ総研(株式会社LASSIC)「テレワークの実施状況と継続意向に関する調査」(2026年・https://lassic.co.jp/teleremo/remote-work-status-and-intention/)
- 分析主体:スキルアップ研究所
- 分析時点:2026年7月時点で公表されている最新の調査結果に基づく
- 分析方法:各調査の公表値の時点間比較および公表値どうしの差・比の算出(新たな推計は行っていない)
留意事項
本レポートで扱った各調査は、対象・方法・定義が異なる。
- 東京都の月次公表資料には、方法の異なる2つの調査が含まれる。実施率・規模別実施率・実施した社員の割合は、都内の従業員30人以上の企業(約33,000社)から約1,000社を無作為抽出した電話調査(有効回答400社)による。1ポイント未満の増減は誤差の範囲でありうる。
- 同資料の実施回数(頻度)とテレハーフ活用状況は、都内企業に勤める従業員(18〜69歳)2,000人を対象としたインターネット調査であり、テレワークを実施した従業員(令和8年6月 N=720、5月 N=758)の回答による。企業を単位とする実施率とは対象も方法も異なるため、両者を同一の母集団として読むことはできない。
- 「テレワークを実施した社員の割合」(36.0%)は、実施率調査で実施していると回答した175社に尋ね、回答のあった割合を加算平均したものである。都内の全従業員に占める割合ではない。
- 東京都の年次調査(導入率)は、同じく従業員30人以上の企業を対象とした郵送・オンライン調査(10,000社に配布、回収2,093社・回収率20.9%)であり、「制度として導入しているか」を尋ねている。
- 「制度と実態のギャップ(20.2ポイント)」は、この異なる2調査の公表値の差であり、同一企業群における厳密な差を示すものではない。
- 実施率の最高値65.0%は、公表資料に掲載された令和2年3月以降の月次推移グラフ上の最高値である。
- 国土交通省の調査は個人(就業者)を対象とし、「これまでにテレワークをしたことがあるか」を尋ねたものである。企業対象・当月実施ベースの東京都調査とは数値の水準を直接比較できない。
- テレリモ総研の調査は、テレワーク経験のある働き手1,000人を対象とした民間のインターネット調査であり、働く人全体の構成比を示すものではない。
- 東京都は令和7年5月・7月分などの実施率について令和7年11月18日付で数値を訂正しており、本レポートの過去値の参照にあたっては訂正後の公表値によることを前提としている。
- 各割合は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が一致しない場合がある。
引用・転載について
本レポートの著作権は、株式会社ベンドが保有します。
引用・転載される際は、必ず「スキルアップ研究所調べ」などの形で出典を明記し、本記事およびスキルアップ研究所(https://reskill.gakken.jp)へのリンクを付してください。
引用・転載されたことにより、利用者または第三者に損害その他のトラブルが発生した場合、当社は一切の責任を負いません。
調査結果の引用・転載について
本レポートの著作権は、株式会社ベンドが保有します。 引用・転載される際は、必ず「スキルアップ研究所調べ」のような形で出典を明記し、本記事のリンクを付してください。 引用・転載されたことにより利用者または第三者に損害その他トラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いません。