国家資格「賃貸不動産経営管理士」と不動産業界|賃貸不動産経営管理士協議会に学ぶ

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今回は、賃貸不動産経営管理士協議会にインタビューをさせていただきました。

賃貸不動産経営管理士試験の背景と目的

自己紹介

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本日はお忙しい中、取材のお時間をいただき誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。

協議会
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一般社団法人賃貸不動産経営管理⼠協議会の事務局です。よろしくお願いいたします。

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はじめに、賃貸不動産経営管理士協議会が設立された背景や目的について、簡単にご説明いただけますでしょうか。

協議会
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本協議会は、平成19年に設立されました。賃貸住宅のニーズが高まる中、賃貸住宅管理業の重要性が一層注目されるようになり、(公財)日本賃貸住宅管理協会と(公社)全国宅地建物取引業協会連合会と(公社)全日本不動産協会は、それぞれ独自に賃貸住宅管理に関する資格を運営していましたが、賃貸住宅管理業の一層の活性化と健全化のため、それぞれの資格制度を統一し、「賃貸不動産経営管理士協議会」が発足され、賃貸住宅管理の専門資格として「賃貸不動産経営管理士」資格制度が創設されました。

賃貸不動産経営管理士試験試験の特徴

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賃貸不動産経営管理⼠の学習を通じて、具体的にどのようなことが学べますか?

協議会
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賃貸住宅管理に必要な知識、技能、倫理観を学ぶことができます。具体的には令和3年に新しく施行された「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(以下、賃貸住宅管理業法)や賃貸住宅管理業務、建物の設備などの実務知識から、相続や税法などの関連知識まで幅広い不動産知識を学ぶことができます。

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不動産の国家資格と言えば、宅地建物取引士がありますが、本資格との違いについて教えてください。

協議会
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宅地建物取引士は売買や賃貸の取引など、入居するまでの業務がメインになりますが、賃貸不動産経営管理士は入居した後のトラブル対応、設備故障時の対応、原状回復など入居者の安心安全な住生活に寄与する、入居から退去までに関わる業務がメインになります。また、オーナー様からの物件の管理を委託され、その建物の維持や賃貸経営のサポートなど幅広い業務を行います。

業務範囲

必置業務

賃貸不動産経営管理士

「賃貸住宅管理業」

入居審査、設備の管理点検、入居者募集の提案、管理状況の定期報告、リフォーム・修繕の提案、賃貸経営の提案など

あり

国土交通大臣の登録を受けた賃貸住宅管理業者はその事務所毎に1名以上の業務管理者を設置。

設置が義務付けられている「業務管理者」の要件に賃貸不動産経営管理士が定められています。

宅地建物取引士

「宅地建物取引業(宅建業)」

入居者の募集、広告、賃貸借契約締結など

あり

事務所毎に業務に従事する人数の1/5以上の人数を設置

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賃貸不動産経営管理士の受験者は、どのようなターゲット層を想定しているのでしょうか。

協議会
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メインターゲットは、不動産業界にお勤めの方になります。不動産管理の資格とはいえ、不動産売買や賃貸仲介と不動産管理は密接に関わっておりますので、不動産業界にお勤めの方が多く受験されています。

また最近では、不動産を所有しているオーナー様や顧客の資産管理をしている銀行や保険、証券業界にお勤めの方も多く取得されています。

賃貸不動産経営管理士試験合格のメリットとは

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社会人のリスキリングにおいて、賃貸不動産経営管理⼠を取得するメリットはどのようにお考えですか?

協議会
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賃貸不動産経営管理士を取得するメリットは大きく2点あります。

1点目は、業務管理者の要件を満たせます。賃貸住宅管理業法において、管理業務を行う上で、事務所毎に業務管理者の設置が義務になり、その業務管理者の要件を満たすのが、賃貸不動産経営管理士になります。

2点目は、ベースアップやキャリアアップに繋がります。令和3年に賃貸住宅管理業法が施行されたことを受け、賃貸不動産経営管理士は民間資格から国家資格へと移行しました。これに伴い、資格取得者に対して資格手当の支給や、昇格・昇進の条件の一つとして評価する企業が増加していると言われています。

スキルアップ研究所
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なるほど。転職活動など新たに知識を蓄えるだけでなく、能力再生や知識の再確認、能力の可視化などにも活用されるということですね。

本日は取材の機会をいただきありがとうございました。