現在、多くの英語学習アプリが存在しているが、特に近年はAI技術の進化により、AI英会話機能が注目されている。AI英会話は、AIと相互に会話できるサービスで、現実に近い柔軟な英会話を体験できることが魅力である。
しかし、その効果やクオリティについてはまだ疑問が残っている。そこで、今回はAI英会話機能がどれほど普及しているか、そして実際にどれほど効果があるのかを調査した。
- AI英会話機能搭載アプリを利用している人は、英語学習アプリ利用者全体の3割
- 8割以上の利用者がAI英会話機能には満足している
- AI英会話最大の魅力はリラックスして話せる環境
【調査概要】
項目 | 詳細 |
調査名 | 英語学習アプリのAI英会話機能に関する実態調査 |
対象者 | 英語学習アプリ利用者 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット |
調査期間 | 2025年3月2日〜2025年3月9日 |
回答数 | 200 |
AI英会話機能搭載アプリを利用している人は英語学習アプリ利用者全体の3割
英語学習アプリの利用者に「あなたが利用している英語学習アプリのプランにはAI英会話機能(AIと相互的に英会話ができる機能)が搭載されていますか?」という質問を行うと、「はい」と回答した人の割合は30%であった。
この結果からAI英会話機能搭載アプリを利用している人は少ないことが分かる。
約1/3の人がAI英会話機能をほとんど利用していない
AI英会話機能搭載アプリの利用者に「AI英会話機能を利用する頻度を教えてください。」という質問に対しては、「ほとんど利用しない」という回答が35.6%であった。
また、「週1回程度」「週2,3回程度」という回答も20%以上あり、2つを合計すると、半分近い人が週1〜3回程度利用していることが分かる。一方で週4回以上利用する人は非常に少ないことが明らかになった。
AI英会話機能をほとんど利用しないという人が一定数いる一方で、週1〜3回と定期的に利用している人も半数近くに上ることが分かった。しかし、週4回以上という高頻度で利用している人はほとんどいないと言える。
「AI英会話機能の有無」を基準にアプリを選んでいる人はほとんどいない
AI英会話機能搭載アプリの利用者を対象に「AI英会話機能を利用する頻度を教えてください。」と尋ねたところ、「AI英会話機能の有無を基準としていたわけではないが、選ぶにあたってプラスの要素として捉えていた」という回答が51.7%で最も多かった。
また、「AI英会話機能の有無を基準としていた」という回答が11.7%と非常に少ないことから、AI英会話機能の有無を基準にアプリを選んでいる人はほとんどいないことが分かる。
AI英会話機能の満足度や効果について調査
8割以上の利用者がAI英会話機能には満足している
「現在利用しているAI英会話機能には満足していますか?」という質問に対しては、「はい」という回答が82.1%であった。
この結果からAI英会話機能の満足度は非常に高いことがうかがえる。
ほとんどの利用者がAI英会話機能をリアルに近いと感じている
「現在利用しているAI英会話機能はリアルな会話に近いと思いますか?」という質問を行うと、「はい」と回答した人が85.2%であった。
この結果からAI英会話機能はほとんどの利用者からリアルに近いと思われていることが分かる。この結果も満足度の高さに寄与していると考えられる。
AI英会話機能利用者の半分以上が英会話力が向上したと実感
「英語学習アプリのAI英会話機能を利用して、実際に英会話が上達しましたか?」という質問では、「上達した」という回答が8.9%、「やや上達した」という回答が44.6%であった。
この結果から、半分以上の利用者がAI英会話機能を利用して、実際に英会話が少なからず上達していることが分かる。
AI英会話最大の魅力はリラックスして話せる環境
「AI英会話機能を利用して良かったと思うことを教えてください。」という質問に対しては、「間違いを気にせずリラックスして話せた」という回答が41.7%で最も多かった。
AI英会話機能の人目を気にせずに話せる点が、高く評価されていることが分かる。
また「リアルに近い英会話力が身についた」「語彙力が向上した」「発音が自然になった」「学習のモチベーションが維持できた」という回答も20%以上の人が選択しており、AI英会話のメリットを多くの人がさまざまな点で実感していることがうかがえる。
さらに、2割の人が「語彙力が向上した」と回答していることから、AI英会話を通してアウトプット能力だけでなく単語などの知識も学べることが分かる。
一定数の人が会話パターンの単調さに不満を感じている
「現在利用しているAI英会話機能で不満に思うことを教えてください。」という質問を行うと、「特になし」という回答を除くと「会話のパターンが単調になってしまう」が25%で最も多かった。
これは、AIの性質上、似たような質問の繰り返しが起こることがあり、その傾向がAI英会話アプリでも一定数見られる可能性があることを示唆している。
しかし、「特になし」という回答が全体で最も多く、他の選択肢の回答の割合も比較的低いことから、AI英会話に対して目立った不満はあまりないと言える。
AI英会話非利用者の実態について調査
4割以上がそもそもAI英会話の存在を知らない
AI英会話機能が搭載されていない英語学習アプリの利用者に対して「AI英会話機能があるアプリを利用しない理由を教えてください。」と尋ねたところ、「AI英会話アプリの存在を知らなかった」という回答が44.3%で最も多かった。
AI英会話機能の普及率の低さはそもそもAI英会話機能が知られていないことが原因として考えられ、今後認知度を上げていくことが普及のために注力すべき点となるだろう。
また「自分のレベルには難しそうだと思った」という回答が19.3%で2番目に多く、AI英会話には一定の英語力が必要というイメージが少なからずあると言える。
今後AI英会話を利用したいという人が8割以上
「今後AI英会話を利用したいと思いますか?」という質問に対しては、「はい」という回答が81.5%であった。
8割以上の人がAI英会話を利用したいと思っていることから、AI英会話は認知度さえ上がれば利用者が増えることが見込まれる。
課題と展望
調査の結果、AI英会話機能の普及率はまだ3割程度にとどまっているが、その満足度は80%以上と非常に高かった。特に、AI英会話の最大の魅力は間違いを恐れずリラックスして話せる環境であることが分かった。
しかし、利用頻度はあまり高くないと言え、ほとんど利用しないという人も一定数いた。
また、AI英会話を利用していない人のうち、半分近くがその存在を知らなかったことが明らかになった一方、非利用者の8割以上が今後AI英会話を利用したいと考えていた。
今後AI英会話の認知度が上がれば、利用者が着実に増えていく可能性が指摘できる。
英会話の実践は、「英語は読めるけど話せない」日本人にとって課題を克服するために最も有効な手段である。AIおよびAI英会話の普及に伴い、日本人の英語力が向上することを期待したい。
調査結果の引用・転載について
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