ITを通じて企業を支える|ITコーディネータ協会に聞く
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今回はITコーディネータ協会の会長である、野村様にインタビューさせていただきました。
ITコーディネータ制度設立の背景と目的
お忙しい中、取材を引き受けてくださり誠にありがとうございます。
本日はよろしくお願いいたします。

ITコーディネータ協会の会長を務めております、野村です。
よろしくお願いいたします。
さっそくですが、ITコーディネータ制度が設立された背景についてお聞かせいただけますでしょうか?

1996年に経済産業省(当時、通商産業省)主導する産業構造審議会の情報産業部会において、新たな情報人材の育成が提起されたことが事の発端でした。
その中でIT技術を駆使して企業の経営戦略をサポートする人材の重要性が示され、そのために高度IT人材(レベル4)の役割を全うできる人材を生み出すためにITコーディネータ制度が生まれました。
そのような背景もありITコーディネータ資格は経済産業省推進資格に認定されています。
2000年度にはITコーディネータ協会が設立され、2024年には全国に7,000名を超える資格保有者と、数多くのITコーディネータの届出組織が存在します。
野村様はどのようにしてこの業界に関わるようになったのでしょうか?

元々、日本ユニシスで17年間、金融機関向けのシステムエンジニア、プロジェクトマネージャーをやっておりました。その後、社内ベンチャー第一号案件で新サービスを立ち上げ、独立をしました。
その後は中小企業の現場で経営と情報化を支援したのち、経産省、IPAなどで委員を歴任して、現在のITコーディネータ協会の会長に就任させていただきました。
ITコーディネータ試験と特徴
ITコーディネータ試験を通じて、具体的にはどのようなことが学べるのでしょうか?

主に中小企業における事業展開や組織改革などの様々な経営課題への対応や、デジタル化の双方に必要な知識・知見を全般的に学ぶことができます。
試験では基礎的な知識を確認する部分と、そのような知識を場面に応じて使い分ける能力を計るための応用問題があります。
後者に関しては、少しビジネス経験がないと難しいかもしれませんが、それだけに現場で活きるコンピテンシー能力を獲得できるとも言えます。
昨今、情報系の資格は数知れないですが、ITコーディネータ資格ならではの強みとは何があるのでしょうか?

先ほど紹介した現場での応用力にあると思います。
(資格取得のために必須の)ケース研修受講を通じて、ITコーディネータとしてのプロセスを体験することができます。
その概念を持って現場に入っていけることで、即戦力としての役割を担うことも可能でしょう。
主に中小企業の現場での活用を重要視した資格のようですが、中小企業以外に勤める人にも学べることはあるのでしょうか?

成り立ち自体が中小企業の支援というところにあるので、中小企業内で活用してもらうことが主目的ではあります。
なお研修で学んだプロセスガイドラインを適用し、⼤企業や自治体でのDX戦略づくりに役⽴てているケースも多数あります。
ITコーディネータ資格の取得によるメリット
ITコーディネータ資格取得によるメリットには何があるでしょうか?

まず経済産業省の推進資格として、経歴の中でアピールが可能です。
また、資格の中で身につけた「ITCプロセスガイドライン」を、現場に入って活用できる点も大きなメリットだと思います。
また、変化が激しいIT業界において組織の中で実務をこなし、次の変革・成長を意識しながら戦略を立てる能力にもフォーカスしており、それが身につく資格とも言えるでしょう。
資格取得後はどのようにキャリアに繋げることができますでしょうか?

プロセスガイドラインを学ぶことで経営陣と話ができるようになり、物売りではない提案に繋がることがあったようです。実績が上がり、企業内での昇進につながったケースも多々あるようですね。また会社外のネットワークも広がるため、視野が広くなったとの声も良く聞きます。
また、サラリーマンを卒業したあとに、中小企業支援者としてのセカンドキャリアを歩む際にも活⽤できると思います。
ITコーディネータとリスキリングとの関連性
ITコーディネータは社会人のリスキリングにどう繋がってくるとお考えでしょうか?

経済産業省の推進資格として認定されていますので、キャリアでの汎用性が非常に高いと思います。
一昔前はある程度ベテランになれば安定した生活を送ることができました。しかし、今はツールがどんどん新しくなる中で、各々の社会人が戦う武器を学びなおす必要があります。
その中でIT分野で何が必要になるかを知り実践的に学ぶ機会として、ITコーディネータは良い選択肢になると考えます。
今後のITコーディネータ協会・試験の展望とは
ITCアソシエイトという新たな資格が開始されるようですが、どのような資格なのでしょうか?

ITCアソシエイトは、ビジネスアーキテクトの基礎知識を押さえ、デジタル経営に関する課題解決の支援プロセスを理解している人の裾野を広げるために導入を始めた資格です。
ある企業に入った想定で経営戦略を作るケース研修を受講・修了していただければ、ITCアソシエイトに登録できるようになります。
デジタル経営に知見を持った人材の裾野を広げるための資格と理解いたしました。
最後に、ITコーディネータ協会として世の中に向けたメッセージをお願いいたします。

生成AIなどに代表されるように、今後もIT分野にはめまぐるしい変化が訪れると思います。
AIと共存する覚悟に加えて、その方法について積極的に考える必要があります。
またそれ以外のIT分野においても、日々一刻と変わる情報や技術を自ら吸収して学んでいく必要があると考えます。
激しい変化に対して飲み込まれないように、自分から成長する必要があるということですね。
本日は貴重なお話をいただき、誠にありがとうございました。