ビジネススキルから考えるリスキリング|実務技能検定協会に聞く
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今回は、実務技能検定協会の理事長を務めておられます、保坂様にインタビューをさせていただきました。
秘書検定、ビジネス文書検定、ビジネス実務マナー検定、サービス接遇検定の背景と目的
本日はお忙しい中、取材のお時間をいただき誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。
実務技能検定協会の理事長を務めております、保坂です。よろしくお願いいたします。
まず最初に、実務技能検定協会が発足した目的についてお話しいただけますでしょうか。
本協会は昭和47年に設立されました。当時盛んであった通信教育の学習成果として考えられたのが検定試験です。文部省(当時)から認定を得て、財団法人実務技能検定協会が設立されました。
50年以上も前に、最初の検定である秘書検定が始まりました。これは主に女性を対象として作られた検定で、女性が社会で働くことを目指した検定です。経済が発展し、まさに企業が忙しかった当時、男性の仕事をサポートする職務として秘書職が確立されました。
現在運営されている4つの検定について、それぞれ設立された経緯についてもお教えいただけますでしょうか。
ビジネス文書検定は、ビジネス分野において必要な文章力を習得することを目的として設立された検定です。当時、文書課というビジネス的な文章を専門に作成する課があったようですが、すべての人が書く能力を身に付けることを目指して作られました。
ビジネス実務マナー検定は、主に男性のために作られた検定であり、日本企業の組織社会で働く人がどのようなことをわきまえる必要があるのかを学ぶために設立されました。
サービス接遇検定は平成8年、まさにサービス業界への就職が増えてきたころに設立された検定です。お客様の気持ちを大切にし、お客様が満足するような接遇に特化する検定として作られました。
秘書検定、ビジネス文書検定、ビジネス実務マナー検定、サービス接遇検定の特徴
実務技能検定協会の提供する資格はどのような人たちに受験してもらうことを想定しているのでしょうか
この検定は、最初は学生が就職で有利になることを目的としていました。実際、現在でも就職に有利な検定の上位に入っていると思います。
近年では、就活生だけでなく企業からも認められるようになっています。企業内で必要とされる立ち居振る舞いや気遣いを学び、能力として身につけることが可能であるため、最低でも2級を求める企業が増えています。特に1級を保持していると、非常に重宝される傾向があります。
私たちが提供する資格は、集団の中での行動の取り方や気遣いといった、社会人としての基盤を養うことを目指しています。そのため、ビジネス社会に必要な人柄を形成することに役立ち、企業にとっても魅力的な資格となっていると考えられます。
実務技能検定協会の提供する資格を取得することのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。また、どのようなキャリアにつなげることができるのでしょうか。
私たちが提供する資格は、人間力を鍛えるための資格です。そのため、特定のキャリアに特化するというよりも、キャリアの幅を広げると言ったほうが良いでしょう。
近年では、個々人の能力が高い人が多くなってきましたが、そうした人たちが集団の中に入ると、十分にその能力を発揮できない人がいるように感じます。
それは、円滑な人間関係を保つためのコミュニケーションであったり、気遣いがうまくできないことが原因だと考えており、そのような人が今までよりも多くなっているような気がします。
本検定では、コミュニケーション能力や態度、話し方、身の処し方など、社会に出た際に必要となる感性を養うことができます。これにより、すでに持っている能力を最大限に発揮できるようになることが、本検定の大きなメリットです。
秘書検定、ビジネス文書検定、ビジネス実務マナー検定、サービス接遇検定とリスキリングの関係性
秘書検定、ビジネス文書検定、ビジネス実務マナー検定、サービス接遇検定とリスキリングの関係性はどのようにお考えですか。
近年では、常識やマナーを学ぶ機会がないまま社会に出る人が増えているように感じます。忙しい両親のもとで育ち、社会について話したり学んだりする機会が十分にないまま社会に出てしまうケースが多いようにも感じます。
労働力不足が深刻化している現代において、上司や先輩が新人を育成する際に、どのように関わり、能力を効果的に伸ばしてあげられるかが重要な課題となっているのではないでしょうか。一人ひとりの能力や人間力を向上させることで、企業全体が強くなるという点で、私たちは本検定とリスキリングの関係性に着目しています。
実務技能検定協会の今後の展望
最後に、実務技能検定協会の今後の展望を教えていただけますか。
私たちは、いつの時代にも変わらない、人として必要なヒューマンスキルを育成する検定試験を、変わらず提供し続けていきたいと考えています。
今後は、既存の資格試験をパソコンなどでより受けやすい環境を整備することや、企業の関係者にその重要性を浸透させることにも注力していく予定です。
より多くのかたがビジネスの土台となるスキルを身につけるため実務技能検定協会様の各検定で学習を深められることを期待しております。本日はありがとうございました。