介護職の給料が安すぎるのはなぜ?年収アップの方法や今後の給与の展望を解説
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「介護の仕事は大切なのに給料が安すぎる…」
そんな声をよく耳にします。実際、介護職の平均年収は363万円で、全産業平均の458万円と比べると95万円も低い現状があります。
しかし、2024年2月からは政府による月額6,000円の賃上げ政策が始まり、さらに介護報酬の改定も予定されているなど、給与アップの動きが本格化しています。
この記事では、介護職の給料が安い理由を解説するとともに、資格取得やキャリアアップなど具体的な収入アップの方法をご紹介します。
介護職の給料が安すぎるというのは本当なのか?
介護職の給料は、全産業の平均給与と比べて約7万円低く、多くの方が「安すぎる」と感じています。
実際、介護職員の平均月給は約24万円で、人の命を預かる責任の重さや業務量を考えると、給与と仕事内容が見合っていないと指摘されています。
しかし近年では、処遇改善加算の導入や政府の賃上げ政策により、着実に給与は上昇傾向にあります。
介護職の平均年収は全産業の平均よりも低い
前提として、全産業の平均年収は、平均月収約31.6万円と年間ボーナス約79.8万円を合わせた約461万円とされています。
一方で、介護職の平均年収は、平均月収約25.6万円と年間ボーナス約52.9万円を合わせた約362.9万円と、全産業平均の8割程度の水準です。
このような賃金格差は、離職率の高さや人手不足を招く大きな要因となっています。
施設形態や資格などによって給料が変わる
介護職の給与水準は介護施設の種類や資格など、さまざまな要因によって大きく変動します。
以下では、その具体的な違いをご紹介します。
施設形態別平均給与
以下は、介護職の施設形態と平均給与を表にまとめたものです。
施設名 | 平均給与額(月収) | 平均給与額(年収) |
---|---|---|
介護施設全体 | 31.8万円 | 381万円 |
介護老人福祉施設(特養) | 34.8万円 | 418万円 |
介護老人保健施設(老健) | 33.9万円 | 407万円 |
訪問介護事業所 | 31.5万円 | 378万円 |
通所介護事業所 | 27.6万円 | 331万円 |
特定施設入居者生活介護事業所 | 31.4万円 | 377万円 |
認知症対応型共同生活介護事業所 | 29.1万円 | 349万円 |
上記の表から、介護職の給与は、従事する施設の特性が大きく影響していることがわかります。
特養や老健は24時間体制の介護・医療サービスが必要なため、特に高い水準になっています。
一方、日中のみのサービスで夜勤手当が出ない通所介護事業所などの施設では、給与が低い傾向にあります。
保有資格別平均給与
介護職に従事する際、給与に大きな影響を与える要素の一つが保有資格です。
以下は、介護職の保有資格と平均給与を表にまとめたものです。
保有資格 | 平均給与額(月収) | 平均給与額(年収) |
---|---|---|
介護福祉士 | 33.1万円 | 397万円 |
実務者研修 | 30.2万円 | 363万円 |
初任者研修 | 30.0万円 | 360万円 |
保有資格なし | 26.9万円 | 322万円 |
以上の表から、介護業界では専門性が評価される傾向にあり、専門性の高い資格ほど高収入になることが分かります。
特に、介護福祉士の資格を取得すれば、保有資格なしの職員に比べて月約6万円増加、また初任者研修を取得している職員に比べて月約3万円増加が見込めるでしょう。
性別・年齢別平均給与
介護職の収入は、性別と年齢によって大きな違いがあります。
年齢 | 男性介護職の年収 | 女性介護職の年収 |
---|
20~24歳 | 月収: 約23.3万円 年収: 約312万円 | 月収: 約22.8万円 年収: 約307.9万円 |
25~29歳 | 月収: 約25.3万円 年収: 約361.5万円 | 月収: 約24万円 年収: 約336万円 |
30~34歳 | 月収: 約27.4万円 年収: 約398.1万円 | 月収: 約24.6万円 年収: 約348.4万円 |
35~39歳 | 月収: 約28.6万円 年収: 約412.5万円 | 月収: 約24.5万円 年収: 約345.6万円 |
40~44歳 | 月収: 約29.4万円 年収: 約426.5万円 | 月収: 約25.5万円 年収: 約359.5万円 |
45~49歳 | 月収: 約29.6万円 年収: 約425.8万円 | 月収: 約25.9万円 年収: 約369.2万円 |
50~54歳 | 月収: 約28.8万円 年収: 約406.5万円 | 月収: 約25.8万円 年収: 約363.6万円 |
55~59歳 | 月収: 約27.1万円 年収: 約379万円 | 月収: 約25.9万円 年収: 約363.8万円 |
60~64歳 | 月収: 約24.3万円 年収: 約336.4万円 | 月収: 約24.3万円 年収: 約332.9万円 |
65~69歳 | 月収: 約21.9万円 年収: 約287.5万円 | 月収: 約22.8万円 年収: 約310.8万円 |
男女ともに収入は50代前後まで上昇し、その後男性は徐々に減少、女性はほぼ横ばいになります。
男女の収入を比べると、20歳から44歳の若年層では男女の収入差が顕著ですが、年齢が上がるにつれてその差は徐々に縮小し、60歳代以降では男女間の収入格差がほとんどなくなります。
仕事がキツイわりに給料が低く割に合わない
介護の仕事は、他の職業に比べてかなり厳しい労働環境にありますが、その割に給料はそれほど高くないのが現状です。
そのため、多くの介護職員は「仕事の大変さの割に給料が見合っていない」と強く感じています。
また、自分たちの仕事が社会的に十分に評価されていないという不満も抱えています。
こうした状況が、世間一般に「介護職の給料は安すぎる」という認識を広めている要因となっているのです。
介護職の給料はなぜ安いまま上がらないのか?
介護職の給与水準に関する問題は、日本の高齢化社会における重要な課題の一つとして、長年にわたり議論の的となっています。
ここでは、介護職の給与がなぜ低いまま上がらないのか、その背景にある要因について、より詳しく見ていきます。
介護報酬には上限があり施設の利益が少ないから
介護職の給料が低水準で改善されない背景には、介護サービスの報酬制度が大きく影響しています。
介護サービスの料金は政府により決められた「介護報酬」に基づいており、介護施設や事業所はその金額を自由に変更することができません。
質の向上や量の増加に関わらず、報酬額は一定で、利益を大幅に伸ばすことが難しい仕組みとなっています。
そのため、売上の大半が人件費に充てられる施設や事業所では、介護職員の給料を大きく引き上げることができません。
赤字経営の施設や事業所が多いから
介護職の給与が上がりにくいのは、施設や事業所の経営状態が職員の給与に反映されているからです。
多くの介護施設では、赤字もしくは僅かな利益しかない厳しい経営状況にあり、職員の給与に回せる額が限られてしまっています。
一方で、訪問介護事業所など比較的黒字の施設もあり、介護職の待遇改善には、各事業所の経営基盤の強化が不可欠なのが実情です。
介護職の専門性が知られておらず評価されにくいから
介護職は単に高齢者の世話をするだけの簡単な仕事ではありません。
実際には、利用者一人ひとりの心身の状態や生活環境に合わせて最適なケアプランを立てる高度な専門性が求められます。
しかし、この専門性が一般には十分に理解されていないため、社会的評価が低く給与面での処遇が劣っているのが現状です。
低賃金のままでも就職希望者がいるから
日本は超高齢社会を迎え、都市部でも地方でも高齢者の介護ニーズが高まっています。そのため、介護業界では常に仕事に困らない状態が続いています。
介護の仕事は資格がなくても就けるため、常に人手不足の状態です。そのため、仕事を探している人にとっては就職しやすい業界と言えます。
しかし、この状況が給料の低さにつながっています。給料が低くても働きたい人がいるため、介護施設側に給料を上げる動機があまりないのです。
結果として、介護職員のスキルや仕事の大変さが正当に評価されず、適切な待遇が得られていない現状があります。
介護業界では経営者の内部保留費が多いから
介護業界では、経営者が多額の内部留保資金を保有していることが、介護職員の賃金水準の向上を阻害しているとも指摘されています。
内部留保資金は経営の安定性を確保するために必要な資金ですが、それが過剰な場合、介護職員への賃金還元が十分になされず、給料も低いままになってしまうでしょう。
さらに、職員の待遇改善や労働環境の改善も後回しになる恐れもまります。
介護職が給料をアップさせるための5つの方法
介護職員の皆さんが自身のキャリアを見直し、より高い報酬を得るための方策を知ることは、介護業界で働くにあたって重要なことです。
以下では、介護職が給料をアップさせるための5つの効果的な方法について、詳しく紹介していきます。
ヘルパーの資格を取得してスキルアップする
介護業界において、資格の取得は給与アップに有効な手段と言えます。
ここでは、スキルアップに役立つ2つのヘルパー資格をご紹介します。
介護福祉士の資格を取る
介護福祉士の資格は、高度な専門性を備えており、一般の介護士よりも多くの役割と責任を担っています。
具体的には、施設内でリーダーシップを発揮し、スタッフの指導やケアプランの作成、多職種との連携など、幅広い業務を行います。
前述の通り、保有資格なしの職員に比べて月約6万円、また初任者研修を取得している職員に比べて月約3万円の給料アップが見込めるでしょう。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を取る
ケアマネージャーは、利用者やその家族と専門の介護サービス提供事業所を橋渡しする重要な役割を担っています。個々のニーズに合わせて最適なケアプランを作成し、適切な介護保険サービスを受けられるよう支援します。
しかし、この役割を果たすには、介護福祉士の資格に加え、5年以上の実務経験が必要です。実務経験を積んでケアマネージャー試験に合格すれば、キャリアアップできます。
ケアマネージャーの平均月収は約37万6,770円と報告されており、介護福祉士からさらに4万円程度アップする可能性があります。
管理職にキャリアアップする
介護職の給与アップを目指すなら、管理職へのキャリアアップが効果的な選択肢の一つです。
管理職に昇進すれば基本給と役職手当が増えるため、収入が大幅に向上します。
厚生労働省の調査結果によると、管理職の平均給与は35万6,570円で、一般の介護職員の平均給与を約5万円上回っています。
勤続年数を重ねて昇給する
介護職員の給与向上には、勤続年数を重ねていくことが効果的な方法の一つです。
実際、厚生労働省の調査結果でも、勤続年数が長くなるほど平均給与が上がっていくことが示されています。
以下は、介護職の勤続年数と平均給与を表にまとめたものです。
勤続年数 | 平均給与額 |
---|---|
1年(勤続1年~1年11か月) | 28万4,660円 |
5年(勤続5年~5年11か月) | 30万5,970円 |
10年(勤続10年~10年11か月) | 32万2,990円 |
15年(勤続15年~15年11か月) | 34万2,590円 |
20年以上 | 37万1,640円 |
以上の表から、勤続年数が5年長くなると、平均給与は約2万円上昇していることが分かります。
これは、勤続年数が長くなると、経験やスキルが評価されるため、昇給が見込めるためです。
また、ボーナス額もアップすることを考慮すれば、年間ではかなりの給与アップが見込めるでしょう。
夜勤の回数を増やして夜勤手当をもらう
介護職員の中には、できるだけ早く収入を増やしたいと考えている人も多いでしょう。
資格取得や昇進といった時間のかかる方法ではなく、比較的短期間で年収を上げる手段の一つが夜勤手当を活用することです。
通常、夜勤時間である夜10時から翌朝5時までの勤務では、賃金が25%アップするのが一般的です。このため、同じ時間数を働いても、日中の勤務より夜勤のほうが効率的に収入を増やすことができます。
ただし、夜勤手当の支給額は職場によって異なるため、各自の職場で確認する必要があります。
また、夜勤専従の働き方もあるので、夜勤に適性があると感じたら、この選択肢も検討してみるといいでしょう。
より給与の高い施設に転職する
給与水準が高い施設に転職することで、収入アップを図ることができます。
ただし、より高い専門性が求められたり、厳しい労働環境の場合があるため、自身のワークライフバランスを保てる職場選びが重要になります。
以下では、給与が特に高い・低いとされる施設を紹介し、その理由を探ります。
夜勤がある特養や老健・介護医療院は給与が高め
給与は基本給だけでなく、残業代や各種手当、賞与などを含む総額を指します。
一方で、給料は基本給のみを指します。特別養護老人ホームや老人保健施設、介護医療院などでは、24時間体制で勤務するため夜勤があり、夜勤手当が支給されます。
そのため、基本給だけを見ると低めに見えるかもしれませんが、夜勤手当などの手当が加わると平均的な給与水準は比較的高くなる傾向にあります。
グループホームやデイサービスは給与が低め
グループホームやデイサービスは、他の介護施設と比べて給与水準が低い傾向にあります。
その理由として、未経験者や無資格者の参入が多いことが挙げられます。
グループホームでは介護度の軽い利用者が中心のため、熟練した介護スキルが求められず、資格を持たない職員でも就業しやすい環境にあります。しかし、資格手当がないため、有資格者と比べて給与が低くなります。
また、デイサービスでは夜勤がないため、夜勤手当を受け取ることができず、他の施設より給与が低くなりがちです。
他業種に転職する
介護職員の給料は、一般企業の給料とそれほど変わらない場合が多いです。
しかし、一般企業では昇進の機会や賞与などのメリットがあるため、長い目で見ると収入面で有利になることがあります。
確かに、介護の仕事から一般企業への転職は簡単ではありません。しかし、入念に準備をすれば十分に可能性はあるため、チャンスがあれば積極的に挑戦してみることをお勧めします。
介護職で働いていて給料が低いと感じたらすべきこと4選
介護職で働いていて給与に不満を感じたら、自身の置かれた状況を冷静に分析し、適切な行動を取ることが重要です。
そこで今回は、介護職で働いていて給与が低いと感じた際に考慮すべき行動について、4つの具体的な方法を紹介します。
自身の職場がブラックな介護施設でないか確かめる
介護職で働いていて、給料が低いと感じたことはありませんか。
自分の働き方が法律で定められた基準を超えていたり、給料が仕事の大変さに見合っていないと感じたら、その施設は問題のあるブラックな職場かもしれません。
自分の職場が、以下の2つの特徴に当てはまっていないか確認してみてください。
残業代が出ていないため仕事の割に給料が低い
介護の職場で、たくさん残業をしているのに給料が低いと感じたら、残業代がきちんと支払われない可能性があります。
このようなサービス残業は、働く人の権利を侵害するおそれがあり、いわゆるブラックな介護施設の特徴です。
そのため、もし自分の給料が思っていたよりも低いと感じたら、自分の働いている環境が適切なものかどうか、確認してみることが大切です。
人手不足で一人分以上の働きを強いられる
介護施設には、適正な人員配置基準が法律で定められています。
しかし、実際には基準を満たしていない施設が存在し、そこで働く介護職員は過酷な労働環境に置かれています。
人手不足により一人で複数人分の業務を担わされれば、過労やストレスの増加につながり、給料が割に合わないと感じるでしょう。
自身の健康と生活を脅かされるようであれば、改善を求めるか、新しい職場を探すことが賢明です。
自身の職場が処遇改善加算を取得しているか確認する
処遇改善加算とは、介護施設や事業所が一定の要件を満たした場合、従業員の給料を引き上げるために支給される報酬のことです。
この制度は、スタッフの給与を向上させることを目的としていますが、事業所が申請しないと加算を受け取ることができません。
厚生労働省のデータによると、9割以上の事業所がこの加算を取得していることがわかっています。
ただし、もし勤務先がまだ取得していない場合は、今後申請する予定があるかどうか確認しておくと良いでしょう。
昇給の見込みがある職場か見極める
昇給の見込みがない職場で働いていても、給料は低いままです。
昇給の見込みがあるかを見分けるためには、口コミサイトやSNSを活用し、現職者や元職員の生の声から、その職場の給与水準や待遇について知り、事前に企業の給与体系や昇給の可能性を把握しましょう。
また、労働組合や業界団体の情報から、業界全体の昇給実績数値や給与水準を知ることで、自分の勤務先が業界平均とどの程度の位置にいるかを理解できます。
転職も視野に入れる
介護職で働く中で、給料が低いと感じる場合、転職を検討するのが賢明な選択肢の一つとなります。
特に、勤務先の施設がブラック企業で過酷な労働環境にあったり、処遇改善に積極的でない施設に勤務している場合や将来的な昇給の見込みがない場合は、転職も視野に入れてみましょう。
介護職の転職なら転職エージェントの利用がおすすめ
給与に不満を感じ、転職を検討している介護職の方々には、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントは、あなたの経験やスキルに合った求人を紹介してくれます。
特に介護に特化したエージェントなら、介護現場で求められる資格や能力を熟知しているので、あなたの力を適切に評価してくれる職場が見つかるでしょう。
加えて、履歴書の添削や面接対策なども手伝ってくれるので、自分の長所を存分にアピールできます。
介護職の給料は今後上がるの?
ここまで、介護職の給与水準が低いという問題について取り上げてきました。
それでは、介護職の給与は今後上がるのでしょうか。
以下では、その可能性と要因について詳しく見ていきます。
2024年6月に介護報酬が改定された
2024年度6月の介護報酬改定では、従来の複雑な加算体系が見直され、より分かりやすく運用しやすい「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。
この改定は事業者の事務負担軽減につながり、利用者にとっても、加算の一元化により介護サービスとその報酬がよりわかりやすくなりました。
介護報酬改定でどのくらい給料が上がるのか
2024年の介護報酬改定に伴い、介護職員の給与が大きく変動します。
厚生労働省によると、2021年の改定では0.7%の報酬増加により、常勤介護職員の平均給与が前年比で7,380円上昇、非常勤職員でも3,150円の上昇となりました。
一方、2024年改定では0.98%の処遇改善加算となるため、介護職員の給与は2021年度以上に上昇するでしょう。
厚生労働省が介護職員の給料改善案を打ち出した
介護職は過酷な労働環境と低賃金のイメージが強く、人手不足が深刻化しています。
厚生労働省はこの状況を打開するため、介護職員の待遇改善策を講じています。
具体的には、2025年までに介護職員の月給を1万2000円引き上げる計画や、退職金制度の見直しを進めています。
2025年度以降も賃金アップが続く見込み
介護現場では、今後も職員の待遇改善が進むと見られています。
背景には、深刻化する人手不足への対策があります。
日本の高齢化は急速に進んでおり、2025年には65歳以上の人口が3,657万人に達すると予測されています。これに伴い、介護サービスへの需要も増加の一途をたどっています。
しかし、現場の厳しい労働環境が原因で、介護職の人手不足が大きな課題となっています。この状況を改善するためには、給与アップはもちろん、働きやすい環境づくりが不可欠とされています。
介護職の高収入ランキング
ここでは、介護職の高収入ランキングについて、職種、運営母体、施設別に詳しくご紹介します。
介護職に就いている方やこれから介護職を目指す方は、どのようなキャリアパスを選択すれば高収入が期待できるのか、参考にしてみてください。
給料が高い介護系の職種ランキング
介護職員の収入は職種によって大きく異なります。
以下は、給料が高い介護系の職種をランキング形式でまとめたものです。
順位 | 職種 | 平均給与(円/月) |
---|---|---|
1位 | 看護職員 | 373,750円 |
2位 | ケアマネージャー | 361,770円 |
3位 | リハビリ職員 | 354,770円 |
4位 | 生活相談員・支援相談員 | 342,330円 |
5位 | 介護職員 | 317,540円 |
介護分野には様々な職種がありますが、一般的に医療に密接に関わる職種ほど給与水準が高くなる傾向にあります。
また、「ケアマネージャー」や「生活相談員・支援相談員」などの特別な資格や専門知識を必要とする職種も高収入が期待できます。
介護職員の給料が高い運営母体ランキング
介護職員の収入は、施設の運営母体によって大きく異なります。
以下は、介護職員の給料が高い運営母体をランキング形式でまとめたものです。
順位 | 運営母体 | 月給(円) |
---|
1位 | 地方公共団体 | 334,730円 |
2位 | 社会福祉法人 | 304,140円 |
3位 | 社会福祉協議会 | 291,750円 |
4位 | 医療法人 | 288,420円 |
5位 | その他 | 288,420円 |
公的施設は地方自治体や社会福祉法人が運営しており、比較的安定した給与水準が期待できます。
厚生労働省の調査によると、公的施設の介護職員の給与は民間施設よりも高い傾向にあります。これは公的組織が持続的な運営を行い、安定した給与を保証していることが原因です。
一方、民間施設の中でも、医療法人が運営する施設では、医療やリハビリに特化しており、高度な専門スキルが求められるため、高収入が期待できます。
介護職員の初任給が高い施設ランキング
介護職における初任給の水準は、多くの従事者にとって重要な関心事です。
以下は、介護職員の初任給が高い施設をランキング形式でまとめたものです。
順位 | 施設名 | 月給(円) |
---|
1位 | 介護老人福祉施設(特養) | 308,030円 |
2位 | 介護老人保健施設(老健) | 303,470円 |
3位 | 介護医療院 | 292,600円 |
4位 | 通所リハビリテーション事業所 | 283,520円 |
5位 | 特定施設入居者生活介護事業所 | 275,690円 |
特別養護老人ホームや老人保健施設に勤める新人介護職員の平均給与は比較的高い傾向にあります。中でも、有料老人ホームやケアハウス、養護老人ホームなどの「特定施設」と呼ばれる事業所が高い初任給を提供していると言われています。
ただし、提供されるサービスや設備の基準は施設ごとに異なるため、給与水準にもばらつきがあり、注意が必要です。
介護の給料安すぎる?まとめ
本記事では、介護職の給料が低いと言われている理由や将来的な給料アップの可能性について考察し、高収入を目指すための方法をご紹介しました。
介護職の給料の低さには、介護報酬制度など複雑な要因がありましたが、介護報酬改正により、職員の給与アップが期待されています。
介護業界で現在働いている方や、これから介護の仕事を目指そうとしている方にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。