資格なしの未経験からでも介護職に転職できる?転職での注意点や探し方を解説

更新

介護の仕事に興味はあるものの、「資格がない」「経験がない」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際にはそういった方でも介護の職場で活躍できる機会があります。

この記事では、未経験者が介護職へ転職する際の具体的な方法や注意点について、分かりやすく説明していきます。

自分に合った職場を見つけられるよう、一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

未経験からでも介護職への転職は可能

未経験からでも介護職への転職は可能!

介護の仕事は未経験者でも十分に始められます。実際、3人に1人の転職者が未経験からスタートしています。段階を追って仕事を教えてもらえるため、働きながら学ぶことができます。

もちろん、入浴介助などの経験があれば有利ですが、介護職の仕事は身体介助だけではありません。レクリエーションの企画や利用者とのコミュニケーションなども含まれます。

未経験から始められる介護職は、仕事を通して成長できるやりがいのある職種です。新たなチャレンジとして、介護の仕事に興味を持ってみるのも良いでしょう。

介護業界の実態は?

介護という言葉から連想されるネガティブなイメージとは異なり、近年の介護業界は進化を続け、労働環境も着実に改善されつつあります。

離職率はそこまで高くない

実は、介護業界の離職率は一般的な認識ほど高くはありません。

厚生労働省の調査によると、産業全体の離職率15.6%に対し、医療・福祉業界全体では14.4%と低い数値になっています。一部でしか報道されない高い離職率は、現実とイメージが合っていないのが実情なのです。

介護業界への誤解は、こうした事実を知ることで解消されるでしょう。

厚生労働省『-令和4年雇用動向調査結果の概況-』

職員の数は増加傾向に

2000年に介護保険制度が導入されて以降、日本の介護職従事者数は大幅に増加しています。要介護者の増加と在宅介護サービスの拡充により、介護職のニーズが高まりました。

加えて、処遇改善手当の導入や給与水準の上昇、身体的な負担を軽減するための最新機器導入なども増加の要因となっています。

一方で、2025年には約35万人の介護職員が不足すると推計されており、引き続き働きやすい環境作りが重視されています。従来のイメージとは異なり職場環境の改善が進みつつあることを、より広く知らせていく必要があります。

有効求人倍率は非常に高い

有効求人倍率とは、1人の求職者に対し何件の求人があるかを示す指標です。

他産業と比べて、介護業界の有効求人倍率は非常に高くなっています。つまり、介護業界では人手不足が続き求人数が多く、"売り手市場"となっていることを意味しています。

求職者からすると、これは希望条件に合った職場を選ぶチャンスにもなっているとの見方もできるでしょう。

介護職が未経験でもできる仕事内容

介護職が未経験でもできる仕事内容

施設の清掃作業

介護施設では、利用者の方々の健康で快適な生活を実現するために、施設内を常に清潔にすることが重要となります。食堂やトイレ、居室など、あらゆる場所の清掃が欠かせません。

大規模施設では専門業者に委託されることもありますが、小規模事業所では主に介護職員が清掃を担当します。未経験者でも取り組める清掃作業は、利用者の生活を支える裏方としての役割となっています。

食事の配膳と下膳

利用者一人ひとりの状態に合わせて食事を提供することも大切な時間です。きざみ食やソフト食など適切な形態の食事を、利用者の顔と名前を覚えながら正確に配膳・下膳することが求められます。

一見簡単に見える作業ですが、スムーズで適切な食事提供を実現する上で欠かせません。

シーツ等の交換と洗濯

また、利用者が快適に過ごせるように定期的なシーツ交換やベッドメイキング、シーツの洗濯もしています。清潔なベッド環境は健康維持に重要です。比較的簡単な作業ですので未経験者でも習得しやすい仕事となっています。

ただし、施設によって、業務を内部か外部に委託するかは異なります。

身体介護

利用者の身体介助を行うには一定の資格が必要となります。食事や排泄、移動の手助けなどの身体介助は、利用者の生活を豊かにする上で欠かせません。

未経験者は簡単な作業から始め、徐々に技術を身につけていくことが大切です。

介護事務

介護施設の事務作業を担う介護事務も、介護の現場で重要な役割を果たします。

介護報酬の請求や電話対応、来訪者対応などの仕事があり、パソコンスキルとコミュニケーション能力が求められます。そのため、事務の経験者には適した仕事です。

利用者の送迎

利用者の送迎業務も、未経験者が介護に携われる仕事のひとつです。

施設と自宅を安全に移動できるよう、送迎車での適切な乗降介助と安全運転が重要になります。送迎は介護職の重要な役割ですが運転免許の保有が前提条件となります。

利用者の命を預かる必要があるため、未経験者でも安全運転への強い責任が求められます。

介護職の事業形態と職場ごとの特徴

介護業界には、施設で24時間サポートする「入居型」、利用者宅を訪問する「訪問型」、日中施設に通う「通所型」の3つの形態に分けられます。

入所系介護職

入所系施設では、介護職員はシフト制勤務が一般的です。

そのため、勤務時間を自身のライフスタイルに合わせて比較的自由に決めることができ、プライベートと仕事の両立がしやすくなっています

有料老人ホーム

有料老人ホームでは、介護が必要な方へのきめ細かいサポートはもちろん、入居者へのレクリエーション提供など個々のニーズに合わせたサービスが提供されています。

人生の最期を支える使命感を持つ職員にとって、ぴったりな職場環境が整っています。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(特養)では、日常生活が困難な高齢者や認知症の方への入浴や排せつ、移動の全面的な介助が24時間体制で行われています。

利用者の尊厳ある最期を支える場でもあり、介護への強い使命感を持つ職員が働ける職場のひとつです。

介護老人保健施設

介護老人保健施設(老健)は、リハビリが必要な高齢者が自宅復帰を目指す短期入所施設です。

スタッフは交代勤務を余儀なくされ、限られた期間で一人ひとりの特性を理解し適切な対応を求められるため、やや挑戦的な職場となります。

グループホーム

認知症の方々の共同生活の場であるグループホームでは、思いやりの心を持って人々に寄り添える温かな人間性を備えた職員が求められます。

入居者一人ひとりの認知症の進行度に合わせ、身体介助から社会性維持のサポートまで適切な支援を行います。

ケアハウス

ある程度自立した高齢者が利用するケアハウスでは、生活サポートが中心的な仕事となります。利用者の日常生活のサポートや、施設の整備やレク企画・実施も担ったりします。

身体介助が中心ではないため、体力的負担が比較的少なく、体力に不安がある人でも働きやすい職場です。

訪問系介護職

訪問介護は、利用者の自宅を訪れ日常生活の様々な場面で支援を提供するサービスです。

訪問介護事業所

訪問介護を提供する事業所は一般に「ヘルパーステーション」と呼ばれ、ホームヘルパーが利用者宅を訪問し、身体介護と生活援助を行います。

ホームヘルパーは登録制で個人のペースに合わせて働けるのが特徴です。ニーズに応じた適切な支援を行い、在宅生活を全面的にサポートすることが求められています。

居宅介護支援事業所

一方、ケアプランセンターに勤務するケアマネージャーは、利用者一人ひとりに合った介護計画の作成やサービス調整などを担当し、利用者の直接介護は行いません。

介護の実務経験と資格が必須な厳しい職業ですが、自分が立てた計画が利用者の生活の質向上につながれば大きなやりがいが得られることでしょう。

通所系介護職

介護サービスには、利用者が施設に通う「通所系」のサービスがあります。

デイサービス

デイサービスは、高齢者が自宅で生活しながら必要なサービスを受けられる通所施設です。

利用者は日中の決められた時間に施設に通い食事や入浴の支援を受けるほか、レクリエーションや機能訓練なども行われます。

また、勤務時間が主に日中であり夜勤がなく休日も確保されやすいことから、未経験者でも働きやすい環境が整っています。

雇用形態とシフトの例を紹介

雇用形態

企業では従業員を雇う形態が様々で、それぞれに長所と短所があります。

正社員

正社員は無期限の雇用で、安定的な収入や賞与、退職金などの待遇が用意されており、経験や能力次第で管理職へのキャリアアップも可能です。

未経験者でも正社員として入社できる企業も多く、キャリアを積みながらスキルを身につけられます。

派遣社員

派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び希望の企業で働きます。日勤のみや週3日勤務などの柔軟な働き方ができ、期間が定められていない無期雇用もあります。

実績次第で派遣先に正社員として採用される可能性もあります。

契約社員

契約社員は原則5年以内の期限付き雇用です。常勤と非常勤の2形態があり、企業と密接に関わる重要な職務を担い、フレキシブルな働き方が可能です。

有資格者や経験者が求められる職種では、即戦力として活躍することが期待されています。

パートアルバイト

パート・アルバイトは時間の自由度が高く、家事や子育てなどの生活スタイルに合わせてシフトを調整できます。よい実績を残せば正社員登用の機会もあります。

働き方と生活の両立がしやすい魅力があります。

シフト例

シフト勤務制は、24時間営業の企業や病院、ホテルなどで広く採用されています。勤務形態は多様で、業種や運営形態に応じて日勤、夜勤、交代制勤務、フレックスタイム制などが導入されています。

2交代制

介護業界では人手不足対策として、2交代制のシフトが一般的となっています。日勤と夜勤の2つに分かれ、長時間勤務を避けつつ必要人員を確保できます。

具体的には日勤が9-18時の8時間勤務、夜勤が17時-翌11時の16時間勤務で、それぞれ休憩時間が設けられています。こうした勤務体制で労働力を適切に配分し、過度の負担を軽減することが期待されています。

3交代制

3交代制は日勤、遅番、夜勤の3つに分かれ、従業員一人ひとりのライフスタイルに合わせて7-8時間の適度な労働時間で働けます。

朝7時から夜9時までとシフトが異なり、長時間労働を防げます。多様なニーズに対応できる柔軟なシフト制度です。

4交代制

4交代制では1日を朝・昼・夕・夜の4時間帯に分け、それぞれの時間でシフトを組みます。

朝7時から夜勤が翌11時までと長時間ですが休憩が設けられています。シフトの組み合わせが柔軟なので、従業員のライフスタイルに合わせた働き方ができます。

また、夜勤では協力関係も築きやすく、良好な職場環境作りにも役立ちます。

通所・訪問系の場合

デイサービスなどの通所介護施設では、週末を休みとし平日の日中のみ営業することが一般的です。職員の勤務時間は日中時間帯に集中し、子育て中の職員が無理なく働ける環境が整備されています。

訪問介護事業所では、登録制を取り入れ好きな時間に数時間だけ働くことも可能となっています。ワークライフバランスを重視した柔軟な勤務形態が取られているのが魅力的です。

介護未経験者が転職するメリット6選

介護未経験者が転職するメリット6選

年齢や職歴が関係ない

介護の仕事は、年齢や経験の有無を問わず、誰もがキャリアチェンジのチャンスを得られる魅力的な職種です。

子育て中の方や50代、60代で他業種からの転職組も、介護の現場でやりがいを感じながら第二の人生を歩んでいます。

多くの施設が未経験者への教育プログラムと資格取得支援を用意しているため、ブランクのある方や異業種出身者でも成長を喜びつつ働き続けられ、人生に新たなステージを切り開くことができるのです。

やりがいを得られる

介護職には人々の役に立てるという特別な喜びがあり、利用者やご家族と深く関わりながら、自分の行動が人生にポジティブな影響を及ぼしていると実感できます。

感謝の言葉は仕事への大きな励みとなり、利用者の生活環境や精神状態の改善するのを目の当たりにすることで努力が報われた充実感を味わえます。

介護を通して人々のQOLの向上に貢献できる喜びは、この職務ならではのやりがいとなるでしょう。

キャリアパスが明確

介護の仕事には明確なキャリアプランがあり、未経験者でも段階を踏んでスキルアップできるのが魅力的です。

まず「介護職員初任者研修」を受講し、次に「介護福祉士実務者研修」へ進むことができます。最終的には国家資格である「介護福祉士」の取得も目指せます。

一定の実務経験が前提条件ですが、計画的に取り組めばこの資格の取得も現実的となり、高度な介護技術を身につけることができます。

一定の需要がある

日本の高齢化が進む中、介護職への需要は常に高く求人が見つからないという心配は少なくなっています。介護業界は安定した需要が見込めるため、キャリアを歩む上で安心できると言えるでしょう。

他の業種では季節や経済動向により求人が変動する場合がありますが、介護業界では、常に求人が出されているのです。

これまでの経験を活かせる

介護の仕事は多様な業務が含まれ、過去の経験を活かせる場面が必ずあります。利用者への食事や入浴の援助、レクリエーション活動の実施や看護師の補助などの幅広い仕事が求められます。

こうした様々な業務をこなすために必要なスキルは、これまでの経験から得られているかもしれません。例えば、接客業の経験があれば人間関係作りに、事務職の経験があれば業務の効率化に役立つことでしょう。

長く働くことができる

介護業界では人手不足が深刻化しているため、高齢者の雇用が進んでいます。多くの施設で定年年齢の延長や再雇用制度を設けており、65歳以上や70歳以上の方も積極的に雇用されています。

他業種と違い、高齢になっても働き続けられる環境が整っているので、長期的に原いて収入を確保できる点がメリットと言えます。

介護未経験者が転職するデメリット

夜間勤務は避けられない

介護の仕事には夜勤が避けられません。施設は24時間365日稼働しているため、シフト制が採用されています。早番、日勤、遅番、夜勤が順番に回ってくるので、夜勤の影響は避けられません。

休日も固定されずに不規則になりがちです。勤務形態に合う職場を選べば良いですが、夜勤の負担は覚悟しなければなりません。

最初のうちは給与が低い

また、未経験者として転職した場合、はじめは給与が低くなる可能性があります。介護福祉士の経験が浅いため、年収が一般的に350万円前後にとどまることが多いのです。夜勤手当や資格手当を受けられないケースもあり、施設によっても給与水準が異なります。

しかし、経験を積めば昇給できる職場も多いので、幅広い視野で最適な働き方を見つけることが大切です。

汚い仕事をしなければならない

介護の仕事には、高齢者の排泄介助などの肉体的・精神的に大変な業務が伴います。

しかし、これらは利用者の生活を支える重要な役割なので、時間とともに適応力が身につきます。個人の経験や価値観によっても受け止め方は変わってくるでしょう。

このような業務への対応力は、介護職としての適性を判断する一つの基準となります。ただし、個人の経験や価値観によっても受け止め方は異なってきます。

介護未経験者が働きやすいおすすめの職場の特徴

介護の仕事は未経験者でも安心して始められます。どのような職場が自分に合っているのか、じっくりと考え探すことをおすすめします。

キャリアアップのための環境が整っている

自己成長の機会が豊富にあり、将来的なキャリアアップをサポートしてくれる職場がおすすめです。段階を踏んでスキルアップできる研修プログラムや教育制度が整備されていれば、着実に専門性を高められます。

大規模施設や「未経験者大歓迎」と明記している職場は教育体制が充実している傾向にあります。将来を見据えて、自己成長できる環境があるかどうかも重要なポイントとなってくるでしょう。

雰囲気がいい

さらに、職場の雰囲気が良好であることも大切な条件です。介護は連携して業務にあたる必要があるため、スタッフ同士の人間関係が上手くいかないとストレスが溜まりがちです。

求人の際に設けられる職場見学を活用し、現場の様子を確認してみると良いでしょう。スタッフの表情や会話の様子、業務の進め方などを観察し、良好な雰囲気がうかがえれば、働きやすい職場と判断できます。

看護師が常駐している

24時間看護師が駐在している施設も、初心者には安心感があります。

利用者の容体変化に迅速に対応できる看護師がいれば介護職員は医療面での不安を軽減でき。気を付けるべき点を学びながら働けます。例として、病院や介護老人保健施設、一部の有料老人ホームなどでこのような環境が整っています。

日勤が中心である

一方、夜勤を避けたい方には、デイサービスや訪問介護など日勤が中心の職場がおすすめです。デイサービスは比較的介護度が低く、コミュニケーションもしやすい環境となっています。

訪問介護は利用者宅を訪問する一対一の介護ですが、教育体制が整っていれば徐々に慣れられます。ただし、資格取得が必要な場合もあるので注意してください。

働き方改善への意欲がある

最後に、働き方改善に熱心な企業がおすすめです。

理想を掲げて日々改善を重ね、従業員のやりがいや満足度を高めようとしている職場では、新人でも安心して長く働き続けられる環境が整っています。一方で、単に施設として運営されているだけの場合は職員の意欲が低下しがちで、働きづらくなる恐れがあります。

働き方の改善に取り組む姿勢があれば、未経験者も安心して就職でき、将来的にもキャリアを築けるはずです。

転職活動において気を付けるべき点

転職活動において気を付けるべき点

「未経験者歓迎求人」に注目する

介護の職場を探す際は、「未経験者歓迎」「未経験者OK」「無資格可」などの未経験者や無資格者を対象とした求人に注目するのがポイントです。

経験者や有資格者を求める求人への応募では採用されにくいため、キャリアチェンジを果たしやすい未経験者歓迎求人に焦点を当てることが賢明です。

仕事と資格取得を両立できる職場を探す

また、仕事をしながら資格取得できる環境も重要です。介護の仕事では、資格を持つことで従事できる業務範囲が広がります

例えば、介護職員初任者研修を受講すれば基礎的な知識と技術を身につけられます。研修により仕事と学習を両立できれば着実にスキルアップできるはずです。

それによって、未経験からのスタートでも、資格取得により自信を持って働けるようになるでしょう。

希望条件に優先順位をつける

一方で転職先を選ぶ際は、理想を描きつつも現実的な妥協点を見極める必要があります。

高収入やスキルアップの機会、働く環境などの重要度の高い条件を明確にし、譲れない部分と妥協できる部分を判断しましょう。

理想を追求しすぎず現実的な選択をすることによって、充実した職務生活が送れるはずです。

業界の情報収集を徹底する

さらに、転職活動では業界や職場の詳細情報を入念に収集することが大切です。介護業界の動向を把握し、具体的な施設の運営理念、介護方針、雰囲気などを確認することで、自分に合ったワークスタイルや環境を見極められます。

可能であれば実際に施設を訪れ、現場の様子を肌で感じてみるのも良いでしょう。

プロに手伝ってもらう

最後に、転職エージェント「レバウェル介護」のようなプロの力は大きな助けとなります。

同社のキャリアアドバイザーは、未経験者でも働きやすい求人を紹介してくれます。複数の求人から希望に合ったものを選べ、各事業所の内部事情も把握できます。

加えて履歴書や面接の助言まで受けられるため、一人で活動するよりもスムーズに転職が実現できるはずです。

転職の際に気を付けるべきポイント

履歴書のコツ

丁寧な字を心がけることが大事ですが、求職先によってはパソコンでの作成も検討するとよいでしょう。

また、全ての職歴を記載することで様々な経験を強みとしてアピールできます。保有資格は正式名称で明記し、特に介護関連の資格があれば前面に打ち出しましょう。

志望動機や自己PRでは、熱意や適性を具体的に語ることで印象が良くなります。本人希望記入欄では、希望条件やキャリアビジョンを簡潔に示しましょう。

職務経歴書のコツ

転職時の職務経歴書作成時も重要なポイントがあります。

職務内容を時系列で詳しく書くことで、スキルセットや今までの経験の流れが分かりやすくなります。本職だけでなく、研修やプロジェクトなども記載し、学び続ける姿勢があることをアピールしましょう。

さらに研修の実績や数値で示せる目標達成状況など、具体的な成果を記すと業績が伝わりやすくなります。

志望動機のコツ【例文付き】

志望動機を考える際は、応募先の企業や施設の特徴、魅力を理解し自分の経験や能力がどのように活かせるかを見据える必要があります。

具体的な志望動機を表現するには、「なぜその業界を志望するのか」「なぜその施設を選んだのか」といった問いに、具体例を交えて説明することが効果的です。

以下では、志望動機の例文をいくつか紹介していきます。

資格取得を目指しているとアピール

「一時的に別の仕事に従事していましたが、常に介護の世界に関心がありました。その思いから、今回本格的に介護業界への転職を決意し、志望させていただきました。

まだ介護の実務経験はありませんが、介護資格取得に向けて様々な行動を起こしています。働きながら現場で経験を積むことで、実践的なスキルを身につけたいと考えています。」

家族の介護がきっかけとアピール

「長年勤めた会社を離れ、母の介護という人生の転機を迎えました。介護の専門家の支えのおかげで、母の日常生活をサポートすることができました。

しかし、母は私よりも訪問介護のスタッフを心から喜んでいる様子でした。そんな母の姿から、介護職の素晴らしさと充実感を感じ、自分自身も多くの人に喜びを与えられる介護の仕事に魅力を感じるようになったのです。」

コミュニケーション能力が高いとアピール

「販売部門での長い経験から培ったコミュニケーション力は、高齢化社会のニーズに役立つと自負しています。人の話を丁寧に聞き、気持ちを理解することで、前職では深い信頼関係を築くことができました。

介護の現場でもその力を発揮し、利用者の皆様に満足いただけるサービスを提供できると考えています。最終的には、利用者の皆様が心から笑顔になれるような介護を提供することを目標にしています。」

ステップアップを目指しているとアピール

「これまで3年以上介護の現場で働き、初任者研修の資格を取得してきた私は、この仕事の奥深さとやりがいを十分に理解しました。そして、次の目標としてケアマネージャーの資格取得に挑戦することを決意しました。 ケアマネージャーは、介護を必要とする人々の生活全般をサポートし、その質を高めていく重要な役割を担っています。

その役割を果たすには、高度な専門知識と経験が求められます。次のステップに進むためにこの仕事の経験が必要だという判断に至ったのです。」

面接でのコツ

面接は自分自身をアピールし採用に向けた重要な機会となります。特に未経験者は適性が問われるため、しっかりと準備することが求められています。

服装

基本的にはスーツ着用が望ましいでしょう。「私服可」の指示があっても、過度にカジュアルな服装は避けましょう。

シャツとジャケットの組み合わせなど、清潔感のある服装を選ぶようにし、ジーンズやサンダル、派手なアクセサリーは控えめにするようにしてください。

よく聞かれやすい質問

転職面接では、面接官があなたを深く理解しようと様々な質問をします。例えば、その企業を選んだ理由や長所短所、これまでの職歴や今後のキャリアプランや勤務条件の希望など、多岐にわたる質問が聞かれることがあります。

そのため、事前に想定される質問への対策を怠らないことが欠かせません、

退職理由の答え方の例

退職理由は誠実に答えることが大切ですが、前の職場での人間関係の悪化など否定的な内容を直接語るのは避けましょう。

代わりに「新しい環境で自分を試したい」などの前向きな回答を心がけましょう。そうすれば、積極性をアピールでき面接官に好印象を与えられます。

介護士のキャリアプランと取得しておくべき資格

1~3年目

1〜3年目は、基本的な介護の技術を身につけ、様々な業務を経験する大切な時期です。この段階では、ケースに応じた介護方法や必要な専門知識を学んでいきます。

介護職員初任者研修を受講するのがおすすめです。この研修では基本的な技術と知識を身につけられ、その後のスキルアップにもつながります。

さらに、自分がどのような仕事に就きたいか、どんなスキルを身につけたいかを明確にしておきましょう。

4年目~

4年目以降になると、基本的な業務はひとりでこなせるようになります。

しかし、単に業務をこなすだけでなく、これまでの経験を活かして専門知識を深めていく段階に入ります。新しい学びの機会も増えてくるため、自己研鑽のために介護の専門知識を掘り下げ習得することが欠かせません

この時期に役立つのが、介護福祉士やケアマネージャーなどの資格取得です。

8年目~

8年の経験を積むと、豊富な知識と経験を持つベテランとなります。この時点で管理職を目指す人は、リーダーシップと管理能力を発揮し施設の運営に携わる段階に入っていきます。

ただし、管理職に就くための条件として「介護福祉士」の取得が挙げられるため、4年目以降に介護福祉士の資格を取得していれば、有利に働くことでしょう。

転職に有利な資格を4つ紹介

介護の仕事は未経験者でも転職が可能な分野ですが、資格取得によってさらに広がりを見せます。。おすすめの有益な資格を4つご紹介します。

介護職員初任者研修

まずは「介護職員初任者研修」です。この資格を取れば、介護の基礎知識と基本的な技術が身につきます。

事前の専門知識や資格は不要で誰でも受講できるので、転職活動中の受講がおすすめです。

介護福祉士実務者研修

次に「介護福祉士実務者研修」があります。この450時間の研修を受けることで、より多くの介護の技術と知識を身につけられます。介護福祉士を目指す場合は必須の資格でもあり、キャリアアップを望む人におすすめです。

さらに通信教育も用意されているので、働きながら学習できるメリットもあります。

介護福祉士

介護の仕事で国家資格を持つのは「介護福祉士」だけです。

この資格を持つと介護の専門家として評価され、管理職への道や給与アップが期待できるなど、キャリアアップのチャンスが広がります。この資格は国家試験に合格すれば取得することができます。

ケアマネージャー

最後に「ケアマネージャー」の資格です。利用者一人ひとりに合わせた適切な介護サービスを提供しています。さらに、高齢者の状況を把握し、介護サービスの種類や組み合わせを提案したり、利用者や家族との対話も行ったりします。

一定の実務経験と研修修了が義務付けられており、専門知識はもちろん保険制度など幅広い理解が求められる資格です。

介護未経験者が抱きやすい不安

未経験・資格なしでも採用される?

介護の仕事に就く際、未経験者や無資格者が最も心配するのは、「私でも雇ってもらえるだろうか」ということでしょう。しかし、人とのコミュニケーションを楽しめる方や、手先を使った作業が得意な方であれば、介護の現場で活躍できる可能性があります。

専門的な知識や技術がなくても、共感力やコミュニケーション能力があれば利用者との良好な関係を築くことができるのです。

仕事を覚えるのが大変そう

全ての仕事は未経験から始まります。介護の仕事は独特の環境なので、未経験者が不安に感じるかもしれませんが、その大変さは介護業界に限ったことではありません。

どの職場でも、新入社員を育成するためのプログラムがあります。同様に、介護の場合も先輩からの指導や実践的研修を通じて、未経験者でも仕事を理解し成長を実感できるようになっています。

人間関係が悪くて辛そう

介護の仕事に就く際、人間関係に不安を抱く人は少なくありません。確かに人間関係の問題が離職理由として挙げられることもあります。しかし、どの職場でも人間関係の軋轢は避けられません。

介護業界ではこの問題を重く受け止め、各施設で人間関係改善に向けた取り組みが行われています。口コミや施設見学を活用して実際に確認すれば、人間関係が良好な職場もあることが分かるでしょう。

給料はどのくらい?

介護職の給与については、一般的に低いというイメージがあるかもしれません。

職業情報提供サイトによると、2022年度における介護職員と他業界の職種の平均年収は以下の通りになっています。

職種

年収

施設介護員

362.9万円

接客担当(ホテル・旅館)

314.8万円

ホールスタッフ(レストラン)

330万円

衣料品販売

357.7万円

食品営業(食品メーカー)

578.3万円

一般事務

490万円

表からもわかるように、介護職員の年収は他業種と比べても大差はなく、資格を活かして手当を得たり夜勤手当を得たりすることで収入アップを図ることができます。

休日はきちんととれる?

介護の仕事は、未経験者から見ると休日が少なく感じられるかもしれません。しかし実際には、介護業界全体で見れば平均的な休日数があります。

さらに人手不足解消のため、休日数を増やす取り組みも進められています。そのため、休日について過度に心配する必要はありません。

年齢によっては採用に不利に働くの?

介護の現場では、20代から60代までさまざまな年齢層の人が活躍しています。

人手不足が続く中で、未経験者でも積極的に採用される施設が増えており、40代以上のスタッフが大半を占める施設もあります。年齢は採用の大きな障壁にはならないのが実情です。

介護職に興味を持ったきっかけは?

ハローワークで勧められた

ハローワークを利用した際に「介護職員初任者研修」の受講を勧められたという人が多いです。この資格は、未経験者でも介護の仕事に就けるようにするための基礎教育となっており、ハローワークの支援制度を利用すれば受講料が無料になる点が魅力的です。

この機会を活用して介護職に関心を持つ人が増えているそうです。

長く働けてニーズがあると知った

日本の高齢化が進む中、介護サービスの需要は高まっており、介護職員の確保が重要な課題となっています。そのため、介護業界では将来にわたって雇用の機会が期待でき、安定した就労を望む多くの人にとってぴったりでしょう。

また、実務経験を重ねるにつれて様々な資格を取得でき、キャリアアップの可能性も広がります。

介護との接点があった

実際に、ドラッグストアで店員をしていたとき買い物に来るホームヘルパーの方々に出会い、次第に興味を抱くようになった方がいます。また、介護施設のバザーやボランティア活動に参加して興味を抱いた方もいらっしゃるでしょう。

このように、日常の出来事から興味を持って転職を決めるケースは珍しくありません。

親の介護がきっかけ

親の介護を通じて介護職への関心が高まっている方が増えています。

介護職の経験が自身の生活にも役立つと考える方もいる上、親の介護を自分で行う際に介護の知識を習得しておきたい方もいるといいます。

このように、親の介護がきっかけとなって介護に魅力を感じる人が増加しているのです。

介護初心者による転職体験談をご紹介

専業主婦からの転職

「子育てが一段落した時期に、専業主婦から社会復帰を果たすべく転職を考えていましたが、どのような仕事を選べばよいか分からず迷っていました。そんなとき、友人がホームヘルパーの仕事について話してくれたことがきっかけとなり、介護の道へ進むことを決意しました。

未経験からのスタートでしたが、新たな経験と資格取得を通じて自信を深めることができました。介護の仕事は、生涯を通じて活かせる貴重な経験となっています。」

製造業からの転職

「製造業で働く環境が厳しさを増す中、年齢を重ねるごとに現状に対する不安やストレスが高まり、転職を考えるようになりました。そんな中で介護業界に出会い、年齢制限がなく従業員の平均年齢も高いことから、老人ホームへの転職を決意しました。

実際に働いてみると介護業界には長年従事している人だけでなく、他業種からの転職者も多数おり、幅広い年齢層が活躍していることがわかりました。

このような環境のおかげで、快適に働くことができています。現在は、介護福祉士の資格取得に向けてこれまでの経験を活かしながら努力している次第です。」

介護職の求人の探し方3選

転職サイトから

新しい仕事に挑戦したいと考えているなら、転職サイトの利用がおすすめです。

転職サイトには、未経験者でも安心して挑戦できる職種が数多く掲載されており、希望の条件で絞り込み検索が可能なので、自分に合った仕事を見つけやすくなっています。

さらに、専任のアドバイザーが無料で転職のサポートを行ってくれるので、未経験者でも安心して利用できます。

ハローワークから

ハローワークでは、厚生労働省の支援機関として豊富な求人情報を掲載しており、多くの求人から自分に合った仕事を見つけられます。

介護の基礎知識や実践スキルを身につけられる研修プログラムを開催していますので、介護職への第一歩を踏み出すことができるでしょう。

さらに、全国に点在するハローワークの拠点では、個別の相談にも応じてくれます。担当者と直接話をすることで、自分のスキルや希望に合った職種が見つかるかもしれません。

新聞から

また、新聞の求人欄やチラシがもおすすめです。

地元の介護施設の募集情報が掲載されていることが多く、通勤に便利な職場を見つけられる可能性が高いです。

さらに、地域密着型の施設は地元出身者を歓迎する傾向もあり、自宅近くで働きたい人や交通費を抑えたい人にとって、新聞やチラシを活用するメリットは大きいでしょう。

未経験者が介護職に転職する際は転職サイトを使おう

介護職に転職するには専門知識や資格が必要だと思われがちですが、実際には未経験者でも働ける求人が多数あります。その中から良い職場を見つけるには、転職サイトで一括して求人を比較検討することが欠かせません。

転職サイトでは企業の評判や働きやすさなど、細かい情報も分かるので適した職場が見つけやすくなっています。

また、履歴書や職務経歴書の作成支援、面接対策のアドバイスなどの転職活動全般をサポートしてくれるのも特徴です。ぜひ一度利用してみてくださいね。

未経験での介護職転職まとめ

たとえ経験や資格がない場合でも介護職への道は開かれていますが、より専門的な知識や技術が必要とされることもあるため、資格の取得がおすすめです。

また、転職活動においては実際の業務内容や待遇面を十分に調べ、自分のライフスタイルに合った職場を選ぶことが重要となっていきます。

本記事を参考にしながら、転職への一歩を踏み出してみてはどうでしょうか。