現代社会において、転職は一般的に広く受け入れられている。
しかし、転職は個人の決断や努力のみで成し遂げられるものではなく、その過程において、家族の役割やサポートを受ける場合もある。
転職時の家族のサポートは、どのような意味や重要性を持つものなのであろうか。
スキルアップ研究所では、実際に転職活動を終えた人に家族のサポートを得られたのか、または得られなかったのかをアンケートし、それぞれにおいて転職活動にどのような影響を与えたのかを調査した。
- 80%以上が家族のサポートは転職成功に役立ったと回答
- 1番役立ったのは精神的なサポート
- 家族のサポートがあれば役立っていたと考える人が約8割
転職活動を始める際に家族に伝えた人は約70%
「転職活動をすることを家族に伝えましたか?」と質問したところ、72%の人が「はい」と回答した。
転職は、個人の生活のみならず家族全体に影響を及ぼす重大な決断である。この認識が、多くの人々が家族に転職活動を伝える背景にあると考えられる。また、家族の理解や支援を得ることで、転職活動をより円滑に進められる可能性も高い。
その一方で、28%の人は「いいえ」と回答した。この背景には、自分で決断したいという思いや、家族に心配をかけたくないという配慮があると考えられる。
家族に伝えた人の8割は賛成を得られた
「転職活動をすることについて、賛成されましたか?それとも反対されましたか?」と質問したところ、約80%が「賛成された」と答えた。家族が転職活動に理解を示し、サポートをするという姿勢が多くの家庭で見られることがわかる。
一方で、約20%は「反対された」と答えた。この背景には、現在の仕事での安定が失われることへの懸念や、転職によるリスクへの不安などの様々な要因が考えられる。
家族が反対した理由として一番多いものは経済的不安
「反対された理由として、最もあてはまるものは何であったと考えられますか?」と質問したところ、「経済的不安」が一番多い回答となった。
これは、転職によって、収入のない期間が生まれたり、一時的に収入が減少したりする場合があることを懸念したものと考えられる。
多くの家庭にとって、経済的な安定は生活の基盤であり、それを揺るがす可能性のある転職に対して、慎重な姿勢を示すのは自然な反応と言える。
家族からのサポートが役立ったと感じた人は80%以上
「転職活動を振り返って、家族のサポートが転職の成功にどの程度役立ったと思いますか?」と質問したところ、「非常に役立った・ある程度役立った」と回答した人は全体の80%にものぼった。
多くの人が、転職活動において家族のサポートが重要な役割を果たしている、または、家族のサポートが転職成功の一因となったと認識していることがわかる。
精神的なサポートが一番役立った
また、「転職活動中に家族から受けたサポートの中で、一番役立ったものは何ですか?」と質問したところ、多くの人が「精神的なサポート」と答えた。
この結果は、転職活動が単なる職を探すという行為だけではなく、精神的にも大きな負担を伴うものであることを示唆している。
不安や迷いが生じやすい転職活動において、家族からの励ましや理解、共感といった精神的な支えは、転職希望者にとって大きな力となっていることがわかる。
約25%の人は転職活動終了後に家族関係が良くなったと感じている
「転職活動終了後、家族との関係がどう変化したと感じますか?」と質問したところ、「変わらない」と答えた人が約70%と一番多かったものの、良くなったと感じた人は25%ほどいることがわかる。
転職活動が家族関係にポジティブな影響を与える場合が一定程度存在するのは、キャリアビジョンの共有や転職活動時の具体的な相談、家庭内での役割分担の見直しなどを家族と共に取り組むことで、お互いへの理解が深まり、絆が強まっていくことが理由の一つに考えられる。
転職を考える人々にとって、家族と共に転職を進めることが、個人のキャリア発展だけでなく家族関係の深化にもつながる可能性があることを示している。
約80%が家族のサポートがあれば役立っていたと回答
「家族のサポートがあった場合、転職活動の成功にどの程度役立っていたと感じますか?」と質問したところ、約80%もの人が「役立ったと思う」と回答した。
この結果は、家族のサポートの潜在的な価値を多くの人が認識していることを示唆している。
転職活動を家族に伝えなかった人々の中にも、家族のサポートの重要性を認識している人が多いことを示している。
精神的なサポートがほしかったと考えている人が最多
また、「転職活動において、どのようなサポートがあれば一番良かったと思いますか?」と質問したところ、約30%の人が「精神的なサポート」と答えた。
家族からのサポートを受けていた人と同様に、サポートを受けていなかった人も精神的なサポートがあれば良かったと感じていたことがわかる。
新卒就活時とは異なり、転職活動時には周囲に困ったこと・悩んだことを相談する相手は多くはないため、その点で家族が果たす役割は大きいのだろう。
家族のサポートがないことで転職活動へのモチベーションに影響する場合も
「家族のサポートがないことで、転職活動全体に対するモチベーションにどのような影響がありましたか?」と質問したところ、「低下した」と答えた人は30%近くとなった。
「非常に低下した」や「かなり低下した」と回答した人が一定数存在しており、家族のサポートが転職活動において重要な役割を果たす可能性を表している。
家族からの理解や励ましがない状況において、転職という大きな決断をすることとその活動を進めることは困難であるといえるだろう。
課題と展望
今回の調査により、転職活動における家族のサポートの重要性が明らかになった。
しかし、約3割の人が家族に転職活動を伝えていないという事実も判明した。その背景には、家族からの反対を懸念する気持ちがあると考えられ、特に経済的不安が主な要因として挙げられている。
この状況を改善するためには、転職希望者が自身の意図や目標を家族に明確に伝え、理解と支援を得ることが必要だ。精神面では良き相談相手になってもらい、経済面では一時的な負担を家族全体でいかに共有して克服するか、共に模索することが重要となる。
家族のサポートが転職成功の鍵であることを転職者とその家族が共に認識し、スムーズな転職活動を可能とする環境を作り出す必要があるだろう。
調査概要
項目 | 詳細 |
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調査名 | 転職時の家族のサポートに関する実態調査 |
対象者 | 転職活動を終えた人 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2024年6月29日~2024年7月6日 |
回答数 | 200 |
※調査結果内の回答数はすべて有効回答のみを記載しているため、設問ごとに異なる場合があります。
調査結果の引用・転載について
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