【税理士試験】簿記論は独学で合格は厳しい?おすすめテキストや難易度まで解説!

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税理士試験の中でも簿記論は多くの受験生にとって高い壁となっており、独学で合格するのは簡単ではないと言われています。

しかし効率的な学習方法を身につけることで、独学でも合格への道は開けます。

そこで、この記事では簿記論の試験内容や難易度を詳しく解説し、おすすめの教材も紹介します。

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簿記論に独学合格は厳しい

独学で税理士試験に挑む人は少ない

簿記論の試験に合格するためには、予備校や通信講座を利用して広範で専門的な知識を身につけることが一般的です。統計上でも、合格者の中に独学で勉強した人は少なく、独学合格は厳しいと言われています。

これは試験の難易度が高いだけでなく、予備校や通信講座の受講生と競争しなければならず、上位15%に入るのが非常に難しいためです。独学での合格を目指すことは賭けに近く、一般的には避けられています。

ただし、すでに簿記1級レベルの深い知識と技能を持っている人は、その実力を生かして独学で合格することも可能です。

独学で税理士試験の簿記論に挑戦すると費用面などのメリットも存在

税理士試験の簿記論を独学で勉強することには、多くのメリットがあります。まず、予備校や通信講座に比べて費用を大幅に抑えられます。

それらに通うと数十万円の費用がかかりますが、独学なら教科書や参考書代だけで済み、数万円程度の費用で合格を目指すことができます。

さらに、独学では理解できない問題に自分で向き合い、答えを見つけなければいけません。これはかなりの困難を伴いますが、この経験は税理士として働く上で非常に重要なスキルにもなります。

簿記論は他の税法科目に比べるとやや対策しやすい

税理士の試験科目の中で、簿記論は他の科目に比べて独学での対応が比較的容易だと考えられています。ただし、簿記論自体が簡単ということではなく、税法科目のように毎年改正があるわけではないため、そう見られているのです。

税理士試験の大半は税法関連科目で、法改正に対応する必要があります。一方、簿記論や財務諸表論は税制改正の影響を受けにくいため、独学でも合格の可能性があります。

しかし、簿記論が独学で対応しやすいといっても、無理な勉強は避けるべきです。「税法科目に比べれば独学しやすい」程度の意味で、実際に独学で合格するのは難しいでしょう。特に簿記の基礎知識がない人が独学から合格を目指すのは大変な労力が必要となります。

他人の合格体験記を参考にしすぎて試験を甘く見ないこと

簿記の独学合格の体験談が数多く聞かれますが、その信憑性には疑問が残ります。実際の勉強時間や美化された経験の可能性も否定できません。

そのような体験談は参考にはなりますが、絶対視してしまうと、自分に過度な期待をしてしまったり、誤った学習方法に陥る危険もあります。

一人ひとりが合格への道を進むためには、他者の成功談に惑わされることなく、簿記の合格率や試験範囲、受験者層といったデータを基に、自分に最適な学習方法を見つける必要があります。匿名の意見よりも、自身の判断の方が最終的な合格への鍵となるでしょう。

独学でも専門学校の模試を受けて自分の位置を確認しよう

独学で簿記の勉強をしている方は、大手予備校が実施する全国模擬試験を受けることをお勧めします。特に、本番直前の6月から7月に行われる模擬試験は、貴重な経験になるでしょう。

独学は集中力が必要ですが、一人で閉じこもった環境での勉強が中心になりがちです。他の多くの受験生と同じ空間で試験を受ける緊張感を味わう機会はなかなかありません。しかし、本番の試験ではその緊張感を味わうことになります。

そこで、全国模擬試験が活用できます。多くの受験生と一緒に会場で受けられるため、本番と同じような環境を疑似体験できるのが大きなメリットです。にぎやかな試験会場の雰囲気は、独学者にとって貴重な経験となるはずです。

全国模試を受けることで、学習状況を確認でき、受験環境への適応力も身につけられます。

税理士試験を独学で対策するデメリット

税理士試験の独学には一定のメリットがありますが、同時に様々なデメリットも存在します。

以下では主なデメリットについて紹介していきます。

分からないことが出てきた時に質問できず苦戦しやすい

独学では、分からないことがあっても質問相手がいないため、自分一人で解答を見つける必要があります。しかし、自分の理解が正しいかどうかを客観的に確認する機会がないため、常に不安を感じながら学習を進めなければなりません。

一方で、近年ではオンラインで質問できるサービスが充実しており、多くの人から助言を得ることができます。

こうしたサービスを活用することで、自分一人の判断に頼らず、複数の意見を参考にしながら理解を深めていくことができます。

モチベーションを維持し続けるのが難しい

税理士試験は長期戦です。合格へ向けては勉強だけでなく、自身のモチベーション管理が欠かせません。膨大な知識を暗記する必要があり、独学の場合は特にモチベーションが下がりがちです。

そうなると効率的な学習ができず、合格が遠のいてしまいます。そこで、同じ目標を持つ受験生と情報交換したり一緒に勉強することで、競争心や連帯感を持てます。

また、時折気分転換をすることで、新たなやる気につながります。税理士試験に独学で挑む際は、知識の詰め込みだけでなく、上手くモチベーションを維持することが合格のカギとなるのです。

会社員は仕事が忙しい時期は勉強に時間が割きにくい

会社員として働きながら税理士試験の独学を目指す際には、忙しい時期に勉強時間を確保することが難しく、仕事と勉強の両立ができないという状況に陥りがちです。

理解と応用力が問われる税理士試験では、単なる知識の詰め込みだけでは合格が難しいため、試験対策に専念できる環境を整えることが重要です。

そのような環境を得る手段として、試験勉強を支援してくれる会計事務所への転職を検討するのも一つの選択肢です。そうすれば、仕事をしながらでも効率的な学習が可能になり、独学でも合格への道が開けるはずです。

税理士試験の簿記論について

税理士試験では、多くの科目の中でも簿記論が極めて重要な位置を占めています。簿記論は会計に関する必須科目の一つであり、税理士としての基礎知識を身につけるために不可欠な科目です。

税理士試験では科目ごとに合否が判定されるため、多くの受験生が1年に1、2科目を目標に受験しています。全科目を一度に受験するのは困難であり、合格率を上げるために特定の科目に特化した戦略的な勉強をする傾向にあります。

そのような中で、簿記論は最初に挑戦する人が多い科目となっており、税理士試験の登竜門とも言われています。これは必須科目であること、また最初に受験する人が多いことからも由来しています。

簿記論の出題形式と範囲

簿記論は税理士試験の中でも大きな難関科目です。

計算問題が中心で、実践的な技能が求められる唯一の科目です。出題範囲が広く、毎年変わるため、幅広い学習が必要です。

さらに、問題の配点などの詳細情報が非公開なので、あらゆる角度から準備する必要があります。このように、簿記論は特殊な出題形式と情報不足から、受験生にとって大変難しい科目となっています。

簿記論の試験内容

簿記論は税理士業務を行う上で極めて重要な科目です。

この科目では、企業の財務状況を示すバランスシートや損益計算書、キャッシュフロー計算書の作成方法を学びます。これらは企業の実態を正確に把握し、適切な税務対策を立案するために不可欠な知識となります。

簿記の資格を持っていれば簿記論の学習が円滑になるという利点があり、基礎的な科目ながら難易度が高いため、しっかりと理解を深めることで、税理士として幅広い専門性と深い知識を身につけることができるのです。

簿記論の合格基準

税理士試験の合格基準については、公式と実態が異なるという指摘があります。公式には満点の6割の得点で合格とされていますが、実際には受験生の中で上位15%前後に入らなければ合格できない相対評価の試験であると言われています。

つまり、合格率が15%前後になるように配点や採点が調整されているというのが、税理士受験生の間では言われています。

一方で、科目によって合格に必要な得点率が異なるようです。例えば簿記論については、5割程度の得点があれば合格ラインに達することができると言われています。

簿記論の難易度は高い

簿記論は、資格試験の中でも最難関の1科目と言われていて、税理士試験の選択必須科目に続く高い難易度を持ち、一般的な学習時間では合格が極めて難しい科目です。

単なる知識の暗記だけでなく、複雑な事象を組み合わせて解を導き出す高度な思考力が必要とされます。

簿記論に合格するためには、長期にわたる粘り強い努力と深い理解力、適応力を身につける必要があり、その道のりは決して平坦なものではありません。

簿記論を選択した人の合格率の推移

試験実施年

合格率

2019

17.4%

2020

22.6%

2021

16.5%

2022

23.0%

2023

17.4%

過去5年間の「簿記論」の合格率を見ると、年によって若干の増減はありますが、おおむね15%前後で推移していることがわかります。2019年は17.4%、2020年は22.6%と上昇しましたが、2021年には16.5%に下がりました。2022年は23.0%とピークを迎えたものの、2023年には再び17.4%に落ち着いきました。

これらの数字から明らかなのは、「簿記論」が非常に難しい科目であるということです。他の税理士試験の科目と比べても合格率は高めではありますが、8割以上の受験者が不合格となっている事実から、その難易度がわかります。

高度な知識と技能が必要とされるこの試験では、受験者の上位15%しか合格できません。

簿記論合格には500時間程度必要

簿記論は、他の科目と比べても、計算量が多く長時間の学習と実践的な力を必要とする難関科目と言われています。

合格に向けて約500時間の勉強時間が目安とされていますが、個人の理解度によって大きく変動します。中には倍近くの時間を費やした受験生もいるほどです。

簿記論は相対評価の試験なので、勉強時間を確保しつつ、他の受験生を上回る得点力を身につけることが不可欠です。自分のペースで着実に学習を進め、必要な力を身につけることが大切です。

簿記論のおすすめテキスト

みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集シリーズ

TACの税理士試験対策参考書である本書は、30年を超える長年の受験指導実績に基づく完全合格メソッドを教科書と問題集としてまとめたものです。簿記論の学習範囲は非常に広範囲にわたりますが、本書では合格に真に必要な論点のみを厳選してピックアップしています。

このテキストの大きな特長は、図解やイラストを豊富に使用していることです。簿記論は難解な内容が多いため、視覚的な解説によって理解を深めやすくしています。

一方の問題集には、過去問題や模擬試験問題が多数収録されており、実際の試験形式にしっかりと慣れることができます。さらに詳細な解答・解説が付いているため、各問題のポイントや注意点を丁寧に学ぶことができます。

税理士 簿記論 完全無欠の総まとめ 2024年度

「税理士 簿記論 完全無欠の総まとめ 2024年度」は、TACが提供する教材の精髄を凝縮した、税理士試験簿記論の要点をまとめた一冊です。

各項目の重要度が3段階で示されているので、出題確率の高い箇所を優先して学習プランを立てやすくなっています。また、各項目の冒頭に「学習のポイント」が記載されているため、初学者でも要点を意識しながら学習を進められます。

さらに、例題が用意されているので、問題を解きながら知識を定着させることができます。「学習度チェック」と赤シートにより、自分の理解度を把握しながら、効率的に学習を進められるのも魅力です。

簿記論の基本的な独学勉強法

簿記論の独学勉強では、知識を広く深く理解することが何よりも大切です。

そのための根本的な独学の方法についてここでは解説していきます。

試験で正解すべき問題なのか判断する練習を

簿記試験に合格するためには、適切な問題選別が重要になります。制限時間内で解答できる問題と、時間をかけても解けそうにない難しい問題を見極める必要があります。簿記試験は傾斜配点制度であるため、この判断が大きく得点に影響します。

試験中は全問に答えられる時間的余裕がありません。そこで、簡単な問題から優先的に解き、難しい問題は避けるという戦略が有効です。過去問を活用し、自分の実力に合わせて問題の難易度を判断する練習を重ねましょう。

1日に3時間程度の勉強時間を確保しよう

簿記論の合格を目指すには、毎日最低3時間の学習時間を確保することが重要です。難解な内容を理解するためには、この学習時間を維持することが合格への第一歩となります。

一日の中から勉強に費やす時間を見つけ、集中して勉強することが成功の鍵となります。熱心な受験生であれば、3時間では足りないと感じるかもしれません。その場合は、さらに時間を増やすことをおすすめします。

一方で、ゆっくりと学習を進める方法もありますが、試験の傾向が変わると対策が難しくなる可能性があります。

そのため、早期の合格を目指すなら、毎日の学習時間を確保し、一刻も早く簿記論の修得に専念することが大切です。

計算力が試験の要になる

簿記の試験に合格するためには、計算力が非常に重要です。計算力とは、単に公式を覚えて問題に当てはめるだけではなく、短時間で正確な結果を導き出す能力のことです。計算力の本質は、「速さ」と「正確さ」のバランスを保つことにあり、このバランスが試験の合否を左右します。

特に、計算スピードは軽視されがちです。多くの人は、ある程度のスピードを身につけたら、それ以上の向上を目指さず、「この程度なら試験で大丈夫だろう」と過度に楽観的になる傾向があります。しかし、時間的制約の厳しい試験では、十分な計算スピードがあれば、余裕を持って問題に取り組め、結果的に正確性も確保できます。

計算スピードを上げるには、積極的な練習が不可欠です。例えば、電卓の使い方を見直して最適化したり、日々の勉強の中で速さを意識したりするなど、自分なりの工夫が大切です。

同時に、正確性も決して忘れてはなりません。計算力は速さと正確さの両立が何より重要なのです。

最後は問題演習を中心に

基本的な講義を完全に理解し、その基礎が確立されたら、次は問題演習を中心とした学習が効果的です。これにより、学んだ理論を実践的な状況にどのように活用できるかを具体的に身につけることができます。独学で簿記を学ぶ際、この実践的な演習が最も重要となります。

多くの演習問題に取り組むことで、実際に手を動かし、頭を使うことができます。新しく学んだ知識を直ちに問題解決に活用することで、より深い理解が得られるのです。

問題を解く過程で間違いを犯すことがあっても、それは問題ありません。むしろ、積極的に間違いを直視し、修正することが大切です。間違った問題を放置せずに、原因を正確に把握し、再度取り組むことが重要です。同じ間違いを繰り返さないよう注意しましょう。

全ての問題を解けるようになるまで繰り返そう

簿記論の独学では、問題集を繰り返し解くことが効果的な学習方法です。一度学んだ知識を繰り返し問題に取り組むことで、知識が定着し基礎力が身につきます。間違えた箇所は特に徹底して学習し、同じミスを繰り返さないようにすることが重要です。

また、定期的にテキストを読み返すことで、新たな理解が深まり、知識が体系化されていきます。このように、問題を繰り返し解きながら学習を重ねることで、簿記論に対する理解が深まり、合格確率を高めることができます。

財務諸表論と同時並行で学習するのが良い

簿記論と財務諸表論は、相互に関連が深く、両者を並行して学習することで理解が深まります。簿記論では企業の財務状態を把握するための計算方法を学びますが、財務諸表論ではその理論的背景を探求します。つまり、簿記論が「何をするべきか」を教えてくれるのに対し、財務諸表論は「なぜそうするべきなのか」を教えてくれます。

時間的な制約がある場合、一方に重点を置きつつ、もう一方についても基本的な理解を保つことで、効率的に学習を進めるという方法があります。例えば、一科目を合格に導きながら、もう一方の科目についても最低限の知識を身につけるといった進め方があります。

しかし、可能な限り両者を同時に学習を進めましょう。2つの科目を組み合わせて学ぶことで、体系的な理解が得られ、より高い学習効果が期待できるからです。

法人税法と一緒に進めるのもおすすめ

簿記論と法人税法を同時に学習することは、かなりの試練となります。通常は簿記論と財務諸表論の組み合わせが主流で、簿記論と法人税法の併用学習は珍しいことです。

ある受験生の体験談によると、初回受験で財務諸表論は合格したものの、簿記論はA判定(現行基準で50点台)と不合格でした。そこで次の受験に向けて、法人税法の学習に加え、簿記論の復習も行うことになりました。

しかし、法人税法の学習にかける時間が圧倒的に多く、簿記論は週2回、2時間程度の答案練習で実力維持を図るのが精一杯でした。法人税法へのインプット量の多さを実感し、簿記論と法人税法の併せ学習は容易ではないと感じたそうです。

つまり、簿記論については一定の基礎力がない状態で法人税法の学習を並行すると、法人税法の学習負荷が非常に重くなり、両立が難しくなる可能性があるということです。

従って、両科目を同時に学習するには、少なくとも簿記論においてA判定程度の実力は備えておく必要があるでしょう。

勉強を開始する前に日商簿記2級にチャレンジして基礎知識をつけよう

税理士試験の簿記論は非常に難しい内容となっており、合格するためには事前の準備が欠かせません。そこで、まずは履歴書にも記載できる「日商簿記2級」の取得をおすすめします。

簿記の基礎知識を身につけることで、簿記論の内容を理解しやすくなることに加えて、日商簿記2級は税理士試験の簿記論に比べて合格しやすく、基本的な理論を繰り返し学ぶことができます。

試験から合格発表までの過ごし方

税理士試験では、試験当日から合格発表までおよそ4ヶ月の期間が空きます。この長い空白期間中、受験生は不合格に備えて今回受験した科目の勉強を続けるのか、それとも次の科目の学習に進むべきか迷うことになります。

しかしこの場合、試験がひどく振るわなかった場合を除き、基本的には次の科目の勉強を進めてしまっても問題ありません。なぜなら、万一不合格となっても、既に一定の合格レベルに近い実力がついているはずだからです。

そのため、1月の再受験に向けた追加学習さえできれば、十分に対応が可能となります。つまり、この空白期間中は次の科目の学習を優先し、万が一の不合格に備えた再勉強は、合格発表後に集中的に行えば間に合うというわけです。

簿記論が不合格の場合

簿記論の試験に不合格となった場合落胆するかもしれませんが、前向きに捉え直すことが大切です。不合格は今後の学習方針を見直すためのチャンスです。

まずは、日商簿記の3級や2級を受験することをおすすめします。税理士試験のような高度な内容は複雑で難しく、基本的な概念から意識が逸れがちです。日商簿記の基礎レベルから学び直すことで、自分の理解度を確認し、何が欠けているのかを把握できます

一旦基礎に立ち返ることは退歩に感じられるかもしれませんが、根本から丁寧に学ぶことで新たな視点が得られ、簿記の本質的な理解が深まります。この過程で、難関である簿記論試験に向けた実力を着実につけることができるでしょう。

簿記論合格がどうキャリアに活きるのか

簿記論の合格は、会計知識の証しとなるため、一般企業の経理部門でも高く評価され、就職や転職の際に有利に働くでしょう

簿記論の合格者が不利に扱われることはほとんどありません。

以下では、各科目の合格者が優遇される分野についても説明します。

簿記論・財務諸表論に合格している場合

簿記論や財務諸表論の知識を身につけ、関連する資格を取得することは、キャリア形成に大きな役割を果たします。経理や会計事務所への転職を目指す際には、即戦力としての実力を証明することができます

確かに実務経験を重視する職場もありますが、会計に関する知識を示す資格は、それ自体が評価される証となります。企業の財務状況を把握し、適切な意思決定ができる力は、あらゆるビジネスシーンで求められるスキルです。

この資格の取得は、単にスキルを向上させるだけでなく、自身の能力を示すことにもつながります。また、経理や財務の知識があれば、会計事務所だけでなく、経営陣との円滑なコミュニケーションも可能になります。つまり、キャリアの可能性が無限に広がるのです。

相続税法に合格している場合

少子高齢化が進む中で、相続税法に詳しい専門家の需要が高まっています。資産管理では、不動産や株式の取り扱いを熟知した専門家が求められています。そのため、相続税法の知識を持つことは、現在の職場だけでなく、将来的なキャリアアップにも役立ちます。

具体的には、成年後見業務を行う会計事務所へ転職を考える場合、相続税法の資格を持っていると有利になります。専門的な知識が必要とされる分野なので、相続税法の資格を持つことで、自身の専門性が認められやすくなり、より良い条件の選択肢が広がります。

また、社会がさらに高齢化し、資産の移転が進む中で、相続税法に精通した専門家の存在がますます重要になると予想されます。そのため、相続税法の試験に合格し、その知識を身につけることは、将来的にも役立ってくるでしょう。

所得税法・法人税法・消費税法に合格している場合

所得税法、法人税法、消費税法の3科目は、企業会計において極めて重要です。多くの企業や税理士事務所は、これらの税法に精通したプロフェッショナルを高く評価しており、会計事務所や税理士法人では、これら3法の合格者が重宝されます。一方、一般企業でも同様に、この分野の専門家として高い期待が寄せられます。

そのため、基礎科目の簿記論や財務諸表論に加え、この3法科目のうちいずれか1科目を合格していれば、転職での市場価値が高まります。税理士としてだけでなく、企業の経理や税務部門への途も大きく開けるからです。

簿記論の独学合格まとめ

ここまで、簿記論の独学について紹介してきました。

税理士試験の簿記論は、専門知識と実務経験が不可欠とされており、独学で合格するのは大変難しいと言われています。しかし、適切な教材を選び、計画的に学習すれば独学でも乗り越えられるチャンスはあります。

そんな難易度の高い税理士の簿記論ですが、ぜひこの記事を活かして簿記論の勉強に役立ててください!