テレビ、ゲーム、広告、Webコンテンツなど様々な業界で活躍しているクリエイターへの転職の注目度は高まっている。クリエイターへの転職を検討する人は年々多くなっているであろう。同時に、クリエイターへの転職について疑問や不安を抱く人がいるだろう。
クリエイターへ転職をする人は、どのような理由で転職したのだろうか。また、転職後に改善されたことは何であろうか。
クリエイターへの転職の実態を解明するべく、スキルアップ研究所ではクリエイターへの転職に関する実態調査を実施した。
- 転職を決めた理由は労働条件に対する不満や会社や業界の将来性へ不安
- クリエイターへ転職後約7割が年収増加
- 転職後やりがいや楽しさを感じている人は7割以上
転職するのにかかった期間は4ヶ月~6ヶ月
転職を考え始めてから転職先が決まるまでの期間を尋ねたところ、4~6ヶ月が43.14%(22人)と一番多い結果となった。
半年以下が4分の3近く、9ヶ月以下が9割以上を占めており、クリエイターへの転職活動を始める際には、期間は半年を目安に見積もっておけば概ね問題ないといえる。
転職回数の相場は1回~3回
転職の回数について尋ねたところ、3回以下の人が9割近くを占めた。
転職回数が多いと、職場で長くコミットする意欲が低いように思われたり、職場での適応力があるのかと疑われたりするのではないかと懸念する人も多いだろう。しかし、転職回数が1回~3回程度であれば、現在ではそこまで珍しいことではなく、転職による悪影響の有無についてはそこまで心配する必要がないといえる。
転職を決めた理由は労働条件・会社の将来性
転職を決めた理由を尋ねたところ、一番多かった理由は「労働条件の不満」で19.05%(16人)で、その次に「会社の将来性へ不安を感じた」が16.67%(14人)ということが分かった。
一方で、自身の評価についての不満や、会社の雰囲気の悪さを転職理由に挙げる人は少なかった。
労働条件が転職理由の上位に挙がるのは、それだけ労働者が労働条件を重視しているからであると考えられる。後述にもあるように、クリエイターに転職してよかったことは何かを尋ねたところ「収入待遇が良くなった」が最多となったことから、労働条件の不満を解消するための選択肢として、クリエイターへの転職は有効であるといえる。
転職時の不安は杞憂に終わる可能性大
転職する上で不安なところを尋ねたところ、「どの会社がいいのか判断できない」が最多の20.69%(18人)となった。3番目に多かった「内定先が決まるか不安」と合わせて、転職をするという意思そのものは固いものの、転職活動の中で最適な選択ができるかどうかが不安要素となっている。
その一方で、2番目に多い結果となった「転職を後悔するのが怖い」(16.09%(14人))や4番目の「年収が下がることが怖い」(10.43%(9人))など、転職そのものに対する不安については、現状との乖離がある可能性が高い。後述にもあるように「転職してよかった」という人が8割以上、「年収が増加した」という人が7割以上いることから、転職後の不安に関しては杞憂に終わるとみて良いだろう。
クリエイターへ転職した人の4割が「doda」を支持
クリエイターへ転職した人にどの転職サイトを利用したか尋ねたところ、「doda」を利用した人が39.68%(25人)と一番多く、「CREATIVE JOB」、「マイナビクリエイター」が続いた。
この回答結果から、クリエイターへの転職においては「doda」が根強く支持されており、納得のいく転職の実現に繋がりやすいと考えられる。
転職後7割が収入増加に成功
クリエイター転職後の年収の変化について尋ねたところ、7割以上の人が収入増加に成功したことが分かった。
また、現状年収が減少したと回答している人も最終的に年収が増加する可能性は大いにあるといえ、クリエイターへの転職に対する年収増加への期待値は高いと考えられる。
転職してよかった点は「収入待遇の改善」
転職して良かったところを尋ねたところ、「収入待遇が良くなった」を挙げる人が28.77%(21人)と一番多く、次いで、労働環境が改善されたと実感している人が26.03%(19人)と2番目に多いことが分かった。
先述の通り、転職を決めた理由として、「労働条件の不満」を挙げている人が最多であったが、クリエイターへ転職することによりその点が解消できる可能性は高いといえる。
クリエイターへの転職の満足度は80%以上
クリエイターに転職して良かったかどうかについて尋ねたところ、転職して良かったと感じた人は82.4%という結果となった。
収入待遇の良さなどが、満足度の高さに繋がっているといえる。
クリエイターにやりがいを感じている人は75%以上
転職後のやりがいや楽しさについて尋ねたところ、前職がクリエイターであった人は「クリエイターの仕事にやりがいや楽しさを感じている人」が75%であった。また、特筆すべきことに、やりがいや楽しさを感じないと断言する人はいなかった。
一方で、前職がクリエイターでなかった人は「クリエイターの仕事にやりがいや楽しさを感じている人」は8割近くと、さらに高い割合となった。
収入待遇の良さだけでなく、クリエイター職は多くの人がやりがいを感じながら働ける環境が整っていることが数値的にも明確になった。
今後の課題・展望
クリエイターに転職後、労働条件が改善されたと回答した人が多かったことから、転職をする上で転職先の選定が上手くいっている人が多くいる、あるいはクリエイター業界全体の労働環境が良いことが見受けられる。
クリエイターへの転職後に約7割の人が年収増加に成功し、転職してよかった人・クリエイターにやりがいを感じる人の割合もそれぞれ非常に高い。
労働条件の改善や、生活に直接影響する収入が増加することは、転職する上で大きなメリットとなる。現職がどの業界であるかに関わらず、転職を考えている人にとって、クリエイター転職は価値のある選択肢だと考えられる。
また、転職の契機が「労働条件への不満」や「会社や業界の将来性への不安」となっていることが分かった。転職後に多くの人がクリエイターへの転職で労働条件・待遇改善を感じている現状を鑑みても、他業界でも環境改善が望まれるところであろう。
調査概要
項目 | 詳細 |
調査名 | クリエイター転職に関する実態調査 |
対象者 | 20代以上のクリエイター転職をした方 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2024年4月15日~4月20日 |
回答数 | 51名 |
調査結果の引用・転載について
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