文系の未経験者でもIT業界に転職できるの?年収やスキルを理系と比較
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IT業界は日々進化し続けており、新しいスキルや知識の習得が求められています。
しかし、理系の学歴やIT関連の専門知識がなくても、ITの世界で活躍できる可能性は十分にあります。
本記事では、文系未経験者がIT業界への転職を目指す際の方法や必要なスキル、そして年収水準や理系との違いについて詳しく解説します。
そもそも本当に文系からIT業界に転職できるのか
IT業界というと、多くの人が理系の人というイメージを浮かべるかもしれません。しかし実際のところ、IT業界には理系出身者だけでなく、文系出身者も活躍できる幅広い職種が存在しています。
転職の際には、学部系統よりも実際の経験やスキルが重視されます。特にシステムエンジニアのように顧客対応が必要な職種では、文系出身者の対人能力がプラスに働く場合もあります。
また、WEBデザイナーのように理論よりもセンスが重視される職種では、文系出身者の参入障壁は低くなります。
つまり、IT業界への転職は文系出身者でも十分に可能なのです。
文系出身ITエンジニアの末路が悲惨と言われる理由
常に勉強しなければいけず、きついから
IT業界は常に変化し続ける分野であり、最新の情報に常に注目し継続的に学習することが求められます。
この学習過程は決して容易ではなく、私生活の時間を犠牲にするリスクがあります。しかし習得が遅れてしまうと業務に支障をきたす可能性があるため、プライベートな時間を使ってでも学習を続ける必要があります。
そのため、この困難に適応できずに挫折してしまう人も多くいます。
納期に追われ続けるから
IT業界では、プロジェクトの納期厳守が重視されるあまり、エンジニアが過酷な環境に置かれることがあります。期限に追われ休息を犠牲にして作業を続けなければならず、肉体的・精神的に疲弊してしまうケースが多々あります。
プロフェッショナルとしての姿勢は大切ですが、健康を無視するあまり、悲惨な結果を招くことのないよう注意が必要です。
細かい数字などを扱う仕事内容が多いから
ITエンジニアの仕事の中には、コードの一字一句を正確に書く必要があり、細部への注意力が非常に重要です。些細な違いでもシステムに深刻な影響を及ぼし、全体の動作を停止させてしまうことがあります。そのため細かいミスをしがちな人にとっては過酷な環境となり得ます。
さらに、エラーやバグの修正は休日や深夜でも行う必要があり、クライアントに影響を与える可能性もあります。
このような理由から、細部への注意力が求められるITエンジニアの仕事は、文系出身者にとって困難であると考えられがちです。しかし文系出身者でも緻密な作業が得意な人であれば、十分に活躍できるでしょう。
入社時のプログラミングスキルが理系より不足しているから
文系出身者がITエンジニアとして活躍するには、理系出身者との技術力の差を埋める必要があります。理系の学生は大学時代からプログラミングを学んでいる人が比較的多いのに対し、文系の学生にはそのような機会がほとんどありません。そのため、就職後に学習を重ね、技術力を身につける必要があります。
しかし、そのような努力ができないと、周りとのコミュニケーション不足から居づらくなり、早期退職に至ることもあります。
文系出身者がエンジニアとして活躍するには、効率的な学習が欠かせないのです。
文系でもIT企業への転職に向いている人の特徴
勉強し続けることに耐性がある
文系出身者でもIT業界で活躍するためには、絶えず新しい知識を吸収し、積極的にスキルを磨く姿勢が欠かせません。理系出身者に比べて技術的な知識が不足していても、粘り強く学び続ける強い意志さえあれば、十分に活躍の場は広がります。
IT業界は目まぐるしく進化を遂げるため、新しい技術やアイデアに常に敏感でありながら、自身の知識として取り入れていく貪欲さが必要不可欠です。
文系出身者がIT業界で成功するには、チャレンジ精神にあふれ、スキルアップへの飽くなき努力が求められるのです。
数式などに強く論理的な思考ができる
IT業界で成功するためには論理的思考力が非常に重要です。その理由は2つあります。
第一に、課題解決には明確な論理構造が求められるからです。業務の効率化やユーザー体験の向上などの様々な課題に対し、適切な企画や設計、実行を行うには、状況を理解し論理的に考える力が欠かせません。
第二に、プログラミングやデータ分析などのスキルを身につけるためにも、論理的思考力が基礎となります。特にプログラミングでは、問題解決のロジックを理解することが重要です。
論理的思考力は文系出身者も養うことができる能力です。むしろ文系出身者こそ、この力を高める訓練に努め、IT業界で活躍できる人材を目指すべきでしょう。
IT化が進む中で、論理的思考力を身につけることは文系出身者にとっても大切なスキルになっています。
コミュニケーション能力に自信がある人
文系出身者にとって、IT業界は自分のコミュニケーション能力を存分に発揮できる場所です。
IT業界には、個人作業ばかりで会話が少ないというイメージがありますが、実際はチームワークが不可欠で、同僚や顧客との円滑なコミュニケーションが求められます。
理系出身者が中心のIT業界では、時にコミュニケーションが不足する場面もあり、そういった場面では文系出身者のコミュニケーション能力が強みとなります。
IT業界への理解を深める努力をしている
IT業界で活躍するために、文系出身者には具体的な業務内容を深く理解し、前向きに取り組む姿勢が求められます。IT業界は理系出身者が主流なので、なぜその業界を選んだのか尋ねられることがあります。しかし、ただの憧れや誤解に基づいている理由は、採用の際に不利になる可能性があります。
そのため、インターンシップなどを通じて実践的な経験を積むことが重要です。インターンシップは、新卒採用向けのものであるというイメージが先行しがちですが、転職時向けのものも存在しています。また、IT業界で働く人の話を聞いてみるものも非常に有効な手段となります。
業界への理解は採用時のアピールポイントにもなり、自身のIT業界適性を正しく判断するための指標ともなります。
文系出身であっても、業界理解と適性把握によって、IT業界で活躍する道は開かれています。
文系からIT企業へ転職する際の注意点
資格などのアピールポイントを作る
自己PRの重要性を認識し、自身の強みをしっかりと伝えること転職成功の重要なカギになります。
まずは自分自身のスキルや経験を冷静に見つめ直し、それらをどのように発揮できるかを明確にすることが肝心です。単に資格や技術力を列挙するだけでなく、「私はこれらの経験から、この分野で具体的にこのように貢献できます」と、自分の可能性を具体的に示すことが重要になります。
IT業界への転職では技術力はもちろん大切ですが、マネジメント力やコミュニケーション能力など、幅広い分野でのスキルを合わせてアピールすることで、自身の価値を高く評価してもらえるでしょう。
理系が多いため志望動機や熱意をアピールする
文系出身者がIT業界への転職を目指す際、自身の志望動機と情熱を適切に伝えることが大切です。IT業界には理系出身者が多いため、「なぜITに興味があるのか」という明確な理由を示すことで、あなたの存在感を高められます。
ただし、「IT業界が魅力的だ」という曖昧な理由では不十分です。志望企業を選んだ具体的な理由や、その会社でなければならない点を伝える必要があります。
そのためには、IT業界全般や応募先企業のビジョン、サービス内容などを深く理解しておくことが重要です。
文系出身者でも、しっかりとした熱意と理解力を示せば、ITへのスムーズな転職が可能となります。
文系でも基本的なIT知識を学んでおく
IT業界への転職を目指す文系出身者には、まず業界動向や基本的なIT知識を身につけることが重要です。プログラミングスクールや資格取得を通じて、必要な知識を習得することができます。
特に、「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」などの資格を取得することで、一定レベルのITスキルを証明でき、あなたの意欲をアピールする良い機会にもなります。
ITの業界や職種について調べる
IT業界には様々な分野と職種があり、自分に合った道を見つけることが重要です。ここでは、その一部を紹介していきます。
- インターネット業界
- Web業界
- 通信業界
- ソフトウェア業界
- アプリケーションエンジニア
- ITコーディネーター
- ITコンサルタント
- セールスエンジニア
- サポートエンジニア
転職を検討する際は、事前にしっかりとリサーチを行い、自分の適性や志向に合った分野や役割を見極めることが肝心です。
IT業界の幅広さを理解した上で、自分に合ったキャリアパスを見つけることが賢明でしょう。
【独自調査】IT業界への転職で最も重要なスキルは?
IT業界での転職成功の鍵となる要素は、年代によって大きく異なることが調査から明らかになりました。20代では専門知識の蓄積と新技術への学習意欲が同率で33.3%を占め、若手人材に求められる資質として重視されています。
キャリアの転換期である30代では、技術的な専門性が37.5%と最重要視され、続いて最新トレンドへの対応力が評価のポイントとなっています。
また、40代に入ると、技術力とマネジメントの実績が同等の重要性を持ち、経験に裏打ちされたスキルが求められる傾向にあります。
さらに、50代では継続的な学習姿勢が60.0%と突出して重視され、変化の激しい業界で活躍し続けるための適応力が不可欠とされています。
年齢層ごとに重視される能力は変化し、それぞれの年代に応じた強みを活かすことが、転職成功の重要な要素となっています。
文系出身のITエンジニアがキャリアアップのためにやること
上流工程の仕事を担当する
ITエンジニアとして経験を重ね、下流工程から上流工程への移行を目指すことは、キャリアアップの重要なステップです。初めは下流工程の実務を通して必要な知識とスキルを身につけ、その経験を活かして徐々に上流工程の業務に携わるようになります。この過程で培った経験と知識が、更なるキャリアアップの糧となります。
上流工程では、他部署のリーダーやクライアントとの密接なコミュニケーションが求められます。円滑な業務遂行のためには、高いコミュニケーション力と情報収集能力が不可欠です。重要なプロジェクトの交渉などでは、これらの能力が試されることになります。的確なコミュニケーションにより、他部署との良好な関係を築くことができます。
文系出身者には、柔軟な思考力とコミュニケーション力といった強みがあります。これらの資質を最大限に活かしながら、日々の業務経験を重ね、上流工程の仕事を任せてもらえるようキャリアアップを目指しましょう。
プロジェクトの管理などをするマネージャーになる
文系出身者がITエンジニアとしてキャリアアップを目指すなら、プロジェクトマネージャーへの道が適しています。ITプロジェクトでは、チームを統率し顧客とコミュニケーションを取る能力が重視されます。単に技術的スキルだけでなく、人間関係やマネジメント能力も欠かせません。
専門用語が飛び交うIT業界では、技術的な話題を素人にもわかりやすく説明する力が不可欠です。様々な立場の人と積極的に対話を重ね、相手の理解度に合わせて適切に言葉を選ぶ練習が大切です。
複数のプログラミング言語を扱えるようになる
ITエンジニアとして幅広いキャリアを歩むためには、複数のプログラミング言語に精通することが不可欠です。様々なクライアントのニーズに合わせて使用言語を切り替えられる柔軟性が求められるからです。
さらに、複数のデータベースやOSにも対応できることで、より多様な場面で活躍できるようになります。
つまり、一つの分野に特化するのではなく、広範な知識とスキルを身につけることが重要なのです。
将来的には、そうした深い理解力と適応力を備えたエンジニアが高く評価されることでしょう。
外国語の習得
現代のグローバル社会において、ITエンジニアにとって外国語能力は必須のスキルとなっています。多くの企業が海外展開を進める中、営業やプレゼンテーションでの外国語によるコミュニケーションが日常的になり、外国語の資料を読解する能力も求められます。特に、最新の技術トレンドや文書が英語で提供される場合が多いため、適切な情報把握に語学力が不可欠です。
また、語学力は異文化理解や海外チームとのスムーズなコミュニケーションを可能にし、グローバルな視野を持つITエンジニアとしての価値を高めます。
そのため、豊かなITキャリアを築くには語学力の向上が重要となり、文系出身のITエンジニアにとってはむしろ強みとなる分野でもあります。
文系出身エンジニアのはどんなメリットがあるのか
文章作成能力が活かせる
ITエンジニアの仕事において、わかりやすく情報を伝える能力や正確な文章力は欠かせません。要件定義書や設計書の作成、マニュアル作成、コードコメントなどでは文系の能力が発揮できます。
また、クライアントやユーザーとのコミュニケーションでは、状況や要件を相手に理解しやすい形で伝える必要があります。新しい技術やツールを学ぶ際も、関連資料を正確に読み解く力が重要です。
文系出身者は、このような情報を読み解き、わかりやすく伝える能力に長けている人が多いと言えます。そのため、ITエンジニアの仕事に適した素質を持っていると言えます。
コミュニケーション能力を活かせる
理系出身者は論理的思考力に長けているものの、文系出身のエンジニアは相手の気持ちを汲み取り、効果的なコミュニケーションを図る能力に優れています。この能力はエンジニアリング分野で高く評価されています。
また、クライアントの本音を引き出したり、専門用語を分かりやすく説明したりするのが得意です。さらに、チームワークを円滑にし、プロジェクト全体を成功へと導く力も持ち合わせています。
語学力を活かせる
近年、企業の国際的なビジネス展開が増えるにつれ、ITエンジニアにも海外のチームやクライアントとのコミュニケーション能力が求められるようになってきました。
その際、最も重要な要素の一つが語学力です。異文化の人々と意見を交換し、彼らのニーズを理解するには、高い語学力が不可欠となるのです。特に国際企業では、社内公用語が英語であることが多く、それに対応できる英語力が求められます。
一方で、文系出身者は一般的に語学のスキルが高いことから、この課題に対応するための有力な人材となります。理系出身者と比べて、文系出身のエンジニアは高い語学力を持つことが多く、これがエンジニアリングのスキルと同じくらい価値あるものとなります。
【独自調査】IT転職でおすすめの資格は?
IT業界での転職を考える際、最も取得を推奨される資格として基本情報技術者が42.3%と圧倒的な支持を集めています。この資格は、IT分野における基礎的な知識と技術力を証明する指標として、多くの企業から評価されています。
次点では、ITパスポートが続きます。IT初心者にとって取得しやすく、業界への入門資格として認知されています。
さらに、より専門的な知識を求める場合は、応用情報技術者が推奨されており、キャリアアップを目指す転職者に適しています。
上位資格であるITストラテジストやプロジェクトマネージャーは、マネジメント志向の転職者に特に有効とされています。
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文系未経験者のIT業界への転職まとめ
IT業界への転職には知識や経験が十分でなくても問題ありません。重要なのは、積極的に新しいことを学び、適応する姿勢です。
スキルや年収においては理系出身者の方が有利かもしれませんが、自己啓発に努めることで、文系出身者でも十分に活躍できる可能性があります。
成長の機会という点で見れば、文系・理系に関わらず、IT業界には価値があると言えるでしょう。
項目 | 詳細 |
調査名 | IT業界への転職経験者が対象の当社独自調査 |
対象者 | IT業界で働いた経験がある方 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2024年10月19日~10月26日 |
回答数 | 71 |