リスキリング レポート

留学準備における英会話塾利用に関する実態調査

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調査: スキルアップ研究所

近年、留学は学生だけではなく、スキルアップの一環として社会人からも注目を集めている。その中で、留学の準備の一つとして、日本で英会話塾に通うことも一般的になっている。

しかし、英会話塾を利用することで実際にどれほど効果があるのだろうか。また、英会話塾を選ぶ上で重要視されるポイントなども明確ではない。

これらの点を解明すべく、スキルアップ研究所では調査を実施した。

「留学準備における英会話塾利用に関する実態調査」結果のポイント
  • 留学準備としての英会話塾の利用は83%が役立ったと実感
  • 英会話塾の利用はリスニング・発音等実践的な英語力の向上に有効
  • 英会話塾利用者は留学先で英語が通じず困ることが少ない
  • 英会話塾を選ぶ際に重視されるのは「受講料の安さ」

英会話塾の利用は留学先での経験に有益

調査を通して、英会話塾の利用については、留学先でかなりの効果を発揮することがわかった。

利用者・非利用者の違いも踏まえながら、調査結果について見ていく。

英会話塾利用者の83%が留学先での英語を使った経験に役立ったと回答

英会話塾を利用した人に対する「英会話塾を利用したことが留学先での英語を使った経験に役に立ったと感じますか?」という質問に対しては、83%の人が「強くそう感じる」または「そう感じる」と回答した。

また、「全くそう感じない」とした回答は見られなかった。これらのことから、留学準備としての英会話塾の利用は、留学時の経験に非常に効果的だと言える。

英会話塾を利用した人の89.6%が利用したことに満足

「英会話塾に通ったことに満足していますか?」という質問に対し、英会話塾を利用した人の89.6%が「満足している」と回答した。

実に、利用者の9割近くが、留学の準備として英会話塾を利用したことに満足しているため、現在英会話塾の利用を検討している人は、安心して利用して良いと言えるだろう。

留学準備として英会話塾を利用すべきとしたのは利用者の86%

「留学の準備をするにあたって英会話塾に通うべきだと思いますか?」という質問に対し、利用者の86%が「強くそう思う」または「そう思う」と回答。また、「全く思わない」とした人は0人であった。

このように、留学を実際に経験した後でも英会話塾を利用するべきだと考える人が多いことから、英会話塾の利用は留学先で有益だったと感じている人が多いと言える。

利用していない人の4割以上も利用すべきと回答

また同様の質問に対し、英会話塾を利用していない人の4割が準備において英会話塾を利用するべきだと回答。したがって、留学を経験して必要性を実感した人も多くいると考えられる。

また、英会話塾の利用を何らかの理由で断念した人も一定数いると考えられ、英会話塾を利用する可能性のある人は実際の利用者よりもかなり多いとも言える。

これらの人が英会話塾を利用しなかった理由についても後ほど考察する。

英会話塾ではリスニングなど実践的な英語力が最も向上

本調査ではまた、英会話塾に通ったことに満足している理由として「英語能力の向上」を挙げた人56人に対し、「具体的にどのような点で英語能力が向上したか教えてください」という質問(複数回答可)をした。

その結果、25人が「リスニング能力の向上」、ついで23人が「発音の向上」、続いて18人が「スピーキング能力の向上」を挙げた。これらの能力は全て日常会話において求められる、留学で特に重要な実践的な英語力だと言える。

そのため、こうした実践的能力を伸ばすことのできる英会話塾は、留学の準備として最適だと言える。

英会話塾の利用者と非利用者での英語学習を比較

ここまで、留学経験者の英会話塾に関する満足度や必要度をまとめた。実際の留学経験者の声を見てみても、英会話塾の必要性はかなり高いことがわかる。

では、実際に利用者と非利用者の大きな違いはどのような形で現れたのかについて考察する。

非利用者の68%が留学時の英語経験で困った経験あり

「留学中に英語が通じない・理解できず困ったことはどれほどありますか?」という質問に対し、英会話塾を利用していない人のうち49.7%が「困った」、14.9%が「かなり困った」、4.1%が「非常に困った」と回答。

このように、非利用者のうち合計で68%が留学時に英語のコミュニケーションにおいて困難があったと回答した。


一方で同様の質問に対し、英会話塾を利用した人では、19%が「全く困らなかった」、32.9%が「あまり困らなかった」と回答。半数以上の人が英語を用いた経験で困らなかったことが分かる。

以上から、英会話塾の利用が留学中での英語でのコミュニケーションに役立つことが明らかである。

英語を自分で学習した量は非利用者の方が多い

非利用者の49.6%が1週間に4日以上英語を学習

英会話塾を利用していない人に対する「留学の準備として自分でどれくらいの頻度で英語の学習をしましたか?」という質問に対しては、「毎日」と回答した人が最も多く23%を占めていた。

また、週に4日以上英語を学習した人は合計で49.6%と、英会話塾の非利用者のうち約半数が非常に高頻度で英語を学習していたことが分かる。

一方で同様の質問に対し、英会話塾利用者では1週間に4日以上英語を学習した人は44%と、学習頻度では非利用者の方が高いと言える。

非利用者の半数以上が1日に2時間以上英語を学習

「留学の準備として自分でどれくらいの時間、英語の学習をしましたか?」という、英語学習の時間を尋ねる質問に対して、英会話塾を利用していない人では、53.7%が1日に2時間以上英語を学習していた。

一方、英会話塾を利用した人では、1日に2時間以上学習した人は57%と、利用していない人と学習時間にあまり差がないと言える。

以上から、英会話塾を利用していない人と、利用した人の間の英語学習の量にはほとんど差がないと言える。

英会話塾の学習効率が独学よりも優れている

一方で、上で見てきたように、留学における英語コミュニケーションで困った経験をした人の数では非利用者の方が圧倒的に多くなっている。

このため、留学の際に必要な実践的な英語の学習効率という観点からは、英会話塾の利用の方が独学など他の方法よりも優れていると言える。

英会話塾を選ぶ際に重要視されるポイント

ここからは、英会話塾を選ぶ際に重要視したポイントや利用者の不満点、非利用者が利用しなかった理由などから、英会話塾を選ぶにあたってどのようなポイントが求められているのかを考察する。

英会話塾を選ぶ際に30%以上の人が講師を最も重要視

英会話塾を利用した人を対象とした「英会話塾を選ぶ際に最も重要視したポイントは何ですか?」という質問について、「講師の質・資格」、「カリキュラム・教材」、「受講料金」の上位三点が選んだ理由として70%以上を占める結果となった。

その中でも「講師の質・資格」と回答した人が最も多く31.1%に上る。ここから、質の高い講師による、信頼度の高い授業が求められていると言える。

利用者の33%が受講料の高さに不満

英会話塾の利用者を対象とした、「英会話塾に通って不満だった点を教えてください」という質問(複数回答可)に対しては、33%が「受講料が高すぎた」と回答し、最も多かった。

ついで、「留学先の文化理解など英語力以外の部分が不足していた」と回答した人が20%以上おり、こうした英語力以外の面も重要視されていることが分かる。

上記の、英会話塾を選ぶ際に最も重要視したポイントに関する質問でも、受講料の高さを挙げた人が20%以上いたことから、受講料の安さは英会話塾にとって非常に大事な要素だと言える。

利用しなかった理由として23%が受講料の高さと回答

さらに、英会話塾を利用しなかった人に対して、「英会話塾を利用しなかった理由はなんですか?」という質問をしたところ、40%以上に当たる45人が必要性を感じなかったと回答し最も多かった。

ついで、「受講料が高すぎた」と回答した人が23%と、受講料の高さが英会話塾利用のネックになっているケースが多いことが分かる。

このことからも、英会話塾にとって受講料の安さは非常に重要な課題だと言える。

総括

英会話塾に対する満足度や、留学先で役立ったという回答、さらに利用すべきと考える人が利用者・非利用者ともに多かったことから、実際に英会話塾の利用が留学の準備として有益であることがわかる。

利用者と非利用者の比較では、非利用者では半数以上が留学先で英語によって困った経験をしている一方、利用者は半数以上が「全く困らなかった」、「困らなかった」と回答している。

さらに、留学時に英語で困った経験がある人は、非利用者の方が利用者よりも45人多くなっていることからも、英会話塾の利用により英語能力が向上していると言える。

また、英会話塾を選ぶ際のポイントとして、講師の質や資格を重要視する人が非常に多いことがわかった。利用者が不満に思った点として受講料の高さが最も多く、非利用者が利用しなかった理由としても受講料の高さが2番目に多いことから、受講料の安さも英会話塾にとって大変重要であると言える。

総じて、有効性の高い英会話塾を広く浸透させ、さらなるグローバル化にも対応するためにも、英会話塾の低価格化や、英会話学習に対する教育支援といったさらなる施策の必要性がうかがえる調査となった。

調査概要

項目

詳細

調査名

留学準備における英会話塾利用に関する実態調査

対象者

留学経験のある方

対象地域

全国

調査方法

インターネット調査

調査期間

2024年7月28日~2024年8月4日

回答数

200

調査結果の引用・転載について

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