グローバル化が加速する現代において、英語はビジネスや日常生活で不可欠なスキルとなりつつある。
しかし、その重要性にもかかわらず、英語学習の継続に挫折する人は少なくない。
そこで、実際に学習を継続できている人の勉強法や勉強時間を調査し、習慣化に最適な勉強法や勉強時間を分析した。
- 週に4日以上英語学習をすると学習を継続しやすい
- 1日平均30分~2時間の学習時間が最も習慣化しやすい
- 集中できるタイミングで英語学習することが重要である
【調査概要】
項目 | 詳細 |
調査名 | 英語学習の習慣化に関する実態調査 |
対象者 | 20~60代の英語を学習している人・英語学習を行った経験がある人 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2025年6月9日~6月16日 |
回答数 | 400 |
習慣化に効果的な学習頻度
英語学習の経験者に学習頻度を尋ねたところ、83.2%の人が「週1〜3日程度」または「週4日以上」と回答しており、多くの人が定期的に学習に取り組んでいることが分かった。
以下では、英語学習を無理なく続けるためには週に何回の学習が適しているのか、その「習慣化しやすい頻度」について詳しく考察していく。
66.0%の人は高頻度の英語学習を半年以上継続している
英語学習者に対して「その頻度をどれくらいの期間継続できているか」を尋ねたところ、週に4日以上学習している人のうち、66.0%が「半年以上継続できている」と回答した。
この結果から、学習頻度が高い人ほど英語学習を生活習慣として定着させやすく、多くの社会人が実際にその習慣化に成功していることが明らかになった。
学習頻度が低い人は継続期間も短い傾向にある
週に1〜3日程度学習している人のうち、半年以上その頻度を維持できているのは45.6%である。
さらに、月に数回程度しか学習しない層でも、半年以上続けている人は47.8%にとどまる。
いずれも継続者は半数を下回っており、「週4日以上」学習している層(66.0%が半年以上継続)と比較すると、明らかに習慣化の割合が低い。
このことから、学習頻度が低い人ほど英語学習を継続することが難しい傾向があるといえる。
習慣化に効果的な学習時間
英語の学習に1日平均何時間費やしているかを尋ねたところ、「15分以上30分未満」「30分以上1時間未満」「1時間以上2時間未満」に回答が集中していた。
このうちどの学習時間が最も習慣化しやすいのだろうか。
30分~2時間の学習時間が最も習慣化しやすい
1日の英語学習時間が「30分以上1時間未満」の人では、その学習を半年以上継続できている割合が56.9%に達した。
さらに「1時間以上2時間未満」の学習者では、67.8%が半年以上継続できている。
この結果から、1日あたり30分〜2時間程度の学習時間は、英語学習を長期的に習慣化しやすい最適なボリュームであることが示されている。
学習時間が短すぎたり長すぎると習慣化しにくい
1日の平均学習時間が「15分未満」または「15分以上30分未満」と回答した人のうち、その学習時間を半年以上継続できている人はそれぞれ47.8%、43.4%と、半数に満たない状況である。
また、1日の平均学習時間が「2時間以上3時間未満」または「3時間以上」と回答した人においても、半年以上継続できている人はそれぞれ33.4%、0.0%と、低い数値を示した。
このことから、1日の英語学習時間が極端に短かったり長かったりしても習慣化にはつながりにくいことが分かる。
特に1日3時間以上学習する場合、習慣化は不可能に近いことが明らかになった。
習慣化に効果的な英語学習のタイミング
ここでは、1日のうちのどのタイミングで英語学習をすれば、習慣化しやすいのかを分析した。
就寝前か縛りを設けずに学習することが最も習慣化しやすい
就寝前に英語学習をしている人のうち64.5%は半年以上学習を継続できている。
また、学習タイミングを特に決めていない人のうち、55.5%は半年以上学習を継続できている。
しかし、学習タイミングが「起床後〜通勤・通学前」「通勤・通学中」「昼休憩などの休憩時間」「退勤・下校中」のうち、半年以上の継続期間が50.0%を超える項目は存在しない。
集中できるタイミングで学習することが重要である
就寝前に英語学習をしている人に対して、どうしてそのタイミングで学習をするのか尋ねたところ、52.1%が「最も集中できるから」と回答した。
また、学習タイミングを「特に決めていない」と回答した人にその理由を尋ねたところ、48.5%が「やる気がわいたタイミングで学習したいから」と回答した。
このことから、自分が最も集中できる時間帯や、モチベーションが高い状態で英語学習に挑むことが、習慣化の鍵となることが分かる。
習慣化に効果的な学習方法
最も継続的に使用することができた英語学習の手段を尋ねたところ、「英語アプリ」と回答した人が41.7%と、最も多かった。
学習ツールを継続して活用できた要因としては、「楽しく学習できるから」や、「低コストで学習できるから」という回答が多かった。
英語アプリはゲーム感覚で学習できるものが多いうえ、マンツーマンレッスンやグループレッスンに比べるとかなり低コストで利用することができる。
したがって、英語学習の習慣化には「楽しく学習できる」点と「低コストである」点を網羅した、英会話アプリの活用が最適であることが明らかになった。
課題と展望
英語学習を継続させるには、無理のない頻度と時間、そして学習手段の工夫が欠かせないことが明らかになった。
週4日以上、1日30分〜2時間未満という設定は、現実的でありながら一定の成果を見込めるラインといえる。
学習する時間帯は就寝前が理想とされるが、自身の集中力が高まるタイミングを見極めて日によって変動させても問題ない。
また、手段としては手軽で楽しく続けられる英語アプリが最も推奨できる。コストや場所の制約も軽減されるため、学習を普段の生活に定着させやすいといえる。
こうした複数の要素をかけ合わせれば、英語学習に対するモチベーションを維持することができるため、習慣化につながりやすいと考えられる。
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