リスキリング レポート

英語学習の方法・意識と学習効果に関する実態調査

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調査: スキルアップ研究所

社会人の学び直しとしては、一番に想起される「ビジネス英語」。グローバルに働くひとはもちろん、日系企業でも昇進要件にTOEICの点数が課される企業も存在するなど、いつかは学ばなければならない、と考えている人も多いかも知れない。

そこで今回、リスキリング研究所では社会人の英語学習の実態を探り、何が英語学習の成否を分けるのかについて分析するべく「社会人の英語学習に関する実態調査」を行った。

今回はその中でも英語学習の方法や意識と、その学習効果に焦点をあてて結果を紹介していく。

「英語学習の意識と学習効果」についてのポイント
  • 英語は取り組みやすいリスキリング対象で、目的意識を持たない学習者も多数
  • 英語学習は「薄く長く」が多く、週の学習時間では5時間以下、学習継続期間は1年以上がそれぞれ過半数
  • 英語学習の効果に差が出るポイントとしては「目的意識の有無」と「学習期間の長さ」がある

英語を学習したいと思っている人のうち、実際に学習しているのは50%程度

英語を学びたいと思っている人のうち、実際に行動にうつして学んでいる人は約半数となっている。

学ぶきっかけや理由で多いのは「新しいチャレンジ」

「英語を学びたいと思ったきっかけ・理由として最も近いものはどれですか?」という問に対しては、「英語を使って転職や異動など新しい仕事にチャレンジしたいから」「用途は未定だが、時間があり何かを学んでみたいと思ったから」という回答が最も多く、それぞれ1/3程度になった。

英語は「いつか役に立つかも」という考え方をしやすく、何かを学ぼうと思った際には真っ先に候補に上がる分野であるため、明確な目的意識を持たない学習者も数多くいるのだと考えられる。

英語学習の期間・時間・方法の現状

まずは、英語学習の現状について「学習期間」「週あたりの学習時間」「学習方法」の3つについて実態を調査した。

英語学習は半年以上続けている人が多い

「1年以上」が半数以上、次いで「半年〜1年」が約25%と、全体の3/4が半年以上は勉強を継続しているという結果が得られた。

週の学習時間は5時間未満の人が過半数

先程の設問で、英語学習は継続的に学び続けている人が多いことがわかった一方、ここでは週にかける時間はそこまで長くないということが分かった。

具体的には「〜5時間」が全体の約7割を締めており、1日にあたり30分程度の勉強時間ということになる。

勉強方法としては書籍やアプリが多数

勉強方法としては「書籍」30.7%「アプリ・ウェブサービス」46.7%ととなっており、英会話等で勉強している人はあまり多くないことが分かった。

英語学習の効果実感の現状

続いて効果実感の現状についても調査した。

仕事で活きるようになったかどうか

仕事で活きるようになったかという点については、約半数の人が効果を実感している。

年収が上がったかどうか

年収への効果については、実感している人はそこまで多くない結果になった。

これは、単に英語を学習するだけではなく、それを武器に転職や昇進といった変化をうまなければならず、そこには一つ壁があると考えられる。

特に効果に差があったのは、目的意識の有無と学習期間

それぞれの項目について、学習意識・方法・期間などと効果を比較すると「目的意識があるかどうか」「学習期間が一定長いかどうか」によって学習効果に大きな差が見受けられた。

目的意識がある方が英語学習の効果は格段に高い

目的意識の有無によって効果実感には大きな差があることが分かった。

なお、ここでは英語学習を始めようと思ったきっかけや理由での回答をもとに、目的意識の有無を分類している。

仕事上で活かせているか

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「仕事上で英語学習の成果を活かせていると感じますか?」という問に対して、目的意識ありの人は50%以上が「感じる」「たまに感じる」と答えた一方、目的意識なしの方は35%程度にとどまった。

年収は変化したか

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同様に、「年収の変化について、英語学習のおかげで年収が増加したと感じますか?」という問に対して、目的意識ありの人は30%以上が「感じる」「たまに感じる」と答えた一方で、目的意識なしの方は18%程度に留まっている。

学習期間が1年以上になると英語学習の効果は高くなる

学習期間が1年以上と回答した人は、英語学習の効果をより実感していることが分かった。

もちろん、1年以上と回答している方は10年近く学習を続けている可能性もあり、1年という数字が明確な分水嶺であるかは分からないのは事実であるが、英語学習は継続が大事であるということを改めて裏付ける結果となっている。

仕事上で活かせているか

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「仕事上で英語学習の成果を活かせていると感じますか?」という問に対して、学習期間1年以上の人は65%以上が「感じる」「たまに感じる」と答えた一方、学習期間1年未満の方は30%程度に留まっており、極めて大きな差が生まれている。

年収は変化したか

グラフ_11.1_nquegk.png (600×467)

同様に、年収の変化に関しても「英語学習のおかげで年収が増加したと感じますか?」という問への回答で「感じる」「たまに感じる」と答えた人の割合でも15ポイント近い差が生まれており、英語学習を継続することの価値が実感できる結果となった。

調査概要

項目

詳細

調査名

社会人の英語学習に関する実態調査

対象者

20代から60代の社会人で、スキルアップのために英語を学びたいと思っている、または思っていた人

対象地域

全国

調査方法

インターネット調査

調査期間

2024年1月25日~1月31日

回答数

500名

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