現代社会におけるメンタルケアスキルの重要性とは|EMCA秋谷様に聞く
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今回は、EAPメンタルヘルスカウンセラー資格を運営するEAPメンタルヘルスカウンセリング協会(EMCA)理事の秋谷様にインタビューをさせていただきました。
EAPメンタルヘルスカウンセラー資格 創設の背景と目的
本日はお忙しい中、取材のお時間をいただき誠にありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

EAPメンタルヘルスカウンセリング協会理事の秋谷です。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、簡単に秋谷様の自己紹介をしていただいてもよろしいでしょうか?

私は元々、キャリアコンサルタントとして社会人や学生のキャリア支援に従事しておりました。
その後、当協会の理念に賛同し、2013年の立ち上げからEMCAの理事を務めております。
EAPメンタルヘルスカウンセラー資格が設立された背景について教えていただきたいです。

当協会では、日本の社会に「こころの健康セーフティネット」を築き、働く方が心健やかに自分らしくいきいきと働ける世の中になることを願って活動しています。
近年、働く人々のメンタルヘルス問題が深刻化しており、生産性の低下や休職・離職の増加といった課題に直面しています。
そこで、組織で働く人々のメンタルヘルスケアを専門的に担う人材の育成が不可欠であると考え、2013年にEAPメンタルヘルスカウンセラー資格(eMC)を創設し、これまでに約2000名のメンタルヘルスの支援者を輩出してきました。
当資格の主な目的としては「こころの健康を支える心理カウンセリングが提供できる専門性の高い人材の育成」「質の高いEAPサービスの提供」「企業におけるメンタルヘルス対策の推進」の3つを設定しています。
EAPについてもう少し詳しく伺えますでしょうか?

EAPは「従業員支援プログラム」と呼ばれ、主にメンタルヘルスやキャリアに関する諸問題を、専門家による相談支援などを通じて、従業員が自律的に解決できるよう支援するサービスのことです。
職場の問題はもちろんのこと、家庭などプライベートな問題などにも幅広く対応します。
EAPメンタルヘルスカウンセラー資格の特徴
EAPメンタルヘルスカウンセラー資格を通して、具体的にどのようなことを学ぶことができるのでしょうか?

特徴は、人々の悩みや問題を相談者に寄り添いながら解決に導く、実践的な心理カウンセリングスキルを学べる点にあります。
個別カウンセリングだけでなく、コンサルティングや職場復帰支援、教育研修など、企業内で求められる多様な支援スキルを習得できます。
また、資格取得後も、最新の知識やスキルをアップデートするための研修やセミナーなどを開催し、継続的な学習機会を提供しています。
さらに、EAPメンタルヘルスカウンセラーとしての倫理観を醸成し、コンプライアンスを徹底することも重要視しています。
セミナーや研修といった資格取得者に与えられる学習機会の頻度と形態(オンライン、対面など)を教えてください。

定期・不定期に年間を通じて、とても高い頻度でさまざまなセミナーや研修を実施しています。
対面での集合型だけでなく、個別トレーニングや指導が受けられる機会や、地方・海外在住の方も参加できるオンライン講座も多数開催し、バラエティ豊かに学習機会を提供しています。
EAPメンタルヘルスカウンセラー資格のメリットとは
EAPメンタルヘルスカウンセラー資格を取得することによってどんなメリットが得られるとお考えでしょうか?

まず初めに、心理的支援の相談対応における、専門性の証明と信頼性の獲得が挙げられます。
企業や従業員からの信頼を得やすくなり、より専門的な立場でメンタルヘルス支援を提供できるようになります。
また、キャリアとメンタルのサポートが必要な企業や、ダイバーシティ推進・健康経営やウェルビーイングに取り組む企業への就職・転職において有利になるなど、eMC資格取得によってキャリアアップの機会やキャリアチェンジの選択肢も広がるでしょう。
さらに、有資格者のコミュニティである全国支部会活動や研修への参加を通じた繋がりなど、ネットワークを広げていくことができます。
こうした自己への実利的なメリットだけでなく、支援のやりがいや喜び、充実感など、社会貢献を実感できる点も大きなメリットだと考えています。
キャリアを始める第一歩として当資格を取得するのも適切でしょうか?

まさしくそのような目的で資格を取得される方も多くいらっしゃいます。
専業主婦や営業職の方など、対人支援とは異なる世界からカウンセリングの学びの扉を叩き、資格を取得され、いま現在、支援の現場で活躍されている方も数多くいらっしゃいます。
「好きを仕事にしたい」「新しいキャリア・生き方をしたい」「誰かの役に立ちたい」、そうした方々の夢を「資格」という形で応援できればと考えております。
当協会の機関誌「こる」でも、資格取得後の活動を紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
EAPメンタルヘルスカウンセラー資格とリスキリングの関係性
特にEAPメンタルヘルスカウンセラー資格は社会人のリスキリングとどう繋がってくるとお考えですか?

当資格は、現在のリスキリングの流れに合致するものだと考えています。
新たな専門性の習得は、キャリアの幅を広げ、選択肢を増やし、組織におけるメンタルヘルスケアの中核を担う人材になっていくことも期待されます。
いま、社会的にも非常に求められているスキルであり、このリスキリングによって高い専門性を身につけ、副業としてパラレルキャリアを手にすることや独立起業に繋がることもあるかもしれません。
社会に貢献しつつ、ご自身のキャリアアップや自己実現を目指すこともできるでしょう。
現在働いている企業で新たにメンタルヘルス対策人材になるというのは非常に興味深い視点ですね。もう少しお聞かせ願えますか?

リスキリングと一口に言ってもさまざまだと思いますが、メンタルヘルスの分野においては、自分の身のまわりで問題を見聞きし、「何か自分にできることはないか」と模索している方が多い印象です。
現在の会社で感じた問題点を解決するために、ご自身がスキルを身につけて、メンタルヘルスサポーターとして対応したり、組織のメンタルヘルス対策を推進していくことも、リスキリングの一つと言えるのではないでしょうか。
今後のEAPメンタルヘルスカウンセラー資格の展望は?
今後のEAPメンタルヘルスカウンセラー資格の展望について教えてください。

当協会は、EAPメンタルヘルスカウンセラー資格が、企業におけるメンタルヘルス対策のスタンダードとなることを目指しています。
そのために「資格の認知度向上」「有資格者の質の維持・向上」「グローバルな連携」「支部会活動による地域社会への貢献」などに取り組んでおります。
今後は「大学で心理学を専攻された方々への受験資格の拡大」や「オンラインカウンセリングプラットフォーム【mezzanine(メザニン)】の活用」などに特に注力しているところです。
最後に、この記事の読者に向けたメッセージなどございましたらお願いします。

将来的には、EAPメンタルヘルスカウンセラーが、組織で働くすべての人々がこころ健やかに生産的に働ける社会の実現に貢献できる存在となることを願っています。
そして、当協会がそのための基盤となり、社会全体のメンタルヘルス向上に寄与できるよう志高く活動を続けてまいります。
本日はお忙しい中、興味深いお話をありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。