公認会計士の年収の現実とは?平均年収と中央値の違いや給料アップの方法を解説
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公認会計士は難関とされる国家資格の一つであり、その専門性の高さから高い報酬が期待できる職業とされています。
しかし、実際の年収がどの程度であるか、平均年収と中央値の違いについて詳しく理解している人は少ないかもしれません。
この記事では、公認会計士の実際の年収レベルや平均値と中央値の違い、さらに収入アップの方策について詳しく解説します。
公認会計士を目指している方や、すでに資格を持ちながら所得向上を目指す方はぜひ参考にしてみてください。
公認会計士の年収を比較
公認会計士は専門性が高く安定した高収入が期待できる職業として知られていますが、年齢や性別、職場環境などによって年収に大きな違いが見られます。
ここでは、公認会計士の年収をさまざまな角度から比較していきます。
年代別平均年収の推移
公認会計士の年収は年代によって大きく異なります。
以下は、公認会計士の年収を年代別に表にしたものです。
年齢 | 年収 |
---|---|
20〜24歳 | 475万円 |
25〜29歳 | 568万円 |
30〜34歳 | 619万円 |
35〜39歳 | 722万円 |
40〜44歳 | 794万円 |
45〜49歳 | 819万円 |
50〜54歳 | 868万円 |
55〜59歳 | 1,071万円 |
60〜64歳 | 598万円 |
65〜69歳 | 661万円 |
70〜74歳 | 629万円 |
公認会計士は専門性が高く、経験を積めば積むほど年収が上がる傾向にあります。
厚生労働省の調査によると30代で平均1000万円以上、40代で1500万円以上、50代後半では2000万円を超える高い年収となります。
ただし年収には個人差があり、大手監査法人や独立開業の公認会計士の方が、中小企業に勤める会計士より収入が高くなる傾向にあります。
他職種と比較
賃金構造基本統計によれば、公認会計士・税理士の平均年収は約684万円です。
同じ三大国家資格の弁護士の平均年収約730万円と50万円程度の差がありますが、公認会計士が弁護士に迫る高収入職であることがわかります。
さらに、他の専門職と比較すると公認会計士の高収入ぶりがより際立ちます。
例えば、社会保険労務士の平均年収は約515万円で、公認会計士・税理士との差は150万円以上にもなります。
女性の公認会計士は年収が低いのか
公認会計士の年収は男女差が大きいのでしょうか。
以下は、公認会計士とサラリーマンの平均年収を男女別に示したものです。
職業 | 平均年収 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|---|
公認会計士 | 922万円 | 989万円 | 728万円 |
給与所得者(サラリーマン) | 458万円 | 563万円 | 314万円 |
以上の表から、公認会計士は男女とも高収入であることがわかります。
男女間の年収格差はサラーリーマンと比べて少なく、女性でも十分な収入が期待できる職業です。
自由な働き方を選べるため、ライフワークバランスの観点からも、公認会計士は女性にとって魅力的な選択肢の一つと言えます。
公認会計士の年収の現実にギャップが生じるワケ
公認会計士は「高収入」の代表的な職業として広く認知されていますが、その年収に対する現実とイメージには大きなギャップが存在します。
以下では、このような理想と現実のギャップが生じる理由を詳しく見ていきます。
公認会計士のイメージが過大
公認会計士は高年収であることは確かですが、一般企業のトップ層でも実現可能な金額であるため、特別に驚くほど高額ではない場合があります。
多くの人にとって公認会計士という職業には「高年収」というイメージが強くありますが、具体的な年収額はあまり広まっていません。
そのため、この資格の難易度の高さから年収も非常に高いと考えてしまう人が多く、「思ったより年収が低い」と感じることがあるのです。
公認会計士に対するイメージが現実とかけ離れていることが多いため、実際の年収を知ったときに期待と現実の間にギャップを感じやすくなるのです。
職場によって差がある
公認会計士の年収は、勤務する職場によって大きく異なります。
例えば、Big4と呼ばれる大手監査法人では40代以降に年収が1000万円を超えることがありますが、中小の監査法人では約800万円〜1000万円と一般企業と同じ水準になることもあります。
特定の職場の年収を基準に考えていると、別の職場で働いた際に思ったより給料が低いと感じることがあるでしょう。
収入は能力次第
公認会計士の年収には大きな開きがあり、それは経験年数や就業先、業績などの要因によって左右されます。
新人公認会計士は年収が低めですが、経験を積み専門性を高めていけば大幅に収入アップが期待できます。
公認会計士の年収は個人の努力と環境によって大きく変動するため、無条件に高収入が得られるわけではありません。
資格取得の労力と見合っていない
公認会計士の資格取得は、確かに非常に難しくなっています。長期間にわたる勉強と多大な努力が必要とされ、その過程で多くの時間と労力を費やすことになります。
資格取得後であれば20代でも600万円台の年収を得られるという点は、資格取得にかかった費用や時間的投資を比較的早い段階で回収できるという点で魅力的です。
しかし、資格取得のために何年もの時間を費やしたことを考えると、「もっと高い年収があっても良いのでは」と感じる人もいるでしょう。
公認会計士の業種別平均年収
公認会計士は、その業種によって求められるスキルや責任、収入は大きく異なります。
主な業種別の平均年収をご紹介しますが、あくまで平均値であり実際の年収は変動する可能性があるということには留意してください。
監査法人
監査法人は、主にBig4と呼ばれる大手監査法人と中小監査法人に分かれており、職場によって年収が異なります。
また、監査法人には独自の役職システムがあり役職によっても年収に大きな差があります。以下では、これらの違いを比較していきます。
大手(Big4)監査法人と中小監査法人の平均年収の比較
こちらは、大手(Big4)監査法人と中小監査法人の平均年収を表にしたものです。
法人規模 | 平均年収 |
---|
大手 (Big4) 監査法人 | 788万円 |
中小監査法人 | 652万円 |
大手4社(Big4)と呼ばれる監査法人に勤務する公認会計士は、高い専門性と経験が求められるため、平均年収は788万円と高額です。
Big4は、グローバルに事業を展開し各国の企業から監査を受託しているため、その成果が年収に反映されているのです。
一方、中小の監査法人に勤める公認会計士の平均年収は652万円となります。
規模が小さいため取り扱う案件も大手ほど大きくはありませんが、一般的なサラリーマンよりは高い収入を得られます。
監査法人の役職別年収
以下は、大手監査法人の年収の目安を役職ごとに示したものです。
役職 | 勤続年数 | 年収の目安 |
---|
スタッフ | 入社直後 | 500万円 |
シニア | 入社3~4年 | 700万円 |
マネージャー | 入社8年 | 900万円~1,000万円 |
パートナー | 入社15年 | 1,500万円以上 |
以上の表から、公認会計士は入社直後から年収500万円程度と高収入であることがわかります。
また、勤続年数や経験に応じて役職が上がっていき、役職が一つ上がると年収もかなりアップします。
監査法人は一般企業よりも出世競争が激しくなく、コツコツと実績を積めば確実に昇進できることが魅力の一つと言えるでしょう。
コンサルティングファーム
監査法人で経験を積んだ後に、コンサルティングファームに転職する例も少なくありません。
コンサルタントの仕事内容は、企業や組織の課題を分析し最適な解決策を提案・実行することです。
以下の表は、コンサルティングファームで働いた場合の年収目安を役職別にまとめたものです。
役職 | コンサル経験 | 固定給与 | 業績賞与 |
---|---|---|---|
アナリスト | 0~3年 | 500~800万円 | 固定給の20% |
コンサルタント | 0~6年 | 700~1,300万円 | 固定給の20% |
マネージャー | 2~10年 | 900~2,000万円 | 固定給の30% |
プリンシパル | 5~15年 | 1,300~2,500万円 | 固定給の30% |
パートナー | 7年以上 | 2,500万円以上 | 業績次第 |
コンサルティングファームでは年齢や性別に関係なく、完全に実力によって役職と給与が決まります。
また、各役職の中でもさらに細かく階級が分けられているため、同じコンサルタントの役職でも年収が異なる場合があります。
また、一般的に20代後半から30代前半の中途採用で700万円から1300万円程度の年収が見込めるため、監査法人から転職する人も多くいます。
税理士法人・会計事務所
税理士法人と会計事務所は、公認会計士にとって主要な就職先の一つです。
これらの組織は、企業や個人に対して会計・税務サービスを提供する重要な役割を担っています。
以下の表は、税理士法人・会計事務所で働いた場合の年収目安を、平均値と中央値で比較したものです。
項目 | 金額 |
---|---|
平均現在年収 | 949万円 |
中央値 | 740万円 |
以上の表から、年収の平均値と中央値には大きな開きがあることがわかります。
これは、監査法人から税理士法人・会計事務所に転職すると、初期年収が下がるのが一般的だからです。
税理士法人・会計事務所は税務顧問業務が主体なので、会計士は新しい業務に対する学習期間が必要になります。しかし、経験を積めば監査法人時代と同等の年収を得られるでしょう。
一方、税理士法人・会計事務所でもコンサルティングファームを併設しているところでは、M&Aや組織再編支援など付加価値の高い業務を行うことで更なる高収入が可能なケースもあります。
一般事業会社
公認会計士は、企業の経済活動を公正かつ適切に評価するという役割を担っています。
その重要性から、公認会計士の報酬は一般的に高水準に設定されており、特に企業の内部で勤務するインハウス会計士の多くが公認会計士となっています。
以下の表は、一般事業会社で働いた場合の年収目安を平均値と中央値で比較したものです。
項目 | 金額 |
---|---|
平均現在年収 | 1,126万円 |
中央値 | 1,000万円 |
公認会計士のキャリアパスとしては、監査法人での経験を経た後一般企業のインハウス会計士として転職するケースが多く、転職時にはすでに相当のキャリアを積んでいるためインハウス会計士の平均年収が高額になる要因となっています。
インハウス会計士の報酬は所属企業によって大きく異なりますが、企業の規模が大きければ大きいほど年次に応じて給与が安定的に上昇する傾向があります。
一方、スタートアップやベンチャー企業では、会社の成長に伴い最高財務責任者などの重要ポストに就くことで報酬を大幅に増やせるチャンスがあります。
独立開業
独立開業した公認会計士の年収は、一般的に1,000万円以上といわれています。
顧客基盤の構築やブランドの確立には時間がかかるため、開業してすぐは年収が思うように伸びないこともあるかもしれません。しかし、長期的に見れば安定した収入が得られるでしょう。
また、経験とスキル次第では、組織内では得られないような高収入を実現できる可能性があります。
公認会計士が年収を上げるための方法と戦略
多くの人が、公認会計士は資格取得だけで高年収を得られると考えがちですが、実際には昇格や転職、独立などさまざまな手段を駆使して年収を上げる努力が必要です。
ここでは、公認会計士が年収を上げるための具体的な方法と戦略について紹介します。
昇格して給料を上げる
公認会計士が年収アップを目指す王道の方法としては、監査法人で昇格していくことでしょう。
スタッフ職の場合は、監査経験を重ねていくことで昇格していくことが可能な場合が多いです。
しかしマネージャー以上の職位では監査業務の経験に加えて、マネジメント能力や交渉力といったビジネススキル、語学力などの個人のスキルも重視されてきます。
監査法人で昇格を狙うためにはこういった監査以外のスキルも身に着けていく必要があるため、業務外での自己研鑽も必須となります。
転職する
公認会計士は、その高い専門性と経験を活かして転職することで年収がアップするケースがあります。
転職による年収アップのパターンはいくつかありますが、代表的な2つのパターンをご紹介します。
年収水準の高い職場に転職する
最も早く年収を上げる方法としては、現在の職場からより年収水準が高い職場に転職することが効果的です。
具体的には、FAS(財務アドバイザリーサービス)などのコンサルティングファームや、ファンドや銀行の投資部門といった金融関連の分野が挙げられます。
これらの職場では、公認会計士としての専門知識と経験が非常に高く評価され高い報酬が期待できます。
しかし、現在よりも忙しくなることが想定されるため、自分自身の働き方やライフスタイル、キャリアビジョンに合っているかを慎重に検討することが重要です。
大手企業に転職する
大手企業への転職は、公認会計士としてのキャリアアップと高年収を実現する選択肢の一つです。
特に財務部門では経営判断への助言を求められるため、公認会計士の専門性が重宝され高収入が期待できます。
転職した際は一時的に年収が下がる可能性もありますが、スキルと経験を積めば長期的には収入アップに繋がることも多いでしょう。
ただし、監査法人での経験が一定期間必要とされることが多いため、2~3年以上は監査法人に籍を置いた後、転職を検討するのが賢明でしょう。
社外監査役になる
社外監査役は、企業の経営を監督し内部統制やコンプライアンスのチェックを行っています。
この役割を果たすには、企業法務や会計に関する深い知識が不可欠です。そのため、これらの分野において専門的な知識と経験を持つ公認会計士は社外監査役として非常に適任とされています。
社外監査役として働くことで通常の業務に加えて役員報酬を得ることができるため、収入を大幅にアップさせることが可能です。特に大企業や上場企業では、社外監査役に対する報酬が高額になるでしょう。
また、何社も兼任すればより多くの収入が期待できます。
独立開業する
税理士法人や会計事務所、さらにはコンサルティング会社での勤務経験を積んだ後に独立開業することも有力な選択肢の一つです。
これらの職場で培った専門的な知識や経験を活かし自分自身のビジネスを立ち上げることで、クライアントとの直接的な取引が可能になり、報酬もより高く設定できるようになります。
ただし独立にはリスクも伴い、クライアントの確保や資金繰り、マーケティング戦略の構築など経営者としてのスキルを身につける必要があります。
公認会計士が高年収を目指すには
公認会計士は、高い専門性と資格を武器にすることで年収1000万円から3000万円以上を目指すことが可能です。
ここでは、年収1000万円から3000万円を達成するための具体的な方法を紹介します。
1000万円以上
公認会計士が年収1000万円を達成することは、多くの会計士にとって現実的な目標であり、誰でも目指せる範囲にあります。
特に、大手監査法人や外資系企業、コンサルティングファームにおいては数年から10年程度の実務経験を積むことで、年収1000万円に到達するケースが多く見られます。
これらの職場では、業務の難易度や役職が高くなるにつれて報酬も比例して増加します。
また、監査法人や企業での経験を活かして独立開業をする場合にも、成功すれば年収1000万円を超えることは十分可能です。
独立後は自分の裁量で報酬を設定できるため、クライアントのニーズに合わせたサービスを提供することでさらなる収入アップが期待できます。
2000万円以上
公認会計士が年収2000万円以上の高収入を目指すには、専門性の高い分野に特化したり実績やスキルを身につける必要があります。
監査法人やコンサルのパートナーとなれば、優れたマネジメント力と長年の経験が必要となりますが高収入が期待できます。
また、独立して事務所を開設するという道もあります。最初から2000万円以上の年収は難しいですが、顧客基盤が確立できれば将来的には目標に到達できるでしょう。
3000万円以上
年収3000万円を目指すには、資格を活かしていくつかの事業を手掛け複数の収入源を確保することが最も現実的な手段です。
また、M&A(企業の合併・買収)や国際税務、企業再生といった高度で専門的な分野では案件の規模が大きく成功報酬が非常に高いため、成功すれば年収3000万円以上を稼ぐことが現実的となります。
さらに、独立して事務所を開業し自分のビジネスを成功させることで高収入を実現することも可能です。
独立後はクライアントとの直接契約によって報酬を設定できるため、提供するサービスの質や範囲によっては年収3000万円以上を達成することができます。
公認会計士の年収以外のお金事情
公認会計士は高年収の職業として知られていますが、年収以外にもさまざまな「お金事情」があります。
ここでは、公認会計士が手にする初任給やボーナス、そして退職金に焦点を当てて詳しく解説します。
公認会計士の初任給は手取り30万円以上
公認会計士試験に合格した後は、まず大手の監査法人に入社するのが一般的です。
大手監査法人に就職した場合の初任給はおおむね30万円から35万円程度となっており、これは大学卒業生の初任給の平均である約21万円を大きく上回る金額です。
年収ベースで見ても、大手監査法人に勤務した場合の初年度の年収は600万円ほどに達します。
中小規模の監査法人であってもその年収は約500万円となり、一般的な大学卒業生の初年度年収である350万円前後と比べるとおよそ1.5倍に相当します。
公認会計士のボーナスは約194万円
監査法人などに就職した場合、公認会計士としての仕事に加え一般企業と同様にボーナスも支給されます。
このボーナスは給与に加えて年収をさらに押し上げる重要な要素となりますが、ボーナス額は、企業規模や業績によって大きく異なります。
厚生労働省によると、公認会計士の平均的なボーナス支給額は193.9万円となっています。
公認会計士の退職金
公認会計士が監査法人や企業で長期間勤務した場合、退職金が支給されることが一般的です。
退職金の金額は勤務年数や役職、退職時の給与水準、そして所属する組織の退職金制度によって異なります。
監査法人の場合、一定期間同じ役職にいると退職金の給付率が下がる場合があるだけでなく、事業会社に比べて退職金が少ない傾向にあります。
また、個人会計事務所などに勤務した場合には退職金自体がないこともあります。
注目の米国公認会計士(USCPA)
アメリカの公認会計士資格であるUSCPAは、日本公認会計士協会がその取得を支援しており、日本国内でも受験が可能な資格として近年注目を浴びています。
ここでは、日本の公認会計士資格との違いやUSCPAを活かした収入アップの方法などを解説します。
日本の公認会計士との違い
会計の世界で最高峰の資格と言われる米国公認会計士(USCPA)が、近年、グローバル化の中で日本でも注目を集めています。
ここでは、合格率や合格に必要な勉強時間、受験科目が日本の公認会計士試験とどのように異なるかを解説します。
合格率は約4〜5倍
日本の公認会計士試験の合格率が10%前後と極めて低いのに対し、米国公認会計士の合格率は50%前後と日本の公認会計士試験よりも4〜5倍程度合格率が高いことが伺えます。
これは、日本の公認会計士試験が膨大な学術的知識を求められるのに対し、米国の公認会計士試験は実務に焦点を当てた出題形式で受験対策の教材も充実しているためです。
必要な勉強時間も日本の公認会計士試験が3000〜5000時間であるのに対し、米国の公認会計士試験は1,200〜1,500時間と、働きながら試験合格を目指すことが出来る範囲となっています。
受験科目は4教科だけ
日本と米国の公認会計士試験には、構造や内容に大きな違いがあります。
日本の公認会計士試験は非常に広範囲で深い専門知識を要求します。試験は3段階に分かれており、短答式試験と論文式試験、そして実務補習と修了考査から成り立っています。
試験科目は9つあり、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、税法などが含まれます。この幅広い範囲と深い専門性が日本の試験の特徴といえるでしょう。
一方、米国の公認会計士(USCPA)試験はより簡潔な構成となっています。必修科目3つと選択科目1つの計4科目で構成されており、日本の試験と比べるとコンパクトな印象です。
しかし、米国の会計基準(US GAAP)に重点が置かれており試験が英語で行われるため、高い英語力が求められます。
米国公認会計士(USCPA)を生かして年収アップ
USCPA取得者は、その資格を活かしてさまざまなキャリアプランを描くことが可能です。
特にグローバル化が急速に進む現代社会において、USCPA取得者は非常に高く評価されており特に監査法人やコンサルティングファームなどでの需要が増加しています。
これは、USCPA取得者がアメリカの会計基準や税務に精通しているだけでなく、アメリカでの株式上場(IPO)やクロスボーダーM&A(企業の国境を越えた合併・買収)といった国際的なビジネスに必要な知識とスキルを持っているためです。
さらに今の時点で海外事業を展開していない日系企業に勤務していたとしても、USCPAの資格を正当に評価してくれる企業に転職することで、キャリアアップや年収アップの大きなチャンスを得ることができるでしょう。
公認会計士が転職を考えたら転職エージェントの活用がおすすめ
公認会計士が転職を考える際、専門的なスキルや経験を活かすために転職エージェントの活用が非常に効果的です。
ここでは、公認会計士が転職エージェントを選ぶ際のポイントや活用方法について解説します。
転職エージェントの選び方
公認会計士の転職を考えるときは、転職エージェントを上手に活用するのがおすすめです。
転職エージェントは豊富な業界知識と人脈を持ちアドバイスも提供してくれるため、スムーズな転職をサポートしてくれます。
自分のニーズに合い、親身になってサポートしてくれるエージェントを活用することで、公認会計士としての転職がスムーズに進むでしょう。
特化型エージェントの利用がおすすめ
転職エージェントには、主に2つのタイプがあります。
一つは特定の領域に精通した特化型転職エージェントで、もう一つはさまざまな分野の求人を扱っている総合型転職エージェントです。
それぞれのエージェントには異なる強みがあり、転職活動を行う際には自分のキャリア目標や求める条件に合わせて最適なエージェントを選ぶことが重要です。
公認会計士のスキルや経験を活かすためには、公認会計士の仕事内容や業界の動向に精通している特化型転職エージェントの利用が特に有効です。
目指すキャリアへの転職を得意としているか
自分が進みたいキャリアへの転職サポートを得意としている転職エージェントを選ぶことも重要です。
自分の目指すキャリアパスに応じて、エージェントの専門性や得意分野をしっかりと見極める必要があります。
また金融、コンサルティングなどは特に専門的な分野なので、その分野で豊富な知識と経験を持つ転職エージェントを選ぶことが重要です。
特化型エージェントは特定の業界に特化しているものが多く、キャリアアドバイザーもその分野に深い知見を持っています。
サポートが充実しているか
また公認会計士のような高度な専門職の場合、転職の際には多岐にわたる情報やアドバイスが必要となるため、エージェントのサポート体制がどれほど充実しているかが重要なポイントとなります。
サポートが充実しているエージェントは単に求人を紹介するだけでなく、個別のキャリアカウンセリングを通じて転職希望者の経験やスキル、ライフスタイルに合わせた提案を行ってくれます。
また、面接対策や書類作成のサポートの有無も大切な要素になってきます。
転職後のフォローが充実しているエージェントも、長期的に満足のいく転職を実現するためにおすすめです。
公認会計士の年収現実まとめ
本記事では、公認会計士の実際の年収レベルや平均値と中央値の違い、さらに収入アップの方法について詳しく説明しました。
公認会計士の収入は経験や能力によって幅があり、平均値と中央値が異なります。
高収入を得るには、スキルや経験を磨いたり自分の専門性がより活かせる環境を求めて転職したりすることが有効な手段です。
この記事が、公認会計士としての今後のキャリアアップの一助となれば幸いです。