トラベルナース・応援ナースとは?年収やメリット・デメリットや必要な資格を紹介
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看護師の多様な働き方をご存知ですか?
看護師には、「トラベルナース」や「応援ナース」と呼ばれる特殊な雇用形態があります。
地域や施設によって人手不足が起こりがちな看護師業界において、そうした一時的ニーズに応える仕事です。一方で、看護師不足が慢性化する地域では彼らが欠員を補完する役割も担っています。
本記事では、トラベルナースや応援ナースの柔軟な働き方の具体的な内容や年収、メリット・デメリット、必要な資格などを詳しく解説します。
トラベルナース・応援ナースとはなにか
トラベルナースや応援ナースは、看護師が必要とされる医療機関や診療所に半年間だけ働く新しい形態の職域です。
契約期間が終了した後は、雇用者側が同意すれば契約の延長や正規雇用への転換も可能です。東京などの大都市圏はもちろん、北海道、離島、沖縄などの全国各地で活躍できるのが特徴です。
看護師が不足している地域と短期的に働きたい看護師とをマッチングするシステムとも言えます。特に海が好きな人にとっては、沖縄や離島で働きながら趣味や娯楽を楽しめるのが魅力的です。
仕事内容
トラベルナースや応援ナースは、様々な医療現場で柔軟に対応できる高い専門性を持った看護師です。
彼らの主な業務は患者の状態を把握し、適切な医療を提供することであり、通常の病棟看護師とほとんど同じです。
具体的にはバイタルサインのチェック、薬の管理、処置の実施、検査の補助などを行います。また、患者や家族に分かりやすく説明し、不安を和らげることも重要な役割です。さらに、カルテの記録管理や緊急時の対応も求められます。
異なる医療環境でも素早く適応できる適応力が、トラベルナースの大きな強みとなっています。
派遣看護師との違い
トラベルナースと派遣看護師は一定期間特定の医療施設で勤務するという点では共通していますが、雇用形態が異なります。
トラベルナースは医療機関と直接雇用契約を結びますが、派遣看護師は派遣会社と契約し、そこから医療機関に派遣されます。
つまり、トラベルナースは有期雇用の契約社員またはアルバイト、派遣看護師は派遣社員として勤務します。ただし、現場での看護業務自体には大きな違いはありません。患者のケアから治療の実施まで幅広い業務を行います。
雇用条件などに細かな違いがあるため、自身のライフスタイルやキャリアに合わせて選択する必要があります。
トラベルナースの年収は高い?
トラベルナースの年収は高いと考えられがちですが、実際には一概に言えません。
月収は高額な場合がありますが、地域や施設により給与水準が異なります。また、雇用形態が期間限定であるためボーナスはありません。
そのため、年収ベースでは一般の看護師とそれほど変わらない可能性もあります。トラベルナースの給与を評価する際は月収だけでなく、年収全体を慎重に検討する必要があります。
トラベルナースの実態は?デメリットを紹介
トラベルナースの働き方についてはここまで見てきた通りですが、仕事の実態はどのようなものなのでしょうか。
ここではまずトラベルナースのデメリットを紹介し、次にメリットを紹介します。
忙しい現場がほとんど
トラベルナースは人手が足りていない病院で募集されるため、トラベルナースが活躍する病院は常に忙しい現場であり、高度な技術力が求められます。
リゾート地での勤務であってもかなり忙しく、厳しい環境下で働くことが予想されます。
さらに、短期の契約のため有給休暇が取れないというデメリットもあります。
キャリアアップしづらい
トラベルナースは、期間限定で様々な場所を渡り歩きながら看護業務に従事する仕事スタイルです。
この働き方には様々な環境に適応する力が身につくというメリットがある一方、専門性を深めたり管理職に就いたりする機会は限られてしまいます。
また、転職の際にトラベルナースとしての経験が評価されないリスクもあります。
そのため、トラベルナースはキャリアアップよりも多様な経験を重視したい人に向いている職種だと言えるでしょう。
環境の変化に対応する必要がある
トラベルナースは常に新しい職場環境に適応しなければならず、それぞれの施設の独自のルールやシステム、物品の配置などを短期間で習得する必要があります。
このような環境の変化が頻繁に起こることは、大きな負担となり努力と工夫が求められます。
一方で、多様な経験を積むことができる成長の機会と捉えることもできます。
トラベルナースのメリット
次に、トラベルナースのメリットを6つの項目に分けてそれぞれ詳しく紹介します。
給料が高いことが多い
トラベルナースのキャリアには多くの魅力がありますが、特に注目すべきは高給与であることが多いことです。
トラベルナースは、一般の看護師より高収入を得られる可能性が高いだけでなく、需要の高い地域や専門分野ではさらに報酬が増えることもあります。これは、看護師不足が深刻化しているためだと言えます。
トラベルナースの給与が高い理由は、トラベルナースは高い柔軟性が求められることにあります。移動や変則的なシフトに対応できる能力は病院にとって非常に価値があると言えるでしょう。
実際の収入は専門分野、勤務地、資格、経験年数などによって変わりますが、トラベルナースは一般の看護師より確実に高収入を得られることが多いです。
勤務地のエリアを自分で決められる
トラベルナースは、自分の希望する地域で働くことができる自由度の高い職種です。海が好きなら沖縄や離島、都会が好きなら都市部など、ライフスタイルに合わせて働く場所を選べます。
自分の希望する地域で働くことで、看護師としてのスキルを活かしながらプライベートも充実させることができるでしょう。
近年、看護師の人手不足により都市部でもトラベルナースの需要が高まっており、多様なライフスタイルに合わせた働き方を実現できる魅力的な職種となっています。
スキルアップできる
トラベルナースは、人材不足を補う役割を果たしながら様々な医療現場で経験を積むことができます。
病院や施設を渡り歩く中で自らの専門性を高め、キャリアの可能性を広げることができるでしょう。
さまざまな環境に適応する過程で自信を深めることができ、適応力を身につけられます。また自分自身の将来像を見つめ直し、今後のキャリアを考える良い機会となります。
このように、トラベルナースは看護師としてのスキルアップと自己実現を目指す人々に良い機会を提供しているのです。
人間関係での悩みがあまりできない
トラベルナースの大きなメリットは、人間関係によるストレスが比較的少ないことです。看護師が職場を転々とする理由の1つに、同僚や上司との人間関係の複雑さが挙げられます。
しかし、トラベルナースは一般的に短期間の契約であるため、深い人間関係を築く必要がありません。
人間関係を上手く構築することも大切ですが、トラベルナースには専門性を生かして仕事を効率的に進める力が求められます。
このようにトラベルナースは人間関係による心理的負担が軽く、看護の業務に専念することができ、プロフェッショナルとして活躍できる魅力的な環境が整っています。
看護師として人間関係に悩まずに医療現場で専門性を発揮したいのであれば、トラベルナースになることを検討してみるとよいでしょう。
引っ越し代や赴任費用の支給
トラベルナースの醍醐味は、慣れない新しい土地で生活を送ることでもあります。
しかし短期間のための転居では家具や家電など、準備の面で大変に感じる方もいるかもしれません。ですが、そのような心配をする必要はありません。
トラベルナースとして働く際には、引っ越し費用や赴任手当てがしっかりとサポートされるのです。このサポートは、新生活をスムーズに始めるためのスタートを後押しするためのものです。
つまり、看護師がトラベルナースに無理なく挑戦してもらえるよう、経済面で配慮されているのです。さらに引っ越し費用だけでなく、家具や家電が備え付けられた住居も用意されているため、一から家具や家電を揃える手間がかかりません。
つまり、トラベルナースを選ぶメリットの一つは効率的に新しい生活を始められる環境が整っていることであると言えます。
一般の病棟看護師からトラベルナースになるには勇気が必要ですが、引っ越し費用や赴任手当てのサポートがあれば安心して臨めるはずです。
働きながら将来を決められる
トラベルナースは柔軟性と自由度の高さが魅力的な仕事です。
契約期間が決まっているため、その期間中はその地域ならではの環境を経験することができます。また、トラベルナースとして様々な地域で活躍する中で気に入った場所や地域があれば常勤で定住することもできます。
また、短期間で高収入を得られる可能性が高い上、働きたくない時期は長期間の休暇を取ることもできます。
このように、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働ける点がトラベルナースの大きな長所なのです。
トラベルナースに必要な資格
トラベルナースとして活躍するためには、資格よりも実践的な看護スキルと経験が重視されます。看護師として3年以上の臨床経験があれば安心できますが、地域によっては1年程度の経験でも可能なケースがあります。
ただし、経験年数に捉われすぎるよりも新しい環境に柔軟に適応できるという姿勢を持っていることが大切です。トラベルナースを通じてこれまでの経験を超えた新しい知識や技術を積極的に吸収していくことが望まれます。
一方で、経験が浅く不安な場合は転職エージェントなどのアドバイザーに相談するのも賢明です。アドバイザーがあなたに合った働き先を提案してくれるでしょう。
トラベルナースに向いている人の特徴
ここでは、トラベルナースに向いている人の特徴について詳しく解説します。
トラベルナースは常に新しい環境に飛び込んでいく必要があるため、チャレンジ精神が強い人や、素早く新しい環境に慣れることができる人が向いています。
また働き方や働く地域、収入など、トラベルナースをしたい理由が明確に定まっている人は、トラベルナースとして成功しやすいと言えるでしょう。
新しい環境に慣れるのが早い人
トラベルナースに求められるのは、新しい環境に素早く適応できる柔軟性とコミュニケーション能力の高さです。
派遣先では丁寧な指導が期待できないため、自ら周囲と積極的に関わり、状況を把握し、課題を明確にする姿勢が重要となります。
最初は職場の人たちと距離を感じるかもしれませんが、明るく人付き合いが上手ければすぐに新しい職場に馴染めるでしょう。
成功するには、従来の考え方にとらわれず新しいスタイルを受け入れる開放性が求められます。
チャレンジ精神が強い人
トラベルナースは「旅する看護師」とも称される特異な職業です。
この仕事を続けるには、新しい環境にも臆することなく楽しみながら適応できる柔軟性と冒険心が求められます。
そのためには、未知の土地に赴く勇気と行動力、そして常に挑戦する姿勢が必要不可欠です。
このように、新しい環境に自ら飛び込んでいき、意欲的に仕事をするチャレンジ精神の強い人がトラベルナースに向いていると言えます。
応募目的が明確な人
トラベルナースという独自の雇用形態は、次々と新しい環境に適応できる強靭な精神力を持つ人や、「短期間で高収入を得たい」「沖縄などの特定の地域で働きたい」といった具体的な目標を抱く人に適しています。
新しい環境に馴染むことは簡単ではありませんが、自らの目的や願望が明確であればそれらは乗り越えるための指針となるはずです。また、明確な目標を持つことは仕事へのモチベーションにもつながります。
トラベルナースは自分の希望に沿った働き方を実現する魅力的なオプションですが、契約期間満了までの離職が難しいなど一定の制約もあります。そのため、初めは1〜3カ月程度の短期契約から試してみることをおすすめします。
トラベルナースにおすすめの転職サイト
トラベルナースとして新たな道を歩むには、信頼できる転職サイトの選択が大切な第一歩です。
おすすめの転職サイトとして、「ナース人材バンク」と「レバウェル看護師」が挙げられます。
「ナース人材バンク」は全国の病院・クリニック情報が充実しており、希望する条件に合った求人を見つけやすい上、専任のキャリアアドバイザーが転職プロセス全般をサポートしてくれます。
一方の「レバウェル看護師」は、豊富な求人情報に加え、自己分析ツールや転職成功者の体験談などの情報が満載で、専任スタッフによるフルサポートも受けられます。
これらの転職サイトを上手に活用すれば、トラベルナースとしての新しいキャリアが確実に前に進むことでしょう。
ナース人材バンク
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トラベルナースと応援ナースまとめ
本記事では、移動を伴う看護師としての職種である「トラベルナース」と「応援ナース」について解説しました。
仕事内容や必要な資格、さらには年収やメリット・デメリットなどについて詳しく説明しました。
新たなキャリアを考えている看護師の方の中でも、自分の成長にもつながる豊富な体験がしたいという方は、トラベルナースの道を検討してみてはどうでしょうか。