看護師の給料が高い病院の特徴は?年収ランキングやおすすめの転職先を紹介
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看護師のキャリアにおいて、収入は非常に重要な要素の一つです。しかし、給与水準は病院によって大きく異なることがあります。
高給与を提示している病院にはどのような特徴があるのでしょうか。また、年収が高い看護師はどのような職場を選んでいるのでしょうか。
本記事では、高給与を実現している病院の特性を探り、年収ランキングやおすすめの転職先についても詳しく解説します。
看護師の給料が高い病院の特徴は?
以下では、看護師の給料が高い病院について、診療科目や病床数、設置主体などをそれぞれ比較しながら、その特徴を探っていきます。
また、どのような病院が財政が安定しており結果的に高い給料の実現ができているのかについても考察します。
診療科目別
診療科目によって看護師の給料に差があり、特に外科、産婦人科、麻酔科の看護師は高給与となる傾向にあります。
これらの診療科は、繊細で高度な技術や知識が求められ、体力的にも精神的にも過酷な労働環境であるためです。
外科では長時間の手術と術後管理、産婦人科では出産と新生児ケアに伴う緊張と夜勤の多さ、麻酔科では手術中の患者の命を預かる重要な役割など、それぞれの職務の難易度や責任の重さが給与に反映されています。
このように、診療科の特性に応じて看護師の給与水準が決定される傾向があります。
ICU
ICU(集中治療室)の看護師は24時間体制で夜勤があり、先進的な医療機器を用いた高度な医療や看護を提供する必要があるため、一般の診療科よりも高い給与が支払われています。
このような特別な業務を行うには高度な知識とスキルが求められます。その評価として、ICUの看護師には「特殊業務手当」が支給されることもあります。
経験者が求められる一方で、教育制度の整った病院では未経験者でもICUで働く機会があります。
呼吸器科
呼吸器科は肺がんや胸膜炎などの専門性の高い疾患を扱う診療科で、主に大病院に設置されています。そのため呼吸器科の看護師は高い専門知識と技術が求められ、その分給与水準も他の診療科よりも高めに設定される傾向にあります。
例えば、胸腔ドレーンの挿入や放射線治療のアフターケアなど、一般的な看護業務とは異なる特殊な業務を行う必要があり、これらには高度な専門性が問われます。
このように、呼吸器科の看護師の給与が比較的高額となるのはその仕事の専門性の高さが評価されている結果と言えます。
救命救急科
救急救命科は、突発的な重傷や重症患者を診療する部門で、病院によっては「救急救命センター」や「ER」と呼ばれることがあります。
生命の危機に直面する場面が多いため、そこで働く看護師には大きな責任が課されており、その分給与水準も高く設定されているのが一般的です。
さらに、夜間勤務が求められることから夜間手当も支給されることが多く、結果として救急救命科は看護師が高収入を得られる部門の一つと言えます。
人工透析内科
人工透析内科は技術を持ち合わせている看護師にとって魅力的な職場と言えます。
なぜなら、この分野は高額な医療費が伴うため病院の収益が大きく、看護師の給与水準も良好に維持されているからです。
透析クリニックでの看護師の業務は多岐にわたります。透析装置の準備から患者の穿刺、止血などの医療行為、さらには機械の操作まで高度な専門性が求められます。業務は決して簡単ではありませんが、スキルを身につければ安心して業務を遂行することができます。
特筆すべき点は、人工透析クリニックでは予定された患者のみを受け入れるため、急な対応や残業が少ないことです。
そのため労働時間と生涯賃金のバランスが良く、看護師から高く評価されています。「しっかり働いて、それに見合った報酬が得られる」という理想的な職場環境が高収入を求める看護師を魅了しているのです。
病床数別ランキング
一般的に、病院の規模が大きければ大きいほど看護師の給与水準が高くなる傾向があります。その理由は大規模病院ほど診療科が多岐にわたり、患者数が多いため医療サービスの提供量が多く、看護師の業務負担も大きいためです。
また、経営規模が大きければ人件費にも潤沢な予算を確保できるでしょう。さらに、夜勤を伴う過酷な労働環境への対価としても給与水準が高く設定される必要があるのです。
ただし、病院の経営状況や立地、診療科目なども給与水準に影響するため、転職や就職の際は複合的な要素を考慮することが重要です。
大規模な病院
看護師の給与水準は、病院の規模によって異なる傾向があります。
2023 年 病院看護実態調査 報告書によると、病床数の多い大規模病院ほど同じ勤続年数と年齢の非管理職看護師の平均月収が高くなっています。
大規模病院では高度で専門的な医療サービスを提供するため経験豊富で技術力の高い看護師を確保する必要があり、その分給与水準が高くなっているようです。
キャリアの過程で収入を重視する看護師にとって大規模病院への就職は魅力的な選択肢となるでしょう。
設置主体別ランキング
看護師の給料は、病院の設置主体によって大きな違いがあります。
2023 年 病院看護実態調査 報告書によると、31〜32歳で10年以上勤続した非管理職看護師の平均月収が最も高かったのは、私立学校法人、企業、社会保険関連団体が設置する病院でした。
これらの病院では先進の医療設備や充実した福利厚生、安定した収入や待遇などが魅力となっています。
長期的なキャリアを視野に入れた場合私立学校法人や会社、社会保険関連団体の病院で働くことで、給与面での恩恵を受けられる可能性が高いと言えます。
国立・公立病院では手当や福利厚生が充実している
国立・公立病院では公務員としての手厚い手当や福利厚生が用意されています。
地域手当や寒冷地手当のほか、退職金が全額保証されているため生活の安定が約束されます。このような経済的な不安が少ないことは看護師にとって大きなメリットです。
また、給与は経験年数に応じて着実に上がっていく仕組みになっているため安定した収入が見込めます。
豊富な福利厚生と給与の安定性が、国立・公立病院で働く看護師の魅力となっているのです。
私立病院では4~6ヶ月分のボーナスが出ることもある
一般的に私立大学病院や大規模な私立病院は、高度な医療サービスを幅広く提供しており、その優れた医療水準から全国各地の患者を受け入れています。
これは十分な収益を上げていることを示しています。そのため、このような病院に勤務する看護師の給与水準は他の病院よりも高い傾向にあります。
さらに魅力的なのはボーナスの支給額が高額であることです。専門性と経験を重視される看護師職では、私立病院のボーナスは国立病院と比べて格段に高額になることが一般的です。
特に私立学校法人が運営する病院ではその年の経営状況や業績に連動して給与やボーナスが決定されるため、病院の経済状況を直接的に反映した給与体系となっています。
その結果、看護師に対して4か月分から6か月分のボーナスが支給される場合もあり、看護師の収入に大きな影響を与えています。
財政基盤が安定している大企業の系列の病院
大手企業グループが運営する病院は財政的に安定しているため、看護師に魅力的な待遇を提供することができます。
他病院に比べて給与水準が高く、企業の方針に基づく確かな給与体系と各種手当てにより、安定した収入が得られます。さらに、企業ならではの充実した福利厚生を受けられるため、給与以外にも生活の質が向上するメリットがあります。
大企業系列の病院で働くことで看護師は高収入と良好な労働環境を手にすることができるのです。
首都圏の病院は年収が高め
首都圏の大規模な病院は高度な医療サービスを提供する診療科を多数擁しており、看護師には専門的な知識と技術が求められます。その結果、看護師の年収水準が高くなる傾向にあります。
高給与や専門性の向上を望む看護師にとって首都圏の大型病院は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
財政が安定していて給料が高い病院の特徴
看護師の給与水準が高い病院には、以下のような特徴があります。
・財政基盤が安定しており、看護師の処遇改善に余裕がある
・正社員雇用が中心で、雇用の安定性が高い
・地域に根ざした歴史ある公立病院や大学病院、大手総合病院が多い
・組織が透明性と安定性を重視し、働きやすい環境づくりに注力することで、離職率を抑え、質の高い医療を提供できる体制を整えている
こうした経営状況の良さが看護師への手厚い給与水準につながっているのです。
労働組合あり
労働組合は労働者の権利を守り、よりよい労働環境を実現するために重要な役割を果たします。労働組合のある病院では単に給与水準が高いだけでなく、労働者の権利が適切に保護され、質の高い働きやすい環境が整備されている可能性が高くなります。
つまり、労働組合の存在は看護師として安心して働ける職場環境の指標となるのです。
公立病院や大規模病院では労働組合が存在することが多いですが、小規模な医療機関では必ずしも組織されていない場合もあるので、求人を探す際は労働組合の有無を確認することをおすすめします。
評価システムが明らか
病院における適切な人事評価システムの存在は経営の安定と従業員への公正な処遇を保証する上で重要な役割を果たしています。
明確な評価基準は従業員の目標設定を容易にし、手続きの透明性を高めることで経営への信頼を築くことができます。実際、多くの病院で人事評価が行われており、その評価結果が給与に反映されていることからも医療現場においても評価制度の重要性が示されています。
つまり、適切な人事評価システムは病院経営の健全性と従業員の待遇の良さを示す指標となっているのです。
昇給先の役職が整っている
医療業界における給与は一般企業とは異なり、勤務先によって昇給の可能性に大きな差があります。
経営状態が良くない病院では昇給の機会がほとんどないか、あってもわずかな額しかありません。そのため、昇給制度や経営状況を事前に確認することが重要です。
看護師のキャリアパスは通常、看護副師長→看護師長→看護副部長→看護部長へと昇進していきますが、役職がない職場もあります。
管理職への昇進には専門知識や技能はもちろん、信頼と経験が不可欠です。管理職に就くと管理職手当が支給されるため、管理職ポストが豊富な病院を選ぶと給与アップに有利です。
労働環境が整備されている
評価の高い病院は看護師の働きやすさを重視し有給休暇の取得を促進しています。
これは経営が安定しており、給与と福利厚生の両面で職員への投資を惜しまない姿勢の表れです。さらに、フレックスタイムや時短勤務など柔軟な勤務形態を取り入れ、看護師一人ひとりのライフスタイルに配慮した環境を提供しています。
このように評判の良い病院は経営的にも安定しており、労働環境が整備されているかどうかは看護師が就職を検討する際の重要な指標となります。
美容クリニック
看護師として新しいキャリアを求める人が増えている中、美容クリニックは魅力的な選択肢となっています。
美容クリニックでは自由診療が中心のため、収益性が高く、給与水準も一般の病院より良い傾向にあります。
またインセンティブ制度を導入しているクリニックもあり、看護師自身の能力次第で高収入を得られる可能性があります。近年、男性向けの美容サービスの需要が高まっていることから、美容クリニックは看護師にとって有望な転職先と言えるでしょう。
専門性が高い病院
高度な医療ケアが必要な診療科や病院では専門的な知識とスキルが求められるため、看護師の給与水準が高くなる傾向があります。このような環境で働く看護師は経験を重ね、常に学び続ける姿勢が重要視されます。
大規模病院での就職機会が多いこともキャリアアップの好機となっています。整った職場環境のもと、さらなる成長を目指すことができるでしょう。
看護主任や看護師長などの役職に就けば給与はさらに向上します。専門性を磨き学び続けることで、待遇の良い病院で働く機会が広がるのです。
看護師は高収入なのか?
看護師は高収入と言われることが多いですが、実際のところはどうなのでしょうか。
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省によると、看護師の平均月収は約35万円で、平均賞与は約86万円です。月給と賞与を合わせた平均年収は約508万円となります。ただしこれは総支給額あり、手取り額は総支給額の7割程度となることに注意が必要です。
一方、平均的な日本人の年収は約461万円です。看護師の平均年収が日本人の平均年収を上回っていることから全体として高収入であると言えるでしょう。
ただし、個々の看護師の給与は夜勤回数や役職の有無、勤続年数など様々な要素により変動するため一概に突出して高収入であるとは言えない面もあります。
準看護師の平均収入
准看護師の収入は看護師よりやや低めです。厚生労働省の調査によると、准看護師の月収は約29.6万円、ボーナスは約62.7万円で年収は約417.9万円となります。
夜勤手当は収入の約10%分
看護師は夜間の勤務で多大な労力を費やしており、その見返りとして夜勤手当を受け取ることができます。この手当は看護師の年収の約10%を占める重要な収入源となっています。
夜勤手当は看護師の年収を押し上げる大きな要因の一つであり、そのため看護師の年収は他の職種に比べて高額となる傾向にあります。
この夜勤手当を魅力的に感じる方がいるかもしれませんが夜勤はかなりハードな業務であり、看護師に対する適切な労働評価が夜勤手当という形で反映されていると言えます。
年代別平均収入
看護師の年齢と収入には明確な相関関係があります。若年層から中年層にかけては、年齢が上がるに従い収入は徐々に増加していきます。
50代後半でピークを迎えた後、60代以降は再雇用者の増加などにより収入は若干低下する傾向にありますが、大きな変動はありません。
全体としては年代を問わずある程度の経済的安定性が保たれており、看護師は安定した職業といえるでしょう。
給料が高い病院・クリニックに転職するには
看護師にとって魅力的な、給料の高い病院・クリニックに転職するにはどうすれば良いのでしょうか。
ここでは、「資格の取得」、「夜勤手当の金額」、「エージェントの利用」のそれぞれについて詳しく解説します。
専門看護師や認定看護師の資格を取る
看護師の皆さんにとって専門性を高める「専門看護師」や「認定看護師」の資格取得は、キャリアアップと収入アップの有効な選択肢です。
これらの資格を持っていると病院から手当てが支給されるケースがあり、月5,000円程度の収入アップが期待できます。また、これらの資格を取得することで、収入の増加だけでなくスキルの向上も同時に目指すことができます。
また、長期的な視点でも資格取得はメリットがあります。転職時に有利に働くだけでなく、市場価値の高い看護師として評価されるためです。さらに職場によっては資格取得を支援する制度があり、自己成長と収入向上のチャンスとなります。
このように専門看護師や認定看護師の資格取得は看護師のキャリアに大きく貢献するため、積極的に目指すべきでしょう。
夜勤手当が高い病院がおすすめ
看護師の給与は様々な要素によって決まりますが、先述した通り夜勤手当は看護師の給料の10%を占めます。
夜勤手当は病院やクリニックによって異なるため、現在の勤務先の給与に不満があれば高額な夜勤手当を支給する病院へ転職することで給与アップできるでしょう。
しかし、過度に夜勤に従事すると健康を損ねる恐れがあるため、夜勤手当追求に振り回されすぎないよう注意が必要です。一方で適切な報酬が得られる職場であればモチベーションを維持しやすくなります。
したがって、高額な夜勤手当を支給する病院への転職は高収入を望む看護師に有効ですがその際はワークライフバランスを保つことが重要となります。
エージェントを使って非公開求人の情報を入手
看護師の給与に納得がいかずより高い収入を求める方にとって、転職は有力な選択肢となります。専門の転職サイトや転職エージェントを活用すれば短期間で広範な求人情報を確認でき、新たな可能性が大きく広がります。
転職エージェントは転職のプロフェッショナルであり、効率的に転職活動をサポートしてくれるため、時間の節約にもなります。
仕事と家庭の両立に追われる看護師にとって大変有益なサービスといえるでしょう。
特に注目すべきは、転職エージェントが非公開求人の情報も持っている点です。一般の求人サイトには載っていない高い役職や新設医療施設の求人など、魅力的な情報が含まれています。
通常の求人では得られないチャンスやより良い条件を得られる可能性があります。そのため高給与を目指す看護師の皆さんには、転職エージェントを有効活用することをおすすめします。
看護師におすすめの転職エージェント
転職を成功させるためには適切な転職エージェントを選ぶことが重要です。特に、高い専門性が求められる医療分野ではエージェントの役割は大きくなるため、信頼できるエージェントを見つけることが肝心です。
病院選びにおいても、エージェントの助言は貴重です。給与水準の高い病院を探す際には地域による情報格差などの不安材料がありますが、エージェントがそれらを解消してくれます。
本記事でおすすめしたいのは、豊富な求人情報を持つ信頼できる転職サイトを活用することです。
適切な情報さえ得られれば、目指すべき方向性が見えてくるはずです。ぜひ一度登録し、より良い転職先を見つけて新たなキャリアを切り拓いてみてください。
ナース人材バンク
ナース専科グループが運営する「ナース人材バンク」は、年間10万人以上の看護師から高い支持を得ている転職サイトです。利用者の97%が満足しており、その高品質なサービスが広く認められています。
特に「給与高めの求人特集」では、他サイトにはない好条件の求人を公開しており、利用者に良い条件での就職機会を提供しています。
さらに、ナース人材バンクが提供するキャリアアドバイザーのサポートも評価が高く、看護師のキャリアと地域に精通した適切なアドバイスと条件交渉の代行を行い、求職者を全面的にバックアップしています。
ナース人材バンクは、このように看護師の転職を真摯にサポートする信頼できる転職エージェントです。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
レバウェル看護は、日本最大級の看護師専門転職サイトとして高い評価を受けています。
滝久おんしゃの「ともだちに勧めたいサービスランキング」で1位に選ばれ、提供する案件の質の高さが認められています。
この転職サイトの強みは、豊富な求人案件と高い質にあります。10万件以上の案件を取り扱い、求職者のニーズに細かく対応できます。
年間4,000回以上の職場訪問により正確な情報を収集しているため、ミスマッチリスクが極めて低くなっています。
さらに、LINEによる相談サービスもあり、在職中でも転職活動が可能です。その他にも役立つ情報を提供しており、転職を考える看護師には必見のサイトと言えます。
マイナビ看護師
厚生労働省が推進する働きやすい職場環境づくりの一環として、様々な職種の求人情報を網羅した転職サイトがあります。
その中でもマイナビ看護師は、看護師や助産師、保健師などの医療従事者向けの転職サイトとして注目されています。病院や美容クリニック、旅行看護師など、多様な求人情報が掲載されています。
大手企業が運営するため、求職者をしっかりとサポートする体制が整っており、高い信頼性を持っています。豊富な選択肢と情報量が魅力的なマイナビ看護師は、あなたの転職活動に役立つでしょう。
看護師の給料が高い病院まとめ
特に転職を考えている看護師の方々にとって、給与面は重要な検討材料の一つです。
本記事では、病床数や地域、独自のサービスなど、給与水準が高い病院の特徴について解説しました。
また、高年収が期待できる病院のランキングや、働きやすい環境が整った医療機関も紹介しました。
転職を検討されている看護師の皆さまには、ぜひ参考にしていただければと思います。