2年目看護師が辞めたいと思う理由とは|転職事情や仕事の悩みの解決法も解説
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看護師は命を守る尊い仕事ですが、ストレスや過酷な環境が課題となることがあります。2年目になると、より大きな責任を負うようになり、辞めたくなる人もいます。
本記事では、2年目看護師の悩みや転職事情、それらの解決策について詳しく取り上げます。
悩みを抱える皆さんの一助となれば幸いです。
2年目看護師が仕事を辞めたいと思う理由
後輩ができたことによる責任感
看護師としての2年目を迎え、新たに先輩としての役割を果たすことになったものの、自身の未熟さを感じている方が少なくありません。
1年目は職務に専念していたものの、将来的には転職などで異なる道を考えている方もいるでしょう。
新卒の看護師が配属されたことで、先輩としての期待を背負うようになり、後輩の質問に答えられなかったり、模範となるべき立場にいながら役割を果たせていないと感じることがストレスの原因となっています。
給料が減る
看護師の給与は一般企業より高水準ですが、就職1年目から2年目への移行期には給与変化はほとんどありません。期待していた昇給がなく、責任が増えても手取りが変わらないと、やる気が削がれるかもしれません。
さらに、2年目には住民税の控除が始まり、手取り額が減少する可能性があります。これが給料が減ったと感じる大きな要因になります。
責任は増えるが報酬が見合わず、税金の影響で手取りが減るという状況で、やりがいや達成感を得にくくなり、仕事へのモチベーションが下がる可能性があります。そうした現実に直面し、2年目の看護師が「仕事を辞めたい」と思うこともあるでしょう。
人間関係に疲れた
看護師は年齢や立場に関わらず、人間関係での悩みを抱えがちです。特に経験2年目の看護師は、同期や先輩後輩との関係構築に困難を感じることが多くあります。
周囲に溶け込めていない感覚や、自分に対する期待の重さに悩むケースがあります。
また、後輩の成長スピードにプレッシャーを感じながらも、自身の成長の遅さに焦りを感じるなど、心理的にも大きな負担となっています。
仕事量が増えてキャパオーバーになる
看護師の2年目は、業務量と責任が増大し、多大な負担がかかる時期です。患者のケアから事務作業まで幅広い業務を一人で担当することになり、重症患者の受け持ちも増えるため、精神的・肉体的な負担が高まります。
さらに、リーダーの役割を任される看護師も多く、通常業務に加えてリーダーシップを発揮する必要があり、負荷はより大きくなります。このような過酷な状況が続くと、残業が増え、ストレスが蓄積されがちです。
独り立ちによりミスやアクシデントが増えた
看護師の2年目は、自律的な業務遂行が求められる一方で、スキルの未熟さから先輩に指摘される日々が続き、自分が成長していないのではないかという不安に苛まれます。
さらに、自己判断が求められるプレッシャーと、責任感の重さに押しつぶされそうになることもあるかもしれません。忙しさが増す一方で給料はあまり上がらず、自分に看護師として適性がないのではないかと疑問を抱える看護師も少なくありません。
そんな悩みを抱える看護師には、転職で職場を変えてみることがおすすめです。新たな環境でゼロからスタートし、仕事へのモチベーションを取り戻すことができます。
2年目看護師が転職することのメリット
第二新卒として就職活動ができる
看護師2年目の方の転職には大きなメリットがあります。それは「第二新卒」として扱われ、再就職のチャンスが得られることです。
「第二新卒」とは、卒業後概ね3年以内の社会人を指します。中途採用の場合、新卒に比べて教育体制が手薄になることが多いですが、第二新卒であれば、そうした心配は比較的少ないです。
新卒と同等の待遇を受けられるため、研修や教育も新卒と同じように行われ、実務に関する知識やスキルを十分に学ぶことができます。臨床経験が浅く不安を感じている看護師にとって、第二新卒は魅力的な選択肢です。
基礎知識があるので一から教わらなくていい
2年目を迎えた看護師には、基礎的な知識や技術が身についており、新人看護師に比べて教育期間を大幅に短縮できるメリットがあります。
また、固定観念にとらわれず柔軟に対応できる強みも持ち合わせています。
さらに、未経験者よりも指導がしやすく、経験豊富な看護師より新しい考え方や技術の導入がしやすいという利点もあります。
体力や柔軟性の面で有利なため転職先に適応しやすい
看護師は、専門教育を受けた後、病院や診療所などで活躍します。特に新卒看護師は20代前半が多く、経験は浅いものの、柔軟性と体力があります。
新しいことに対応できる柔軟な姿勢と、肉体的な負担が大きい看護業務に耐えられる体力が武器となります。
したがって、転職を考える際には、年齢と体力をアピールすることで、自分に合った職場を見つけやすくなるでしょう。若さと体力を生かせば、新しい環境でも活躍できる可能性が広がります。
病院以外の職場を視野に入れられる
看護師として2年目を迎えると、病院以外の医療施設への就職先の選択肢が広がるメリットがあります。2年間の経験を積むことで、基本的な看護技術を身に付けられるからです。
しかし、専門性の高い分野では、2年目の看護師は経験不足と見なされる可能性があるため、職場選びには注意が必要です。
特に重要なのは、応募要件を確実に確認し、必要とされる経験や資格を事前に把握することです。
若いので将来性に期待できる
看護師として経験を重ね2年目を迎えた看護師は、若さゆえに体力があり、さらなる成長が期待できる有利な立場にあります。
新人看護師時代のような理想と現実のギャップに悩むことも少なくなり、他の職種に比べて定着率が高くなる傾向があります。
病院側も2年目の看護師の可能性を見抜き、育成することで長期的な活躍を期待しています。まだ成長の余地がある2年目の看護師にとって、成長を見守り指導してくれる病院に転職するメリットは大きいと言えるでしょう。
2年目看護師が転職することのデメリット
中途採用の場合は実力が必要
看護師としてキャリアをスタートしてからまだ2年目の方が転職を考える場合、中途採用では即戦力が求められるため、自分のスキルが十分かどうか不安になることがあります。
中途採用では新卒採用時ほど手厚い教育体制が用意されていないことが多く、自分で環境に適応していく必要があります。
そのため、スキルが未熟だと職場に馴染むのが難しく、業務をこなすのも大変になる可能性があります。
病院奨学金の返済が一括になるかもしれない
看護師としてキャリアアップを考える際、重要なポイントの一つが病院奨学金の返済問題です。看護師の中には、看護学校の費用を賄うため病院奨学金を利用している方もいますが、その見返りに一定期間、その病院で勤務しなければなりません。
通常、この義務期間は3年から5年とされています。もし2年目で転職を検討している場合、義務期間中である可能性があり、その際は奨学金の一括返済が必要となる場合があります。一部の病院では分割返済を認めていますが、多くは一括返済を求めています。
したがって、2年目で転職を考える看護師は、奨学金返済の問題を十分に検討し、慎重に判断する必要があります。
求人が少なく満足のいく転職先に応募できないかもしれない
看護師として2年目となると、一定の経験と技術は身につきますが、求人の多くが3年以上の臨床経験を求めているため、転職先の選択肢が限られてしまいます。
美容クリニックや介護施設など、特化した分野の求人には2年間の経験では応募が困難な場合があります。キャリアプランに合わせて経験を積むか、選択肢の狭い中で転職先を決めるかは、十分に検討する必要があります。
面接時の印象は良くない場合が多い
看護師として経験を積む2年目に転職することには、面接の際に採用担当者から懸念の目を向けられる可能性があります。新卒入社した病院を短期間で去ることで、「この人は長く勤められないのでは」と受け止められかねません。結果として、他の応募者と比べて採用基準が厳しくなる可能性があります。
確かに「第二新卒」として転職を歓迎する病院もありますが、短期勤続を好まない病院も少なくありません。加えて、プリセプター制度を経験できずにキャリア形成に支障が出る恐れもあります。このように、2年目の転職には様々な側面から慎重に検討する必要があります。
2年目看護師に求められている役割
新人看護師が話かけやすい存在になる
2年目の看護師は、新人看護師と先輩看護師の架け橋として重要な役割を果たします。年齢が近いことから、新人たちは2年目の看護師に気軽に質問や相談をしやすく、職場の風通しを良くすることができます。
一方で、2年目の看護師も積極的に先輩から学ぶ姿勢が求められます。このように、お互いに学び合い、支え合うことで、より良い職場環境が生まれ、全員が働きやすくなるのです。
「チーム」として仕事に取り組めるようになる
看護師2年目は、新人時代を卒業し、新たな段階に進む転機となります。業務範囲が広がり、先輩看護師の支援を求められるようになります。まだ技術面での成長が必要ながらも、一人前の看護師を目指す上で重要な過程です。
特に病棟勤務では、医師、薬剤師、栄養士など様々な専門職と協力し、チームとして患者の治療に当たります。それぞれが専門知識を生かし、共同で問題解決し、最善の医療を提供するための努力が求められます。
看護師が転職以外で悩みや課題を解決する方法
初心に戻り研修やセミナーに参加する
看護師の仕事は忙しく、知識不足など様々な課題に直面することがあります。しかし、それらは仕事自体の問題というより、自分自身の見方や考え方によるところが大きいのです。
スキルアップや職場環境への適応によって業務の効率化を図れば、時間的な余裕が生まれます。経験を重ねれば、かつて忙しいと感じていた仕事もスムーズにこなせるようになるはずです。
また、医学知識の不足に悩むなら、研修やセミナーへの参加、自主的な学習で知識を深めましょう。指示の意味がわからない悩みも、学びを通じて解消できます。
看護師を辞めたいと思ったら、一度立ち止まり、自分に何ができるかを考えてみましょう。
上司や同僚に働き方の相談をする
看護師の仕事は大変な日々が続くことがあります。そんな時は、信頼できる人に相談するのが一つの解決策になります。上司や同僚はもちろん、家族や友人にも率直に感情を話すことが重要です。
また、悩みを共有することで、相手からアドバイスをもらえる機会も生まれます。新しい視点が開け、問題解決への糸口が見えてくるかもしれません。さらに、カウンセラーや専門の相談窓口を活用するのも良いでしょう。
仕事を休み生活リズムを整え直す
看護師は日々ストレスに直面する職業です。しかし、そのストレスが蓄積されすぎると、仕事への意欲を失ってしまう可能性があります。そんな時こそ、一旦仕事から離れ、自分自身に投資する時間を持つことが大切です。
有給休暇やセーブアップ休暇を活用して、趣味に没頭したり、体を休めることで、心身ともにリフレッシュできます。休息を取ることで、ネガティブな感情が軽減され、新しい視点が得られるかもしれません。
自分自身のために適度に休むことは、看護師としての取り組みをより向上させる可能性につながるのです。
仕事が終わったあとの楽しみを作る
看護師の仕事は大変なことが多く、ストレス発散が重要です。運動やヨガ、瞑想、音楽や絵を楽しむなど、自分に合った方法を見つけましょう。
また、旅行や映画鑑賞、お気に入りの食事など、自分だけの楽しみを持つことで、気分転換ができます。自分自身に時間を使うことで、健康を維持し、看護師としての仕事に活力を得られるでしょう。
2年目看護師におすすめの転職先を紹介
特定の分野に特化した病院
看護師として専門性を高めたいなら、特定の分野に特化した専門病院に転職するのがよいでしょう。専門病院では、その分野の第一線で活躍する専門医から最新の知識と技術を直接学ぶことができます。
また、先進的な医療機器の操作経験を積めるだけでなく、専門看護師や認定看護師の資格取得を支援する制度も整っています。
こうした環境で専門性を身につけることで、高度な看護の提供と自身のスキルアップにつながるでしょう。
中規模の病院
看護師として経験を積みながら成長していくためには、中規模の病院が適しています。大規模病院では患者数が多く負担が大きい一方、小規模病院では教育体制が十分でない可能性があります。
中規模の病院なら、フォローを受けながら経験を積むことができ、看護師としての自信も付けられるでしょう。
それぞれの規模の病院には長所短所がありますが、2年目の看護師にとっては中規模の病院がバランスよく成長を支援してくれる環境といえます。
療養を主とする病院
2年目の看護師さんが転職を検討する際、おすすめの一つが療養を主とする病院です。そういった病院では、患者さんの容体が急変することが少ないため、落ち着いた環境で業務に従事できます。
また、医療処置の頻度が低いことから、2年目の看護師でも無理なく業務をこなすことができ、スキルを着実に身につけられます。
さらに、残業が少なめなので、プライベートな時間を十分に確保できます。療養型病院は、急性期病院での勤務で疲れた看護師が新たな一歩を踏み出すのに適した職場環境を提供してくれるでしょう。
外来病院
外来診療では、看護師は医師をサポートしながら、患者さんの診療がスムーズに進むよう様々な手続きをお手伝いしたり、案内などを行います。
基本的に日勤勤務のため、勤務時間が一定で体力的な負担も少なく、仕事と生活の両立がしやすくなります。特に子育て中の看護師さんにとっては、夜勤がないため、子育てとの両立がしやすい環境です。
キャリアアップを目指す方や、ライフスタイルに合わせた働き方を求める方におすすめです。
2年目看護師がキャリアップするには
事前に情報収集を行う
看護師として経験を重ねていく中で、2年目はキャリアアップを意識し始めるでしょう。しかし、ただ漫然と経験を重ねるのではなく、自身が目指すべき方向性を見据え、効率的にスキルアップしていくことが重要です。
そこで欠かせないのが、自分がどのようなキャリアを望んでいるのか、そのためには何が必要なのかを把握するための情報収集です。
看護師のキャリアアップに特定の資格は必須ではありませんが、求人に有利になる資格や需要の多い時期などの情報を知ることも大切です。このような情報収集を通じて、自分に最適なキャリアパスを見つけ、行動計画を立てることができるのです。
資格の取得
看護師としてキャリアアップを目指す際、新しい資格を取得することは自身の専門性を高め、職場での評価を上げる有力な手段となります。資格を持つことで、これまで培ってきた知識と技術が認められ、より責任あるポジションに就くチャンスが広がります。
また、転職を視野に入れている場合、資格は大きな武器となります。企業は専門性の高い看護師を求めており、資格保持者は良い待遇が期待できます。資格の取得を通じて、キャリアアップだけでなく、働きがいや達成感も得られるでしょう。
セミナーや勉強会に参加する
看護師としての2年目は、キャリアアップのための大切な時期です。セミナーや勉強会に参加することで、他の看護師から経験と知識を学ぶことができます。そのような場では、自分では気づかない新たな視点や洞察を得られる可能性があります。
将来のキャリアプランが定まっていない場合でも、セミナーに参加すれば、様々な選択肢を知ることができるでしょう。刺激的な話を聞いたり、他の参加者と議論することで、新しい道筋が見えてくるかもしれません。
また、同業者とのネットワークを広げる良い機会にもなります。他の看護師と専門知識を共有し合えば、互いに成長し合え、より充実したキャリアを歩めるはずです。
目標を立てて勉強を行う
看護師としてのキャリアアップには、明確な目標設定と着実な学びが欠かせません。学びとは、単なる資格取得のための学習だけでなく、医療知識の習得や臨床経験から得られる新たな気づきも含まれます。これらの学びは、患者さんへのより良いサービス提供につながります。
しかし、学びは座学だけでは不十分です。現場での実践を通じて知識を活かし、能力を高めていくことが大切です。2年目の看護師が次のステップへ進むには、学びを経験し直し、現場で活用することが確実なキャリアアップの道となるでしょう。
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看護師の給料まとめ
2年目の看護師は仕事に悩む機会がとても多いです。ストレスやプレッシャーなど、辞めたいと思う理由はさまざまです。
しかし、慌てず自分の状況を冷静に見つめ直すことが大切です。上司や同僚と相談したり、スキルアップの機会を探したりするなど、前向きな対処法を見つけましょう。
時には転職も選択肢の一つかもしれません。今の環境に満足できないなら、次のステップへ進む勇気を持ちましょう。