公認会計士の就職先は?就職時の流れや一般企業で働くメリットを解説
更新
公認会計士の資格は幅広い分野で活かすことができ、試験に合格した後には多様な進路が用意されています。
多くの方が「監査法人以外にどんな就職先があるのか」「一般企業で働くメリットは何か」といった疑問を抱えています。実は、公認会計士の活躍の場は監査法人に限らず、一般企業の経理財務部門やコンサルティングファーム、金融機関など多岐にわたります。
本記事では、公認会計士の主な就職先や一般的な就職プロセスについて紹介します。選択肢を広げ、自身のキャリアプランの参考にしてみてください。
公認会計士の就職の特徴
公認会計士を目指す人の就職活動は一般とは大きく異なり、11月中旬の合格発表後約2週間で内定が出る短期決戦です。
書類選考と面接を経て内定獲得を目指しますが、特に面接では志望動機や自身の強みをしっかりとアピールすることが重要です。
志望する監査法人の求める人物像を事前に把握し、自分の経験や将来像と結びつけられるように準備しましょう。
就職スケジュール
大手監査法人の場合
就活時期 | 概要 |
---|---|
8月中旬 | 公認会計士論文式試験 実施 |
8月下旬 | 予備校主催の「監査法人」合同説明会 |
9月上旬~10月中旬 | 大手監査法人主催の説明会 |
11月中旬 | 公認会計士論文式試験 合格発表 |
11月中旬~下旬 | 大手監査法人主催の説明会 |
11月下旬~12月上旬 | 大手監査法人の面接 |
12月上旬 | 大手監査法人の内定 |
翌年 2月1日 | 大手監査法人 入所 |
公認会計士を目指す学生や社会人にとって、大手監査法人の就職活動スケジュールを早めに把握し、準備を進めることは非常に重要です。
11月中旬の合格発表後に各監査法人の面接が始まり、約2週間後に内定が出るのが一般的なため、8月下旬から10月中旬にかけて説明会などで情報収集し、10月中旬から11月中旬の期間で面接対策を立てる必要があります。
中小監査法人も同様のスケジュールですが、企業や会計事務所、税理士法人などでは通年採用に応募するのが一般的です。
一般企業の場合
公認会計士を目指す学生にとって、一般企業への就職は柔軟な選択肢となっています。
従来は大学最終年度の3月から企業の採用活動が本格化していましたが、近年では通年採用を導入する企業も増えてきました。
企業は自社のニーズに合わせて随時募集と選考を行えるため、学生も時期を選ばずに応募できるようになりました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響で政府から卒業後3年以内の者を新卒と同等に扱うよう企業に要請されたことで、卒業直後に就職できなかった学生でも公認会計士への道が開かれています。
公認会計士合格のために就活しないのはアリ?
公認会計士の資格取得に専念するため就職活動を後回しにする選択肢は検討に値します。
資格を取得すれば、就職に有利に働く可能性があります。高度な専門職への道を拓くこともできるでしょう。
しかし、最も重要なのは選んだ道が自分の目指す方向と合致しているかどうかです。公認会計士の資格を活かせる分野を明確にし、なぜその資格が必要なのかをはっきりさせる必要があります。
企業が求めているのは資格だけでなく、実践的な経験や知識、能力も重視されます。企業によっては資格よりも実務経験を重視することもあります。
そのため、ただ資格取得を目指すのではなく、自らのキャリアプランに最も適合する選択をすることが重要です。
就職を有利に進めるコツ
面接対策を行う
公認会計士として就職するためには、面接対策が非常に重要です。
公認会計士試験に合格した多くの受験生は社会人経験が乏しい大学生であるため、企業向けの面接に慣れていません。
そのため、自分の長所や経験を効果的にアピールできるよう、様々な質問に対応できる準備をする必要があります。
この過程で自己分析を深め、自信を持って自己PRができるようになります。
さらには面接官の立場に立ち、求められている人物像に合わせた自己PRを心がけることが大切です。
公認会計士試験の合格だけでなく、即戦力となる資質をアピールできる適切な面接対策を行うことが、他の候補者に先んじて就職に成功する秘訣となります。
公認会計士の資格だけではダメ?
公認会計士の資格は非常に重要ですが、それだけでは不十分な場合があります。
コンサルティングファームなどでは、クライアントとのコミュニケーション能力も求められます。過去に対話や交渉の経験があれば、それをアピールすることができます。
また、語学力やMBA、CFAなどの資格も重要な要素となり得ます。複数の資格を併せ持つことで希少性の高い人材であることをアピールすることができます。
PCの資格を取る
監査法人などの職場では、PCを活用することが欠かせません。
そのため事前にPC関連の資格を取得しておくと、自己PRの良い材料となります。PC関連の資格は、技術や知識を常に学び続ける姿勢を示すものです。
この姿勢により入社意欲はもちろん、新しい業務にも柔軟に対応できる適応力を採用担当者に伝えられるため、魅力的な要素となります。
さらに、PC資格やスキルを身につけることで自身の市場価値も高まります。これは他の候補者との差別化を図る上で有利になります。
公認会計士をとって就職できないということはない
公認会計士は資格取得が難しく専門的な分野であるため、常に大きな需要があり、就職に困ることはないはずです。
それでは、なぜ就職が難しいという話が出てくるのでしょうか。
公認会計士が就職できないというデマが広まったワケ
かつての就職難からのトラウマ
公認会計士の就職は現在安定しており、就職難という誤解は過去のできごとに基づく誤った認識にすぎません。
数十年前の政策の影響で一時期合格者が大幅に増加し、監査法人への就職が非常に難しくなりました。
この経験からトラウマが残り、今日でも就職難のデマが囁かれていますが、現状では需給バランスが適切に保たれており就職に困ることはほとんどありません。
「大手には」就職できない可能性
公認会計士の就職に関する誤解は、理想的な職場への就職が難しいという事実からも生まれているようです。
公認会計士を目指す多くの人が、知名度や収入面で魅力的な大手監査法人への就職を望んでいます。しかし、それらの人気企業への採用枠は限られているため、必ずしも全ての公認会計士が希望する職場に就職できるわけではありません。
これは公認会計士に限らず、就職をする際には一般的な事実であるものの、「公認会計士は就職できない」という誤った言い方で広まっているのが現状です。
実際には、公認会計士資格を持っていれば様々な企業や機関で活躍する機会があり、どの企業にも就職できないという状態にはなり得ないでしょう。
就職失敗のリスクを回避するには
候補先は幅広く持つ
就職活動や転職においては、人気企業に固執するのではなく幅広い選択肢を持つことが重要です。一つの企業に絞り込みすぎると、採用されなかった場合に自己価値を見失いがちです。
そのため、大手監査法人だけでなく、中小の監査法人や自分が知らない企業も積極的に探索するべきです。
事実、公認会計士にとって最良の場所は大手だけとは限りません。中小の監査法人やその他の分野でも、十分にキャリアを積むことができます。
公認会計士が有利になる職場を選ぶ
公認会計士の資格を最大限に活かすには、その専門性が生かせる職場を選ぶことが重要です。
監査法人などの会計や経営に関わる分野では、公認会計士の高度な知識と経験が求められ、独自の価値を発揮できます。
一方で、会計知識があまり必要とされない職種や会計とは無関係な分野では、その資格の優位性を発揮しづらくなります。
公認会計士の資格は非常に価値が高いものの、それを最大限に活かせるかどうかはあなたが選ぶ職場次第なのです。
公認会計士に人気の就職先
公認会計士の就職先として最も一般的なものは監査法人です。
監査法人への就職率は実に9割と、非常に多くの資格取得者のキャリアパスであることがわかります。
監査法人への就職率は9割
公認会計士は、企業の財務状況を公正に評価し報告する重要な役割を担っています。彼らの多くは監査法人で働き、企業の財務諸表が会計基準に従って適切に作成されているかを確認する「監査」業務を行っています。また、経営アドバイスを提供する「アドバイザリー」業務も行います。
監査は公認会計士の専門分野であり、企業の経済活動を公平な立場から監視する重要な役割があります。監査法人は規模によって、世界的な大手から国内の中堅・中小まで様々です。それぞれの業務内容や働き方は異なります。
公認会計士の約9割が監査法人に就職するのは、公認会計士になるための「実務経験」を積む必要があるためです。つまり、監査証明業務の実践的な経験を監査法人で得ることが、公認会計士として認定されるための絶好の機会となるのです。
コンサルティングファーム
コンサルティングファームは、企業の様々な課題に対して専門的な知見に基づく戦略的アドバイスを提供しています。サービス範囲は多岐にわたり、会計、人事、ITなど幅広い領域を担当しています。各ファームは独自の強みを持ち、サービス内容や対応案件は異なります。
公認会計士にとって人気の分野は、金融・財務、企業戦略、税務、企業再生など、会計関連領域を専門とするコンサルティングファームです。こうした分野では、専門知識と経験を活かし、担当企業の成功を導く力が求められます。
また、公認会計士が監査法人で経験を積んだ後、会計系コンサルティングファームに転職するケースが多く見られます。この経歴を通じて、深い専門知識と豊富な実務経験を身につけ、複雑な課題解決に取り組む力を養うことができます。
税理士法人
税に関する専門的な知識と経験が求められる公認会計士にとって、税理士法人は魅力的な選択肢となります。
税理士法人では、企業や個人の顧客に対して、税金計算や確定申告の支援をはじめ、税務全般に関するアドバイスを行います。財務状況の分析や税務対策の提案など、会計士としての専門性を発揮できる分野が多岐にわたります。
また、税法と会計の知識を組み合わせたスキルを活かせるため、総合的な能力の向上が期待できます。
特に、監査業務よりも積極的に税務業務に関与したいと考える公認会計士には、税理士法人はキャリアアップの有望な選択肢となるでしょう。
公認会計士事務所
公認会計士は、監査法人で実務経験を積んだ後、独立して自らの事務所を開業することができます。
事務所を持つメリットは、業務のペースやクライアントとの関係性を自分でコントロールできることです。
事務所では、監査、会計、コンサルティングなどの業務が中心となります。さらに税理士の資格も取得すれば、税務業務の範囲も広がります。
ただし、事業を立ち上げるには営業力やコミュニケーション力が必要不可欠です。事業が成長すれば、優秀なスタッフの確保やマネジメント能力も求められます。
一般企業
公認会計士は、大手企業や特定業種の企業で、財務諸表作成、内部監査、予算管理、財務分析など、企業の財務健全性を維持するための幅広い業務を担っています。
また、企業の経営戦略にも深く関与することがあり、事業の成長に伴い重要な役職に就任する機会も少なくありません。
実績のある公認会計士は、経理・財務の上級マネージャーやCFOとして採用されることもあり、専門性と経験が高く評価されます。
公認会計士の年収・キャリア
公認会計士を目指す人の多くが、公認会計士の年収やキャリアに興味があることでしょう。
ここでは、公認会計士の年収の相場や、キャリアパスについて紹介します。
公認会計士の年収は?
公認会計士の年収は、活動の場所や役職によって大きく異なります。
以下の表は、監査法人で働いた場合の年収目安です。
役職 | 勤続年数 | 年収 |
---|---|---|
スタッフ | 入社直後 | 500万円 |
シニア | 3~4年 | 700万円 |
マネージャー | 8年 | 900万円~1,000万円 |
パートナー | 15年 | 1,500万円以上 |
以下の表は、コンサルティングファームで働いた場合の年収目安です。
役職 | 勤続年数 | 年収の目安 |
---|---|---|
アソシエイト | 入社直後 | 700万円~900万円 |
シニアアソシエイト | 3~5年 | 1,000万円~1,500万円 |
マネージャー | - | 1,500万円~2,000万円 |
パートナー | - | 2,000万円以上 |
また、自身の事務所を開業すれば、経営者としてより高い水準の収入が期待できる一方でリスクも高くなります。
さらに、公認会計士になるための実務経験を積む段階では、400万円〜500万円程度が見込まれます。
公認会計士のキャリア構築
公認会計士の資格を持つ専門家には、様々な選択肢があります。
多くの場合、最初は監査法人に所属し、経験を積む傍ら将来のパートナーを目指します。
その後、得意分野や目標に合わせて、企業の経理部門、会計事務所、コンサルティングファーム、ベンチャー企業のCFOなどへ転身することも可能です。
企業の経理職やCFOは、プライベートの時間を重視する人や、チームワークを大切にする人に適しています。一方で自分の能力を試し、スキルアップを望む場合は、会計事務所やコンサルティングファームが適しているでしょう。
監査法人内でのキャリアを選んだ場合でも、大手と中堅の法人を行き来することで、昇進や給与アップのチャンスがあります。
最終的には、個人のライフスタイルや目標に基づいて、最適な選択をすることになります。
公認会計士の一般企業での働き方
監査法人で勤務経験を積んだ公認会計士が、転職先として多く選ぶのが一般企業です。
一般企業の経理・財務部門や内部監査部門などで、高度な会計知識を生かした仕事ができるでしょう。公認会計士の中には、最高財務責任者(CFO)として経営に携わる方もいます。
大手企業では社内に公認会計士を配置していることがあり、企業の内部から会計業務に関わりたい人にとって、検討すべき就職先だと言えます。
ただし、採用されるのは経験豊富な人が多い点や、監査法人とは働き方が大きく異なる点は留意する必要があります。
一般企業に転職するメリット
同業他社に再転職しやすい
監査法人から一般企業に転職することは、その後の再転職活動を有利に進められるというメリットがあります。
なぜなら、未経験の業界に身を置くことで新たな人脈ができ、監査業務以外の経験が次の転職時の強みになるからです。
監査法人にずっと所属していれば、監査業務に精通するだけで、別の監査法人への転職は可能でも監査法人以外のキャリア選択肢は次第に狭くなってしまいます。
一般企業への転職の機会を持ち、多様な経験を積むことで将来のキャリアプランの幅を広げることができるのです。
価値観や視野が広くなる
一般企業への転職は視野を広げ、人脈を拡大する良い機会となります。
監査法人では、同じ専門知識を持つ仲間と過ごすため、必然的に似通った考え方になりがちです。
一方、異なる背景を持つ人々と働く一般企業では、新鮮な発想に出会えます。さまざまな刺激を受けることができ、自身の価値観や視野が広がるでしょう。
ワークライフバランスが整う
監査法人と比べると、一般企業では残業が少なく、プライベートな時間を確保しやすい環境があります。
監査法人では、決算期になると長時間労働が避けられず、趣味や家族との時間を作ることが難しくなりがちです。
一方、一般企業に勤める公認会計士は、業務内容が安定しているため残業や休日出勤の必要性が低く、ワークライフバランスを保ちやすくなります。
プライベートと仕事の両立を重視する方には、一般企業での働き方が理想的な選択肢となるでしょう。
一般企業に転職するデメリット
年収が下がる
転職を検討する公認会計士は、年収面で監査法人の方が有利であることを認識する必要があります。
監査法人では、若手から年収500万円以上が一般的で、シニアになれば1000万円近くになることもあります。
これは同年代の平均的な年収よりも高い水準であるため、一般企業へ転職する際は年収が下がってしまう場合がほとんどとなるでしょう。
会社内で同業種の仲間が少ない
一般企業では、監査法人に比べて同業者が少ない場合がほとんどです。
監査法人では同じ目的意識と知識を持つ仲間が多く、密なコミュニケーションで業務を進められます。
一方、一般企業では同業者が少ないため、専門知識の共有や適切な判断が難しくなる可能性があります。
また、専門知識を共有できる同僚がいないため、スムーズなコミュニケーションも取りにくくなります。
転勤や異動のリスクが高まる
一般企業では、監査法人とは異なり転勤や部署異動が行われます。そのため、監査法人と比べ安定性には欠けると言えます。
監査法人では希望者のみが対象となるため専門性を活かした業務に従事できますが、一般企業ではジョブローテーションの観点から、会計や財務以外の業務に就く場合もあります。
また、勤務地の変更を伴う場合もあり、一定の地域に留まりたい方にとってはデメリットとなります。
公認会計士になるまでの流れ
公認会計士の資格は、単に公認会計士試験に合格しただけでは取得できません。
試験に合格したうえで、3年以上の実務経験と実務補修(必修単位の取得と修了考査の合格)を経て、登録手続きを行わなければなりません。
そのため、長期的な視野に立って資格取得の計画を立てる必要があります。
そして、長い年月をかけて資格取得に至るわけですから、実務経験と実務補修の過程であらかじめ転職先の候補を見つけておくことが重要になってきます。
公認会計士試験に合格する
公認会計士を目指すには年齢や学歴は問われませんが、難関の試験に合格するためには長期的な準備が必要不可欠です。
そのため、大学1年次から試験対策を始めることが最も賢明な選択肢となります。
この時期に基礎簿記を習得し、短答式試験に合格した上で、論文式試験の準備に約1年半をかけることができます。
実際、公認会計士協会のアンケートでも最も多くの人が「大学1年生までの時期」に公認会計士を目指し始めていました。
自力で合格するのは難しいため、資格スクールの利用が推奨されています。早期からの計画的な対策が、この難関資格取得への近道となるのです。
就職する
公認会計士試験に合格した多くの人は、監査法人に就職して監査トレーニーとして実務経験を積むことを選びます。
監査トレーニーとして働くことで、公認会計士としての実践的な能力を磨くことができるためです。
一部の人は一般企業に就職しますが、監査法人で独自の監査経験を積めば、公認会計士登録の要件を確実に満たせます。そのため、合格者の大多数が監査法人への就職を選んでいます。
監査法人の採用活動は、合格発表後に行われます。合格者はその後の進路を決められる状態になり、公認会計士を目指す道を歩み始めることができます。
業務補助
業務補助とは、公認会計士が所属する監査法人や会計事務所などの組織で行う業務をサポートする役割です。
この業務補助に従事する必要期間は3年間で、公認会計士試験に合格する前後は問いません。つまり、試験に合格した時点で業務補助の期間が3年に満たない場合は、3年を満たすまで続ける必要があります。
通常、公認会計士は所属する事務所で3年以上常勤で働きますが、業務補助はそうした形式に限定されません。
公認会計士が他の業種で3年以上従事することでも業務補助の条件を満たせます。公認会計士の業務は多岐にわたるため、それぞれに対応した様々な業務補助の形態が認められています。
原則3年の実務補習
公認会計士としての実践的な能力を磨くための重要な過程が「実務補習」です。
この3年間のプログラムでは、講義、オンライン学習、ディスカッション、宿泊研修、実地演習など多様な学習方法を通じて、監査、税務、IT活用など応用的な知識と技能を身につけていきます。
また、課題研究を6回行うことで、公認会計士としての倫理観や業務遂行能力を深めていきます。
さらに、所定の単位取得と修了考査合格が求められ、期間内に要件を満たせない場合は継続して実務補習を受講することになります。
修了考査
公認会計士を目指す人にとって、修了考査は資格取得への重要なステップです。
この試験は、3年間の実務経験と実務補修を経た後に受験でき、合格率は約70%と高めですが不合格者も一定数出ます。
修了考査は毎年12月の第2週の土日に行われ、「会計」、「監査」、「税」、「経営」、「法規・職業倫理」の5科目から成ります。
試験時間は科目によって異なり、合計12時間にもなります。受験願書は10月中旬から下旬に公開され、期限内に提出する必要があります。
監査法人で働く場合、修了考査直前の約10日間は休暇が認められることが一般的です。
有給休暇を含めると、3~4週間の準備期間が確保できます。ただし、クライアントの決算期と重なる場合は休暇が取れないこともあり、個々の状況を踏まえた対策が求められます。
不合格であったとしても監査法人での業務には大きな支障はありませんが、主査への昇進や開業などにおいて制約が生じる可能性があります。
公認会計士の就職先まとめ
今回は、公認会計士の就職について解説しました。
公認会計士の就職先としては監査法人が9割を占めますが、幅広い選択肢があります。個人のライフスタイルに合わせて一般企業への就職を考えてみるのも良いでしょう。
また、就職先によって就職スケジュールは大きく異なるため、事前に流れをよく確認しておきましょう。
この記事を活かして、公認会計士のキャリアについての知識を深め、あなたに合った就職先を見つけてみてください。