公認会計士になるために必要な勉強時間は?難易度や試験内容を詳しく解説

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公認会計士への道のりは決して平坦ではなく、高度な専門知識と優れた実力が求められるため、相当な時間と労力を要します。

この記事では、目標達成に向けた具体的な学習量や、試験の難易度と内容について詳しく解説します。

公認会計士を目指す方にとって役立つ情報が詰まっているため、ぜひ参考にしてください。

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公認会計士になるにはどれくらいの勉強時間が必要?

かなり高難易度とされる公認会計士ですが、実際にはどれほどの勉強時間が必要なのでしょうか。

以下では、実際の調査で見えてきた、公認会計士の勉強時間について解説していきます。

公認会計士の勉強時間

平均勉強時間は4000時間

公認会計士の資格取得には膨大な勉強時間が必要とされ、一般的に4000時間以上と言われています。

税理士の勉強時間が最低3000時間とされるのに比べ、公認会計士はさらに多くの時間が求められます。

一方で、弁護士の平均勉強時間は6000時間以上と言われており、それに比べると難易度は低めとなっています。

スキルアップ研究所の独自調査によると、公認会計士になるために必要な勉強時間は以下のようになっています。

勉強時間

回答数

2000時間未満

2

2000~4000時間

2

4000~6000時間

1

6000時間以上

1

このように、勉強時間には個人差が大きいことがわかります。勉強時間のみではなく、自分の弱点の把握や対処法の模索も重要となっていくでしょう。

一般的に合格までに2年以上かかる

公認会計士の資格取得までには、合格までに少なくとも2年以上の時間を要すると言われています。

つまり、毎日少なくとも5時間半以上も勉強する必要がなります。このような長期間の学習は、専門知識を深く身につけるための過程であり、さらに時間をかける人も多くいます。

スキルアップ研究所の調査によると、合格までの学習期間は以下のようになっています。

学習時間

回答数

半年未満

2

6~12カ月

0

1~2年

0

2~3年

3

3~4年

1

4年以上

0

合格までの期間は個人差がありますが、一定の時間を投資することが不可欠だということがうかがえます。

公認会計士の合格率は低い

公認会計士試験は、国家資格の中でも合格率が極めて低く、その難易度は非常に高いと言われています。

以下が、近年5年間の合格率となっています。

年度

合格率

2023年

7.6%

2022年

7.7%

2021年

9.6%

2020年

10.1%

2019年

10.7%

参考|金融庁『令和5年公認会計士試験合格者調

上の表からわかるように、合格率は10%近くと低くなっており、難易度が高いことがうかがえます。

豊富な知識と高度な技術を身につける必要があり、長期間の勉強時間が求められる大変難しい資格となっています。

それだけの勉強時間の価値はある

公認会計士の資格取得には長い時間と労力が必要とされますが、その価値は間違いなくあります。

この資格は、企業の経営や財務の可視化、税務対策や経営戦略の策定をサポートできるため、様々な分野で活躍できます。

また、高収入も期待でき仕事とプライベートとの両立も可能です。

社会的地位も高く将来性とニーズに恵まれているため、安定したキャリアを築くことができるでしょう。

属性ごとの目安勉強時間を紹介

勉強に費やす適切な時間は、個人の属性、学びたい教科、目標などによって大きく異なります。また、置かれている環境によっても、必要な勉強時間は当然変わってきます。

以下では、それぞれに必要な目安の勉強時間を説明していきます。

学生の場合

学生の場合は、約1.5年から2年を見込んでおくと良いでしょう。

時間をかけて着実に学習を進めることをおすすめしますが、個人の状況によって異なるのが現状です。大学生活では、授業や課題に加えて、サークル活動やアルバイトなど様々な活動を両立させる必要があります。そのため、効率的な時間管理が求められます。

優先順位を明確にし、どの科目や分野に集中すべきかを把握しておきましょう。また、現実的な目標を立て、それを達成するための計画的な学習が重要となります。

社会人の場合

社会人の場合は、2年から3年を見込んでおくと良いでしょう。

社会人として働きながら学習を続けるのはかなり大変ですが、仕事の合間や退社後の自宅などで、小まめに学習する機会を作ることが求められます。

そのために、具体的な勉強計画を立てることをおすすめします。長期プランを立てておくことで、規則的な学習時間が取れない状況でもコツコツと学習を進めることができるのです。

勉強時間を確保できる場合

勉強時間を確保できる場合は、1年から1.5年を見込んでおくと良いでしょう。

勉強に集中できる時間を最大限に活用するには、次の2点が大切になります。

まず、自分のモチベーションを常に高め続けることです。毎日コツコツと勉強を続けるための意欲を保つことが不可欠です。

加えて、具体的な学習計画を立てましょう。科目ごとに勉強時間を割り振り、優先順位をつけるなどして、時間を無駄にせず効率的に使いましょう。

公認会計士の難易度が高い理由3選

公認会計の難易度が高い理由

公認会計士は、極めて難易度が高いことで知られています。

本章では、その理由を3つ紹介していきます。

試験の出題範囲が広く対策が困難

公認会計士の試験は、広範な出題範囲と多様な試験形式により、高い難易度を誇っています。

短答式と論文式の2つの試験では、異なる対策が必要とされます。論文式試験では選択科目があり高度な専門知識が問われるため、学習範囲が広くなっています。

短答式試験

短答式試験は、年に2回実施されています。

択一式のマークシート方式で、出題範囲が非常に広範囲にわたります。

科目は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4つで、時間と配点が異なります。財務会計論が最も配点が高く120分で200点、他の3科目は60分で100点となっています。

合格基準は、4科目の総点の70%が目安となっています。

特に財務会計論の学習範囲が広いことから、この試験が公認会計士試験全体の難易度を左右する大きな要因であることがわかります。

論文式試験

論文式試験は、毎年8月に実施されており、幅広い分野の専門知識や、深い理解と洞察力が求められます。

試験内容には租税法や選択科目も含まれ、法令の細かい理解や実践的な視点が必要とされます。

合格基準は相対評価で決まり、偏差値52程度が合格ラインとなります。

相対評価の試験のため合格ラインが不明

公認会計士試験は、相対評価方式を採用しているため、合格基準が明確に定められていません。合格ラインは受験者全体の成績によって変動しています。

競争相手が見えないため、常に全力で勉強に取り組み、他の受験生と比べて自分を高みに引き上げる努力が必要とされます。

非常に長い勉強時間が必要

公認会計士の資格取得は、長期にわたる勉強が必要とされ、その過程が試験の難易度の高さを物語っています。

推奨される学習時間は2,500時間から3,500時間と膨大で、1日5時間の学習でも最低500日以上が必要となります。そのため、1年半から2年の準備期間が一般的に見込まれています。

しかし、多くの受験生が1回目で合格するわけではありません。2回、3回と挑戦を重ね、各試験で得た経験と知識を積み重ねてようやく合格に至ります。

その場合、学習時間は5,000時間を超えることもあるのが現状です。

しかし、独学の場合はもっと時間がかかることが予想されるため、資格専門学校への通学をおすすめします。

公認会計士試験に合格するメリット3選

公認会計士のメリット

公認会計士の資格を取得するには大変な努力を要しますが、その努力に見合った大きなメリットがあります。

本章では、公認会計士に合格するメリットを3つ紹介していきます。

社会的な信用度が高い

公認会計士は高度な専門性を持っているため、その資格を有することで社会的な信用度が高まります。

個人の人材としての価値は肩書きだけで測れないですが、年齢を重ねるにつれ社会的地位や立場で判断される場面が多くなります。

住宅ローンの申請やクレジットカード審査などの信用度が問われる場面では、審査がスムーズに通過するなど、公認会計士としての立場が有利に働くでしょう。

給与が日本の平均よりも高い

公認会計士の資格取得は、収入面での大きなメリットがあります。

初任給から一般的な就職市場と比べて高額なのが特徴です。平均年収も、全体の労働者は443万円なのに対し、公認会計士の年収はその約1.5倍にあたる648万円と高水準となっています。

さらに、収入の幅は広く、一部では1,155万円以上の高収入者もいます。

参考|国税庁『民間給与実態統計調査』

多種多様なキャリアプランが選択できる

公認会計士の資格を持つと、キャリアの選択肢が広がります。

高収入と社会的地位を得られるほか、その安定性も魅力的となっています。その理由は、公認会計士の主要な業務である法廷監査が、法的に義務付けられているからです。

また、公認会計士の肩書は、キャリアチェンジや独立を目指す際に大きな強みとなり、この資格があれば職に困ることはないだろうと期待できます。

公認会計士の出題内容

公認会計士試験は、幅広い専門知識と高度な判断力が問われる難関試験です。

そのため、試験範囲を理解し各分野の難易度を把握することで、合格への道筋が見えてくるはずです。

本章では、公認会計士の出題内容について説明していきます。

試験範囲の全体の概要

試験は短答式と論文式の2つの形式に分かれており、合わせて9科目を学習する必要があります。

これら2つの形式は異なる範囲から出題されるため、それぞれの試験に適した、計画的かつ入念な学習が求められます。

次に、具体的な出題範囲と効率的な学習法について説明します。

短答式試験の科目別勉強時間と試験範囲

公認会計士試験の短答式試験を受験するには、科目ごとに適切な学習時間と範囲を把握することが重要です。

ここでは、短答式試験の科目別勉強時間と試験範囲について説明していきます。

財務会計論

財務会計論の試験範囲は幅広くなっているので、600時間から750時間程度の学習時間が目安とされています。

出題範囲は主に簿記、財務諸表論、会計理論の3つが中心となります。特に、簿記に関する問題が全体の30%以上を占めるため、簿記2級レベルの内容が得点源となります。

管理会計論

管理会計論では、原価計算や管理会計に関する幅広い知識と理解が求められます。そして、およそ300時間の勉強時間が目安とされています。

財務会計論との関連性も深く、両者を並行して学ぶことでより確実な理解ができるようになります。

また、簿記の知識も問われるため、会計事案への適用力も身に付ける必要があります。特に、原価管理基準に関する出題が多いため、この分野への重点的な学習が必要です。

監査論

監査論では、財務諸表監査や内部統制監査などの理論と実務を深く理解し、実践的な視点を持つことが求められます。

学習時間は170〜200時間程度が目安とされ、この時間を有効活用して十分な知識を身につけることが求められます。

監査論は、理論問題の出題しかないため、問題集や模試を繰り返し、得意な出題形式を把握して確実に得点につなげることが鍵となります。

企業法

企業法では、会社法や商法、金融商品取引法、監査を受けるべき組織に関する法が出題範囲となります。また、学習時間の目安は300時間から400時間と言われています。

範囲が広いため全体を学習するには相当の時間を要し、特に短答式試験の中では、最も時間がかかる科目とされています。

一方、知識問題が中心なので、学習を進めるにつれて得点が安定する傾向があります。

論文式試験の科目別勉強時間と試験範囲

公認会計士試験の論文式試験は極めて難易度が高いと言われています。

各科目の範囲と必要な学習時間を以下で説明していきます。

会計学(財務会計論)

会計学(財務会計論)の試験範囲は、簿記・財務諸表論・会計に関する理論です。約265時間の勉強時間が目安とされています。

論文式試験では、計算問題と理論問題が出題されます。理論問題は、問題文の読解力が求められるため十分な対策が必要不可欠です。

理論問題は、短答式試験よりも深い知識と理解力が求められ、広範囲から絞り込んだ解答が求められる傾向があります。

会計学(管理会計論)

会計学(管理会計論)は、原価計算や管理会計に関する幅広い知識が求められます。この科目の学習には約125時間の時間を要すると言われています。

出題内容は、短答式試験の計算問題や理論問題を論述形式で解答するものなので、短答式の対策ができれば無理なく対応できるでしょう。

監査論

監査論の論文式試験は、理論問題の回答を記述式で求められます。

この科目では、財務諸表監査や内部統制監査などの理論と実務が範囲に含まれ、約135時間の学習時間が必要とされています。

監査論の学習量自体は大きくありませんが、理論の深い理解と正確な表現力が重要となります。

企業法

企業法の試験範囲は、会社法や商法、金融商品取引法、監査を受けるべき組織に関する法律などが含まれます。

企業法の学習には185時間程度の時間が必要だとされており、理論を理解するだけでなく、それらを適切に説明することが求められます。

特に法的な理論では特有の言葉遣いがあるため、理論を繰り返し書いて自分なりの説明ができるレベルまで練習を重ねることが大切です。

租税法

租税法では、法人税法や所得税法、消費税法など、租税に関する実体法を主な内容としており、出題範囲が非常に広範囲に及びます。

そのため、論述式試験全体の中でも、この科目のボリュームが最も多いと評価されています。

租税法をしっかりと理解するためには、約330時間もの学習時間が必要とされ、他の科目に比べて格段に長い時間を要することが知られています。

選択科目(経営学)

経営学では、経営管理と財務管理の2つが試験範囲となっています。

約180時間の学習時間が目安とされており、試験問題は計算問題と理論問題が組み合わされた形式です。

内容のボリュームは他の選択科目に比べて多くはありませんが、計算問題と理論問題が組み合わされている点に注意しましょう。

独学で合格するための勉強方法

ここまで、それぞれの試験範囲について説明してきましたが、実際に合格するためにはどのような勉強法をすればよいのでしょうか。

本章では、独学で合格するための勉強方法について解説していきます。

まずは勉強計画を立てよう

独学で合格を目指す際、まず初めに勉強計画を立てましょう。

試験までの期間は人それぞれ異なり、数ヶ月ある人もいれば数週間しかない人もいます。その状況を踏まえ、1日どれくらい勉強するか、全体でどのくらいの期間を設定するかを自分で判断する必要があります。

勉強法には大きく分けて、「基礎知識を学ぶ入門期」と「過去問題で実践する演習期」があります。目安としては、入門期で1日約6時間、演習期で1日約9時間の勉強時間が適切です。

このように、それぞれの段階での適切な時間配分を理解し、自分に合わせて調整することが重要です。

各科目の勉強時間の配分に注意する

公認会計士試験は、広範囲にわたる科目を扱うため、効率的な学習時間の確保が重要となります。

特に財務会計論は配点が高く内容が深いため、学習時間の3分の1以上を割く必要があります。一方で、苦手分野の克服にも十分な時間を確保し、全体のバランスを保つことが求められます。

自分の得意不得意に合わせて学習時間を調整することが、公認会計士試験合格への一歩となるでしょう。

しかし独学での合格は難しい

独学での合格は決して不可能ではありませんが、非常に厳しいものとなります。

独学のメリットは、自分のペースで学習できる点や時間を自由に使えることにあり、自分なりの勉強スタイルを確立できる点で魅力的に映るでしょう。

しかし、デメリットも大きいのが現実です。まず、自分を奮い立たせ続けるモチベーションの維持が難しくなります。分からないことはすぐに質問できず、自力で理解を深めなければなりません。

独学で合格する人の割合

公認会計士試験は、合格率が約10%と極めて難しい試験として知られています。中でも、独学で受験する人の合格率は1%以下と予想されており、さらに低い水準にあります。

これは試験の難易度の高さだけでなく、評価方法にも理由があります。

公認会計士試験では受験者全体を相対的に評価するため、予備校などで専門的な対策を受けた受験者と比べて高い点数を取る必要があります。

また、予備校などでは質の高い学習環境が整備されていたり、専門家による指導や機材の利用、他の受験生との情報共有があったりするなど、独学では得られない恵まれた環境があります。

他の資格との業務と試験の比較

税理士資格を取得すると業務の幅が広がる

税理士と公認会計士の両方の資格を持つことで、専門性を生かしながら幅広いサービスを提供できるという強みがあります。

具体的には、税務代理や税務書類の作成を同時におこなえるようになります。

会計と税務は密接に関連しているため、両方の知識を兼ね備えることで付加価値の高いアドバイスが可能となるのです。

公認会計士試験と税理士試験の科目

公認会計士試験は、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目の短答式試験と、会計学、監査論、租税法、企業法、経営学や経済学、民法、統計学から選択する1科目の論文式試験から構成される、全9科目の試験です。

一方、税理士試験は簿記論、財務諸表論の2科目と税法から選ぶ3科目の合計5科目の試験です。

税理士試験は各科目を個別に受験できるため、まとまった勉強時間をとれない人におすすめの試験と言えます。

公認会計士試験と税理士試験の合格率

公認会計士試験と税理士試験の合格率を比較すると、令和3年度の公認会計士試験の合格率は9.6%に対し、税理士試験は18.8%と約2倍の高さとなっています。

しかし、合格率は一つの指標に過ぎず、試験の難易度を測る唯一の基準ではありません。

ですが、これらの数字から言えることは、公認会計士試験と税理士試験はいずれも高度な専門性が求められる難関試験であり、その高い難易度が専門家としての信頼性を裏付けているということです。

参考|公認会計士・監査審査会『令和3年公認会計士試験の合格発表の概要について

公認会計士試験と税理士試験の勉強時間

公認会計士試験に合格するには、2,500時間から3,500時間程度の勉強時間が必要とされています。

一方で、税理士試験に合格するには、さらに長い約4,000時間の学習時間が一般的だと言われています。

USCPA(米国公認会計士)を取得するとグローバルに活躍できる

USCPAは米国の公認会計士資格であり、取得することにより多くのメリットが得られます。

最大のメリットは、高い英語力を証明でき、グローバル案件に携わる機会が増えることです。ビジネスがグローバル化する現代において、国際的な視野を持つことは不可欠です。

また、グローバル案件は国内案件よりも高い報酬が期待できます。長期的な視点に立てば、USCPAの取得は収入アップにつながる重要な機会となるのです。

公認会計士とUSCPAの合格者数と合格率

USCPAの年間合格者数は世界で約1万人と多数に上りますが、公認会計士は1,000人から1,300人程度にとどまっています。

合格率でも、USCPAは2019年に41.2%と比較的高い水準にあるのに対し、公認会計士は2021年で9.6%と非常に低くなっています。

この違いは、両試験の目的や合格基準の違いによるものです。

公認会計士試験は高度な知識を求めますが、USCPAは実務能力の向上を目指し、一定の基準を全員が満たせば全員が合格できる仕組みになっているためです。

公認会計士とUSCPAの勉強時間

USCPAの試験では、約1,200~1,500時間の勉強時間があれば、効率的な学習により合格できる可能性が高まります

一方、公認会計士試験は2,500~3,500時間と、USCPAの試験の2倍以上の勉強時間が必要とされています。

このように、USCPAの方が勉強時間が少なく済むため、時間の制約がある社会人にとってはUSCPAの資格取得が適していると言えます。

公認会計士とUSCPAの活動地域

公認会計士とUSCPAの活動地域は大きく異なっています。

日本の公認会計士は主に国内での活動が中心となります。一方、米国公認会計士(USCPA)の場合は活動の場は国外にも広がっており、アメリカはもちろん、日本やアジア、南米、ヨーロッパなども含まれます。

USCPAの資格取得者のうち、約4割が伝統的な監査法人に就職しますが、残りの6割はさまざまな分野で活躍しています。

一般企業での経理・財務・企画業務、外資系企業やコンサルティングファームへの就職など、幅広いキャリアパスが開かれています。

公認会計士とUSCPAの受験者層

米国公認会計士(USCPA)の受験生は、実務経験を積んだ社会人が多く、平均年齢は約36歳となっています。

一方、日本の公認会計士受験生は学生が中心で、平均年齢は25歳前後です。学生時代に専門知識を身につけ、資格取得後に専門職に就く道を選ぶ人が多いためです。

このように、USCPAと公認会計士では、求められるスキルセットや経験が異なるため、受験者層に大きな違いがあります。

弁護士や行政書士とのダブルライセンスもおすすめ

弁護士の資格を持つと、企業法務や証券関連の訴訟など、高度な法律知識が求められる分野で力を発揮できます。これを強みとして独立開業の機会を増やすこともできるでしょう。

一方、行政書士の資格があれば、各種許可や認可の申請手続き、公的書類の作成など、行政と密接に関わる業務で専門性を活かせます。

両方の資格を持つことで、法律問題を多面的に捉えより総合的な解決策を提案できるようになります。

公認会計士の勉強時間まとめ

公認会計士試験は極めて難易度が高く、合格するには相当な努力が必要とされます。

一日平均4時間以上の勉強が求められますが、それでも最低ラインにすぎません。各科目について200時間から300時間以上の時間を費やし、総合問題にも400時間以上投じなければなりません。

公認会計士への道のりは決して平坦ではありませんが、挑戦することにこそ意義があります。

読んでいただきありがとうございました。本記事が参考になれば幸いです。