派遣保育士って正直どうなの?給与や待遇の仕組みと働くメリットを解説
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保育士として働くなかで、派遣という選択肢を考えたことはありませんか?
本記事では、派遣保育士として働くメリットや給与、待遇面での魅力について詳しくご紹介しています。
専門性を活かしながらよりよい条件で働きたい保育士の方々は、ぜひ一度目を通してみてください。
派遣保育士ってどういう働き方?
本章では、保育の現場での様々な雇用形態について説明します。
自分に合った働き方を選ぶことで、より良い職場環境を手に入れられるかもしれません。
正社員・パート・アルバイトとの違い
派遣保育士は、正社員やパート、アルバイトと違い人材派遣会社に雇用され、その会社の取引先である保育園や幼稚園で勤務します。
実際に働く場所は保育施設ですが、給与の支払いや勤怠管理などは派遣会社が行います。
このため、保育士自身は保育業務に専念し、自己研鑽に集中することができるというメリットがあります。
一方で派遣契約は期限が決まっているため、将来が不安定になりがちな点がデメリットです。
派遣の種類
保育の現場で活躍する保育士には、一般派遣や登録派遣、紹介予定派遣などの様々な雇用形態があります。
登録型派遣
保育士として働きたい人には、登録型派遣が一般的な働き方です。
この形態では、まず自身の情報を人材派遣会社に登録し、派遣会社が保有する求人情報の中から自分に合った職場を選びます。
採用が決まれば、派遣社員として保育園に派遣されます。
登録型派遣のメリットは、派遣会社を通じて希望の勤務地や働き方を選べる点にあります。
無期雇用派遣
無期雇用派遣は、派遣会社と無期限の雇用契約を結び、派遣先での勤務期間に上限がない働き方です。つまり、最長で3年間を超えて働くことができます。
無期雇用派遣の大きな魅力は、一定期間後に派遣先の保育園から正社員として採用される可能性があることです。
派遣元と派遣先の双方が合意すれば、最長6ヶ月の試用期間を経て正社員登用のチャンスが与えられます。
しかし、無期雇用派遣の求人は多くなくデメリットと言えます。
紹介予定派遣
紹介予定派遣は、派遣保育士が一定期間派遣先の保育園で勤務した後、双方の合意によって正規職員として雇用される制度です。
紹介予定派遣は、事前に職場の環境を体験できることから双方にとってのリスクが少なくなります。
また、保育士が不足している現状では、即戦力となる人材を確保しやすくなるメリットもあります。
基本的には有期雇用である
派遣保育士は、基本的に有期雇用契約となります。
雇用期間は3ヶ月から1年程度で、人材派遣会社と保育園との協議により決まります。この契約期間は更新される場合もあります。しかし、2015年の派遣法改正により、同一の事業所で3年以上の長期間働き続けることは原則として認められなくなりました。
3年を超えて同じ事業所で働く場合、派遣会社は直接雇用の依頼、新たな派遣先の提案や無期雇用への転換の提案など、雇用の安定を図る措置を取ることが求められます。
派遣保育士の割合
スキルアップ研究所が行った調査から以下のような結果が明らかになりました。
この調査結果を見ると、保育士に転職した方の中で派遣社員は1名のみと少数であることがわかります。
この割合は他の雇用形態と比べて非常に低く、保育士として働く際に派遣社員という働き方が一般的ではないことが示唆されます。
保育士は、子どもたちや保護者との信頼関係を築くため、継続的な関わりが重視される職業です。
そのため、短期間の契約で入れ替わる可能性のある派遣社員よりも、安定的な正社員や長期雇用のパート・アルバイトが選ばれやすい傾向があるのかもしれません。
また、派遣社員の選択肢が少ないことは、保育施設側が職員の継続的な勤務を重視していることとも考えられます。
派遣保育士の給与条件や待遇を解説
派遣保育士の給与条件や待遇については、働く地域や業務内容、派遣会社によって違いがあります。
自分の生活スタイルに合った最適な働き方を見つけるため、複数の選択肢を比較してみましょう。
パートに比べると時給が高い
派遣保育士の待遇は、地域や施設の規模、経験値によって差がありますが、パートに比べると時給は高い傾向にあります。
現在の派遣保育士の相場時給は、1,200円から1,800円程度となっています。
厚生労働省の「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」によると、非常勤保育士の平均月収と年収は以下の通りになります。
私立保育園 | 公立保育園 | |
---|---|---|
平均月収 | 18.7万円 | 16.2万円 |
平均年収 | 225.3万円 | 195.4万円 |
参考:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果
非常勤保育士にはパートやアルバイトも含まれているので、派遣保育士のみを考えるとこれより高くなる可能性があります。
さらに、保育士のスキルや経験年数によって時給は大きく変動するため、ベテラン保育士はより高い時給を得られるかもしれません。
ボーナスは基本的にない
派遣保育士の給与は時間給制であり、労働した時間に応じて支払われるため、正社員のような固定給やボーナスは期待できません。
この給与体系は派遣やパート、アルバイトに共通しており、正社員との間で年収に差が生じる可能性があります。
派遣保育士を選択する際は、このような給与体系を十分に理解しておきましょう。
有休は取れる
派遣保育士でも年次有給休暇を取得することができます。
有給休暇の取得条件は派遣会社によって異なりますが、基本的には労働法に基づいた規定が設けられています。
休暇を取得する際には、派遣会社と保育施設の両方に事前通知が必要です。希望通りの休暇が取れない場合は、派遣会社に相談することも可能です。
また、契約期間が更新される場合でも有給休暇は継続して取得できますが、有給は2年で失効するため計画的に利用しましょう。
産休や育休も取れる
派遣保育士は、出産や育児のための休暇を取得することができます。
ただし、具体的な条件は派遣会社によって異なるため、詳しくは事前に確認しておきましょう。
産休は出産予定日の6週間前から取得可能で、出産後8週間は法律で労働が禁止されています。一方、育児休業は、開始予定日の1ヶ月前までに申請する必要があります。
産休や育休を経て育児休業を取得する場合も、期間中に手続きを忘れずに進めましょう。細かな条件は派遣会社ごとに異なるため、内容をよく確認しておくことが大切です。
社会保険は完備されている
派遣保育士は、契約期間が2ヶ月を超える場合に社会保険に加入できる可能性があります。
しかし、契約期間が2ヶ月を超えていなくても一定の条件を満たせば加入できる場合もあります。
具体的な条件として、週20時間以上の労働時間、月額賃金88,000円以上、勤務期間1年以上が挙げられます。
社会保険への加入有無は派遣先の待遇として重要なので、詳細は派遣会社に確認してみてください。
短時間の勤務は可能
派遣保育士の魅力は、働く時間を自由に決められる点にあります。
短時間勤務を希望する保育士の求人が多く、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方ができるのです。
子育て中の保育士にとっても、短時間勤務は家庭との両立がしやすく、離職していた保育士も復職しやすい環境が整っています。
実際に、派遣保育士では「早朝と夕方のみの2時間勤務」「週2〜3日の午前中のみ」「月2回の土曜日のみ」など、多様な短時間勤務スタイルが選ばれています。
扶養内で働ける
税金や社会保険料の支払いは、扶養に入るかどうかで異なり、働き方によっては損をする場合もあるため、「扶養内で働けるか」「扶養限度額を超えないか」を事前に確認することが重要です。
派遣保育士として扶養内で働くことは可能ですが、週5日フルタイムだとやはり制約がでてきます。
朝9時から13時までの短時間勤務や一部日数を減らすなど、ワークスケジュールに柔軟に対応できるようにすることで、扶養内で十分に働くことができます。
このように、自分のライフスタイルや家庭に合わせた働き方を選べば、扶養内での就労も現実的と言えます。
派遣保育士の働き方を紹介
「派遣保育士はどのように働いているのだろう?」と疑問に思う方もいることでしょう。
本章では、派遣保育士の仕事内容や1日のスケジュールなどについて詳しく説明します。
派遣保育士の仕事内容
派遣保育士の業務内容は保育園によって異なりますが、稀にクラス担任やカリキュラム策定などの重要な役割を与えられることがあります。
しかし、クラス担任を任されるなどの大きな責任を伴う業務に関わることが多いのは、フルタイムや紹介予定派遣の保育士です。
派遣保育士は、正社員の補助業務に従事するだけのこともあるため、重責を担うことが少なく業務負担が軽いと言えます。
1日のスケジュール
保育士のスケジュールには、様々なものがありますが、以下では派遣保育士の1日のスケジュール例を紹介します。
時間 | 業務内容 |
---|---|
8:30~ | 出勤 登園してきた子どもたちと遊ぶ |
9:30~ | 朝の会 |
10:00~ | クラスごとに遊ぶ (活動内容はお散歩、園庭で遊ぶ、工作をするなど様々) |
11:30~ | 手洗い、トイレを済ませたのちお昼ご飯 |
13:00~ | お昼寝の時間 |
15:00~ | おやつの時間、その後は自由時間 |
17:00~ | 片付けやお迎えなどを終えた後に退勤 |
朝から夕方まで、遊びや学び、お昼寝やおやつを通じて、子どもたちが安全で楽しい時間を過ごせるよう心掛けています。
ただ子どもたちを見守るだけでなく、彼らの成長を促すために多くの配慮が必要なため、かなりやりがいのある仕事となっています。
責任ある業務もできる場合がある
派遣保育士として働く際、一般的には期間限定の雇用形態と考えられがちですが、「紹介予定派遣」という働き方も選択肢の一つです。
この働き方では、派遣先の保育園が将来的に直接雇用してくれる可能性があります。
派遣保育士として勤務し、能力や適性が認められた場合には、正社員としての雇用が提案されることがあります。正社員になれば、クラス担任などのより責任を伴う業務にも携わることが可能です。
単に期間限定で働くのではなく、キャリアアップを視野に入れた長期的な関係性の構築が期待できます。
派遣保育士として働くメリット
ここまで派遣保育士の仕事内容やスケジュールなどを説明してきましたが、派遣保育士として働くメリットとして何があるのでしょうか。詳しく紹介していきます。
基本的に残業がない
正社員から派遣社員となり、業務量が減り、子どもとじっくり関われるようになった。残業がなく、勤務時間も自分で決められて、休みも取りやすい。
独自調査より
保育士として働く際、残業の少なさはメリットの一つとなります。
正社員とは異なり派遣保育士は就業時間が明確に定められているため、残業をする必要がないのです。
求人案内にも「残業なし」と明記されていることが多く、仮に記載がなくても正社員に比べて残業が少ない傾向にあります。
ただし、派遣先の条件をよく確認し、自分に合った働き方を選ぶことが重要です。
パートやアルバイトより時給が高い
パートやアルバイトに比べ、派遣保育士の時給は比較的高く設定されており、時給の相場は1200円から1800円となっています。
しかし、時給に交通費が含まれていることもあるため、求人を探す際は交通費の取り扱いを確認してみてください。
2020年4月以降、「同一労働同一賃金」の考え方が導入されたことで、派遣社員と正社員との待遇格差是正が進められています。
その結果、交通費が別途支給される可能性が高まっており、派遣保育士として良い環境で働けるようになりつつあります。
人間関係に縛られにくい
派遣保育士は人間関係に縛られにくいと言えます。
子どもたちとのコミュニケーションは楽しめても、職場の人間関係に不安を感じる方は多くいることでしょう。
正社員やパート、アルバイトの保育士は同じ職場で長期間働くことが一般的なので、人間関係によるストレスを避けられません。
しかし、派遣社員は契約期間ごとに勤務先が変わる可能性があるため、人間関係に疲れた場合は、職場を変えることができて業務以外でのストレスが軽減されます。
柔軟に働くことができる
派遣保育士として働く大きな魅力は、柔軟な働き方ができることです。
勤務時間や出勤日数は事前に契約で決められており、自分の生活習慣や体調面、他の活動と両立できるように調整することができます。
正社員とは異なり、会社の方針に縛られることなく自分に合ったスケジュールを組めるのです。
さらに、勤務先で問題が起きた場合も、派遣会社が仲介に入り適切な働き方を実現するようサポートしてくれます。
困った時に人材会社のフォローが受けられる
労働環境や業務内容に疑問が生じた場合は、人材紹介会社に相談しフォローアップを受けることができます。
また、多くの人材紹介会社では、保育士のスキルアップを目的とした独自の研修プログラムを用意しています。
この研修を通じて、新しい知識や技術を身につけるだけでなく現場での対応力や自己表現力の向上も期待できます。
このように、キャリアアップやサポート体制をしっかりと整えている人材紹介会社の存在は、派遣保育士にとって魅力的に映るでしょう。
幅広い経験ができる
派遣会社を利用すると、様々な保育施設の求人情報にアクセスできます。
例えば、保育園だけでなく学童保育や病院内の託児所、企業内保育所、テーマパーク内の託児ルームなど多岐にわたります。規模も10人未満の少人数制から100名以上の大規模施設まで幅広い選択肢があります。
様々な保育現場を経験することで多くの保育理念や教育方針に触れることができます。
さらに、保育士の働き方や子供たちとの関わり方についても学べ、自身の経験とスキルを磨くことができるでしょう。
保護者対応が少ない
保育士には様々な役割があり、その中でも保護者対応は大きな負担になることがあります。
しかし、派遣保育士として働けば、保護者対応を担わずにサポート役に徹することができます。
保護者対応によるストレスを軽減しながら、同時に保育のスキルと経験を活かせるのです。
保護者からのクレームなどにうんざりしている人にとっては、派遣保育士はぴったりの働き方ではないでしょうか。
キャリアプランを検討できる
派遣保育士として働くと、一見キャリアアップの機会が失われてしまうように思えるかもしれません。
しかし、派遣保育士での経験は、自身のキャリアや今後の生き方を見直す絶好のチャンスとなり得ます。
派遣先で様々な環境を経験しながら、自分が目指す保育のあり方や人生観を見つめ直すことができるのです。
また、保育現場の実態に触れ、課題に向き合うことで新たな視点を得ることもできるでしょう。
派遣保育士として働くデメリット
派遣保育士として働くこと際には、以下のように様々なデメリットがあります。
契約期間が決まっている
派遣保育士は契約期間が限られているため、例え気に入った職場でも長く勤務し続けることはできません。
しかし、派遣先の施設で継続して勤務したい場合は「紹介予定派遣制度」を活用することで、一定期間働いた後に直接雇用に転換できるというメリットがあります。
不安な点があれば、積極的に派遣会社に相談し制度の詳細を確認してみましょう。
なかなか年収が上がらない
派遣保育士は時給制が主流で実働時間に応じた給与しか得られないため、昇給制度やボーナスなどの待遇もなく、長期的に見ても年収が伸び悩む傾向があります。
さらに、短時間勤務や長期休暇を取るとその分収入が減ってしまうため、将来の生活設計を立てる際に、住宅ローンや教育資金などの長期的な計画を立てることが難しくなる可能性もあります。
派遣保育士の仕事を選ぶ際は、そうした年収面で被る不利益を十分に理解し、自身の生活スタイルと照らし合わせて慎重に判断する必要があります。
人間関係の悩みができる
先ほど派遣保育士のメリットとして「人間関係に縛られない」と述べましたが、裏を返すと「職場で人間関係を作りにくい」と言い換えることができます。
派遣社員という立場上、正社員とは異なる扱いを受けがちなため、深い交流を持つ機会が少なくなって孤独を感じてしまうことがあるかもしれません。
そうした状況が重なると職場での居心地が悪く感じ、次の職場を探そうと思うきっかけになっていくでしょう。
しかし、業務を通じて少しずつ会話を広げていくなどの工夫次第で人間関係を改善することは可能です。
辞めたいけどやめられない
保育士は子どもたちと直接触れ合えるやりがいのある仕事ですが、ストレスが溜まりやすい環境でもあります。
特に派遣保育士の場合、雇用期間に縛りがあるため、途中での退職が難しいというデメリットがあります。
仕事内容や職場環境が思っていたものと異なり、辞めたくなっても簡単には辞められないケースも少なくありません。
そのため、派遣保育士として働く際には、派遣という働き方の実態をよく理解することが大切です。契約書や雇用約款の内容を事前にしっかり確認し、納得した上で働き始めましょう。
責任のある仕事ができない
派遣保育士として働く場合、担任や主任といった重要な役職に就くことが難しく、主に補助的な業務や雑用が中心となってしまいます。
これは、派遣社員は契約更新の度に異動する可能性があり、子どもたちに混乱を招く可能性があるからです。
また、正社員との明確な区別があり、仕事に充実感や達成感を求める人にとっては物足りない働き方と言えるでしょう。
保育園の禁止事項が多い
派遣保育士は、保育園の独自のルールや方針に合わせて柔軟に対応する必要があります。
マナーや規律を重視する園があったり、一方で子どもの個性や自発性を尊重したりする園があったりするなど、園によって教育方針が異なるのです。
保育士は、園ごとに定められている「テレビやキャラクターが描かれた持ち物は禁止」というような細かなルールに従い、子どもへの接し方や声掛けも適切に行わなければなりません。
このように派遣保育士にとって、仕事先が変わる度に新しい環境に適応しなければならないというプレッシャーが大きな負担となっているのです。
派遣保育士に向いている人5選
派遣保育士に向いている人の特徴として何が挙げられるのでしょうか。
本章では、いくつかの例を挙げながらそれぞれについて詳しく説明していきます。
時間に制約がある人
派遣保育士は、時間的な自由度が高くプライベートの時間を大切にしたい方に適した仕事です。希望する労働日数や勤務時間を設定でき、フルタイム以外の働き方も選択できます。
さらに、補助的な業務を選べば、残業や持ち帰り仕事がない働き方をすることが可能です。
家庭の事情やライフスタイルに合わせて時間を調整しやすいため、子育てや資格取得の勉強、趣味などのプライベートが充実している人にとっておすすめと言えます。
人間関係のストレスを抱えやすい人
また、派遣先との契約が3ヶ月や6ヶ月ごとに更新されるため、職場環境に馴染めない場合でも気兼ねなく契約終了を選べます。
長期間同じ職場にいると、「今後の関係にひびが入るかもしれない…」と無理して同僚との関係を築こうとしてしまうかもしれません。しかし、派遣保育士なら無理にそうする必要はないのです。
人間関係に悩まされがちな方や職場での人間関係をドライにしたい方には、一定の距離を保てる派遣保育士が合っているでしょう。
協調性がある人
派遣保育士は、柔軟性と適応力がある人に向いている仕事です。
派遣という働き方は契約期間が決められているため、勤務先が頻繁に変わる可能性が高くなります。
そのため、保育園ごとに異なる理念や方針に対応し、個々の子供たちと上手く関わるための柔軟性が求められます。
また、異なる保育園の運営方針を理解し尊重することや自身のスキルや役割を適応させること、そして何より子供たちへの愛情を持ち続けることは協調性の一部となります。
配偶者が転勤族である人
派遣保育士という働き方を選ぶことで、頻繁に転勤がある場合でも保育士としてのキャリアを続けやすくなります。
派遣保育士であれば、転勤先でもすぐに入職できる仕組みがあり、派遣先を変更することも可能です。
例えば、全国に施設を展開している保育士派遣サービスと契約しておけば、転勤先での新しい勤務先もスムーズに手配してもらえます。
また、転勤先で既に派遣先が決まっている場合は、事前に就業情報を入手することも可能です。
そのため、わざわざ退職と再就職を繰り返す必要がなく、継続的にキャリアを積み上げられるのです。
ダブルワークをしたい人
派遣保育士は柔軟な働き方ができるため、保育士の仕事と自己実現のための仕事を両立したい人にとっておすすめと言えます。
実際に、派遣保育士として働きながら別の職種の個人事業主として活動する方や、会社員として週末や空き時間に派遣保育士の仕事をする方など、様々な働き方をされている方がいます。
定時退社ができ残業もない派遣保育士としての働き方は、ダブルワークを両立させたい人にとってぴったりです。
保育士は派遣とパートどっちが良い?
保育士の非正規雇用として派遣とパートが存在しますが、どちらが良いのでしょうか。
結論から言うと、どちらが適しているかは個人の希望や性格、状況によって異なります。
しかし、希望条件に合った保育園で働きたい人や高い時給で働きたい人、人見知りしにくい人は派遣保育士がおすすめです。また、環境の変化にも強く新しい職場にすぐ適応できるという人にも派遣保育士はおすすめです。
ただし、契約期間に制限があるというデメリットもあります。
派遣保育士としてのキャリアを選ぶ際には、それぞれのメリットとデメリットをよく理解しておきましょう。
保育の“シェアリングエコノミー”
保育の“シェアリングエコノミー”とは、保護者や子育て支援者がインターネットやアプリを介して保育サービスを共有・利用できる仕組みです。
たとえば、保護者が必要な時間だけ保育士やシッターを手配したり、子育てに関するサポートを柔軟に利用できるプラットフォームを指します。
シェアリングエコノミーとしての派遣保育士の意義
派遣保育士を活用するシェアリングエコノミーは、保育サービスを必要とする家庭や企業に柔軟で多様な選択肢を提供する新しい仕組みです。
特に都市部で深刻化している待機児童の問題に対する解決策として期待されており、在宅やパートタイムで働ける派遣保育士がいることで保育士不足に対応しやすくなります。
時間や場所に縛られない派遣保育士の柔軟な働き方は、短時間のみや特定の時間帯に保育サポートが必要な家庭にとっても理想的です。
地域コミュニティと連携したシェア型保育サービス
地域コミュニティやシェア型保育園と協力することで、地域全体で子どもを見守る体制が整備され、家庭にとっても安心して預けられる環境が実現します。
地域の住民と連携した保育を通じて、子どもたちは温かく見守られながら成長し、保護者も安心して子どもを任せられる環境が提供されます。
こうした地域密着型の取り組みは、都市部のみならず人口減少が進む地方でも地域の活性化に貢献する方法として注目されています。
潜在保育士の活用で広がるシェア型保育の可能性
潜在保育士の活用によるシェア型保育は、子どもとじっくり向き合える時間を確保できる新しい働き方として注目されています。
シッターマッチングサービスなどのテクノロジーを活用し、家庭や地域のニーズに応じた柔軟な保育が可能になることで、保育士は一人ひとりの子どもと向き合う時間を持てます。
また、育児経験のある保育士が働きやすい環境が整うため、保育士自身にとってもやりがいや自己実現を感じやすくなります。
保育士になるために必要な資格や条件はある?
「保育士になるために、取得しておかなければならない資格はあるのだろうか?」と考える人は多くいらっしゃることでしょう。
本章では、派遣保育士を目指す場合に必要な資格や条件について説明していきます。
資格を持っていなくても働ける
子どもが大好きで保育士という職業に興味があるものの、専門学校に通ったり資格を取得したりするのは難しいと感じている方も多いかもしれません。
しかし、認可保育園でも不認可保育園でも保育士の仕事を行うためには必ずしも資格が必要とは限らないのです。
保育園では、子どもの年齢や人数に応じて一定数の保育士資格を持つスタッフが必要とされています。
この条件を満たせば全職員が保育士資格を持つ必要はなく、資格がなくても働くことができるのです。
ブランクがあっても大丈夫
保育士の中には、結婚や出産、子育てなどの人生の節目に伴って一旦離職した後、再び保育の現場に復帰したいと考える人が多くいますが、離職後の復帰に不安を感じる人も少なくありません。
しかし、ブランクのある保育士は、保育士不足が深刻な社会問題となっている中で一番求められている人材と言えます。
そのような人は、人材派遣会社によるキャリア支援を受けることで、補助業務から徐々に本格的な保育業務に携わることができます。
さらに、派遣会社によって提供される研修を通じ、現場への適応力を高めることができます。
無資格でできる仕事もある
保育士の資格を持っていない場合でも、保育現場で「保育補助」として働くことができます。
保育補助の主な役割は、子どもたちの食事のサポートやおむつ替え、昼寝の付き添いなどです。また、遊具の準備や片付け、製作活動の補助、施設内の清掃なども担当します。
ただし、一般的に無資格者の給与は、有資格者と比べて低く設定される傾向があります。
担任になれるかも?
保育士の資格がなくても、認可外保育園では子どもたちの担任になることが可能です。
認可外保育園では、全職員のうち3分の1が資格を持っていれば、残りの3分の2は無資格者であっても問題ありません。
そのため、保育士が不足している状況では、無資格者が担任としての役割を担うケースもあります。
資格取得で得られること
資格を持っていなくても保育士として働けますが、キャリアを続けていくにあたってさらなる知識とスキルが必要になった場合、幼稚園教諭や児童福祉士などの別の資格を取得するのも良いでしょう。
本章では、資格を取得した時に得られるメリットを詳しく説明していきます。
時給が高くなる
保育士として長期的に働く予定があれば、資格の取得は収入アップのための重要な一歩となります。
資格の有無で時給に差が生じることが多く、たとえ100円の違いでも月給や年収に大きな開きが生まれてしまいます。
例えば、週5日・1日7時間・月22日勤務する場合、時給が100円高ければ月給は15,400円、年収になると18万4,800円も増えます。
仕事の幅が広がる
また、保育士の資格を持つことで仕事の幅が広がります。これは、有資格者への求人数が無資格者に比べて圧倒的に多いためです。
認可保育園では、担任として子供たちに質の高い教育とケアを提供することが求められます。
そのため、資格を持っている保育士は、様々な保育施設で働く機会に恵まれるだけでなく、自分のキャリアプランを自由に選べる大きなメリットもあります。
保護者からの信頼が厚くなる
資格を持っている保育士は、専門的な知識と技術を備えた"保育の専門家"と見なされ、保護者は安心して自分の子どもを預けることができるのです。
一方で、無資格の保育士に子どもを預ける場合、経験が豊富で実力があったとしても、保護者が不安を感じるのではないでしょうか。
資格を持っていなくても経験が豊富で優秀な保育士はいますが、資格を持つことでさらに信頼度が高まるからです。
求人情報にまつわるあれこれをご紹介
本章では、求人情報を効率よく探す方法や、求人が多い時期、おすすめの人材派遣会社について解説していきます。
求人情報の探し方
派遣保育士として働きたい場合は、まずは保育士専門の人材派遣会社に登録してみましょう。
一般的な総合人材派遣会社ではなく、保育士に特化した会社を選ぶことをおすすめします。
保育専門の人材派遣会社は、保育園との信頼関係が築かれており求職者一人ひとりの経歴や希望に合わせた働き方を提案してくれます。
また、トラブルが発生した際には迅速に対応してくれます。
さらに、保育士ならではの悩みと相談に対応できるスタッフが在籍しているため、きめ細かなサポートを受けられるというメリットがあります。
求人が多く出るタイミング
保育士の求人が多く出るタイミングを押さえておけば、より多くの派遣求人を見つけることができます。
派遣保育士の求人は、正社員保育士の採用状況を見て出されることが多いため、正社員の求人が増える11月や2〜3月には、派遣求人も多くなる傾向があります。
また、夏休みが終わる9月頃にも求人が増加する傾向にあります。
これらの時期に派遣会社に登録すれば、条件に合った仕事を見つけやすくなるでしょう。
おすすめの人材派遣会社3選
派遣保育士を目指すにあたり、どの派遣会社を選べばよいのか悩まれる人は多いかもしれません。
そこで今回は、これまでの実績と評価を踏まえておすすめの派遣会社を3社ご紹介します。
ウィルオブ・ワーク(株式会社ウィルオブ・ワーク)
東証プライム市場上場企業のグループ会社「ウィルオブ・ワーク」は、地域に根ざした人材派遣サービスを提供しています。専任のスタッフが求職者一人ひとりのニーズに合った求人を探し、提案してくれます。
働くことへの不安や疑問があった場合にも、スタッフがきめ細かくサポートしてくれます。また、相談にはすぐに対応し、必要に応じて直接企業に確認を取るなど充実したバックアップ体制があります。
保育ひろば(株式会社ネオキャリア)
株式会社ネオキャリアが運営する「保育ひろば」は、主に人材コンサルティングに特化しながら、様々な人材ソリューションを提供しているウェブサイトです。
その魅力は、全国の1万件以上の保育施設や幼稚園から寄せられる豊富な求人情報にあります。非公開の求人も含めると、その数は業界でトップクラスと自負できるほどです。
さらに、専任コンサルタントによる無料のカウンセリングサービスがあるため、求職者は仕事に関する不安や疑問、悩みを専門家に相談できます。
ほいく畑(株式会社ニッソーネット)
「ほいく畑」は、株式会社ニッソーネットが運営する保育士や幼稚園教諭向けの求人プラットフォームです。
長年の実績と幅広いネットワークを活かし、全国の保育所や幼稚園から寄せられる多数の求人情報を提供しています。
専属のコーディネーターが求職者一人ひとりの希望条件に合った求人を紹介するほか、未経験者や育児中の方などの個々の状況に合わせたきめ細かいサポートを行っています。
派遣保育士のキャリアプランと評価制度について
本章では、派遣保育士のキャリアプランと評価制度、継続的なサポートについて紹介します。
キャリアプラン
派遣保育士は、子供たちの日常生活の支援や補助などの基礎的な業務から始まり、保育の現場を理解して保育技術を身につける機会を得ます。
次のステップでは、中堅保育士として経験の浅い保育士を指導したり、チームのリーダーとして役割を担うことが求められます。
この段階では、保育技術だけでなく、コミュニケーション力やマネジメント力も重要になります。
さらに、経験と実績が評価されると管理職や専門職への道が開かれ、保育園の運営管理や保育プログラム開発など、保育士としての役割を超えた活躍が可能になります。
このように、一歩ずつ段階を踏みながらキャリアを積み上げていくことができる点が魅力的と言えます。
評価制度
派遣保育士の評価は、定期的に行われる業績評価に基づいて行われます。
評価のポイントには、業務遂行能力や子どもたちや保護者への対応力、チームワークなどの様々な観点が含まれます。
また、スキルアップのための研修参加状況も評価対象に含まれ、一人ひとりの成長度合いやキャリアアップの準備状況が評価されます。
この評価制度は、保育士個人の成長だけでなく、保育サービス全体の質を高めることを目的としており、保育士一人ひとりの専門性を磨くための指標としても機能しています。
継続的なサポート
派遣保育士には、キャリアアップを支援するためのさまざまな取り組みが提供されています。
具体的には、定期的な研修やセミナー、専門のカウンセラーによるキャリアカウンセリング、先輩保育士からの実践的なアドバイスが受けられるプログラムなどが用意されています。
保育現場でのスキルアップを促進するため、一人ひとりの目標に合わせたサポートが行われています。
また、いつでも相談できる窓口が設けられており、安心して働き続けられる環境が整備されていることも魅力です。
派遣保育士は実際どうなのかについてまとめ
今まで紹介してきたように、派遣保育士は、勤務時間や期間を自身で選べる点が特徴的です。
派遣保育士のメリットとデメリットを学んでおくことで、理想的な働き方に一歩でも近づけるのではないでしょうか。
派遣保育士を目指している方は、この記事を参考にしてキャリアアップの機会をぜひつかんでみてください。
【調査概要】
項目 | 詳細 |
調査名 | 保育士への転職経験者が対象の当社独自調査 |
対象者 | 保育士として働いた経験がある方 |
対象地域 | 全国 |
調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2024年10月19日~10月26日 |
回答数 | 90 |