司法書士試験の平均受験回数は?何年かかるかや最短合格のコツも解説
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司法書士は合格が非常に難しい国家資格として知られており、試験対策は長く険しい道のりになると言われています。
ここでは当社が実際に司法書士試験に合格した方を対象に実施したアンケート結果に基づき、司法書士試験の平均受験回数や合格まで何年かかるか、そして短期合格を実現するための勉強法まで詳しく解説します。
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司法書士の平均受験回数は?合格まで何年かかる?
司法書士試験の平均受験回数
合格までの期間 | 回答数 |
6ヶ月未満 | 0 |
6~12ヶ月 | 0 |
1年~1年半 | 2 |
1年半~2年 | 3 |
2~3年 | 0 |
3年以上 | 4 |
スキルアップ研究所が司法書士試験の合格者9名に行ったアンケートでは、合格までにかかった年数は「3年以上」が最多となりました。
一方で「1年以上〜2年未満」で合格している人も過半数を占めているので、合格までにかかった年数としては平均して3〜4年と判断することができます。
多くの受験生が1年に1度の試験に挑戦することを考えると、合格者の平均受験回数は3〜4回と言えそうです。
実際、資格講座を開講するアガルートが受講生に対して行ったアンケートでは合格者の受験回数は平均3.3回、資格予備校のLECが行った調査でも平均は4回前後となっているので、司法書士合格者の平均受験回数は3〜4回と結論づけて良さそうです。
1年で合格する人は全体の10%以下
スキルアップ研究所が司法書士合格者9名に行ったアンケートでは、1年未満で合格した方は1人もおらず、最短で合格していたのは「1年以上1年半未満」で合格した2名でした。
また、LECやアガルートが実施した調査でも1年で合格した(=1回目の試験で合格した)方は全体の10%以下となっています。
この結果から、司法書士試験に一発合格できる人は合格者全体の10%以下であると言えるでしょう。
合格までに必要な勉強時間は?
合格までの勉強時間 | 回答数 |
2000時間未満 | 0 |
2000~2500時間 | 3 |
2500~3000時間 | 1 |
3000~3500時間 | 2 |
3500時間以上 | 3 |
司法書士試験の合格のためには、一般に約3000時間の勉強時間を確保する必要があると言われています。これは1日3時間の勉強時間を毎日確保した場合でも、合格までに3年の学習期間が必要な量です。
スキルアップ研究所が実施した調査でも、合格までに要した時間は2000〜2500時間が全体の1/3、3500時間以上が全体の1/3と分かれており、平均するとやはり3000時間前後が合格までの勉強時間であることが伺えます。
司法書士試験は非常に広範囲にわたる内容を扱うため、合格に向けて2〜3年程度の長期的な学習が求められます。法律知識の習得だけでなく具体的な事例研究も重要であり、一つひとつ丁寧に理解を深める必要があります。
合格まで何年でも挑戦できる試験
司法書士の資格取得は受験資格や試験回数に制限がないため、合格できるまで何年でも挑戦することが可能な仕組みとなっています。実際、データを見ても合格までに複数回受験している人が大半であることがわかります。
一方で、不合格を重ねるほど心理的なプレッシャーや惰性に繋がり、合格率がむしろ下がってくるというデータもあります。そのため、質の高い学習時間を確保し計画的に対策を立て、できる限り一発合格を目指すことが理想です。
司法書士の難易度と合格率
司法書士試験の合格率の推移
年度 | 合格率 |
令和元年度 | 4.39% |
令和2年度 | 5.17% |
令和3年度 | 5.14% |
令和4年度 | 5.18% |
令和5年度 | 5.19% |
令和6年度 | 5.28% |
司法書士試験は極めて難易度の高い国家試験です。上記のように、司法書士試験の平均合格率は約5%と非常に低く、合格には高い知識と学習効率が求められることが分かります。
最新の令和6年度の筆記試験では、全国から13,960名が受験し、合格したのはわずか737名、5.28%の合格率にとどまりました。
司法書士試験の難易度を他の国家資格と比較
資格名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
司法書士 | 13,960人 | 737人 | 5.3% |
社労士 | 43,174人 | 2,974人 | 6.9% |
行政書士 | 46,991人 | 6,571人 | 14.0% |
通関士 | 6,332人 | 1,534人 | 24.2% |
宅建士 | 233,276人 | 40,025人 | 17.2% |
司法書士試験を他の国家資格と比較してみると、やはりその合格率の低さが目立ちます。受験者数に違いはありますが、それでもこの5.3%という合格率はかなり低いと言えます。それだけ司法書士試験が難しいのです。
そのため、もし本気で司法書士試験に合格しようと思うのであれば目安とされている3,000時間の勉強時間はしっかりと確保しておきましょう。司法書士試験の平均受験回数も他の国家資格と比べて多くなっているため、少しでも早く合格するためには高い意識を持ち続けることが重要です。
他の試験と比較して合格率が低い理由
司法書士試験の合格率が低い理由は試験範囲が広く、高度な法律知識が求められるためです。法学の知識がない人は、相当の時間と努力を投資しなければなりません。さらに法律は常に改正されるため、既存の知識だけでなく新しい法律や改正点も学ばなければいけません。
実際、司法書士試験は数ある法律系の国家資格の中でも弁護士に次ぐ難易度の高さを誇っており、最難関資格の1つに数えられています。
一方で、合格率が低い理由はそれだけではありません。司法書士試験は税理士や弁護士を目指す試験とは異なり受験資格が設けられておらず、誰でも挑戦できてしまいます。
そのため受験者層の幅がかなり広くなっており、結果として合格率が下がっているという側面もあります。
働きながら受験する社会人が過半数
司法書士試験の合格者は社会人経験を経た30代から40代が多数を占めています。令和6年度の司法書士試験では、合格者の平均年齢は41.50歳、最低年齢は20歳、最高年齢は73歳という結果となりました。(出展:令和6年度司法書士試験の最終結果について )
平均年齢が41歳を超えていることからも一度就職した後で司法書士を目指す人が多いことがわかります。
司法書士は専門性の高い職業ですが、男女を問わず活躍の場が広がる資格です。近年の合格者の約3割が女性(令和6年度は32.8%)で、女性からの人気が高まっています。その理由は、細かな作業力や並行処理能力が求められる仕事内容に合っていること、独立開業で自分のペースで働けることなどが挙げられます。特に育児と両立しやすいという点が女性に魅力的なのです。
このように司法書士は社会人経験を活かせる上、ワークライフバランスにも配慮できる資格です。多様な生活スタイルを送る社会人にとって取得を目指す価値の高い資格といえるでしょう。
学生でも合格できる
司法書士試験は難関とされていますが、大学生なら社会人よりも時間に余裕があり、十分な学習時間を確保できるため適切な計画と努力次第で合格は夢ではありません。実際、令和6年度試験でも20歳の学生が合格を手にしています。
学生時代に司法書士試験に合格していれば就職活動や将来の独立開業にも有利となり、大きな自己成長と周囲との差別化を図ることができるでしょう。
最短合格をするための勉強法のコツ
司法書士の試験に合格するためには現職との両立が可能な効率的な勉強法が重要です。
ここでは最短合格を目指すための勉強法のコツを押さえていきましょう。
正しい勉強ノウハウを学ぶ
試験範囲が膨大な司法書士試験に、戦略もなく突撃するのは無謀と言えます。試験対策を行う上で、「どの科目を」「どのように」「どの順番で」といった正しい対策ノウハウを押さえるのはほぼ必須と言えるでしょう。
毎年多くの司法書士合格者を輩出する資格予備校のクレアールでは、こうした司法書士試験に短期合格するためのノウハウを「非常識合格法」としてまとめ、カリキュラムに反映しています。
基本的にはこのノウハウに沿って学ぶためにはクレアールの司法書士講座を受講する形になりますが、現在クレアールでは「非常識合格法」のノウハウをまとめた書籍を無料でプレゼントしています。
これは特にこれから司法書士試験に挑戦する方であれば、司法書士試験の大枠を把握し、合格への道のりを大幅に短縮する大きな助けになるでしょう。
なお、このプレゼントは先着150名限定となっているので、司法書士受験生の方はこの機会を逃さず手に入れておきましょう。
科目ごとに勉強の時間配分をする
合格を早期に目指すには学習時間の適切な配分が重要です。特に、民法、不動産登記法、商法・会社法、商業登記法は、よく出題される科目として知られています。これらの科目に集中して時間を割くことで、試験の際に落ち着いて問題に取り組めるようになります。
出題される科目の数や頻度は均等ではありません。そのため、出題傾向を把握し苦手な科目については特に時間を割く必要があります。
効率的な時間配分によって対策の質を高められるだけでなく、学習へのプレッシャーも和らげられます。合格に向けたコツは出題傾向を理解し、戦略的に学習時間を割り振ることです。この点を意識しながら準備を進めましょう。
同じ範囲を繰り返し勉強する
合格するためには効果的な学習法が欠かせません。その中でも特に重要なのが「反復学習」です。反復学習とは、出題範囲の内容を繰り返し学習することで脳に情報を定着させる方法です。一見手間がかかるように思えますが長期的には非常に効率的な学習手法と言えます。
例えば法律の試験を受ける場合、法律の知識は非常に広範囲で理解を深める必要があります。一度だけの学習では完全に理解し記憶に残すのは難しいでしょう。しかし、同じ内容を繰り返し学習することで理解が深まり、長期記憶に定着します。そうすれば試験の際にも落ち着いて知識を思い出すことができます。
通信講座や予備校の利用
合格を最短で目指すためには効率的に勉強をすることが大切です。その一つとして、通信講座や予備校の活用が挙げられます。
オンラインで学べる通信講座なら、自分のライフスタイルに合わせて質の高い講義を受けることができます。例えば、就労しながらでも学習を続けられるため仕事と勉強を両立しやすくなります。また、司法書士試験に特化した教材が用意されているので自分で勉強の仕方を模索する手間が省けます。
一方、予備校に通えば講師から直接指導を受けられます。法律の学習は難解な部分が多く理解が難しい場合もありますが、講師から丁寧に教わることで確実な理解につなげられます。
独学に不安がある方や、自分だけで勉強していて何度か不合格になってしまっている場合は、比較的費用が抑えられる通信講座の受講から検討するのが良いでしょう。
勉強方法は人それぞれ異なりますが目標は短期合格にあります。限られた時間を有効に活用するためにも、プロの講師の指導を受けて効率よく学ぶことを選択するのがおすすめです。
モチベーションの維持
司法書士を目指すには長期にわたる勉強が必要不可欠です。その過程でモチベーションを保ち続けることが合格への近道となります。
モチベーションを維持するコツは具体的な目標を立てて学習することです。漠然と勉強するのではなく明確な目標があればその達成に向けて継続的に努力できます。
「合格」という大きな目標だけでなく、「1ヶ月以内にこの分野をマスターする」といった短期〜中期で具体的な目標を設定することを意識しましょう。
勉強の習慣化
資格試験に合格するには日々の継続した努力が欠かせません。まずは目標とする合格時期を決め、それに向けて必要な学習量を計算し、無理のないペースで日々の学習計画を立てることが大切です。
さらに重要なのはその計画を習慣化することです。毎日決まった時間に勉強することで体が自然と学習モードに入れるようになります。このように、習慣化することで長期的な学習にも体力と持続力が身に付き、効率的に合格を目指せるはずです。
模擬試験を受ける
独学で勉強する際、自分の実力を正確に把握することが大切です。しかし自分を過小評価したり過大評価してしまうことがあり、試験に向けた知識が不足してしまうこともあります。この問題を解決する有効な手段が模擬試験です。
模擬試験を受けることで自分の強みや弱みが明確になります。弱点が分かればその分野に集中して勉強できるので合格の可能性を上げることができます。例えば司法書士試験では各機関が模擬試験を用意しています。これを活用すれば自分の現状の実力を知り、計画的に学習できます。さらに、本番さながらの雰囲気に慣れ落ち着いて試験に臨めるようになります。
全ての科目を完全に理解していなくても模擬試験を受けることで学習の進捗状況を確認でき、モチベーションも維持できます。このように模擬試験は学習プロセスにおいて重要な役割を果たします。
司法書士の独学合格が難しい理由
出題範囲が広い
司法書士の試験に合格するためには膨大な範囲の法律知識が必要とされ、それぞれの法律分野が密接に関連しているため、全体を理解するのが非常に困難です。
特に法律の知識がない未経験者にとっては短期間で合格を目指すことは現実的ではありません。独学で効率的に学習を進めるには時間をかけて段階的に知識を身につける必要があり、多くの人が苦労を強いられています。
自分の実力が分からない
司法書士試験に向けた独学は広範囲で専門的な知識を身につけるために長い時間と持続力が必要とされる大変なものです。しかし、それだけでは十分ではありません。最大の難点は自分の学習レベルを正しく評価することが困難だということです。
独学だと添削などを通じて講師からフィードバックを受ける機会がないので、試験までの準備が足りないまま気づかずに試験を受けてしまうことも多いです。
実力が伴わないまま試験を受けると必要な問題解決力が身につかず法律知識も表面的なものにとどまってしまい、結果として合格が難しくなってしまいます。
勉強の継続が難しい
司法書士の資格取得は長期間に及ぶ学習が求められるため、モチベーションを維持することが極めて難しい課題となります。
1年以上もの期間、単調な勉強を続けていくためには知識の蓄積以上に自分自身の気持ちを高め続ける心の技術を身につける必要があります。飽きや疲労感に打ち勝ち、長期戦に効果的に立ち向かうには、自己コントロールの能力が欠かせません。
予備校や通信講座を利用していれば、講義スケジュールや講師・チューターからのサポートもあるので、勉強に対してある程度の強制力を働かせることができますが、独学だとこうしたフォローもないので、合格まで勉強を継続するのは非常に難しくなっています。
司法書士資格を取得するメリット
就職や転職に強い
司法書士の資格は就職や転職を有利な資格です。主な業務は「登記業務」ですが、社会のニーズに合わせて新しい専門分野が広がり業務領域が拡大しています。
この資格の求人倍率は高く、合格者の約8割が試験後に就職しそのほとんどが司法書士の職に就いています。このデータから、司法書士資格を持つことで専門的な知識と技術を身につけ様々な分野でエキスパートとして活躍できる競争力が高まることがわかります。
つまり、司法書士資格の取得は就職や転職に有利に働き、独自のキャリアパスを選択する機会を広げてくれます。
独立しやすい
司法書士資格は法務の専門家としてキャリアを積極的に築き、早期に独立開業する強い足がかりとなります。司法書士試験は実務に即した内容になっており、合格後も研修を重ねながら実践的に知識と経験を身につけられるからです。
そのため、実務との距離を縮め安定した基盤を得ることができます。合格後は比較的早期に独立開業する道が開けており、実務経験と独立の両立を目指す人々にとって大きな利点があります。
したがって、自らのキャリアを主体的にデザインしたい人々にとって司法書士資格は自己実現への有力な選択肢となるでしょう。
定年がない
司法書士という職業は定年がないことが最大の魅力の一つです。会社員や公務員とは違い、特定の年齢で退職を強いられることがありません。60歳を過ぎても、これまでの経験と能力を活かし続けることができます。実際、60歳以上の方々が最前線で活躍しているのが司法書士の世界です。
年を重ねるごとに豊富な経験と実績、人脈が蓄積されこの職業の価値ある存在となります。そしてそれが生涯現役で働き続けられる大きな理由でもあります。
司法書士の平均受験回数まとめ
司法書士試験に合格するまでの平均的な受験回数や年数をご紹介しました。また、短期間で合格するためのコツや効率的な勉強法も解説しました。
範囲の膨大な司法書士試験を突破するためには何年もかけて準備をする必要がありますが、その分合格した際のメリットは非常に大きくなっています。
ぜひ正しい勉強法を実践して司法書士の資格を掴み取ってください。