司法書士は独学合格できる?難易度や最短合格のための勉強法・スケジュールまで解説!

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司法書士試験に挑戦する人の多くは、独学での合格は可能なのか、試験対策や勉強法、スケジュールをどう立てればよいのかについて、気になっているのではないでしょうか。

この記事では、そうした疑問に答えながら、合格への具体的な勉強法・スケジュールを紹介します。

効率的な方法をお伝えしますので、皆さんの合格を全力でサポートできれば幸いです。

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司法書士試験の独学合格の難易度は高い

司法書士試験に独学で合格することは、非常に難易度が高くなっています。

試験科目が11科目もあり、法律知識の理解が求められるため、高度な集中力が必要とされます。特に、法律について初めて学ぶ人にとっては、専門書の内容を理解するのに大きな時間を要します。

合格率が4~5%と低迷していることからも、司法書士試験の難易度の高さがうかがえるでしょう。

「数ヶ月の自己学習だけで合格できる」というのは甘い考えで、合格には相当の労力と時間、そして継続的な学習姿勢が欠かせません。

司法書士試験合格に必要な勉強

司法書士試験に合格するためには、3000時間ほどの学習が必要とされていますが、合格のために必要な勉強時間は人により異なっており、その半分で合格できる人もいれば、それ以上の時間がかかるという人もいます。

それよりも重要なのは、どのように効率的に学習を進めるかという点です。

学習時間の質を高め、インプットとアウトプットを上手く組み合わせることで、比較的短い期間で合格を勝ち取ることができます。

過去問の演習を行いながら、新しい知識を効果的に身につけ、定着させていくことが合格の鍵となるでしょう。

司法書士試験に独学で合格するのは難しい理由

モチベーションの継続が困難

司法書士の試験科目は多岐にわっており、幅広い学習範囲と暗記が求められるため、合格には長期間の集中した努力が不可欠です。

合計で3000時間勉強すると仮定すると、毎日6時間以上の勉強を1年半以上継続しなければならず、実際にはそれ以上の時間を要する受験生がほとんどでしょう。

そのため、長期間の学習が求められるため、モチベーションを維持することが大きな課題となります。分からないことを質問する機会も少なく、効率的な勉強法を身につけるのが難しくなります。

また、自分なりの学習法が適切であるかどうかの判断も難しく、誤った方法で時間を無駄にしてしまう恐れもあります。

さらに、自分の実力を発揮するための学習配分を一人で見極めるのは容易ではありません。

イメージが掴みづらい法律が多い

司法書士試験には、不動産登記法や商業登記法、供託法などの一般的に馴染みが薄く、抽象的な概念や法律が含まれています。

こうした分野は独学では理解が難しいため、複雑な概念や理解し難い箇所では、講師に質問したり具体例を示してもらったりすることが重要となります。

しかし、独学では、そのようなサポートを得ることができません。

一人で学習を進めると、理解が浅いまま進んでしまったり、挫折感を抱えるリスクがあります。なぜなら、自分で解決策を見つけ出さなければならず、正確に理解できているか判断するのが難しいからです。

独学での記述式問題の対策は至難の業

独学で、司法書士試験の記述式問題の対策を立てるのは非常に困難です。

その理由は、テキストや問題集だけで対応することは不十分であり、解答の導出法が理解しづらいためです。

また、独学では暗記に頼りがちになり、様々な問題に対応できる「答案の型」を身につけるのが難しくなります

自身の間違いを発見するためには添削が欠かせませんが、独学ではそれが困難で、スムーズな学習の妨げになる可能性があるのです。

記述式問題の演習量には限りがある

記述式問題に対応するには、膨大な量の演習が必要不可欠です。

記述式問題は、たとえ過去問をマスターしても同じ問題が出るとは限らないため、基本的な理論のみならず、幅広い視点からの応用力が求められます。

また、独学では、問題の質と量を確保するのが難しいという課題があります。市販の問題集では、十分な演習量を確保できないことが多く、試験対策として不十分な場合が多いのです。

司法書士試験に独学でチャレンジするメリット

司法書士試験​の対策を独学で進める場合、コストの節約、自分に合った学習法の選択、自分のペースで学習できるなどの数多くのメリットが存在します。

本章では、司法書士試験に独学でチャレンジするメリットをいくつかご紹介します。

自分のペースで学習できる

最大の利点は、学習ペースを自分で決められる点にあります。

それぞれの理解度や学習スタイルが異なるため、自分に合わせて柔軟に進められるのが大切です。また、一人ひとりが持っている知識や能力は様々で、得意分野や苦手分野も人それぞれ違います。

独学なら、自分の得手不得手に合わせて勉強を調整でき、苦手な部分は時間をかけて徹底的に理解を深めらます。これは、講義のペースに縛られず、自分の理解度に合わせた学習ができるということです。

しかし一方で、独学は自由度が高い分、計画性が求められます。自己管理が欠かせず、スケジュールに遅れが出ると全体の計画が狂ってしまう恐れがあります。自分の進捗をしっかり管理しながら、個々の状況に合わせた学習を心がける必要があると言えるでしょう。

コストを抑えられる

また、コストを抑えられるというメリットもあります。

受験指導校に通う場合は高額な学費が必要になりますが、独学なら指定テキストや問題集の購入費用だけで済みます。

また、必要経費の見通しも立てやすく、文具や勉強部屋の光熱費などは、自分のライフスタイルに合わせて調整が可能です。万が一途中で挫折しても、そのリスクを最小限抑えることができます。

そのため、学費の準備が難しい方や試しに取り組みたい方でも、気軽に独学を始められるのが大きな利点と言えるでしょう。

自分に合う勉強方法で学習できる

最後に、独学で勉強すると、自分に合った学習方法を選ぶことができるというメリットがあります。

人それぞれ学習スタイルや理解力が異なるため、自分に合わない教材や説明を押し付けられると、成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

独学は大変な面もありますが、自由に学習内容や進度を調整できるため、自分にピッタリな学習体験を実現することができます。

自分に合った学習方法を見つけ出すことが、司法書士試験に向けた成功への鍵となるでしょう。

司法書士試験に独学でチャレンジするデメリット

スケジュール管理が困難

司法書士試験は独学で挑む場合、勉強スケジュールの管理が非常に難しくなります。

11科目もの試験範囲を効率よく学習し、試験当日に得点力を発揮するためには、逆算して細かい計画を立てる必要があります。

独学の利点は自由度の高いスケジュール設定ができることですが、裏を返せば、その計画を自分で管理しなければならず、知識の習得に時間をかけすぎてアウトプットの訓練が不足したり、基礎知識がおろそかになってしまう危険性があります。

また、仕事と並行して合格を目指す場合、1日どれくらいの時間を割くべきか、いつまでに学習を終えるべきかなど、スケジューリングに悩むことも多いでしょう。

自己管理能力と戦略的な計画立案が求められるため、独学でのチャレンジには高いハードルがあるというわけです。

勉強方針の修正が難しい

また、独学をする場合、適切な勉強方法を見極めることが難しく、間違った方向に進んでしまう危険性があります。

法律は複雑で奥が深いため、試験で求められる水準以上の理解を目指し、不必要な部分に時間を費やしてしまうこともあります。

試験対策では、基礎・基本を徹底的に定着させ、基本的な問題を確実に解ける能力を身につけることが最も重要です。

司法書士試験は幅広い法律知識が必要ですが、ただ量をこなすのではなく、必要な知識を効率的に理解し定着させることが肝心です。

法改正などの最新情報を得にくい

さらに、法改正や判例の変更など、最新の法律情報を常に把握し続ける必要がある点が大きな課題となっています。

独学では、自分で情報収集をしなければならず、重要な情報を見逃さないように時間管理と判断力が求められます。

一方で、不要な情報まで集めてしまうと、本来の学習時間が減ってしまう上に、必要な情報が埋もれてしまう恐れもあります。

このように、最新情報を適切に取捨選択し、自己学習に活かすことが、独学受験における重要なポイントとなります。

わからないことへの質問相手がいない

また、理解が難しい箇所があった際に相談する人がいないことも大きな課題となります。

法律の学習は、初めは意味がわかりにくいものの、一通り学んでから振り返ると理解できるようになるという特徴があります。

しかし、内容を全く理解できていないまま進めてしまうと、後々の学習に支障をきたす恐れがあります。

確実に基礎を身につけるためには、暗記ではなく、しっかりと理解しながら学ぶ必要があります。理解不足のまま進めば、試験で求められる知識やスキルが身につかず、つまずいてしまうかもしれません。

司法書士試験に1年で合格するためのポイントと勉強法

司法書士試験に1年間で合格するには、計画的な学習アプローチが不可欠です。この方法は独学でも受験指導校を利用する場合でも効果的です。

まず初めに、効率的な学習を実現するため、綿密な計画を立て、それに沿って取り組みましょう。

そして、新しい知識を得るだけでなく、模擬問題の解答や小論文の作成など、アウトプットの訓練を併せて行いましょう。

また、定期的に模擬試験を受けて、現在の実力を把握し課題を明確にしましょう。

最後に、毎日少しずつでも学習を続けることで、着実に理解が深まります。

質を重視した計画的な学習を心がけることで、1年間で司法書士試験に合格することが現実的な目標となるはずです。

合格のための綿密なスケジュールが必須

まず初めに、明確で具体的な学習計画を立てることが不可欠であり、合格を目標に逆算して計画を立てることが重要です。

試験範囲が広範囲に及ぶため、学習範囲と時間配分を慎重に検討し、計画的に進める必要があります。

試験日までのスケジュール作成時には、全範囲をカバーすることを意識しましょう。民法や不動産登記法などの出題頻度の高い分野を優先的に学習することで、短期間で効率よく学習できます。

学習期間

回答数

6カ月未満

0

6~12カ月

0

1年~1年半

2

1年半~2年

3

2~3年

0

3年以上

4

上の表は、スキルアップ研究所が「合格までの学習五機関を教えてください」と質問したときの回答となります。

2年以内で合格する受験生もいれば、3年半以上かける受験生もいるとわかります。学習スタイルやスケジュール管理次第で学習期間は異なりますが、1年で合格を目指すには綿密な計画が不可欠だと言えるでしょう。

初学者が司法書士試験対策を独学で進める場合のスケジュール

初学者は、試験準備に2年半を要すると想定し、約3000時間の学習を目指すシナリオを考えてみましょう。

勉強時間を十分に確保できる人は、毎日3時間の勉強を習慣化してみましょう。

また、学校や仕事、部活や学生生活で忙しいという方は、休日には平日以上の時間をかけることをおすすめします。例えば、休日2日間で10時間を確保し、平日は約2.2時間学習すれば、1週間で目標の21時間を満たすことができます。

ただし、これらの計画は目安にすぎず、予期せぬトラブルに対応できる余裕も必要となります。

社会人が司法書士試験を独学で行う場合のスケジュール

社会人は毎日が忙しいため、毎日8時間以上の学習時間を確保するのは難しく、土日を利用しても平日は7時間以上の勉強が必要となります。

しかし、勉強時間を少なくしてしまうと十分な試験対策ができず、1回目で合格できる可能性が低下します。そのため、納得のいく時間が確保できない場合は、勉強期間を延長することをおすすめします。

受験日を1年延期することで、2年分の勉強時間を確保できます。2年間で3,000時間の学習を目指せば、1日あたり必要な学習時間は約4時間となる上、土日で16時間学習でき、平日は1日2.4時間の勉強で済むのです。

通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を活用すれば、社会人でも2.4時間の学習時間を確保することは難しくありません。

継続するのが一番大事

司法書士試験に合格するためには、継続して学習することが何よりも大切です。

特に一人で勉強する場合、最初の熱意は次第に難しさや厳しさから薄れ、モチベーションを維持することが困難になります。

最後まで諦めずに学習を続けるコツは、学習を日課の習慣にすることです。朝の空き時間や通勤中、昼休み、夜などの日常生活の合間を上手に活用して、自然と学習時間を作り出すことが求められます。たとえ帰宅後で疲れていても、少しの時間でも机に向かうことを習慣づけていけば、徐々に慣れていくでしょう。

このように学習を習慣化することで、モチベーションのアップダウンが学習に与える影響を最小限に抑えられます。

模試を活用して自分の位置を知る

また、模擬試験を積極的に活用することも重要です。

模擬試験は、自分の学習状況や現在の実力を正確に把握する有効な手段となります。試験の結果を踏まえて、勉強方法の見直しや学習ペースの調整も可能になります。

本番でも未知の問題に臨機応変に対処できる力を養うための機会ともなります。本番では過去問がそのまま出題されることはないため、模擬試験を通してそうした新たな問題にどう取り組むべきかを学ぶことができるのです。

また、模擬試験は本番の雰囲気を経験する良い機会でもあります。本番の緊張感がどのようなものなのか明確に知ることができ、場に慣れることができます。

受験生同士の相対評価により合否が決まるため、他の受験生と自分を比較し、自分の実力を測ることが求められます。

信頼性の高いテキストを使う

司法書士試験の独学においては、自分に合ったテキストを選ぶことが非常に重要となります。

出版社によって内容や視点が異なるため、自身の学習スタイルに合ったテキストを選ぶのは難しい面もありますが、分かりやすく読みやすいテキストを選べば、効率的な学習が可能になります。

テキストの選択は合格への鍵となるため、独学者にとって自分に合ったテキストを見つけることは、合格を左右するといえるでしょう。

インプットとアウトプットのバランスをとる

司法書士試験は単なる知識の暗記だけでは合格できず、知識を深く理解し、それを適切に活用できる力が求められます。

勉強する際は、インプット(知識の吸収)だけでなく、アウトプット(知識の活用)の訓練を怠らずに行うことが大切です。

基本問題や過去問を繰り返し解くことで、知識の定着と理解を深めることができます。

ただし、インプットに偏りすぎてアウトプットの時間が取れなくなると、効率的な学習が阻害されてしまい、知識のブランクも生じかねません。

記述式問題も出際されるため、難しい問題に取り組む前に、シンプルな問題から徐々にレベルアップして学習していくことをおすすめします。

法改正は常に確認

さらに、常に法改正の動向を確認することが重要です。

年間を通じて多くの法改正が行われるため、独学で全てを把握するのは困難です。各科目において、できる限り改正内容を把握し、試験範囲内であれば、該当部分を徹底的に理解する必要があります。

また、具体的な改正論点が出題される可能性や、その重要度についても把握しておく必要があります。

さらに、使用しているテキストが最新の法改正に対応しているかを確認することも大切です。

独学での勉強のおすすめ参考書・テキスト

法律は常に改正されているため、最新の法改正に対応した新しい参考書を選ぶ必要があります。

実績のある著者や評価の高い出版社から出版された参考書は、試験範囲を網羅しており、わかりやすい解説や具体例、豊富な練習問題が掲載されているため、信頼性が高く学習に適しています。

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また、図表を用いた分かりやすい解説やコンパクトな造りが特徴で、携帯に便利です。

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司法書士の独学まとめ

この記事では、司法書士試験に独学で合格できるかの可能性や難易度、効果的な学習方法とスケジュール管理について説明しました。

自己管理能力と効率的な学習法を身に着けることがポイントです。継続した学習姿勢と、内容の理解すが大切です。

また、しっかりとしたスケジュールを立てることも重要となります。

司法書士試験は難関試験であるため、自分の理解度を常に確認し、間違いから学ぶ姿勢が合格へと導いてくれるでしょう。

本記事を参考にして、司法書士試験に独学で合格してみませんか。