コンサル業界への志望動機の書き方とは?書く際のポイントと実際の例文を紹介

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コンサルティング業界への転職活動を始める際に、エントリーシートに志望動機を書く機会も多くなるでしょう。しかしながら、限られた文字数で選考官に伝わる内容を書くのは至難の技です。

そこで今回は、コンサルティングファームに転職する際の志望動機の書き方や、注意すべき点について解説していきます。

コンサルティングファームへの転職を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

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コンサル転職の志望動機を書く時に注意すること

コンサル転職の志望動機を書く

志望動機を受け取る側の意図を理解する

志望動機は内定を勝ち取るための重要な機会です。自己アピールの場でもありますが、単なる自己満足に終わってしまっては本末転倒です。

面接官は、あなたが会社に入った時にうまく業務を遂行できるかどうか、あなたが実力を最大限に発揮する意欲があるか、を見極めようとしています。

そのため志望動機を書く際は、自分の思いだけでなく面接官や会社の視点に立って考える必要があります。志望企業のビジョンやミッションを踏まえた志望動機を心がけましょう。

コンサルの業務内容

コンサルタントは、企業や組織の抱える複雑な課題を解決するために、専門的な知識とスキルを活かして解決策を提案したり実行を支援する役割を担っています。

依頼者の悩みや問題を深く理解し、改善策を考案して実行計画を立てることが求められます。チームで知恵を出し合い、メンバーの専門性を組み合わせながら最適な解決策を導き出します。

なにより、依頼者の状況を的確に把握して具体的なアクションプランを提示する力が不可欠です。コンサルタント業務の実態を十分に理解せずに転職を考えると、理想とのミスマッチから失敗する可能性があるため、事前の理解が重要となります。

転職で得たいものの再確認

転職を検討する際、新しい職場で望む条件をリストアップすることが重要です。率直に自分の本音を書き出し、どのように自分が成長していきたいのか、現場でどのように貢献できるかを再確認しましょう。

特にコンサルタントを目指す人は、自分の利益だけでなくクライアントやチームメンバーにどう貢献できるかを意識することが不可欠です。

自分の視点に加えて、他者の視点、つまりチームやクライアントの視点も踏まえることでより具体的な志望動機が構築できます。

志望動機と転職理由の共通点・相違点

転職活動において、志望動機と転職理由は密接に関係しながらも異なる役割を果たしています。

志望動機は、あなたが新しい業界や企業に魅力を感じる理由を示すものです。

一方、転職理由は現在の職場から離れようとする動機を説明するものです。

しかし、両者は一貫性を持つ必要があります。志望動機と転職理由が自然につながっていれば、面接官に対してあなたのキャリアの方向性が明確であることを印象づけることができます。

一貫した志望動機と転職理由は、信頼性の高い転職活動の証となるのです。

志望動機・転職理由を書く時のポイント

転職志望動機を書くポイント

PREP法で構成する

転職理由や志望動機を説明する際は、"PREP法"と呼ばれるフレームワークを使うと効果的です。この手法は、「結論」「理由」「具体例」「結論」から構成され、メッセージをわかりやすく伝え、相手に納得してもらいやすくなるというメリットがあります。

まず最初に結論を述べ、何が言いたいのかを明確にします。次にその理由や背景を説明します。そこからさらに具体例やデータを挙げて、主張を補強します。そして、最後にもう一度結論を繰り返すことで、相手に自分の主張をしっかりと理解してもらえます。

なぜコンサルティング業界なのかを明確に

コンサルタントへの転職は、多くの未経験者が志望するため、独自の理由が求められます。

コンサル企業は形のないサービスを提供するビジネスモデルであり、表面的な華やかさの裏にはサービスの深い理解と地道な努力が必要となります。

浅い理解しかない未経験者は挫折しやすく、企業からリスクと判断され採用されにくくなります。

そのような意味でも、なぜコンサルタントをになりたいのかを具体的に示すことが必要なのです。

その企業の特徴を踏まえた理由

コンサルティング業界や特定の企業を志望する理由を説明する際は、単に業界や職種への関心だけでは不十分です。なぜその企業を選んだのかを具体的に示すことも非常に重要になってきます。

まずはその企業の特色や専門分野を理解し、自分がその強みとフィットする点を明確にする必要があります。

その企業ならではの特色をもとに、自分の経験や強みをどのように生かせるかを語ることで志望動機や転職理由がより説得力を持つでしょう。

自身の体験談を入れる

志望動機や転職理由を書く際には自身の具体的な経験を語ることが重要です。

自分自身が直接体験した唯一無二の出来事を取り入れることで、決してテンプレではない、自分だけの語り口が可能になります。

採用担当者は、応募者ならではの経験を基に志望の理由が説明されていることを高く評価します。

自身のキャリアを振り返り、どのような経験があなたをその企業に導いたのかを明確に伝えることが大切です。

合理的かつ簡潔に

転職理由を書く際のポイントは簡潔さ合理性です。簡潔な表現で選考担当者に素早く伝わるよう心がけましょう。一方で、理由が論理的で説得力があることも不可欠です。

長文にならないよう気を付けつつ具体的な事実や論理的な説明を盛り込むことで、選考担当者に適切に自身の意図を伝えられるでしょう。

受けのいいアピールポイントとは

数値が伴った前職での実績

コンサルタント業界では、自身のスキルや強みがコンサルタントとしてどのように活かせるかを説明することが重視されます。過去の実績を数値で示すことで、抽象的なスキルを実際的な形で伝えられるため評価者にも理解しやすくなります。

しかし、前職の職種によっては、数値による実績を示すことが難しい場合があります。

そのような時は、他の業務で培ったスキルがコンサルタント業務にどう生かせるかを説明することが大切です。

他業種で培った専門知識

コンサルティング業界では、専門知識と技術を兼ね備えた人材が求められています。

そのため、他業種で培った専門性があれば未経験者でも高く評価される可能性があります。

大事なことは、現在必要とされている専門知識やスキルを把握し、自身の経験がそれとどのように結びついているかを理解することです。

さらに、扱うテーマがコンサル業界で注目されている場合は、その専門知識はより高く評価されるでしょう。

パッションのある意欲的な姿勢

能力面だけでなく、パッションに溢れる姿勢は意外にもコンサルタント業界で高く評価されます。

コンサルタントとして何を達成したいのか、どこに情熱を注いでいるのかを明確に示しましょう。

明確な目標と熱い思いを持つ人ほど企業から長期的な成功が期待され信頼を得られるものです。

コンサルティングのファーム別における志望動機の例文

戦略コンサル

私の夢は、日本の自動車メーカーが世界市場で再び存在感を発揮できるように支援することです。そのために、コンサルタントとして皆様と協力しながら全力を尽くしたいと考えております。

過去6年間、総合商社の自動車関連部門で勤務しており、日本の自動車産業の海外展開を支援してきました。その経験から日本車の優れた性能は実感しましたが、海外での評価は必ずしも実力に見合っていないと感じました。この状況を打開するには企業の海外戦略を見直す必要があると感じており、それこそが日本の自動車メーカーが世界で活躍するための鍵になると考えています。

そこで、戦略コンサルタントとして日本の自動車メーカーの海外展開を積極的にサポートし、その競争力強化に貢献したいと考えています。特に貴社では自動車業界への支援に注力しているため、その一員として携われればと存じます。また、2年間のアメリカ勤務で培った語学力も活かし、グローバルなプロジェクトに貢献できるものと確信しています。

総合コンサル

転職を希望する理由は、貴社では、これまでの経験を活かしつつより大きな影響力のある仕事に携われると感じているからです。業種を問わず様々な課題に取り組み、持続可能なビジネス戦略を立案する貴社のアプローチに魅力を感じています。

過去10年間、製造業で生産管理を担当し、効率改善とコスト削減につながるプロジェクトを推進してきました。その実践を通じて、戦略的なアプローチによる課題解決力と高度なデータ分析能力を身につけることができました。

特に私が力を発揮できると考えているのは、企業のデジタル化を推進し成長への道筋をつけるプロジェクトです。クライアント企業が直面する課題の解決に貢献し、その成功を支援したいと考えています。また、貴社での経験を通じてグローバルな視野とビジネス課題に対する深い理解を身につけていきたいと目標にしています。

この転職が新たなキャリアの機会となり、私の経験と知識をさらに深め、広範な影響を与えられる場となると確信しています。革新的で持続可能な解決策をクライアントに提供できるよう、全力を尽くす所存です。

ITコンサル

私はITコンサルタントとして、豊富なシステム管理経験と業務効率化への強い情熱を活かし、お客様の課題解決に貢献したいと考えています。前職では5年間、社内SEとして業務の標準化や改善に取り組んできましたが、より広範な業務改革を実現するためにITコンサルタントへの道を選びました。

日本企業の生産性向上が課題とされる中、DXの推進やシステム刷新による業務効率化に長けた貴社で、お客様の課題解決をサポートできればと願っています。加えて、経営理解の重要性を認識し、ITコーディネータの資格を活用して経営知識の習得にも尽力します。

ITコンサルタントは未経験の分野ですが、これまでの実務経験と絶えず研鑽を重ねる技術力を武器に、お客様の成長を支援するだけでなく、日本経済全体の発展に貢献することが私の目標です。

会計コンサル

過去8年間、中堅監査法人で会計監査と財務コンサルティングに携わり、様々な業界のクライアントの財務改善に尽力してきました。その経験から、企業の根幹に関わる的確な判断を下す能力を身につけることができました。

貴社を志望する最大の理由は、私の専門知識を存分に発揮して実際の経営戦略に大きな影響を与えられる存在になりたいという強い思いがあるからです。貴社が提供する多岐にわたるサービスの中でも、特に国際的なプロジェクトや税務戦略の最適化に携わることで、さらなるスキルの向上を図りたいと考えています。

貴社の一貫した成長とクライアントへの幅広い貢献には、深い信頼と共感を抱いています。転職を機に新たな面を開花させ、企業の財務機能強化とリスク管理向上に具体的に貢献できる立場を得られることを期待しています。専門分野への考察をさらに深め、貴社の一員として卓越した成果を上げてまいります。

志望動機・転職理由に書かないほうがいいこと

労働条件がいいからという理由

コンサルティング業界では、単に良い労働条件を求めるだけでは望ましい志望動機とは言えません。この業界の魅力は、高い報酬や待遇にあるのではなく、専門的な知見を活かしてクライアントの課題解決に取り組める点にあります。

そのため、面接では具体的な業務内容への関心や自身のキャリアビジョンと結びつけて、なぜこの業界が重要なのかを論理的に説明することが求められます。

単に良い待遇があるからという理由だけでは、採用担当者の共感を得にくく採用に有利に働かないでしょう。

単にキャリアのステータスを高めたいという理由

コンサルティングファームへの就職を望む人は多いですが、単なるステータスのためだけでは適切な動機とはいえません。企業は、自社の利益に貢献できる人材を求めているため、自分の専門性や関心、企業への貢献意欲を明確に示すことが重要です。

ステータスだけを求めるような表面的な志望動機では、企業から魅力的な人材とは見なされにくくなります。決してそれを書くこと自体が悪くはないのですが、それが一番の理由になってはいけません。

自身のスキルや経験、コンサルティング業界への本質的な関心を伝えた上でキャリアアップを目指すべきでしょう。

前職を過度に批判する内容

前職での経験や感想を語る際は、単なる批判ばかりであるとかえって悪いイメージを与えかねません。志望動機や転職理由では、あなたの成長につながった新たな挑戦への意欲を高めたことを前向きに伝えることが大切です。

大事なこととしては、経験から得た学びを今後のキャリアにどう生かせるかという視点を持つことです。

そうすることで、プロフェッショナルとしての成熟した姿勢と新しい分野に挑戦する強い意欲があることを示すことができます。

自分の強みが少ないと思った時は

資格の勉強をしてみる

自分の強みが少ないと感じるときには、新たなことにチャレンジしてみましょう。

資格取得に取り組むことで、専門知識や能力を高め自信を深めることができます。資格は単なる証書ではなく、その分野における理解度の証となります。

具体的にどのような資格が求められるのかを以下に挙げておきます。

TOEIC・TOEFL

コンサルティング業界では、語学力、特に英語力が非常に重視されます。

グローバル化が進む中で海外の企業との取引が増えているため、英語を用いたコミュニケーション能力が高く評価されます。そのため、TOEICやTOEFLなどの英語資格の取得が強く推奨されています。

TOEICでは、700点以上があれば最低限のビジネスコミュニケーション能力があると見なされますが、高度な交渉やプレゼンテーションを行う場合は850点以上が望ましいでしょう。

一方、TOEFLでは80点以上が大学レベルの英語力で、100点以上であれば流暢なビジネスコミュニケーションができると考えられています。

中小企業診断士

中小企業診断士の資格は、コンサルタントを目指す上で大きな強みとなります。中小企業診断士の資格には、法律や会計、マーケティングなど幅広い分野の知識が求められます。

この資格を持つことで、中小企業の経営に関する専門知識と課題解決のためのコンサルティング能力を備えていることが証明されます。

そのため、特に中小企業をメインの顧客とするコンサルティング会社でこの資格が高く評価されます。

MBA

MBAは経営学の修士号であり、ビジネスの理論を体系的に学ぶ2年間のプログラムです。単なる座学ではなく、グループワークや実践的な学習を通してビジネスリーダーに必要な知識と能力を身につけることができます。

また、ビジネススクールでは英語を使った授業が主流なので、高いTOEICスコアが求められます。

そのため、特にコンサルタントを目指す人にとって、MBAは幅広い知識と実践力を養うための資格だといえます。

PMP

PMPは、プロジェクトの立案から完了まで効果的にリーダーシップを発揮できる能力を証明するものであり、プロジェクト業務が多いコンサルティング業界で非常に評価されます。

また、様々な業界や国際的に認められたプロジェクト運営能力を保証する資格でもあるため、自身の強みを幅広く認識してもらえる資格となります。

面接で差をつける

履歴書にかける自分の強みがあまりないという人は、面接で差をつけましょう。

コンサル業界の面接では、ケース面接フェルミ推定といった特殊な面接方式を通じて、候補者の分析力や柔軟な発想力が評価されていきます。

コンサルティングファームへの転職では志望動機も重要ですが、それ以上に論理的思考力を持つ人材が評価されます。

面接は、自分が実際のプロジェクトにおいて活躍できることを示す絶好の機会なのです。

転職エージェントを利用してみる

自信を失いがちな方や、転職・キャリアアップに不安を抱える方に役立つのが転職エージェントです。

転職エージェントは、適切な求人情報を提供しあなたの経験やスキルにマッチした企業とのつなぎ役を担います。専門のコンサルタントが在籍しているため、自分の強みを見つけ出すサポートを受けられます。

客観的な視点から自己分析を行うことで、新たな可能性が見えてくるでしょう。

転職エージェントは単なる求人情報サイトではなく、一人ひとりに寄り添い、キャリアアップのチャンスを提供する存在です。

自分自身を再発見し、適切な企業に出会える機会となります。

コンサル業界への転職志望動機まとめ

志望動機には、自身の強みと志望する分野や企業への深い理解が不可欠です。

自分自身を冷静に分析し、目指す業界や企業のニーズにどのように応えられるかを具体的に説明することが重要です。

本記事を参考にしてみながら、自身の魅力を的確にアピールし、コンサル業界への転職を成功させましょう。