司法試験の勉強法は?基本書・六法の使い方からヤマとなる民法・論文攻略法まで解説!

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超難関として知られている司法試験ですが、少しでも合格に近づくために効率的な勉強法や適切な学習スケジュールを知りたい人は多いのではないでしょうか。

本記事では、司法試験対策のための勉強法について、基本となる六法などの使い方や民法・論文の対策法を含め解説していきます。


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司法試験の効率的な勉強法の流れ

司法試験の勉強法

法律の文言を詳しく確認し法的三段論法で考える

司法試験においては、条文の理解が基礎となります。条文をしっかりと把握し、それに関連する知識や論証を整理しておくことで、問題への適切な回答をスムーズに行うことができます。

法的三段論法は、法律家が日常的に用いる思考方法です。この方法は、新たな知識を学ぶ際だけでなく、既に持っている知識を整理し表現する際にも有効です。

この思考方法は情報をインプットする段階とアウトプットする段階の双方で活用されるべきであり、知識の習得だけでなく、問題を解決する訓練にも役立ちます。

細かい知識を補充し模範解答を意識しながら書く

基本的な学習を終えた後は、不足している知識を補うために判例や文献を参照します。この段階では、法的三段論法の基礎となる条文や理論の理解を深めることが目的ですが、理論だけを学んでも実際の事例への適用能力は身につきません。

この過程では、模範解答で何を書くべきかを考慮しながら答案を作成することが重要です。旧試験の問題は論点を深く掘り下げることを要求されるため、この訓練を通じて事実に基づいた適切な解答を導き出す思考過程を確立することができます。

模範解答以外にも優れた答えを分析する

司法試験の答案作成においても法的三段論法の適用は非常に重要です。この論法を用いることで、答案の根幹をしっかりと構築することができます。

ただし形式だけでなく、その中身の充実も求められます。各議論で法的三段論法を用いる際には、それをできるだけシンプルに示すことが肝心です。なぜなら、手書きの論文試験では答案が読み手にとって追いやすい形式であることが重要だからです。

そのためには、ナンバリングを用いて文章の構造や論理の流れを明確にする工夫が必要です。これにより、読み手は答案の中で論点を容易に追うことができます。

答案を書いた後は添削してもらい反省をする

答案を完成させた後、それを添削してもらうことは非常に重要です。

特に司法試験の準備を始めたばかりの初学者にとっては、自分の答案に対する客観的な評価を早めに受けておくのが良いでしょう。

司法試験の合格者は、試験で求められる文章構成や言葉遣いを理解しているため、その視点から具体的なアドバイスをすることができます。

初学者が早い段階で添削を受けることにより、適切な答案の書き方を体感できます。これにより自身の弱点を明確に把握し、それを改善するための具体的な方法を学ぶことができます。

弁護士へ最短で合格するポイント

弁護士試験に最短で合格するためには、戦略的な勉強法が必要です。

司法試験は7科目に及ぶ広範な範囲をカバーしており、膨大な量の論点、論証、判例を理解し、記憶する必要があります。

しかし、講座を聴いたり基本書を読んだだけでは知識が十分に定着しません。最初はすべてを完璧に理解しようとせず、ある程度のスピードで基礎講座や基本書を一通り学習することから始めましょう。

短答試験対策

短答試験の対策においては、合格に必要な勉強時間は約1,000時間から2,000時間とされています。

マークシート方式の試験であるため、難易度の高い問題に時間を費やすよりも、確実に得点できる問題を重点的に攻略することが肝心です。難問や奇問に固執せず、捨てるべき問題は割り切って捨てる勇気も必要です。

ただし、各科目で最低40%以上の得点は必要です。過去問を10年分から15年分、3周することで、合格に必要な実力をつけることができます。

論文試験対策

論文試験対策は、短答試験を上回る労力と時間が必要です。

合格を目指すためには、およそ3,000時間から8,000時間の勉強が必要とされていますが、この時間には短答試験対策としての基礎学習も含まれています。

論文試験の合格率は全受験者の約30%と比較的厳しいものがあります。そのため、基礎講義や基本書を通じてのインプットから始め、短答試験の完成度を高めつつ、論文試験に特化した記述練習を行うことが重要です。試験時間を意識した練習を重ねることで、本番での時間配分や思考の整理がスムーズになります。

論文の作成は、一人で行っても適切なフィードバックを得ることが難しいため、予備校の講師や既に司法試験に合格した先輩など、専門的な知識を持った人からの添削を受けることが望ましいです。

また、去問演習も論文試験対策の重要な部分を占めます。1年度分の7科目を一セットとして、10年分から15年分の過去問を解くことで、論証パターンの理解や答案のナンバーリングの技術が身につきます。

過去問題演習は合格に不可欠

過去問題演習は司法試験の合格において不可欠な要素です。

確かに、一度出題された問題がそのまま再び出題されることはほとんどありませんが、過去問には質の高い問題が多く含まれています。

これらの問題を解くことで、試験作成者の出題意図や問題のパターンを理解することができます。特に、過去問を基にした問題を取り扱う講座の受講は非常に有効です。

2020年からは民法などの改正法が出題されていますが、多くの予備校ではこれらの改正に対応した過去問の答案や解説が提供されています。

六法持ち込み可を最大限活かす

論文試験では、六法を持ち込むことが許可されています。

このため、六法の扱いに慣れることは非常に重要です。しかし、判例六法の使用は認められていないため、判例や論証はあらかじめしっかりと頭に入れておく必要があります。

六法を効果的に利用するためには、条文の検索方法を習得し、必要な情報を迅速に見つけられるように練習しておくことが大切です。

判例や論証の記憶には書き出してみるのがおすすめ

判例や論証を記憶する際には、書き出してみることがお勧めです。

判例や論証などの情報は長く複雑であるため、単に読むだけでは記憶に残りにくいです。

しかし、手書きで書き出すことにより、より深く理解し、記憶に定着させることができます。

また、司法試験ではボールペンや万年筆を使用して論文を書くため、普段から手を動かして書く練習をすることは、実際の試験のパフォーマンス向上にもつながります

科目ごとの対策法

憲法

憲法の勉強には300時間以上の勉強時間を要することが一般的で、民法や刑法と同様に短答試験の必須科目ですが、憲法独特の複雑さがあります。

特に短答試験では、学説に関する深い知識を問う問題が出題される傾向があります。単なる条文の暗記を超え、各学説とそれに関連する論点を深く理解し、把握することが求められます。

憲法は国家の最高法規であり、民事法や刑事法を含む幅広い分野に影響を及ぼします。そのため、法学の学習を始める際に最初に取り組むのが一般的であり、その基礎知識は他の法律学習にも役立ちます。

さらに、憲法の答案は特有の形式を持っており、どのような答案を書くべきかを理解することで、重要なポイントに焦点を当てた勉強が可能になります。入門レベルの講義を終えた後に、答案の書き方について学ぶことがおすすめです。

民法

民法に関しては、勉強量が最も膨大な科目と言われています。1,000条を超える条文があり、これらを効果的に学習するには根気と戦略が必要です。

特に弁護士は、司法試験合格後の実務で民法を頻繁に用いるため、この科目の理解は非常に重要です。必要な勉強時間は500時間以上と見積もられ、司法試験科目の中でも特に難易度が高いとされています。

その圧倒的な量から、多くの受験生が挫折を経験する科目でもあります。しかし、民法の学習を乗り越えることができれば、他の科目に対する自信としてつながり、学習の効率も大きく向上するでしょう。

また、民法の論文式試験の対策では、過去問を解くことが重要であり、本番と同じように過去問に向き合うことが推奨されています​​。

刑法

刑法は、憲法や民法と並び「上三法」と呼ばれる基幹科目の一つであり、論理的思考が強く求められる科目です。

合格には少なくとも300時間以上の勉強が必要とされています。

刑法は特に弁護士、裁判官、検事などの法曹三職にとって重要な法律であり、実務上頻繁に使用されるため、深い理解が求められます。

例えば、刑法236条の強盗罪に関する「暴行又は脅迫」の解釈では、被害者の性別や年齢、体格など、さまざまな事実関係を考慮する必要があります。このように、理論を具体的な事例に適用する能力が、刑法学習における重要なスキルとなります​​。

刑法の論点は多岐にわたりますが、結果無価値論と行為無価値論などの主要な二項対立の構造を理解することで、論点を整理しやすくなります。論文答案の「締め」の部分である罪数処理などは、しっかりと勉強すれば機械的にこなすことが可能です​​。

民事訴訟法

民事訴訟法については、難易度が特に高いわけではないものの、手続き法という特性上、比較的面白みに欠けると感じる受験生もいるようです。

しかし、この科目も司法試験合格には欠かせないものであり、300時間以上の勉強が必要とされています。

民事訴訟法の学習は、民法など他の実体法の理解を深める上でも役立ちます​​。

刑事訴訟法

刑事訴訟法の勉強においては、捜査の開始から判決の言い渡しまでの流れを理解することが重要です。刑事裁判の手続き全体を把握することで、勉強が効率的になります。

勉強時間は300時間以上が必要であり、他の科目と比較して特に容易でも難しくもないとされています​​。

商法

商法の勉強においては、商法総則・商行為、手形法、会社法の3分野があり、特に会社法が重要視されています。

条文が多く、法律の仕組みや実務上の扱いが複雑であるため、具体的なイメージをつかむのが難しい科目です。そのため、基本書を読むだけでなく、論文を書くなどのアウトプットを行い理解を深めることがおすすめです。

合格レベルに達するためには300時間以上の勉強が推奨されており、また扱う条文数が多いため、論文本番では素早く必要な条文を引けるようにすることが重要です。

商法の勉強においては、条文の複雑さや仕組みのイメージがしにくいため、苦手意識を持つ受験生が多いようです。そのため、条文の制度趣旨から商法・会社法の仕組みを具体的にイメージすることが大切です。法律が制定された背景を理解することで、条文の仕組みが理解しやすくなります。

行政法

行政法の論文式試験対策には、処分性、原告適格、訴えの利益などの重要なポイントをマスターし、過去問の分析に取り組むことが勧められています。

出題趣旨や採点実感を読み込み、合格者の答案を分析することで、効果的な学習が可能です。

行政法は比較的短期間で習得が可能であり、司法試験の論文式試験で高得点を取るための戦略的な学習が重要です​​。


選択科目の特徴とおすすめの選び方

司法試験の論文問題では、労働法、倒産法、知的財産法、経済法、租税法、環境法、国際関係法(私法系・公法系)などから1科目を選択します。科目選択は、勉強量や合格しやすさ、将来特化したい法律分野に応じて決定すると良いでしょう。

各科目の特徴を理解し、自身の興味に合った科目を選ぶことが重要です。

科目

受験者数

割合

倒産法

569人

14.6%

租税法

233人

5.9%

経済法

787人

20.2%

知的財産法

613人

15.7%

労働法

1127人

28.9%

環境法

136人

3.5%

国際関係法(公法)

54人

1.3%

国際関係法(私法)

378人

9.7%

労働法

労働法は、司法試験の中でも特に人気のある科目の一つです。

受験生の約30%がこの科目を選択しており、その理由の一つには、民法、憲法、行政法といった他の科目との関連性が深いことが挙げられます。

労働法を学ぶことは、労働者の権利や義務だけでなく、企業側の観点からも法律を理解することができ、実際の法律実務においても幅広く応用が利くため、多くの受験生が取り組んでいます。

ただし、労働法は学習すべき範囲が広く、深い理解が求められる科目でもあるため、労働法が得意な人、あるいは関心のある人が選択することがおすすめです。

AI技術の進歩により、将来的には労働法の研究や実務がより効率化され、新しい視点での法律解釈が求められることも予想されます。

倒産法

倒産法は、民法や民事訴訟法の知識を活かすことができる科目であり高額な金額が動く倒産案件に関わることが多いため、法務のプロとして活躍したい人には特におすすめの科目です。

さらにデータ分析やAI技術の進化により、倒産法分野の知識の獲得はより価値のあるものになってきています

たとえば倒産予測モデルの開発や、デジタルツールを用いた倒産手続きの効率化など、従来の法律実務にはない新しいスキルや知識が求められるようになっています。このため、倒産法を学ぶことは、将来的に法律家としての専門性を高めるだけでなく、新しいテクノロジーを法律実務に取り入れる能力も身につけることができるでしょう。

知的財産法

知的財産法は、司法試験で選択する人が多い科目の一つで、勉強量も比較的多いとされています。

この科目を選ぶ受験生は一般にレベルが高いと言われていますが、インターネットの普及に伴い、知的財産や特許を扱う機会が増えているため、法律家にとっては非常に重要な分野です。

現代社会では、情報技術の急速な発展とともに、オンラインでの著作権侵害や特許問題が頻繁に発生しています。

そのため、知的財産法の知識は、将来法律家として活動する上で不可欠と言えるでしょう。

経済法

経済法は、選択者が多い科目の中で第2位に位置づけられており、独占禁止法が出題の中心となります。

この科目の勉強量は他の科目と比較して少なめであり、独占禁止法は刑法の犯罪構成要件と類似する概念を持っているため、刑法が得意な受験生には特におすすめです。

経済法は、市場の公正な競争を保持し、消費者の利益を守るために不可欠な法律です。近年では、国内外の企業間での合併や買収が活発に行われていることから、独占禁止法の適用範囲は広がりを見せています。

租税法

租税法を選択する受験生は全体の約6%とされ、必要な勉強量は中程度です。租税法律主義に基づき、条文のない問題はほとんど出題されず、学説上の争いも少ないため、学習しやすい科目の一つです。

租税は全国民や全企業に影響を及ぼすため、この分野における法律家の需要は非常に高いと言えます。実際に、税法は日々の生活だけでなく、企業活動においても重要な役割を果たしており、税務に関する正確な知識と理解は、法律家にとって必須のスキルとなっています。

租税法の勉強を通じて、税法の基本原則を学び、実務で遭遇する可能性のある複雑な税務問題を解決できる能力を身につけることができます。

環境法

環境法は多くの司法試験受験生にとって馴染みが薄く、敬遠されがちな科目です。しかし受験者が少ないため、しっかりと学習すれば上位に食い込むチャンスがあります。

実は環境法は民法の不法行為や行政法と関連が深いため、勉強しやすい側面も持っています。そのため、並程度の勉強量で対応可能です。

近年地球温暖化や生物多様性の保護など、環境問題が世界的な注目を集めています。これにより環境法の重要性は日々高まっており、将来的にはこの分野での専門知識を持つ法律家の需要が増加することが予想されます。

環境法を学ぶことで、環境保護に関する法的枠組みを理解し、社会的にも重要な役割を果たすことができる法律家を目指すことができます。

国際関係法(私法系)

国際関係法(私法系)は受験者が少なめながらも、勉強量は標準的です。

この科目の試験範囲は広いですが、実際に出題される分野は比較的限定されているた必要とされる知識量はそれほど多くありません。

国際関係法を学ぶことは、グローバル化が進む現代社会において非常に重要です。特に渉外事務所に所属し、国際的な舞台で活躍することを目指す受験生にとっては、この科目の知識が直接的な強みとなります。

国際取引、国境を越えた紛争解決など、グローバルな活動を行う上で必要な法的知識を習得することができ、世界中どこでも通用する法律家を目指すことが可能です。

国際関係法(公法系)

国際関係法(公法系)は、司法試験で選択する受験生が最も少ない科目の一つです。

しかし、この科目は条約や国際判例の解釈を学習の中心に据えており、国際法に興味がある人にとっては非常に魅力的です。

国際関係法(公法系)の学習では、国際社会における法的枠組みや、国家間の法律関係を理解することが求められます。これにより、国際的な視点から法律問題を解析する能力が身につきます。

ただしこの分野に特化した予備校の教材や本は少ないため、基本書や重要な判例の精読が学習の中心となります。自学自習の能力や、独自の学習計画を立てて進める能力が求められます。しかし受験者が少ないということは、それだけ競争率が低いということでもあります。

そのため、高得点を獲得することができれば、他の多くの受験生と差別化を図り、試験において大きなアドバンテージを得ることが可能です。

司法試験・予備試験受験へのスケジュール

合格のための勉強時間

司法試験は、勉強量が膨大であり、多くの受験生が数年をかけて合格を目指します。

実際に予備試験を経て司法試験に合格するルートを取る場合でも、最低2年はかかるとされています。一般的には、司法試験の最終合格には3年から5年の準備期間を要することが多いです。

合格に至るまでに必要とされる勉強時間は、3,000時間から8,000時間程度とも言われており、受験生はこの長期戦に備えて体系的かつ効率的な学習計画を立てる必要があります。

この膨大な時間をどのように分配し、どの科目にどれだけの時間を割くかは、合格への道のりを左右する重要な要素となります。また、勉強の進捗に応じて計画を見直し、必要に応じて調整する柔軟性も求められます。

勉強はいつから始めるべき?

司法試験や予備試験の勉強は、早ければ早いほど有利とされています。一般的には、試験日の1年以上前から準備を開始することが推奨されます。

効果的な勉強法としては、まず法律の基礎知識の習得から始め、徐々に過去問題の演習に移行していくことが重要です。予備校やオンライン講座を利用することも一つの方法です。これらの講座を通じて効率的な学習方法を学び、質問や疑問を解消する機会を持つことができます。

学習計画を立てる際には、自分自身の進捗を定期的に確認し、計画に沿って学習が進んでいるかをチェックすることが大切です。計画的に、かつ着実に学習を進めることが、司法試験合格への確かな一歩となるでしょう。

初めは講座や教科書からひたすらインプットする

司法試験の勉強を始める際には、まずは講座や教科書からのインプットが非常に重要です。基本書を読み進める方法は、合格に必要な知識をインプットする上で確かに効果的ですが、難解な条文や判例・論証を独学で理解しようとすると多くの受験生が行き詰まりを経験します。

このような状況を避けるためにも、法律に詳しい専門家に質問できる学習環境を整えることが推奨されます。予備校の司法試験対策講座などを受講することで、基礎講義を一定のペースで進めることができ、法体系の全体像を早期に把握することが可能です。

インプットする際の中心となるのは、条文、判例、論証です。ただし、論文試験では六法全書を使用できるため、必要な条文を迅速に引けるようにすることが重要です。条文を一字一句覚える必要はありませんが、重要な部分はすぐに参照できるようにしておくことが大切です。

力がついたらアウトプットに移り添削と反省を

知識が身についたら、次はアウトプットの段階に移りましょう。特に論文問題では答案を正確に添削され、そのフィードバックをもとに答案をブラッシュアップしなければ、合格レベルの答案を作成することは難しいでしょう。

この行程を効果的に進めるためには、模範答案と解説が書かれたテキストを使用するよりも、問題が厳選され実際に司法試験に合格している講師などがいる予備校の添削付き論文対策講座を受講することがおすすめです。

このような講座では、自分の答案がどのような点で不足しているのか、またどのように改善すればよいのかという具体的なアドバイスを受けることができます。また、添削を通じて試験で求められる解答の形式や論理構成を学ぶことができ、実際の試験に向けての対策を強化することが可能です。

過去問の有効な活用法

過去問を活用することは、司法試験の勉強において非常に重要な戦略です。可能であれば、全ての年度の過去問を解くことをおすすめしますが、時間的に厳しい場合は、少なくとも「直近5年分」の過去問を解くことが絶対に必要です。直近の問題を解くことで、試験の傾向やどのような知識が求められているかを把握することができます。

しかし、それ以外の年度の過去問についても、全く手をつけないのではなく、「見る(読む)」ことで、幅広い知識を得ることができます。時間をかけずにさらっと内容を確認するだけでも、試験の全体像を理解する上で役立ちます。

過去問を通じて、どの法律分野が重点的に問われているのか、どのような問題形式が用いられているのかなど、試験の特徴を掴むことが可能です。

過去問は法務省の公式ページで入手できる

司法試験の過去問は、法務省の公式ページから入手することができます。このページでは過去に出題された問題が公開されていますが、解説や模範解答は掲載されていません。そのため、多くの合格者は過去問の解説や模範解答が掲載されている過去問集や予備校が提供する過去問解析講座を購入して学習を進めています。

過去問集や解析講座を利用することで、単に問題を解くだけでなくその解答のポイントや注意すべき点を学ぶことができます。また、模範解答を読むことで試験で求められる解答の書き方や論理的な展開を理解することができ、自分の答案作成スキルを向上させることが可能です。

過去問を解く際は、ただ解答を見るだけでなく、なぜその解答が正しいのか、どのようにしてその解答に至るかを深く考えることが重要です

法務省の公式ページはこちら

解いたら過去問集で答え合わせをしよう

過去問を解いた後の答え合わせは、司法試験の学習において非常に重要です。特に、旧試験の過去問には、短い事例で設定された高度な問題が多く含まれており、これらを解くこともおすすめです。

これらの問題は、法律知識だけでなく問題解決能力を養う上でも役立ちます。しかし現行試験の形式に慣れることが最優先事項であり、その上で旧試験の過去問を応用問題対策として利用するのが良いでしょう。

過去問集で答え合わせをする際には、ただ正誤を確認するだけではなく、なぜその答えが正しいのか解説を読み込むことが大切です。また、間違えた問題についてはその理由を深く分析し、同じ過ちを繰り返さないようにすることが重要です。

旧司法試験の過去問も役に立つ

旧司法試験の過去問を解くことは、現行試験の準備にも役立ちます。わからない部分があった場合、自分で調べたり、仲間に質問することも一つの方法です。しかし、正確性と効率性を重視するならば、予備校の過去問講座を利用するのが最適です。

予備校の講座では、専門家が作成した解説や模範解答を通じて、難しい問題の解き方や法律概念の正しい理解を学ぶことができます。また、予備校の講座では、過去問をどのように解析し、どのように学習に活かすかについての指導も受けることができます

旧司法試験の過去問を含め、過去問を幅広く活用することは、司法試験の合格に向けた学習をより効果的に進めるための鍵となります。

司法試験対策におすすめの参考書

法科大学院・司法試験共通C-Bookシリーズ

司法試験合格のための学習のパートナーとして「法科大学院・司法試験共通C-Bookシリーズ」をお勧めします。

このシリーズは、法律学習に必要な全てを網羅しており、その内容の豊富さと質の高さで、多くの受験生に信頼されています。各科目を深く、かつ網羅的に理解するための最適なリソースとして設計されており、初学者から上級者まで幅広いニーズに応えることができます。

各巻は、法律の基礎理論から最新の法律実務まで、理解を深めるための詳細な解説と豊富な事例を提供し、法律知識の確実な習得をサポートします。

また、このシリーズは、実際の試験で求められる思考力や応用力を養うための演習問題も豊富に含んでおり、理論だけでなく実践的なスキルも身につけることができます。

法科大学院・司法試験共通C-Bookシリーズはこちら

独学での勉強は無理ゲーの理由

司法試験に独学合格は極めて難しく、一般に「無理ゲー」と言われています。ここでは司法試験の独学が無理ゲーな理由を具体的にみていきましょう。

問題演習方法に課題が山積み

独学での勉強にはいくつかの困難が伴います。特に、問題演習の段階で、答案の客観的な検討が困難という課題があります。

旧試験の過去問は公開されていないため、受験生は市販の問題集に頼ることになりますが、ここで生じる疑問点に対して質問できる相手がいないため、自身で解釈する必要があります。そういった状況だと、誤った知識を学習してしまうリスクがあります。

また、法改正への対応も独学では難しく、過去問を全て演習することは非現実的です。重要な問題に絞る選択と集中が必要ですが、その判断を独学で行うのは困難です。

結果として、答案の検討や過去問の選択・解釈に課題があり、勉強の質を確保するのが難しい状況に陥ってしまいます。

勉強法に迷いが生じやすい

独学での勉強法には迷いが生じやすく、特に適切な基本書の選定が難しい問題があります。

基本書は司法試験合格を直接の目的としていない場合が多く、試験に必要な部分と不要な部分の区別がつきにくいです。

さらに、試験での重要度が不明確であるため、効果的な学習メリハリをつけるのが困難です。

これらの問題は、結果として膨大な勉強量との闘いを強いられることに繋がります。独学では、基本書からの効率的かつ効果的な知識インプットが難しく、学習量が過大になりがちです。

孤独に絶えられず挫折してしまう

独学の最大の課題の一つは、長期間にわたる孤独との闘いです。

勉強法への不安やモチベーションの維持が難しく、自分自身のレベルがわからず、立ち位置が可視化しにくい状態になります。

また、他の受験生と比較して自分の勉強方法が正しいのか判断しにくく、これが挫折に繋がることも少なくありません。

ほぼ全員が予備校・通信講座を利用

ここまで述べたように、司法試験を独学で突破することは並大抵のことではありません。実際、司法試験に独学合格する人はほとんどおらず、合格する受験生のほぼ全員が予備校か通信講座を利用しています。

講座を受講するすることで、司法試験界の先人達が築き上げてきた試験攻略ノウハウを手に入れることができ、独学よりも遥かに効率よく試験対策をすることが可能になります。

司法試験の対策講座は数多く存在しますが、中でもアガルートの司法試験・予備試験講座はチェックしておきたい講座の1つです。

アガルートは短期間で学習を進めるための「最短合格カリキュラム」が整備されており、膨大な司法試験の範囲を可能な限りコンパクトにまとめて効率よく学ぶことが可能です。

また、アガルートは2023年だけでも641名の司法試験合格者を輩出しており、これは司法試験合格者全体の3分の1を占めます。

このように実績も抜群の注目講座となっているので、ぜひ一度アガルートの講座をチェックしてみてはいかがでしょうか。


弁護士への厳しい勉強はモチベーション維持が肝要

弁護士になるための勉強は、非常に厳しいものです。モチベーションの維持方法には個人差があり、自分に合った方法を見つけ出すことが重要です。これまでに自分がストレス解消やモチベーション維持に効果的だった方法を思い出し、それを活用することから始めましょう。

特におすすめなのが、勉強時間の計測と管理です。例えば、1日に勉強する時間を3時間と決めた場合、ストップウォッチやタイマーを使用して時間を計測します。計測した時間が合計で3時間に達したら、自分に小さなご褒美を与えるという方法です。逆に、3時間以上の勉強は禁止とすることで、過度な疲労や飽きを防ぐことができます。

この方法により、限られた時間の中で効率的に勉強を進めることができます。また、時間管理を徹底することで脳の集中力が高まり、それがモチベーションの向上につながります。時間を管理することは、勉強の質を高めるだけでなく、モチベーションを維持する上でも非常に効果的な方法です。

司法試験の勉強法まとめ

この記事では司法試験の勉強法について紹介してきました。

司法試験の勉強は様々な困難があり、司法試験自体もかなり難易度の高い試験です。

しかし、そんな司法試験にも正攻法はあります。

この記事を活用して皆さんも司法試験合格を目指してみてください!