一橋法科大学院の入試難易度は?他の大学院と倍率や学費を徹底比較
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一橋大学法科大学院は、国内の大学院の中で有数の司法試験合格率を誇るロースクールです。
本記事ではそんな一橋法科大学院について、入試の難易度を他の国内大学院と比較して解説します。
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一橋法科大学院の入試難易度は?
大学や高校とは異なり、大学院の難易度に偏差値という指標は用いられていません。
そのため大学院の入試難易度を探るには、入試の倍率、受験者の質、コースごとの定員など様々な側面から評価する必要があります。
それでは、一橋大学法科大学院の難易度を詳しく説明していきます。
令和6年度入試の倍率とコースごとの定員
コース名 | 募集定員 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
未修者 | 20名程度 | 83名 | 22名 | 3.77倍 |
既修者 | 45名程度 | 212名 | 57名 | 3.72倍 |
5年一貫 | 20名程度 | 18名 | 18名 | 1倍 |
一橋大学法科大学院には未修者コース、既修者コース、そして5年一貫コースの3つがあります。このうち5年一貫コースは、一橋大学の学部生が4年次から大学院の授業を履修し、1年で修士号を取得する制度です。
2024年度の入学試験結果を見ると、一橋大学法科大学院は他の大学院に比べて人数が少なく少数精鋭の教育を実施していることがわかります。例えば東京大学法科大学院が既習者と未習者を合わせて230人の定員に対し、一橋大学は約65名程度となっており、その競争率の高さが伺えます。
一橋法科大学院の入試受験者のレベル
一橋法科大学院入試の受験生のレベルは非常に高いです。
2024年度の一橋法科大学院の入試では、未修者試験において慶應義塾大学、東京大学、一橋大学の学生が全体の40%以上を占めました。
さらに既修者試験では、一橋出身者が全合格者57人中36人を占めるなど圧倒的な数を誇りました。
その上、残りの21人をみても慶應義塾大学出身者が9人、早稲田大学出身者が8人と、受験生の約80%以上がこれらのトップ校出身であることがわかります。
このように、定員が限られている中でも受験者自体のレベルが非常に高いことが、一橋法科大学院の難易度を一層引き上げています。
一橋ローの倍率を他ロースクールと比較
一橋法科大学院の受験倍率を他の有名法科大学院と比較したものが次の表となります。
大学院名 | 既習コース | 未習コース |
一橋大学(2024年データ) | 3.72倍 | 3.77倍 |
慶應義塾大学(2024年度データ) | 3.67倍 | 3.71倍 |
東京大学(2024年データ) | 3.27倍 | 3.59倍 |
早稲田大学(2024年データ) | 3.25倍 | 4.86倍 |
京都大学(2024年データ) | 2.67倍 | 4.75倍 |
中央大学(2024年度データ) | 1.92倍 | 3.73倍 |
慶應義塾大学
慶應義塾大学法科大学院の入試倍率は、既修コースが3.67倍、未修コースが3.71倍とどちらのコースでも一橋大学の倍率より低くなっています。
慶應義塾大学は私立大学の中で司法試験合格実績がトップクラスであり、その司法試験合格率が50%に迫ります。
そのため東京大学の併願先としても人気があり、受験者のレベルは国内最高峰です。
このことから、純粋な倍率の面では一橋が上回っているものの、慶應義塾大学と一橋大学の難易度はほぼ同じと言えます。
東京大学
東京大学法科大学院の入試倍率は、既修コースが3.27倍、未修コースが3.59倍です。
この倍率は、両コースともに一橋大学よりは低いです。しかしその差は大きくない上、東京大学の定員は一橋大学よりも多いため、不合格者の絶対数で比較すると東大の方が多くなります。
また、東京大学は日本で最も偏差値が高い大学として知られ、特に東大法学部出身者を含む優秀な受験生が集まります。また、東京大学の入試には行政法が含まれ、試験範囲が一橋大学よりも広くなっています。
以上を総合的に評価すると、東京大学の方が難易度が高いと言えます。
早稲田大学
早稲田大学法科大学院の入試倍率は、既修コースが3.25倍、未修コースが4.86倍です。倍率の比較では既修コースでは一橋が、未修コースでは早稲田の方が入学するのが難しいと考えられます。
しかし司法試験の合格実績は、一橋は60~70%の合格率を誇り、早稲田は30~40%となっています。この合格率の差からも、一橋がより優秀な学生を惹きつけていることが伺え、結果として一橋の方が全体的に難易度が高いと言えます。
京都大学
京都大学法科大学院の入試倍率を見てみると、既修コースは2.67倍、未修コースは4.75倍となっています。
これを一橋大学の倍率と比較すると、既修コースにおいては京都大学よりも一橋の方が高い倍率となっていますが、未修コースに関しては逆に京都大学の方が高いです。
京都大学も西日本を中心に優秀な受験生が集まっていることと、それぞれのコースの倍率にかなりの差があることから、既習者にとっては一橋大学の方が難易度が高く、未修者にとっては京都大学を選択する方が良いと言えます。
中央大学
中央大学法科大学院の入試倍率を見ると、既修コースが1.92倍、未修コースが3.73倍となっており、一橋大学と比較すると既修コースではかなり、未修コースでもやや低い倍率となっています。
さらに一橋大学の入試では英語の能力も要求されるため、より長い学習時間が必要です。
また司法試験合格率を見ても、中央大学は約30%であるため一橋大学の方が高い合格率を出しています。
以上の点から、一橋大学の方が難易度が高いと言えるでしょう。
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一橋法科大学院の基本情報・特徴
一橋大学法科大学院の入試行程は全3段階にわたり、特に第二段階選抜で多くの不合格者が出ることが特徴です。
しかし、最初の難関である第一段階選抜のTOEIC要件も受験生のレベルが高いことから非常に厳しくなっています。
第一次選抜ではTOEIC何点あれば良い?
未修者のTOEICの平均点
未修者(2024年度試験) | TOEIC(TOEFL iBTの換算点含む) |
平均点 | 879.7 |
最高点 | 980 |
最低点 | 760 |
既習者のTOEIC平均点
既修者(2024年度試験) | TOEIC(TOEFL iBTの換算点含む) |
平均点 | 823.2 |
最高点 | 965 |
最低点 | 750 |
第一次選抜では、既修未修を問わず、書類審査が行われます。
この際、TOEICまたはTOEFL iBTのスコアが重要な選抜基準となり、受験生は高い英語能力を証明する必要があります。
具体的な選抜方法として、TOEICやTOEFL IBTの成績を基に定員の約3倍を目安に選抜されます。そのため受験生の平均スコアは800~900点と非常に高く、最低でも750点程度は必要とされています。
特に未修者試験の方が既習者試験よりも平均点が50点ほど高く、重要度が高いとされています。そのため、早期からの対策が推奨されます。
第二次選抜では論文に回答
第二次選抜試験は、未修コースと既修コースで試験の形態が異なっています。
未修コースでは、二次試験で1題の小論文に回答することになります。
具体的には問題文を1つ読み、800字以内または1000字以内の小論文を書く構成となっています。この試験では、与えられたテーマに対しての理解力、論理的思考力、表現力が試されます。
既修コースでは、民法、民事訴訟法、憲法、刑法、刑事訴訟法の5科目を対象とした法律論文の試験が行われます。各科目で一定の水準に達していなければ、総合点が高くても不合格となるためバランスの取れた学習が必要です。
また、判例とは異なる事案についても出題されるため、判例の判旨幅広い知識と理解が求められます。
民事科目(民法・民事訴訟法)
民事科目の分野では民法からは2つ、民事訴訟法から1つの大問が出題されます。
試験時間は2時間15分で、未成年者、詐欺、時効、売買、貸借権、不当利得など多岐にわたる分野から比較的短めの問題が出題されます。
3つの大問の配点は全て同じであり、短時間で正確な体裁の法律文章を書く能力が求められます。
憲法
2つから3つの小問に分かれており、試験時間は1時間30分です。
平等原則、表現の自由、職業選択の自由、信教の自由など特定のテーマに関する自己の意見や反論、主張が求められます。
配点は均一で、限られた時間の中でスムーズに答案を作成する能力が必要です。
刑事法(刑法・刑事訴訟法)
刑法からは2問(刑法総論と刑法各論)、刑事訴訟法からは1問大問が出題されます。
刑法の第1問が刑法総論、第2問が刑法各論からで、特に第1問の難易度が高い傾向にあります。
試験時間は2時間15分で刑法の問題の方が配点が高いため、より多くの時間を割くように心がけると良いでしょう。
第三次選抜は面接
第三次選抜は面接によって行われ、主に受験生の人物像を把握しその動機や法曹への適性を判断することを目的としています。
この段階では、受験生の志望動機や予備試験受験への意志、ロースクールで学ぶための適性や法曹としての資質が評価されます。
面接での不合格者は比較的少ないため、受験生は第二次選抜の論述試験の準備に重点を置くのが一般的です。ただし面接においても、自身の志望動機や法曹としての将来像を明確に伝えられるよう、準備は必要です。
一橋ロースクールの受験日程と学費
受験日程
項目 | 日程 |
出願期間 | 10月上旬~下旬 |
第一次選抜 合格発表 | 11月上旬 |
第二次選抜試験 | 11月上旬 |
第二次選抜試験 合格発表 | 12月上旬 |
第三次選抜試験 | 12月上旬 |
合格発表 | 12月下旬 |
一橋法科大学院(ロースクール)の受験スケジュールは、合格発表から次の試験までの期間が非常に短いことが特徴です。
2025年度の場合、一次試験の合格発表から二次試験までわずか5日、二次試験の合格発表から三次試験まで2日のみとなっています。
このように日程がタイトなため、受験生は事前に十分な試験勉強と準備をしておく必要があります。短期間での準備とメンタルの調整が求められるため、計画的な対策と事前のリハーサルが重要となります。
学費
大学院名 | 項目別学費 | 学費(初年度) |
東京大学 京都大学 一橋大学(国立) | 入学金:282,000円 授業料:804,000円 | 1,086,000円 |
慶應義塾大学(法務研究科法曹養成専攻) | 入学金:100,000円 在籍料310,000円 授業料:1,140,000円 施設設備費:200,000円 | 1,762,240円 |
中央大学 | 入学金:300,000円 在学料:1,000,000円 施設設備費:300,000円 | 1,600,000円 |
早稲田大学 | 入学金:300,000円 授業料:1,143,000円(第1年度) 実験演習料:120,000円 諸会費:10,000円(第1年度) | 1,573,000円 |
一橋ロースクールは国立大学であるため、私立のロースクールと比較して学費が比較的安価となっています。
3年間のプログラムである未修者コースに対し、既修者コースは2年間のプログラムであるため既修者コースを選択することで、さらに学費を抑えることが可能です。
国立大学院の学費の安さは、法曹界への進出を目指す学生にとって大きなメリットです。
司法試験の法科大学院別合格率ランキング
順位 | 法科大学院名 | 受験者 | 合格者数 | 合格率 |
1 | 京都大法科大学院 | 275人 | 188人 | 68.4% |
2 | 一橋大法科大学院 | 180人 | 121人 | 67.2% |
3 | 慶應義塾大法科大学院 | 310人 | 186人 | 60.0% |
4 | 東京大法科大学院 | 315人 | 186人 | 59.1% |
5 | 神戸大法科大学院 | 146人 | 71人 | 48.6% |
6 | 名古屋大法科大学院 | 89人 | 42人 | 47.2% |
7 | 早稲田大法科大学院 | 389人 | 174人 | 44.7% |
8 | 大阪大法科大学院 | 182人 | 78人 | 42.3% |
9 | 中央大法科大学院 | 229人 | 90人 | 39.3% |
10 | 北海道大法科大学院 | 74人 | 28人 | 37.8% |
司法試験は、法律家を目指す者にとって最も重要な試験です。全国の法科大学院から多くの学生が挑戦し、その合格率は大学院の評価の指標ともいえます。
中でも一橋大学の学生の合格率は全国トップクラスであり、一橋法科大学院が提供する教育の質の高さや学生の能力の高さが伺えます。
また、2023年度の司法試験の結果を見ると、合格率が高い大学院は一般に学部の偏差値が高い大学に集中していることがわかります。しかし、学部偏差値が比較的低いにもかかわらず他の難関大学よりも合格率が高い大学院も存在します。
このため、司法試験の合格には大学の学生自身の努力や教育プログラムの質が結果に大きく影響していることも気にしておきましょう。
一橋法科大学院に合格するための勉強法
一橋法科大学院に合格するためには、かなりの勉強が必要になります。
そこで、以下では効率を高めるための勉強法について紹介していきます。
TOEICでハイスコアを取得しておく
一橋ローにおいては、第一次選抜において必要とされるTOEICのスコア要件が非常に高くなっています。
しかしTOEIC試験は入試前に何度でも受験することができるため、早い段階から準備を始め、高得点を目指して何度も受験することで対策できます。
受験の一年前には750点を超えるスコアを取得しておくことを目標にすれば、余裕を持って第二、第三次選抜の対策ができるためおすすめです。
過去問に十分に取り組む
各法科大学院によって試験問題の内容や傾向、特色は多岐にわたるため、法科大学院入試の演習は過去問の利用が最適となることが多いです。
特に一橋の試験問題は論点が絡み合った複雑なものが多く出題され、他の法科大学院入試問題と比較しても難易度が高い傾向にあります。
そのため過去問を通じて出題傾向を理解し、基本的な法律知識だけでなく関連する周辺知識も身につけることが重要です。また過去問を解くことは、試験の形式や問われる論点に慣れ、効率的に学習を進めるためにも欠かせません。
予備校を利用する
予備校を利用することも、法科大学院の受験生にとって有効な対策の一つです。
多くの予備校では法科大学院合格を目指すための専門コースが設けられており、これらのコースでは小論文の対策や過去問の分析といった独学では不足しがちなサポートが提供されています。
また予備校の最大の利点として、専門家による指導を受けられる点があります。これにより学習の効率が大幅に向上し、確実に力をつけることができます。
特にアガルートの法科大学院対策講座は、その指導実績の高さとリーズナブルな価格で非常に人気を集めているおすすめ講座となっています。
アガルートは641名もの司法試験合格者(合格者全体の約3分の1)を輩出する名門予備校であり、講座価格も従来の予備校と比べて10万円以上安くなっています。
また、アガルートのカリキュラムの中には一橋法科大学院の過去問解説講義も含まれているので、一橋法科大学院を目指す方にはまさにピッタリの講座と言えるでしょう。
一橋法科大学院で学ぶメリット
学費が私大ローと比較してやすい
一橋法科大学院で学ぶメリットの一つとして、学費の安さが挙げられます。国立法科大学院であるため、学費が私立のロースクールと比較して格段に安価です。
初年度の学費だけで約50万円以上の節約が可能となっており、ロースクール合格後に控える司法試験の受験費用を考慮すると大きな利点となります。
また一橋法科大学院は、学費の安さ分教育の質が低いといったことはなく、私立のトップ層のロースクールと比較しても遜色ない高品質な教育を提供しています。
国内最高峰の司法試験合格率
一橋法科大学院の大きな魅力として、その圧倒的な司法試験合格率にあります。
令和5年度の司法試験合格率は67.2%と、全国の法科大学院の中でもトップクラスの成績を誇っています。さらに、2005年から2017年にかけての司法試験累計合格率は81.5%に達しています。全国的に見ても非常に高い数値です。
著名な講師陣からの指導が受けられる
一橋法科大学院では、法曹界で名高い講師陣から直接授業を受けることもできます。
また、大学院のクラスは学部に比べて学生数が少なめであるため、学生はこれらの講師とより密接にコミュニケーションを取ることができます。このような環境は、学問的な疑問を直接講師にぶつけることができるため、学習効果を高めることができます。
著名な先達に気軽に話を聞くことができ、卒業後も連絡を取り合う関係になれるかもしれないというのは一橋法科大学院で得られる貴重な財産といえるでしょう。
5年一貫教育精度が利用できる
一橋法科大学院には、5年一貫教育プログラムがあります。このプログラムは学部4年生から大学院の科目を履修し始めることができるもので、学部入学から大学院修了までを5年間で完了することが可能です。
これは一橋大学の学部生に限られた制度で、通常より1年早く修士号を取得できます。このシステムを利用することで学生は時間と費用を節約しつつ、高度な法律教育を受けることができます。
特に法律の専門職に早期に進みたい学生にとって、このプログラムは非常に魅力的でしょう。
一橋大学法科大学院の難易度について
これまで一橋大学の難易度について様々な面から見てきました。
一橋大学法科大学院は日本有数の司法試験合格率を誇るものの、定員が他国立法科大学院と比較しても少ない少数先鋭であり、難易度は非常に高くなっています。
しかし、正しい対策法や予備校の利用などを適切に行えば合格の可能性は十分にあります。
司法試験の合格を目指すのであればとても魅力的な進路の一つと言えるでしょう。
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