法科大学院の後悔しない選び方は?司法試験合格率や入りやすさ・学費を比較
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法科大学院への進学は、将来の法曹としての道を大きく左右します。
法科大学院は日本国内に70校以上あり、自分にふさわしい大学院を見極めることが求められます。法科大学院を選ぶ際には、教育内容や教授陣の質はもちろん、キャリア支援体制、学費や奨学金制度、立地条件など、多角的な視点から比較検討する必要があります。
この記事では、法科大学院の後悔しない選び方を解説します。複数の条件から総合的に判断し、理想の法曹への第一歩を踏み出しましょう。
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法科大学院の後悔しない選び方
司法試験の合格率
司法試験の合格率は、法科大学院を選ぶ際の重要な指標の一つです。しかし、この数値だけで大学院の全体的な質は判断できません。
合格率が高い大学院には、もともと成績優秀な学生が多く集まる傾向にあるため、高い合格率が教育の質や教授陣の能力を直接反映しているとは限らないからです。
また学生数が20人程度の小規模な学校から200人以上を抱える大規模な学校まで存在し、学生数の多寡によっても合格率は大きく変動します。
そのため、合格率だけでなく、教育内容、教授陣の質、サポート体制など、複数の観点から総合的に大学院を評価することが重要だと言えます。
法科大学院への入りやすさ
法科大学院への入学は、未修コースと既習コースに分かれています。未修コースでは法律未学習者でもアクセスしやすい設計となっている一方、既習コースではある程度の法律知識が求められます。
しかし、しっかりとした対策を行えば、どの大学出身者でも入学のチャンスをつかむことができます。法科大学院への入学可能性は、出身大学に関係なく本人の努力次第で大きく変わり得るのです。その意味で、法科大学院は多くの学生にとって新たなスタート地点となりうるのです。
留年率と修了率が高いかどうか
留年率と修了率は、法科大学院を選ぶ際に考慮すべき重要な指標です。
留年率が高い、あるいは修了率が低い大学院では、学生が講義についていくのに苦労している可能性があります。特に、法科大学院の学費は高額であり、留年は経済的負担を生じさせます。
また、修了率が低い場合、学生の途中挫折や目標未達成が多いことを示しています。これらのデータから、大学院の学習環境やサポート体制、カリキュラムの充実度など、学生が順調に学び成長できる環境が整っているか判断する手がかりが得られます。
学費の高さ
法科大学院の学費は、国立と私立で大きく異なります。国立は比較的安価なのに対し、私立は大学院によって学費が異なり、高額なところも少なくありません。
学費は学生および家族にとって大きな決断要因となります。そのため、法科大学院選びでは、学費だけでなく、その大学院が提供する教育の質や将来への影響など、コストパフォーマンスを総合的に判断することが重要です。
また、学費負担を軽減する奨学金制度の有無や内容も、大切な選択基準の一つとなります。
奨学金制度の充実度
多くの大学院では、奨学金制度や授業料免除の制度が整っています。特に私立大学院では、卒業生に対して入学金を半額免除するなどの特典を設けている場合があります。
また、奨学生として選ばれると、授業料全額免除や毎月の奨学金給付を受けられる大学院もあります。そのため、法科大学院選びの際には、奨学金制度の詳細を調べ、自分に適した制度があるかを確認することが大切です。
学習サポートや立地の良さ
法科大学院を選ぶ際には、学習サポートの充実度や立地の良さも重要な要素です。学習サポートが充実していれば、学生は学習モチベーションを維持しやすくなります。
また、立地の良さは通学の利便性や生活の質に影響し、学習効率にも直結します。したがって、法科大学院選びでは、学習環境に加え、その立地が自分のライフスタイルに合っているかも検討しましょう。
授業と教授のレベル
授業内容と教授の教え方は、法科大学院での学習経験の質を大きく左右します。有名な教授が在籍していても、その授業スタイルが自分に合っているかは別問題です。
学習の理解度やモチベーションは教授との相性や授業の興味深さに依存するため、法科大学院選びではできるだけ多くの情報を収集し、自分に合った教授がいるか確認することが重要です。
先輩や現役生からの情報やオープンキャンパスでの体験を通じて、授業内容と教え方の具体的なイメージを持つことが望ましいでしょう。
司法試験合格率ランキング
以下は2023年度の大学別司法試験合格率ランキングです。
順位 | 法科大学院名 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
1 | 京都大法科大学院 | 275 | 188 | 68.4% |
2 | 一橋大法科大学院 | 180 | 121 | 67.2% |
3 | 慶應義塾大法科大学院 | 310 | 186 | 60.0% |
4 | 東京大法科大学院 | 315 | 186 | 59.0% |
5 | 神戸大法科大学院 | 146 | 71 | 48.6% |
6 | 名古屋大法科大学院 | 89 | 42 | 47.2% |
7 | 早稲田大法科大学院 | 389 | 174 | 44.7% |
8 | 大阪大法科大学院 | 182 | 78 | 42.9% |
9 | 中央大法科大学院 | 229 | 90 | 39.3% |
10 | 北海道大法科大学院 | 74 | 28 | 37.8% |
11 | 岡山大法科大学院 | 33 | 12 | 36.4% |
12 | 愛知大法科大学院 | 6 | 2 | 33.3% |
13 | 成蹊大法科大学院 | 3 | 1 | 33.3% |
14 | 筑波大法科大学院 | 51 | 17 | 33.3% |
15 | 同志社大法科大学院 | 87 | 29 | 33.3% |
法科大学院を選ぶ際には、単に合格者数の多さだけでなく、合格率の高さにも注目することが重要です。
合格者数の多い大学院が直ちに実力があるとは限らず、合格率の高さも在籍者数に左右されることがあります。したがって、表面的な数値だけで判断するのではなく、その背景にある在籍者数や長期的な実績を踏まえて評価する必要があります。
法科大学院選びでは一時的な成績よりも、数年間にわたって安定した合格実績を保っている大学院こそが、教育の質とサポート体制に優れている信頼できる指標です。
合格者数だけでなく合格率に注目しよう
合格者数と合格率は、それぞれ異なる視点から法科大学院の実力を測る指標です。合格者数が多さは学生へのチャンスの多さを示しますが、必ずしも教育の質の高さを意味しません。
一方、合格率は生徒一人ひとりへの教育の行き届き具合を推し量れますが、在籍者数の少ない大学院を過大評価するリスクがあります。
また、年度ごとの変動ではなく、長期的な安定した実績が大切です。合格者数と合格率の両方をバランスよく見ることが、適切な法科大学院選びにつながります。
高偏差値の大学でなくても司法試験に合格できる
司法試験合格率ランキングを見ると、一般的には偏差値の高い大学が上位に位置していることがわかります。入学時の学生の学力レベルが高いことが、合格率にも反映されていると考えられます。しかし、偏差値がそこまで高くない法科大学院でも、他の難関大学より高い合格率を誇るところは存在します。
偏差値だけが全てではなく、大学院が提供する教育プログラムの質や学生へのサポート体制など、学生が司法試験に向けて効率的に学習できる環境が司法試験の合格においては大切です。
おすすめの法科大学院
ここでは人気の法科大学院をピックアップし、それぞれの特徴を簡単に紹介します。
京都大学
魅力と特徴
京都大学法科大学院は、少人数制の討議と対話を重視した教育を行っています。学生同士の高いレベルの討議を通じて、思考力や対話能力が鍛えられる環境が整っています。
京都大学出身者が多いこともあり、学生の質も高く、刺激的な学習環境が提供されています。
入試の難易度
京都大学法科大学院の入試倍率は2.42倍で、受験者数は479人、合格者数は198人でした。
募集定員が多いため、極端に高い倍率ではありませんが、受験者のレベルが高いため、入試の難易度は高くなっています。
東京大学
魅力と特徴
東京大学法科大学院は、授業の質と学生のレベルの高さが特徴です。有名な教員が多数在籍し、難関入試を突破した優秀な学生が集まっています。
この環境は、学生にとって大きな刺激となり、日々の学習において高いモチベーションを維持することができます。
入試の難易度
東京大学法科大学院の入試倍率は3.35倍で、受験者数は817人、合格者数は244人でした。
こちらも募集定員の多さから極端な倍率ではありませんが、受験者の質の高さから見ると、難易度は高めです。
慶應義塾大学
魅力と特徴
慶應義塾大学法科大学院は、司法試験合格に特化した少人数ゼミが充実しています。若手弁護士による実践的な指導が行われ、学生の法的思考能力や文書作成能力の向上に寄与しています。
また、私立大学院であるため学費は高めですが、奨学金や学費免除制度により経済的負担を軽減することが可能です。
入試の難易度
慶應義塾大学法科大学院の入試倍率は2.95倍で、受験者数は1026人、合格者数は348人でした。受験者数が非常に多く、入試の難易度は高いと言えます。
早稲田大学
魅力と特徴
早稲田大学法科大学院では、学びやすい環境が整えられています。
自習室やロッカー、個別相談ブースなどの設備が充実しており、チューターやアカデミックアドバイザーによる学習サポート制度も整っています。
入試の難易度
早稲田大学法科大学院の入試倍率は2.3倍で、受験者数は852人、合格者数は369人でした。既習コースについては比較的低い倍率となっており、既習者にはおすすめの選択肢と言えるでしょう。
一橋大学
魅力と特徴
一橋大学法科大学院は、少数精鋭の授業が特徴です。学生数が少ないため、レベルの高い授業を受けることが可能です。
この環境は、学生一人ひとりの学習が深まるよう設計されています。
入試の難易度
一橋大学法科大学院の入試倍率は3.23倍で、これは全国の法科大学院の中でも非常に高い数値です。受験者数は313人、合格者数は97人となっており、入試の難易度は非常に高く、高いレベルの対策が必要です。
また、第1次選抜においては、TOEICあるいはTOEFLiBTの成績によって足切りが行なわれるため、これらの試験についても対策を行う必要があります。
あなたのニーズに合った法科大学院の選び方
確かな合格実績がある大学院で安心して学びたい人
法学科大学院を選ぶ際には、合格者数と合格率のどちらも参考にする必要があります。
京都大学法科大学院は合格者数と合格率どちらもトップの成績を残しています。数ある法学科大学院の中でも高い成績を残していることが数字によって明らかになっています。
そのため、確かな合格実績を持つ大学院で学びたい人には京都大学法学科大学院がピッタリだと言えます。
大学院に通う時間がない社会人
多くの社会人にとって、法学科大学院に進む際には夜間に開講している学校を選択することが多いでしょう。夜間に開講している学校の選択肢としては筑波大学法科大学院、日本大学大学院法務研究科、福岡大学法科大学院、琉球大学法科大学院の4つがあります。
しかし、全日制に比べ授業時間が少ないため土日の集中授業や、通常よりも長い年月をかけて修了することは避けられません。
学費を抑えたい人
項目(令和6年度入学者の学費) | 金額 |
---|---|
入学金(本学学部卒業・本学大学院修了) | 55,000円 |
入学金(他大学卒業・他大学院修了) | 110,000円 |
授業料 | 60,000円 |
教育充実費 | 120,000円 |
委託徴収金(本学学部卒業・本学大学院修了) | 3,000円 |
委託徴収金(他大学卒業・他大学院修了) | 18,100円 |
合計(本学学部卒業・本学大学院修了) | 778,000円 |
合計(他大学卒業・他大学院修了) | 848,100円 |
数ある法学科大学院の中でも福岡大学は安価な学費が魅力の一つです。
表のとおり、福岡大学の学部卒業・大学院修了者は年間約78万円、他大学卒業・他大学院修了でも約85万円と他大学に比べるととても良心的な価格設定となっています。
法科大学院に進学するメリット
優秀で同じ志を持つ仲間ができる
司法試験は非常に難関な資格試験であり、成功するには膨大な量の勉強が必要です。社会人や独学で勉強している人にとって、そのプレッシャーは精神的にも重くのしかかります。
しかし、法科大学院では同じ目標を持つ仲間と共に学ぶことで、互いに励まし合いながら学習を続けることができます。法科大学院の環境は、学習のモチベーションを高め、継続的な勉強を可能にするのです。
司法試験の受験資格を得ることができる
司法試験の受験資格を得る方法は、予備試験に合格するか、法科大学院を卒業するかの2つがあります。予備試験は非常に難易度が高く合格率も低いのに対し、法科大学院を卒業すれば確実に受験資格が得られます。
これにより、予備試験の不確実性を回避し、より確実なルートで司法試験に臨むことが可能になるのです。
法律専門家としてのスキル向上でキャリアアップにつながる
法科大学院では、ソクラテスメソッドや模擬裁判などを通じて、実務に即した法的思考力や事実認定の方法、交渉術などを学ぶことができます。
実用的に学ぶことで、法律専門家として必要なスキルを身につけるとともに、将来的なキャリアアップにも直結します。加えて、積極的な発言が求められる環境は、度胸や自信を育むのにも有効です。
教員によるサポートが受けられる
資格予備校や通信講座も利用されていますが、法科大学院の教授から受けられるサポートはそれらとは一線を画します。
大学教授は法律知識だけでなく社会の治め方についての深い学識を基に講義を行い、進路や将来のキャリアに関するアドバイスや人脈も提供してくれます。
法科大学院での学びは、司法試験合格だけでなく、将来の法律専門家としてのキャリアを築く貴重な機会を提供してくれます。
法科大学院に進学するデメリット
予備試験よりも時間がかかってしまう
法科大学院に進学するということは、最短でも2年間、場合によっては3年間の学習期間を過ごすことになります。
このため、キャリアのスタートが遅れると感じる人もいます。一方、予備試験の合格次第、すぐに司法試験の受験が可能です。
時間を有効に活用したいと考える人にとっては、法科大学院の進学は時間的なデメリットとなり得てしまいます。
多くの費用がかかる
法科大学院への進学は高額な費用がかかります。国立でも200〜300万円程度の費用が発生し、これは予備試験の受験費用と比較してもかなり高額です。
経済的負担を考慮すると、法科大学院の進学はデメリットを感じることがあります。特に自己資金や奨学金に頼る人は、将来の返済義務も考慮しなければなりません。
法科大学院の選び方まとめ
法科大学院への進学は、将来の法律専門家としての夢を現実のものとする重要な段階です。
同じ志を持つ仲間と共に学び、専門的なスキルと知識を身につけ、司法試験の受験資格も得られます。
確かに時間と経済的投資が必要ですが、これらは自身の成長とキャリア構築において貴重な財産となります。
法科大学院での学びを通じ、法律家としての未来を切り拓く準備を始めましょう。
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