中小企業診断士の難易度は?合格率や受験資格・偏差値まで解説

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中小企業診断士は専門性の高い知識と実践的な技能を要求されるかなり難易度の高い国家資格であり、中小企業の経営における多岐にわたる問題を解決するための専門知識及び技能を問われます。

この記事では中小企業診断士の具体的な難易度について、試験の合格率や受験資格、合格基準、偏差値などを見ながら解説していきます。


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中小企業診断士の難易度

中小企業診断士の難易度

中小企業診断士はコンサルタント系の中で唯一の国家資格となっています。
そのため中小企業診断士は日本版MBAとも呼ばれており、ビジネス資格の中では難易度・階級ともに最高クラスです。

中小企業診断士の試験は、1次試験(マークシート形式、8月初旬)と2次試験(論述試験、10月初旬および口述試験、12月初旬)に分かれ、年に1度実施されます。

試験が人気で受験者数が多いことや年に1度しか試験が実施されないこと、試験範囲が広いことなどから、なかなか合格できない難関資格として広く知られています。

中小企業診断士試験の合格率

年度

1次合格率
(A)

2次合格率
(B)

試験合格率
(A)×(B)

平成29(2017)

21.7%

19.4%

4.2%

平成30(2018)

23.5%

18.8%

4.4%

令和元(2019)

30.2%

18.3%

5.5%

令和2(2020)

42.5%

18.4%

7.8%

令和3(2021)

36.4%

18.3%

6.7%

令和4(2022)

28.9%

18.7%

5.4%

令和5(2023)

29.6%

18.9%

5.6%

上記は過去7年間の中小企業診断士試験の合格率をまとめた表になります。

直近の4年間を見ても1次試験と2次試験の両方を突破して資格を獲得する確率は6〜8%と、10人に1人も受からない試験となっていることがわかります。
このことからもわかるように一発での合格はかなり難易度が高いです。

1次試験の合格率

年度

1次合格率
(A)

平成29年(2017)

21.7%

平成30年(2018)

23.5%

令和元年(2019)

30.2%

令和2年(2020)

42.5%

令和3年(2021)

36.4%

令和4年(2022)

28.9%

令和5年(2023)

29.6%

では、1次試験の合格率の推移についてさらに詳しく見ていきましょう。中小企業診断士の1次試験では各科目で合格・不合格が判定され、全ての科目で合格すると1次試験合格となります。

表を見るとかつては20%前後だった合格率が、最近では30〜40%前後になっており、1次試験に易化の傾向が見られることがわかります。

中小企業診断士の1次試験には、特徴的な側面がいくつかあります。一つは科目間での難易度差が顕著である点です。例えば2021年度では「中小企業経営・政策」と「経営理論」の合格率に27.6%もの大差があります。

また、各科目の難易度が年度によって大きく変動する点も特徴です。例えば「経営情報システム」では2020年の合格率が28.7%であったのに対し、翌2021年には9.3%へと大幅に減少しています。そのため一概に「この科目は簡単(または難しい)」と判断できず、全科目で一定の得点力を見つけることが求めれます。

さらに、それぞれの科目で2~3年ごとに1回、特に難易度が高くなる回(地雷科目)があるため、得意科目でも油断できない厳しさがあります。

これらの要素が、中小企業診断士試験の難易度を一層高めていると言えるでしょう。

2次試験の合格率

年度

2次合格率
(B)

平成29年(2017)

19.4%

平成30年(2018)

18.8%

令和元年(2019)

18.3%

令和2年(2020)

18.4%

令和3年(2021)

18.3%

令和4年(2022)

18.7%

令和5年(2023)

18.9%

中小企業診断士の2次試験は、筆記試験と口述試験の2部構成で行われます。筆記試験では、毎年約4,000人から5,000人が受験し、その中から約20%にあたる1,000人前後が合格しています。

一方で筆記試験に合格した後の口述試験では、合格率が99%以上と非常に高くなっています。これは、筆記試験で必要とされる学力や知識を身につけていれば、口述試験は心配なく合格することができる内容となっています。

合格までの勉強時間をアンケートで調査

中小企業診断士合格までの勉強時間

中小企業診断士合格までの勉強時間

回答数

300時間未満

0

500~700時間

2

700~900時間

4

900~1100時間

3

1100~1300時間

0

1300時間以上

1

スキルアップ研究所が行った調査では、中小企業診断士に合格するまでの勉強時間は平均870時間ほどという結果となりました。

中小企業診断士試験に合格するためには、一般的には1次試験と2次試験を合わせて約1000時間の学習時間が必要とされています。そのため、一般的に言われているよりは少し短い時間で合格できている方が多いことが伺えますが、それでも最低でも500時間以上は勉強しているなど、やはり長時間の勉強が必要なようです。

この長時間の学習が求められる理由は、試験が法律、経営全般など幅広い分野からの出題を行うためです。

さらに上述のように1次試験では年度ごとに科目の難易度に大きな違いがあるため、どの科目が難しくなっても対応できる広範囲の知識と対応力が必要となります。

また、1次試験が主に暗記力を要するのに対し、2次試験では与えられた事例に基づいて論述する力が求められます。そのため受験生は暗記力だけでなく、読解力や論理的思考能力も同時に鍛える必要があるということで、結果として勉強時間を長くかける必要が出てくるのです。

合格までの年数をアンケートで調査

中小企業診断士合格までの期間

回答数

6ヶ月未満

0

6~12ヶ月

0

1~2年

7

2~3年

1

3~4年

1

4年以上

1

スキルアップ研究所が行った調査では、中小企業診断士の試験対策を始めてから合格するまでには1〜2年ほどかかっているという結果となりました。また、1年未満で合格している人は今回のアンケートではいませんでした。

基本的に1年あれば試験範囲の学習を終えることはできるのですが、診断士試験では特定科目の難易度が異常に高くなる「地雷科目」の存在が合格に向けた不確実性を高める一因となっています。
地雷科目にあたって不合格になってしまい、合格までの年数プラス数年されてしまいがちという側面があります。

なお、今回のアンケート調査の内容は以下の通りです。

項目

内容

調査方法

インターネット調査(クラウドワークス)

調査期間

2024年1月21日〜2024年1月28日

調査概要

中小企業診断士試験の学習に関するアンケート

調査対象

20代〜50代の中小企業診断士試験に合格した方10名

中小企業診断士の国家資格難易度ランキング

資格名

必要な勉強時間

MBA

1.5〜2年

公認会計士

4000時間

税理士 

3000時間

司法書士

3000時間

不動産鑑定士

2000時間〜3000時間

USCPA

1500時間

中小企業診断士

1000時間

社労士

800〜1000時間

簿記1級

800〜1000時間

簿記2級

350〜500時間

FP2級

150〜300時間

ITパスポート

30〜100時間

FP3級

30〜100時間

中小企業診断士の難易度は上述の通り高いものの、公認会計士や司法書士などのトップクラスに難しい資格と比べるのであれば多少抑え目となっており、難関資格の中では目指しやすくなっています。

もちろん一般によく取得されている簿記2級などと比べると必要な勉強時間に倍以上の差があり、決して簡単な資格ではないことがわかります。
しかし、同じく経営学を学ぶMBAが修了までに2年かかることを考えれば、中小企業診断士は時間的コスパが良い資格と言えるでしょう。


中小企業診断士に学歴や受験資格は必要?

難易度の高い中小企業診断士は高学歴でなければ目指せないのでしょうか。ここでは中小企業診断士の受験資格や受験者層、試験の合格基準を見ていきましょう。

受験資格はない

中小企業診断士の資格には受験資格がなく誰でも受験することができます。

そのため学歴や職務経験によらず挑戦することが可能です。

難関資格には大卒などの受験資格がある事が多い中、あらゆる人に門戸が開いているのは嬉しいポイントです。

合格者の学歴・偏差値を調査

以下は平成30~令和3年度の年代別データの合計を示した表です。

年代

1次試験合格者数(人)

1次試験合格者割合/4,631人中

2次試験合格者数(人)

2次試験合格者割合/1,192人中

20歳未満

13

0.3%

1

0.1%

20代

671

14.5%

189

15.9%

30代

1,462

31.6%

491

41.2%

40代

1,369

29.6%

333

27.9%

50代

875

18.9%

156

13.1%

60代

225

4.9%

22

1.8%

70歳以上

16

0.3%

1

0.1%

この表からわかるように中小企業診断士の試験は主に社会人が受験しています。

また、中小企業診断士試験の受験者は特に30代から40代の社会経験を積んだ層が多いことが特徴です。この年齢層が多い理由として、中小企業診断士の資格が経営やビジネスに関わる深い知識と経験を要求するため、キャリアを積んだ中堅層にとって魅力的な資格であることが挙げられます。

一度社会に出てから資格を取得する人が多いため学生時代の学歴はあまり関係ないですが、一方で難関と言われる国公立大学や私立大学の卒業生も少なからず受験している側面もあり、資格の偏差値は63くらいといわれています。

中小企業診断士試験の合格基準

中小企業診断士試験の合格基準は以下の通りで、全体の総得点と個々の科目に関する基準があります。

  • 総得点が満点の700点中60%以上(つまり420点以上)
  • 得点率が40%未満の科目がない

これら二つの基準を満たすことが、中小企業診断士試験の合格に必要となっています。
したがって、例えば1次試験の場合は7科目全てで一定の得点率を達成していないと、たとえ総得点が60%以上であっても合格することはできません。これは2次試験でも同様です。

こうした合格ラインが設定されているので、得意科目で高得点を目指すよりも各科目で安定した得点を獲得することが重要となります。そのため、特に苦手と感じる科目に対しても、最低限の得点率を確保するように満遍なく学習することが求められます。

中小企業診断士試験の独学は難しい

難易度の高い中小企業診断士試験に独学で合格することは可能なのでしょうか?

もちろん独学で合格している人も世の中にはいるため不可能ではないのは間違いありません。

しかし一方で「不可能ではないこと」と「誰でも独学で合格できる」ということは全く異なっており、独学合格は実際のところかなり難しいです。

独学のメリット

まずは中小企業診断士に独学で挑戦するメリットを見ていきましょう。

試験対策にかかる費用が最も安い

中小企業診断士試験を独学で受ける最大のメリットは、試験対策にかかる費用を最小限に抑えられる点です。独学ならば、費用は参考書代と受験料のみで済み、高額な予備校や通信講座の受講料を節約できます。

いつでもどこでも勉強できる

自分のペースで勉強を進められるため、忙しい社会人でも無理なく学習を続けられることも独学のメリットです。また、必要に応じて選んだ参考書や過去問題集などの教材を使用し、効率的に学習を進めることができます。

しかし近年ではオンラインで学べる通信講座の質が高まっており、スマホ一台で隙間時間の学習が可能であるほか、試験対策のスケジューリングまで行ってくれるため、むしろ通信講座の方が「いつでも学べる」というメリットを教授しやすくなっています。

独学のデメリット

次に、独学のデメリットを具体的に見ていきましょう。

試験範囲が広く挫折しやすい

全ての科目で得点率が40%以上という合格ラインの設計のため、苦手科目を作らずどの科目も満遍なく対策する必要があるので独学での学習は非常に大変です。
また、限られたスケジュールの中で適切な時間配分を自分で行うのも多くの受験者にとっては困難でしょう。

記述試験対策が難しい

中小企業診断士の2次試験の事例問題は記述で回答する形式であり、講師による指導がないと、自分が作った回答が合格できる水準に達しているのかを判断する手段がほとんどありません。
このことからも独学による合格はかなり難しいと言えます。

伸び悩みに突入するとかなり苦しい

診断士試験は扱う内容も高度なため、独学だと途中から点数が伸びなくなって苦しむ方も多いです。自分では点数が伸びない原因がわからないので、いつまでたっても合格できない状況に陥ってしまいます。

点数が伸び悩んで受験期間が長引くことは心身ともに非常に辛く、仕事との両立がきつくなって途中で挫折してしまう人も多いです。

さらに、途中で挫折せずに無事に合格できたとしても、受験に時間をかけすぎると年齢を重ねてしまい転職に不利になるなど、中小企業診断士の資格を取るメリットの一部が損なわれてしまいます。

そのため総じて独学はおすすめできず、予備校や通信講座で効率よく資格を取得して、早いうちに資格を持つのメリットを享受する方が良いでしょう。


中小企業診断士試験の効率的な対策法は?

闇雲に勉強しているだけでは難易度の高い中小企業診断士試験に合格することは難しいです。

ここでは中小企業診断士試験の効率の良い対策法を見ていきましょう。

合格者のノウハウを学ぶ

中小企業診断士試験の効率的な対策法として実際に合格した人のノウハウを学ぶことは非常に有効です。
予備校や通信講座で公開されている合格体験記は自分が試験を受けるまでのスケジューリングなどの参考になります。

また現在、資格予備校のクレアールでは試験対策のノウハウをまとめた書籍をプレゼントしているので、初めてチャレンジする方でどのように対策を進めれば良いかわからない人は一度読んでおくと試験合格に大きく近づくでしょう。

ただし書籍プレゼントは先着100名までとなっているので、診断士試験に挑戦される方はぜひこの機会を逃さず手に入れておきましょう。


1次試験と2次試験の対策を同時に行う

1次試験が終わったらすぐに2次試験があるため、1次試験と2次試験の対策はある程度並行して行うのが効率的です。
1000時間=1年ほどの勉強が必要となっているため、余裕を持って早くから対策を始めるのをおすすめします。

プロの指導を受ける

中小企業診断士ほど難易度が高い資格であれば、試験対策に通信講座か予備校を活用するのが一般的です。
上述の通り、特に診断士は2次試験の対策が独学だとかなり厳しいので、予備校でプロからの指導と添削などのサポートを受けるのが合格の大きな助けになります。

通信講座の中でも特におすすめなのがスタディングの中小企業診断士講座です。

スタディングはスマホ学習に特化した講座となっており、仕事や家事で忙しい方でも隙間時間を活かして学習を進めることが可能です。

また、価格も業界トップクラスに安い上に、2023年度だけで200名以上の2次試験合格者を輩出しているなど合格実績も業界最高峰です。

このように圧倒的にコスパに優れた講座となっているので、プロの指導のもとで効率よく試験対策を進めたい方はぜひスタディングをチェックしてみてください。


中小企業診断士の難易度まとめ

ここでは中小企業診断士の資格難易度について解説しました。

コンサルタント系で唯一の国家資格ということもあり、取得難易度はとても高いためため基本的に独学ではなく予備校などに通ってプロの指導を受ける事がお勧めです。しかし、MBAなどの似た系統の資格と比べると受験用件がないことや学習期間の短さなどとてもコスパのいい試験ということもできます。

キャリアアップを考えている人はぜひチャレンジしてみてください。