心理カウンセラーの仕事内容は?向いている人や取得すべき資格の種類を解説

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心理カウンセラーは、人々の心の悩みに寄り添い、豊かな人生を送るための支援を行う仕事です。

この記事では心理カウンセラーの具体的な役割や、適性、必要な資格について説明します。

自身への適性や資格取得の方法がわかるよう、詳しく解説していきます。

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心理カウンセラーの仕事内容と活躍の場を紹介

学校

学校に勤務する心理カウンセラーは、悩みを抱える生徒の相談に乗り、適切なアドバイスを行うことが主な役割です。生徒のみならず、教員や保護者とも協力しながら生徒の問題解決に尽力します。

非常勤として勤務した場合は、朝8時半に登校して、まず個別の生徒面接を行います。休み時間には、急な相談にも対応しており、昼休みを挟んで午後は、授業中の生徒の様子を観察することもあります。

午後2時半に一日の勤務は終了しますが、必要に応じて別の学校へ移動し、放課後の生徒相談や5時からの教員への指導にも従事します。

福祉施設

福祉施設では、利用者一人ひとりが抱える固有の課題に加え、共通する心の悩みも存在します。そうした利用者の心のケアを担うのが心理カウンセラーの役割です。

彼らは豊富な経験と専門知識を活かし、高齢者、障害者、DV被害者、虐待被害者、LGBT等、様々な背景を持つ人々の心の安らぎを支え、寄り添うサポートを行っています。

しかし現状では、福祉施設における心理的支援体制が企業や学校に比べて十分整備されていないため、心理カウンセラーの存在がより一層重要視されています。

一般企業のオフィス

心理カウンセラーは、企業の従業員や経営者の心の健康を守り、職場での悩みや問題の解決をサポートする重要な役割を担っています。

スケジュールの一例としては、朝9時から始業して、朝礼後から昼休みを挟んで午後3時まで対面カウンセリングを行った後はメール相談への対応などをします。

ミーティングや事務作業もありますが、概ね午後6時半には退社できるため、ワークライフバランスを維持しながら働くことができます。

独立・開業

心理カウンセラーとして独立開業するには、まず、サービスのPRと顧客との接点作りが不可欠です。ホームページやSNSを活用し、自身の専門性と提供するサービス内容を伝えることで相談者からの問い合わせを受け付けることができます。

次に、自宅やレンタルスペースで対面式のカウンセリングを提供することも可能です。相手の表情や様子を直接確認しながら、迅速かつ的確なサポートを行えるのが対面カウンセリングの利点です。

一日の具体的な流れとしては、朝8時に始業し昼までに3件程度のカウンセリングを行います。昼休みを挟んで午後も新規相談者の対応をし、状況に応じて心理検査を実施してカウンセリングを深めていきます。そして18時頃に一日の業務を終了する、といったスケジュールが一例となります。

心理カウンセラーの現状は?

その存在が浸透してきている

心理的な問題やストレスに対処するため、西洋諸国ではカウンセリングを受けることが一般的な習慣となっています。日常的な問題から自己啓発まで、カウンセリングを活用する人が多くいます。

一方、日本では長らく心のケアに対する意識が低く、カウンセリングへの抵抗感がありました。しかし最近では、心の健康を守るためにカウンセリングを受けるべきだという認識が広まり、利用者も増えてきました。企業や学校でもカウンセリングサービスが導入され、専門のカウンセラーが常駐するようになってきました。

さらに、対面に加えてオンラインでのカウンセリングも可能になり、心理カウンセラーの存在と役割が日本でも浸透しつつあります

日本では重要な職業となりつつある

心理カウンセラーという職業は、現代の日本社会においてますます重要性を増してきており、この背景には主に2つの要因があります。

1つ目は、近年、精神的な問題への理解と対策が求められるようになり、心理カウンセラーへの需要が急速に高まったことです。

2つ目は、制度面での整備が進んだことです。特に2011年の東日本大震災と2015年の「公認心理師」制度の施行は、心理カウンセラーの位置づけを大きく変えました。震災後、国民全体が心理的ケアの重要性を実感し、この職業への関心が一気に高まりました。

さらに、公認心理師制度が始まったことで、心理カウンセラーは法的にも専門職として認知され、その地位が向上しました。

心理カウンセラーになるには?

心理カウンセラーの求人は、必ずしも豊富にあるわけではありません

多くの場合、大学院で心理学を学び、研修を通して経験を積んでから、臨床心理士や公認心理師の資格を取得します。その後、正規雇用の心理カウンセラーとして採用される流れが一般的です。当初は非常勤や兼業から始め、徐々に経験を重ねていく方法もあります。

しかし、大学院での学位取得と資格取得は容易ではありません。そこで民間の教育プログラムを受講し、心理カウンセラーの資格を取得する道もあります。そして、資格を持った多くの人が、独立してカウンセリングルームを開設しています。

心理カウンセラーの魅力は

心理カウンセラーは、人と深く関わりながら自らも成長を遂げていく、やりがいに満ちた職業です。

活躍の場も幅広く、学校や企業などで教育やメンタルヘルスケアに従事できます。社会の変化に伴い、心理的サポートへの需要が高まっており、今後ますます重要な存在となっていくでしょう。

経験を重ねれば、独立開業も可能です。自らのキャリアプランを立て、どのような人々を支援するかを自ら決めることができるのも、この職業の大きな魅力の一つと言えます。

心理カウンセラーに向いている人の特徴

人の話をうまく聞ける

カウンセリングの核心は、単に話を聞くだけでなく、相手の言葉を通して心の内側に寄り添い、共感的に理解し、一緒に解決策を探ることにあります。

カウンセラーには、相手の言葉の裏にある思いや感情に心を開き、思いやりの心を持って接することが求められます。

特に、深い心の傷を抱えた人にとって、ただ静かに耳を傾けてくれる存在は、心の重荷を和らげる大切な存在となるからです。

誠実に人と向き合おうとできる

心理カウンセラーは、来談者の抱える問題や悩みを共有し、共感しながら解決に導く専門家です。その役割を果たすためには、誰に対しても誠実な態度で向き合い、相手の切実な思いを受け止める能力が求められます。

カウンセリングの成功は、来談者との信頼関係に大きく左右されます。そのための鍵は、深い理解と共感を持って誠実に関わることです。

そうすれば、来談者は心を開き、自己開示を始めます。この一連の流れが、カウンセリングを前向きな方向へと導くのです。

共感力と冷静さの両方を持っている

心理カウンセラーには、共感力と冷静さの両方が求められます。

カウンセリングにおいては相談者の心の痛みに共感し、寄り添うことが何よりも大切です。相手の立場に立ち、自分のことのように考えることで、本当の悩みを理解することができるからです。

しかし、共感し過ぎて過度に感情移入してしまうと、冷静な判断ができなくなってしまいます。そうならないためには、一定の距離を保つ冷静さが必要不可欠です。相談者の気持ちを受け止めつつ、自身の感情をコントロールできる適度な心理的距離感が欠かせません

心理カウンセラーとしてのやりがい

心理カウンセラーは、心理学の知識や臨床経験を用いて、来談者のストレスを緩和させたり、心の傷を癒したりする仕事です。悩みを抱えた人々の問題を解決するには、それ相応の経験と知識が必要ですが、人の役に立つことの喜びは何にも代えがたいものがあります。

「先生と話して気持ちが楽になった」「カウンセリングを通じて前向きに仕事に取り組もうと思った」など、自分とのカウンセリングを通して来談者の人生が明るい方向に進む光景を見ることができるのは、心理カウンセラーならではのやりがいです。

人から感謝され、充足感を得られることは、心理カウンセラーの仕事の中で最も大きなやりがいと言っても過言ではありません。

心理カウンセラーの定番資格6種類

心理カウンセラー1つをとっても数多くの資格が存在しています。

ここでは、代表的な6つの資格について、その内容、取得方法、活躍の場を紹介します。

臨床心理士

臨床心理士は、心の専門家として相談者の話に耳を傾け、悩みの解決をサポートします。また、小中学校のスクールカウンセラーとしても認定されているため、教育現場で活躍する臨床心理士が増えています。この資格では、心理テストを用いた心理評価や面接技法に関する知識を有することが証明されます。

さらに、地域における心の健康活動への人的支援のコーディネートやコンサルティングの能力も求められます。

臨床心理士になるには、日本臨床心理士資格認定協会の資格試験に合格する必要があります。試験の受験資格として、協会指定の大学院を修了し所定条件を満たすこと、または臨床心理士を養成する専門職大学院を修了することが求められ、大学院への進学が必要です。

また、医師免許を持ち、取得後2年以上の心理臨床経験がある方も受験資格があります。

公認心理師

公認心理士は心理の専門家として幅広い活躍が期待されています。その資格取得には、大学や大学院での学習や実務経験が求められますが、同等以上の知識と技術があれば受験資格が得られます。

2017年から国家試験の実施開始により、公的認定を受けた唯一の国家資格として、心理査定やカウンセリング、教育活動など、多岐にわたる業務を法的に担うことができる貴重な資格となりました。

また、臨床心理士と似ているものの、心理学全般に対応できる点が大きな特徴です。

メンタル心理カウンセラー

メンタル心理カウンセラーは、専門的な心理学の知識と技術を活かし、人々のメンタルヘルスケアを支援する役割を担っています。日本能力開発推進協会(JADP)から認定されるこの資格は、在宅で取得できる上、信頼性が高く、企業や学校、医療機関、福祉施設など様々な場所で活躍できることが期待されています。

主な業務は心理カウンセリングです。人間関係や環境適応に困難を抱える人々に対し、心理学の専門知識を生かして、共に問題解決に取り組みます。

メンタルケアカウンセラー

メンタルケアカウンセラーとは 心理学、心の病気、カウンセリング技術などの入門的な知識を証明する資格で、メンタル心理カウンセラーと同様、メンタルケアの基礎的な資格です。自身のメンタルケアを学びながら、生活の中で直面する対人関係の問題に対処するためのスキルを身につけることができます。

この資格を取得するには、メンタルケア学術学会指定の講座を受講する必要がありますが、講座で出される課題レポートに合格することで修了が認定され、在宅でも資格を取得できます。

EAPメンタルヘルスカウンセラー

EAPメンタルヘルスカウンセラーは、心の健康に関わる専門家として注目されています。

この資格は、メンタルヘルス分野の知識とカウンセリングの技術を組み合わせて設けられました。メンタルヘルス問題の早期発見や予防、カウンセリング、復職支援などの業務で活躍しています。

資格取得には、まず認定カリキュラムを受講し修了証を取得した後、筆記試験と面接試験に合格すれば、EAPメンタルヘルスカウンセラーとして認定されます。

チャイルドカウンセラー

いじめや不登校など、子どもを取り巻く環境は厳しさを増しています。チャイルドカウンセラーは、そうした問題を解決に導いたり、子どもの抱える悩みを解消するための存在です。

この資格を持つことで、心理学の専門知識とカウンセリング技術を有していることが証明され、幼稚園、保育園、学校、塾など子ども関連施設で活躍できます。

子どもの心のケアを学ぶチャイルドカウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格です。子どもの心に寄り添う心理カウンセラーを目指す民間資格の一つです。

ただし、この資格を取得するには、メンタル心理カウンセラーと同様にJADPが認める講座を修了する必要があります。

おすすめの心理カウンセラー資格

心理カウンセラーとして活躍したい方には、国家資格の公認心理師や内閣府認可の臨床心理士が信頼性の高い資格として挙げられます。

しかし、これらの資格取得には専門の大学や大学院への通学が必須となるため、多忙や地理的な制約があるなど、取得が困難な場合があります。

そのような方々におすすめなのが、通信講座で取得可能な一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)認定の「メンタル心理カウンセラー資格」です。時間や場所に縛られずに資格取得が可能なため、忙しい方や教育機関が近くにない方でも、心理カウンセラーを目指すチャンスを得ることができます。

心理カウンセラーの仕事内容まとめ

この記事では心理カウンセラーの仕事について紹介しました。

心理カウンセラーでは、人の心の問題に寄り添い、解決に導く仕事には感受性と思いやりの心が欠かせません。心理カウンセラーやクリニック心理士は、専門的な資格を持ち、高度な知識とスキルを身につける必要があります。

そんな他者を支援する心理カウンセラーに興味がある方は、ぜひこの記事を活かして資格取得を目指してみてください!