医師の平均年収はどれくらい?大学病院と勤務医の年収も比較して紹介
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医師の年収は職責と専門性から高額になると一般的に考えられていますが、実際には職場や地域、専門分野によって大きな開きがあります。
ここでは医師の平均年収を紹介するとともに、大学病院勤務の医師と一般病院勤務の医師の年収を比較してみたいと思います。
医師を目指す皆さんは、ぜひ最後まで読んでみてください。
医師の平均年収はいくら?
医師の年収は、経験年数や専門分野、勤務先の規模、そして就業地域などの要因によって大きく変動します。
新人医師の年収は比較的低いものの、経験を積むことで上昇していきます。専門性の高い分野や大規模な医療機関で勤務する場合は、より高い年収が期待できます。
一方、都市部と地方では生活コストの違いがあるため、実質的な生活水準にそれほど大きな差はない可能性があります。
このように、医師の年収は複数の要因が組み合わさって決まるため、一概に言うことはできません。
経験年数別の平均年収
医師の収入は、経験年数によって大きく変わります。
新人医師の初年度の平均年収は約517万円ですが、1年から4年目の医師は平均で829万円と大幅に増加します。これは研修医から専門医への移行に伴う給与アップが一般的なためです。
5年から9年目の医師になると、平均年収はさらに1,077万円へと上昇します。この時期にほとんどの医師が専門医資格を取得し、給与が大きく跳ね上がるのが通常です。
10年から14年目の経験を持つ医師の平均年収は1,317万円、15年以上の経験医師では1,682万円となります。ただしこれらの数値は基本給与と賞与の合計であり、残業代などは含まれていないため、実際の収入はさらに高くなる可能性があります。
医師の給与事情を詳しく知りたい方は、専用の解説記事も併せてご覧ください。
業務内容別の平均年収
ドクタービジョンの2022年のデータによると、医師の収入は担当する業務内容によって大きく変わることがわかりました。
なお、このデータは関東地方(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)と宮城県で活動する医師の平均年収に特化しており、データの入手できない地域については0として扱われています。
高年収を得られる業務としては、訪問診療(個人宅・施設)、分娩、管理医師、透析管理などが挙げられます。訪問診療を行う医師の3分の1以上が年収1,600万円以上、分娩担当医師で年収1,400万円未満の人は4割程度しかおらず、2割以上が2,000万円以上の収入を得ています。
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勤務先の規模別の平均年収
医師の年収は、勤務先の規模によって大きな違いがあります。小規模な病院やクリニックで働く医師の方が年収が高い傾向にあります。
具体的には、従業員数10~99人の場所で働く医師の平均年収は約1,725万円ですが、従業員数100~999人の中規模病院では約1,695万円、大規模な1,000人以上の病院では約1,245万円となっています。
開業医は基本給や手当が高額になるため、賞与は少ないものの高収入を得ています。ただし、専門分野や経験年数によっても収入は大きく変わるため、一概に言えるものではありません。
都道府県別の平均年収
医師の年収は都道府県によって大きな差があり、必ずしも地方が低いわけではありません。
東京都の平均年収は約1,248万円ですが、比較すると和歌山県は約922万円、一方で秋田県は約1,926万円と地方でもばらつきがあることが分かります。また、大阪府は約1,579万円と東京都を上回っています。
収入面だけでなく、生活スタイルやキャリアパスを考える上でも、地域による年収格差は重要な情報です。そのため、地方勤務を検討する際にはこれらの情報を参考にするべきでしょう。
大学病院の医師と病院勤務医の年収の違い
一般的な認識とは異なり、大学病院に勤務する医師の給与水準は他の医療機関に比べて低い傾向にあります。
この事実は、労働政策研究・研修機構による調査や厚生労働省の賃金センサスなどから明らかになっています。
大学病院の医師は研究や教育にも力を入れ、実際の診療に割ける時間が少ないことが給与水準が低い理由として考えられています。
医師全体の平均年収
医師の年収状況について、厚生労働省の調査結果に基づいて説明します。
医師全体の平均年収は約1,378万円です。しかし男女間で顕著な違いがあり、男性医師の方が年収は高くなっています。
男性医師の平均年収は約1,470万円で、平均年齢は46.8歳、平均勤続年数は8年です。一方女性医師の平均年収は約1,054万円で、平均年齢は39.9歳、平均勤続年数は6.4年となっています。
また男性医師の方が長時間労働の傾向にあり、所定外労働時間が女性より多くなっています。このように、医師の年収には男女間の格差が存在することがわかります。
大学病院の医師の年収は一番低い
一般的な認識とは裏腹に、大学病院の医師は他の医療機関の医師に比べて年収が最も低い実態があります。
医師の就労実態調査によると、大学病院医師の平均年収は739.5万円で、他の医療機関を大きく下回っています。年収1000万円以上の高収入層の割合も22.9%と最も少なくなっています。
一方、最も年収が高いのは医療法人の医師で1443.8万円、次いで個人病院の医師が1414万円となっています。大学病院医師は退職金が手厚いものの、給与面では他の医師を大きく下回る水準にあることがわかります。
役職により平均年収は上がる
医師の世界では、役職の上昇に伴い年収が大きく増える傾向があります。
助教から教授・准教授へ昇進すると、平均年収が約700万円も上がります。一般的に、大学病院で研修医や医員から出発し、講師、准教授、教授と階級を重ねるにつれ平均年収は大きく上がっていきます。
医長、部長、院長といった管理職になればなるほど、さらに年収は上昇します。ただしこれらは平均値であり、個々の能力や経験、働き方によって年収は変動します。
しかし、大学病院での典型的なキャリアパスを辿れば、役職の上げ幅に比例して年収アップが期待できます。
大学病院の医師の平均年収が低い理由は
大学病院の医師の年収が他の医療機関に比べて低い理由は、3つの要因が複合的に作用しているためです。
まず大学病院は営利を目的としていないため、人件費への予算が制限されがちです。
次に年功序列の賃金体系が一般的で、特に中堅医師の給与上昇が抑えられる傾向にあります。
さらに、多数の医師が在籍しているため一人当たりの給与水準が低くなっています。
つまり、非営利運営、年功序列の賃金制度、多数の医師在籍という大学病院特有の事情が医師の低年収につながっているのです。
大学病院で働く医師が高収入を目指すには?
大学病院の医師が年収をアップさせる方法は様々あります。
まずは、給与水準の高い診療科へ転科することで収入アップが見込めます。適性と興味を踏まえて高収入の診療科を選ぶことが重要です。
医師不足が深刻な過疎地域への勤務も、待遇面で魅力的な条件が用意されている場合があります。さらに、常勤医師として勤務することで安定した収入を得られます。
しかし何よりも重要なのは、同一病院に長期間勤務し続けることです。経験を積み重ね医療技術を磨くことで、自然と給与も上がっていきます。
研修医時代から自身に合った診療科を選び、将来的にはキャリアアップのため他院への転職も視野に入れるなど様々な選択肢があります。将来を見据え、自分に最適なキャリアプランを立てることが肝心です。
平均年収が高い診療科目に転科
医師の収入を向上させる方法の一つに、脳神経外科など高収入の診療科に転科することがあります。脳神経外科医の平均年収は約1,480万円と、医師全体の平均を大きく上回っています。
脳神経外科に次いで高収入となるのが産科・婦人科、外科、麻酔科などで、整形外科や呼吸器科、消化器科、循環器科も比較的高収入です。内科、小児科、救急科も医師の中では平均的に高い収入が得られる診療科の一部です。
これらの高収入診療科への転科は、収入アップを目指す医師にとって有力なキャリアパスになり得るでしょう。
過疎地域に異動
医師の年収を左右する大きな要因のひとつが勤務場所です。
都会と比べて地方や過疎地域で働く医師の方が、相対的に高収入を得られる傾向があります。地方では医師不足が深刻なため、診療数が多くなり、それに応じた報酬が得られるためです。
ただし、単に高収入を求めるだけでなく地域医療への貢献意識が大切です。地方での勤務は過酷な面もありますが、経験を積むことでスキルアップにもつながります。
医師を目指す人は、都会での激務だけでなく地方勤務も視野に入れ、地域医療に貢献する使命感を持つことが重要です。
同じ病院で継続して働く
大学病院の医師は、同一病院に長期間勤務することで収入が増える傾向があります。
大学病院では年功序列が色濃く、勤続年数が長くなるほど給与が上がっていきます。例えば、勤続3年以内の医師の平均年収は約1,123万円ですが、15年以上になると平均年収は約1,462万円と大幅に増加します。
このように、同一病院に長く勤めることが収入アップにつながる可能性が高いのです。職場環境や自身のキャリアビジョンに満足しているなら、転職や転科よりも現在の病院で長期勤務を選ぶことで、培った経験とスキルが年収の形で評価されることになります。
診療科別・勤務医の給料の比較
医師の診療科によって年収に大きな差があります。
外科系医師の年収中央値は1,650万円で、内科系の1,403万円より約250万円も高くなっています。これは主に外科系の長時間労働によるものです。
一方、他の科の医師の年収中央値は1,356万円と、内科系よりも約50万円低くなっています。こうした診療科ごとの年収の違いは、民間医局の実績から明らかになっています。
外科系は高収入が見込めますが、長時間労働も求められます。医師を目指す方は診療科選択によって働き方が変わることを踏まえ、自身のライフスタイルに合わせて検討する必要があるでしょう。
外科系の主な診療科別ランキング
外科医の年収は内科医より高く、医師の中でも収入の良い職業とされています。
美容外科医が年収中央値2,200万円で最高位となっており、自由診療のため医師の能力が報酬に直結することが主な理由です。
血管外科、整形外科、一般外科もそれに続き、1,600万円前後が一般的な年収水準です。特に美容外科を除くと、外科医全体の年収中央値は内科より約250万円高くなります。
これは緊急手術の頻度の高さ、長時間にわたる難易度の高い手術、術後管理など外科医特有の業務の性質が影響しています。また、外科医の人数が少ないことも高給与につながっていると考えられます。
内科系の主な診療科別ランキング
内科系の医師の年収は、診療内容や労働時間、求人状況などによって大きな開きがあります。
中でも循環器内科医は平均年収が1,601万円と最も高く、急性期の対応や24時間体制が求められるためです。次いで透析科医が平均1,600万円と高年収で、高齢化に伴い需要が増え、定期的な治療が必要なため安定した報酬が見込めます。
一方、健康診断医は平均1,100万円と比較的低く、残業や当直がほとんどないため労働時間が短いことが影響しています。訪問診療を手掛けるクリニックの医師は平均1,500万円と内科の中央値を上回っており、在宅医療のニーズの高まりを反映しています。
これらの数値は民間医局の常勤医を対象にしたもので、外来診療に特化した無床クリニックも含まれています。そのため、外科系より低い傾向にあります。
他科系の主な診療科別ランキング
医師の診療科別の年収には大きな開きがあります。美容皮膚科は自由診療が多いため、年収2,000万円と最も高額です。
肛門科や泌尿器科、耳鼻咽喉科は外科的治療が多く、1,500万円以上の高水準となっています。一方、皮膚科や眼科、婦人科などは1,300万円前後と比較的低めです。
こうした差は、各診療科の特性や診療内容、女性医師の割合などが影響しています。医師のキャリアを考える際の一助となれば幸いです。
医師の年代・性別での年収の違いを紹介
医師の収入は、経験年数に加えて年齢や性別、勤務形態、専門分野などの要因によっても影響を受けます。
まず年齢別に見ると、20代後半から30代初めは専門医の資格を取得するための研修期間と重なるため、比較的収入が低めになります。
しかし40代に入ると研修が終了し、一般的に収入が増加します。さらに経験を積むことで高い専門性を身につけ診療の幅が広がるため、年収もより上昇していきます。
一方、性別による違いも存在します。男性医師の方が女性医師より高収入の傾向にありますが、これは一部の男性医師が長時間労働の管理職や高額な診療を多く担当しているためです。しかし、専門分野を問わず、女性医師も勤続年数を重ねれば男性医師と同等以上の収入を得ることもあります。
このように自身の年齢や性別を踏まえ、他者との収入の違いを把握することは重要です。収入格差に気づくことで、キャリアの見直しやスキルアップの必要性を認識するきっかけにもなるでしょう。
年代・男女別勤務医の年収を比較
医師の年収には年代や性別による差があり、男性医師の方が女性医師より高い収入を得ていることがわかります。
しかし、単に男女差だけでなく勤務形態や経験年数など、さまざまな要因が年収に影響を与えています。医師の職業においては、年齢やライフスタイルに応じた働き方が収入に大きく関係してくるのです。
医師の初任給は?
医師は高給与が期待できる魅力的な職業です。
厚生労働省の統計によると、2022年卒の医師の初任給は34万円を超え、一般企業の平均を大きく上回っています。さらに賞与を含めた年収は415万円に上ります。
ただし、医師になるには6年間の大学医学部と5年間の研修を経る必要があり、完全に医師として働き始めるまでに11年以上を要します。
しかし、研修医の段階から給与が支払われ、経済的な自立のきっかけとなります。30代に入ると給与は飛躍的に上がり、30代半ばでは平均給与が48万円を超えます。このように、医師は初任給のみならず中長期的にも高収入が期待できる職業です。
20代の中央値(~卒後5年目)
医師のキャリアは24歳頃から始まり、20代は医学の知識と技術を磨く「学びの時期」と位置付けられています。
この時期の年収は相場的にやや低めで、男性医師の年収中央値は約1044万円程度、女性医師は900万円程度となっています。
ただし、個々の環境や状況により年収は大きく異なるため、これらの数値は目安にすぎません。20代の医師たちは研修医や専攻医として訓練を積み、専門医資格取得に向けて切磋琢磨する時期にあります。
30代の中央値(卒後5年~15年目前後)
医師の年収は30代になると大きく伸びる傾向があります。
男性医師の年収の中央値は30代前半で約1,200万円、後半で約1,440万円となります。一方女性医師の場合は前半が1,100万円、後半が1,200万円と、この時期に両性とも1,000万円を超える年収水準になります。
この理由の一つは、30代の医師が専門医やサブスペシャリティの資格を取得し、それぞれの専門分野で活躍する機会が増えるためです。
この年代は体力的にも充実しており、当直や残業が増える傾向にあるため、医療機関にとって大きな力となって医師の価値を高めることにつながります。
このように、30代の医師は専門性と体力を活かしながら医療現場で活躍し、それが年収の上昇にもつながっているのです。
40代の中央値(卒後15~25年目前後)
40代になると、医師は組織を統率する役割を任され、責任が増す時期となります。
大学病院では講師や准教授へ昇進し、関連病院の部長などの役職に就くケースもあります。市中病院では医長や部長といった重要なポストに就任することが多くなります。こうした役職が増えるにつれ、年収も自然と上昇していきます。
具体的な年収を見ると、40代前半の男性医師の年収中央値は1,500万円ですが、40代後半になると1,550万円に増加します。一方、女性医師の場合は、40代前半で1,265万円、後半では1,375万円となっています。
注目すべきは、男女間での年収増加のペースの違いです。
男性医師の年収が前半から後半にかけて50万円増加したのに対し、女性医師は110万円もの大幅な上昇となっています。
この差が生じる要因の一つとして、40代後半になると、一部の女性医師がフルタイムで働くようになることが考えられます。子育てが一段落し、子どもが進学すると、より多くの時間を職場に費やせるようになるためです。
このように、40代は男女ともに職務内容の変化やライフスタイルの変動により、年収に大きな変化がみられる時期だと言えます。
50代の中央値(卒後25~35年目前後)
50代の医師は、長年の経験を積み重ねた臨床の第一線で活躍する一方、多くが病院経営にも関わる役職に就いています。
医局に所属する医師では教授、一般病院では副院長や院長といった上位職に就く人が増えるためです。
このため、50代の医師の年収は高くなる傾向があり、男性医師の年収中央値は1,650万円、女性は1,400万円前後となっています。全体の中央値は1,600万円で、この年代が医師の年収のピークとなります。
60代の中央値(卒後35年目~)
勤務医の年収は年齢とともに変化し、60代に入ると減少の傾向が強まります。
具体的には男性医師の場合、60代前半では年収中央値が1,647万円ですが、60代後半には1,400万円になります。一方、女性医師は60代前半で1,440万円、後半で1,310万円となります。
これは50代後半から体力的理由で当直やオンコールの勤務時間が減り、60代が医師としての最後の節目となるためです。
国立病院機構では医師の定年が65歳と定められており、多くの医師がこの年齢で退職します。一方、民間病院の中には定年制度を廃止しているところもありますが、役職を終える医師は多数います。
そして、定年後の再雇用や介護老人保健施設、療養型病院への転職などにより、年収は下がる傾向にあります。
しかし、70代になっても年収中央値は男女ともに1,000万円以上を維持しています。これは、医師の職が他の職種に比べて希少であるためだと言えます。
年収が高い勤務医の職場は?
勤務医の収入は、担当する診療科だけでなく、勤務先の環境によっても大きく左右されます。特に高収入が期待できる職場には、次のような特徴があります。
大規模な急性期病院や大学病院では、高度な医療技術と専門知識が求められるため、それに見合った給与水準となっています。
また、地方の医療機関では医師不足が深刻なため、高額な給与を提示して医師を確保する必要があります。
さらに、夜間や休日の診療を行うクリニックや病院では、長時間労働への手当てとして収入が増えます。
このように、勤務医の収入は診療科以外にも勤務先の規模、立地、診療体制などの環境要因が大きく影響します。高収入を望むなら、これらの点も慎重に検討する必要があります。
地方の医療施設
医師不足は全国的な課題ですが、特に地方の医療施設では深刻な状況に直面しています。
高齢化が進む地域ほど、医師が不足しがちです。医療施設自体が少ない地域でも、高齢者の増加に伴い医療需要は高まり、医師の負担が重くなっています。
さらに、遠隔地で交通の便が悪い場所では医学生が少ない傾向にあり、医師の確保が難しくなります。
そのため、地方の医療施設は高額な年収を提示して医師を引き付ける傾向にあります。医師を目指す人は、都市部だけでなく地方の求人も視野に入れると良いでしょう。年収以外にも医療への思いや地域貢献などを考慮して、自分にとって最適な働き方を選ぶことが重要です。
医療法人を経営母体に
医師の収入は勤務先の経営母体によって変動しますが、民間の医療法人に所属する医師の平均年収が特に高い傾向にあります。
医療法人に所属する医師はの収入は公立や国立病院の医師と比べても高水準です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、医療法人勤務の医師の平均年収は1,414万円で、他の施設に比べて最も高額です。さらに、医療法人勤務の医師には年収2,000万円以上の高額所得者も16.6%と多数おり、国立病院の1.5%と比べると非常に高い割合となっています。
また、医療法人での勤務は専門性の向上や医療サービス貢献という点でも魅力的な選択と言えるでしょう。
開業医と勤務医の格差を紹介
開業医と勤務医の間には一般的に大きな収入格差があると言われています。
収入は診療科目や経営状況、地域など様々な要因に左右されるため、一概に開業医の方が勤務医よりも収入が高いとは言えません。しかし、平均的な収入を比べると開業医の方が高収入であることが指摘されています。
勤務医の立場から、開業医の高収入に違和感を覚える人もいるでしょう。ただしそれは一部の開業医の実情であり、全ての開業医が同じように高収入を得ているわけではありません。
収入格差の重要性は、医師個人の志向性や能力、希望する生活スタイル、地域の医療事情などによって異なります。
一方で、収入差は一つの側面に過ぎないため、開業医と勤務医それぞれのメリット・デメリットを考慮した上で自身に合ったキャリアを選択することが大切です。
開業医と勤務医の平均年収の現実
医療従事者の収入については、一般的に開業医の方が高収入を得ているとされていますが、実際には様々な要因が関係しています。
開業医と勤務医の収入格差は大きく、開業医の平均年収は約2,748万円、勤務医は約1,488万円となっています。
しかし、勤務医の収入は勤務先の病院の種類や規模、勤続年数によって大きく変わります。一方、開業医の年収は診療数や経営費用などの影響を受けるため、必ずしも高収入とは限りません。
医療従事者の収入には様々な側面があり、単純に比較するだけでなくそれぞれの立場を踏まえた理解が重要です。
患者数や診療科目により給料は異なる
医師の収入には開業医と勤務医の間で大きな違いがあります。
一般的に開業医の方が高収入ですが、すべての開業医が高収入というわけではありません。
開業医の平均年収は約2,748万円ですが、診療科目や患者数、経営状況などの要因で大きく変動します。開業を決める際には、地域のニーズや診療科の選択、経営力の養成が不可欠です。
開業医は医療知識だけでなく経営の知識も必要で、開業当初は収入が少ないことが多いです。したがって、開業医として高収入を得るためには、医療のスキルに加え経営のセンスと計画性が求められます。
患者数による違い
開業医にとって、患者数は収入を左右する重要な要素です。
自らの診療所に多くの患者を集められるかどうかが、直接的に収入に影響します。患者数が増えれば収入も増え、経済的な安定が図れますが、患者数が伸び悩めば収入は低迷し、診療所の運営が困難になります。
特に開業初期は多額の借金と固定費用の負担がかかるため、患者を確保できなければ返済能力が低下します。看護師の給与さえ支払えなくな理、経営が行き詰まるリスクも十分にあります。
そのため、開業医として成功するには、医療の専門知識だけでなく、患者集客法や経営知識も身につける必要があります。診療所経営には、医師としての資質に加えて、ビジネスマインドと経営手腕が不可欠なのです。
診療科目による違い
開業医の収入は、診療科目によって大きな差があります。
内科、外科、小児科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、産婦人科、整形外科、精神科など診療科目は多岐にわたります。
中でも、小児科、皮膚科、整形外科の医師は平均的に年収が高い傾向にあります。収入が全てではありませんが、安定した経営を望む開業医にとって診療科目による収入の違いは無視できない要素です。
開業する年齢による違い
医師の開業時期によって、その後の収入機会や経営環境は大きく異なります。
若年で開業すれば長期間にわたり医業を営むことができ、高額な収入を得る可能性が広がります。
ただし未熟な段階での開業は患者集めに課題があるかもしれません。一方、経験を積んだ上で開業すれば、確かな実績が患者の信頼を得やすくなり、安定した収入源となります。
また金融機関からの高い信頼度を得られ、ビジネスローンの調達も容易になります。ただし返済期間が短くなるため、計画的な返済スケジュールを立てる必要があります。
開業時期によって長所と短所があるため、それぞれのライフスタイルや目標に合わせて慎重に検討することが重要です。
医師の収入を増やすには?
医師の収入を増やすための具体的な方法としては、専門性や技術力を高めることで患者からの評価を上げ、診療報酬の増加に繋げることです。
またプライベートクリニックを開業すれば、経営次第では大きな収益を得られる可能性があります。
さらに、講演会や執筆活動など医療業界以外での活動を広げることで、収入源を増やすこともできます。
このように様々な方面に活躍の場を広げることが、収入の増加や安定化に繋がります。
転職エージェントを利用し転職する
医師の収入を向上させる方法の一つとして、転職エージェントを活用して条件の良い病院へ異動することが考えられます。
都心部と比べ地方の病院では医師不足が深刻なため、より高い年収を提示している場合が多くあります。
また、規模の小さな民間病院は大学病院よりも年収の交渉がしやすい傾向にあります。ただし医師の転職市場は10月から12月にかけて活発化し競争が激しくなるため、早めに具体的なプランを立てて行動を起こすことが重要です。
このように、新たなキャリアに進む上で転職エージェントは非常に有用だと言えます。
稼げる高収入の求人の具体的な例
高収入を目指す医師にとって、転職先の条件を慎重に見極めることは非常に重要です。
収入面で魅力的な選択肢として、脊椎専門クリニックでの勤務と新規開設クリニックの院長職が挙げられます。
脊椎専門クリニックでは手術件数に応じて年収が大きく増える可能性があり、都市部から離れれば給与水準も高くなる傾向にあります。
一方、新規開設の精神科クリニックの院長職では開設コストが比較的抑えられ、さらに役職手当により高収入を望めます。
週4日勤務といった好条件の求人もあり、チャレンジングな選択肢となるでしょう。自身のキャリアプランに合わせて、これらの選択肢を検討してみるのがよいかもしれません。
アルバイトをする
医師がアルバイトを通じて収入を増やすことは可能です。
主な業務内容は外勤形式で、当直や健診を行うことが多いです。
ただし勤務医の場合には、常勤先の規定により外勤の日数やコマ数に制限があることがあるため、事前に確認する必要があります。
医師という職業が持つ責任感や倫理的な面を考えると、アルバイトを探すことは容易ではありませんが、適切な情報収集と確認作業を行えば能力を活かしながら収入アップにつなげられます。
資格や技術を取得する
医師の収入を増やすには、専門性を高め新しい資格や技術を身につけることが重要です。特殊な手術や内視鏡診断などの高度な医療行為を習得すれば、他の医師との差別化が図れます。
これは個人だけでなく、所属する医療機関の収益にも貢献できます。結果として、給与の増額につながる可能性があります。
また、現在は勤続年数よりも専門的なスキルが重視されているため、こうした資格や技術は転職の際にも有利に働きます。
さらに、医師個人の知名度や患者からの信頼も収入アップに役立ちます。要するに高度な医療技術と患者との良好な関係が、収入を伸ばす鍵となるのです。
開業する
開業することでも、収入を大幅に増やすことが可能です。
統計データからも、開業医の方が勤務医よりも高い年収を得ていることが分かります。これは独立して医療サービスを提供することで、より大きな収益を上げられるためです。
ただし、開業には多額の初期投資と経営ノウハウが必要不可欠です。そのため、開業を目指す医師はまず勤務医として実務経験を積み、医療の知識や技術を身に付けることが一般的でだと言えます。
若手医師の開業へ向けた準備としては、資金面だけでなく臨床での経験値を高めることも重要なのです。
開業医として成功するには、地域の患者ニーズや医療事情、競合状況を熟知し、それらを踏まえた経営戦略が欠かせません。
つまり開業医として高収入を実現するには、着実な準備と綿密な計画、そして医療と経営の両面に対する深い理解が求められます。
医師の平均年収まとめ
この記事では、医師の平均年収について詳しく見てきました。
一般的な医師の年収は約1000万円ですが、大学病院勤務の医師は平均で約1300万円と高額です。一方、勤務医の平均年収は約800万円と、大学病院に比べるとやや低めになります。
また、医師の収入は勤務先の施設や役職、経験年数など様々な要因により大きく変わることがわかりました。