薬剤師の年収は低すぎる?薬局ごとの収入をランキング形式で一挙に紹介

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薬剤師としての将来を考えている方、現在の職場に不安を抱えている方へ。

この記事では、薬剤師の平均年収と、全国の薬局の年収ランキングをお届けします。収入面での見通しを立てるための参考情報として、ぜひご覧ください。

キャリアアップや転職を検討する際の一助となれば幸いです。

薬剤師の平均年収は?

薬剤師の平均年収は?

厚生労働省の発表によると、最新の統計では薬剤師の平均年収は538.4万円という結果になりました。

薬剤師は全体として比較的高収入を得られる職業ですが、一方で勤務形態や経験年数、スキルによって収入に開きがあります。どんな要因で収入が変化しているのかをここではみていきます。

厚生労働省『賃金構造基本統計調査』

職場によって収入変動がある

薬剤師の年収は、職場によって大きく異なります。

例えば、調剤薬局で働く薬剤師は、全国転勤が可能な全国勤務コースでは福利厚生が充実しています。家賃補助などの手厚い待遇を受けられるため、給与水準が高くなります。

薬剤師の年収は勤務先の特性や求められる役割によって大きく変わってくるため、自分に合った適正な給与を得られる職場を選ぶことが重要です。

地域によって収入変動がある

薬剤師の平均年収は、地域別でも変動があります。

一般的に大都市の方が高収入と考えられがちですが、実は地方の方が平均年収が高い場合もあります。それは、人口に対する薬剤師の数や、地域別の需要と供給のバランスが関係しているためです。

男女別で給与が違う

薬剤師の業界においては、男女間の年収格差が存在することがあります。この格差は、職場環境や個人のライフスタイル、キャリアパスの選択などが影響しています。

一般的に、男性薬剤師の方が管理職への登用機会や長時間労働の機会が多いため、高収入を得る傾向にあります。

一方、女性薬剤師は出産や育児などのライフイベントを経験する際、パートタイムや短時間勤務を選択することがあり、その結果、年収が低下する場合があります。

しかし、この格差は個人の事情や選択によるものであり、能力や経験次第では縮小する可能性もあります。男女間の年収格差は一概に言えない複雑な問題です。

大手ドラッグストアの年収ランキング

大手ドラッグストアの年収ランキング

1位:クスリのアオキ 664万円

クスリのアオキは、北陸地方を拠点に地元密着型の経営で地位を確立し、優れた業績と従業員満足度の高さが相まって、ドラッグストア業界トップクラスの給与水準を実現しています。

薬剤師など専門職への手厚い処遇や働きやすい環境づくりにも注力しており、年収664万円と業界最高水準の給与を提供する理由がそこにあります。従業員重視の経営姿勢が、高給与につながっているのがクスリのアオキの特徴です。

2位:ウェルシア 613万円

ウェルシアは全国に店舗網を持つ大手ドラッグストアチェーンで、薬剤師の年収は業界でも高い水準にあります。

しかし、ウェルシアの魅力は単なる報酬にあるのではありません。同社は医薬品販売に加え、介護用品や健康食品の提供にも力を入れており、薬剤師が様々な知識を活かせる環境が整っています。

さらに、地域密着型のサービスを展開し、薬剤師が住民と円滑にコミュニケーションを取ることで、仕事への満足度も高まっています。

3位:ウィーズ 588万円

ウィーズは業界3位の年収を誇る大手ドラッグストアです。首都圏を中心に店舗を展開する、地域密着従業員重視の独自の企業文化があるのが特徴です。

ウィーズは、地域のニーズに合わせた店舗運営を心がけています。そのため、店舗ごとに地域に根ざしたサービスが提供されており、従業員も地域課題を理解し解決する力を身につけることができます。この姿勢が顧客の信頼を獲得しています。

また、従業員の能力向上を重視し、豊富な研修プログラムを用意しています。特に薬剤師のスキルアップに力を入れ、関連知識の習得を支援しています。

4位:ツルハ 576万円

ツルハは北海道を拠点に全国で店舗展開を行っており、従業員の平均年収は576万円と業界の中では高い水準にあります。

多くの店舗を有する堅実な経営基盤が給与の安定につながっており、従業員は安心して働ける環境が整っています。

ツルハは地域の健康維持と予防医療、健康管理を重視する一方で、従業員一人ひとりのキャリアパスも明確にしています。管理職や専門職への昇進の道筋が用意されており、経済的安定性とキャリア形成の機会を兼ね備えた魅力的な企業だと言えます。

5位:ファーマライズ 573万円

ファーマライズでは573万円と安定した十分な年収が保障されています。最上位にはないものの、調剤薬局事業に特化し、薬剤師の専門性を高める環境づくりと新人教育に力を入れています。

また、地域医療への貢献にも視野を広げ、質の高い医療の提供を目指しています。専門性と社会貢献を重視する薬剤師にとって、魅力的な職場環境が整っている企業です。

平均年収の比較【職場別】

製薬会社

製薬会社で働く薬剤師の年収は431万円から664万円程度と裕福な水準にあります。製薬会社での薬剤師の業務は多岐にわたり、新薬の開発や臨床試験の管理、医薬品情報の提供など専門的な知識と経験が求められます。

特に新薬開発や臨床試験の管理を担当する場合は、高度な専門性が必要不可欠です。そのような高い専門性が評価されて高収入につながっています。

調剤薬局

地域医療を支える調剤薬局の薬剤師の年収は、430万円から600万円となっています。医師の処方に基づき適切な薬を調剤し、患者への服薬指導を行うなどの重要な役割を担っていることが高収入につながっています。

ドラッグストア

ドラッグストアで薬剤師として働く場合、年収は約450万円から600万円程度と比較的高額です。それは、処方箋医薬品の調剤だけでなく、一般医薬品の販売や健康相談対応など、専門的な知識と経験が求められる業務を行うためです。

また、長時間勤務や不規則なシフトが珍しくないことも、給与水準が高い理由の一つとなっています。ドラッグストアでは、豊富な知識と高度なスキルを持ち、多様な業務に対応できる人材に対して手厚い報酬を提供しているのです。

臨床開発モニター(CRA)

臨床開発モニター(CRA)は、医療機関で行われる薬の治験が適切に実施されているかを確認する重要な役割を担う専門職です。また、CRAの年収は経験年数によって大きく異なります。

キャリア1~3年目では約450万円、3~5年目で520万円程度と見込まれています。管理職であるディレクターの場合は800万円以上となり、長年CRAとして活躍し管理職に昇進すれば年収1000万円に達する可能性もあります。

ただし、CRAの就職先は製薬企業とCRO(臨床試験受託組織)が中心です。そのため、製薬企業の方が高収入が期待できる一方で、その分競争率も高いため、入職が難しいことに留意が必要です。

(大学)病院

大学病院で働く薬剤師は、高い専門性と責任を伴う仕事に従事しています。年収は401万円から542万円の幅があり、薬剤の提供だけでなく、患者管理や治療計画の策定にも携わります。

大規模病院や専門病院ほど年収が高くなる傾向にありますが、その一方で不規則な勤務時間や夜間対応などが求められるため、仕事とプライベートのバランスを保つことが難しい環境にあります。

高い収入を得られる反面、柔軟な対応力と適切なワークライフバランスの確保が重要視される職場であると言えます。

平均年収の比較【地方内別】

都道府県によって平均年収は大きくばらつきがあります。また、それらは地方の中でもバラバラです。そこで今回は、各地方別の中でどの都道府県が1番平均年収が高いのかと全国との順位比較を行いました。

北海道地方

北海道 583.3万円(全国25位)

北海道の薬剤師の年収は、全国平均とほぼ一緒で583.3万円と高年収です。これには北海道の広大な地域性が影響しています。

人口が集中しにくい北海道では、特定の専門職が地域によって不足しがちです。そのため、薬剤師の需要が高まり、給与水準が押し上げられています。

また、北海道内でも薬剤師需要の高い地域では、さらに高い給与が提示される場合もあります。これらが年収平均を全国より高めにしている要因となっています。

東北地方

青森県 651.9万円(全国4位)

東北地方では、青森県が651.9万円と平均年収が全国でも上位に入る高水準にあります。

この背景には、地域医療ニーズの高まりにより、専門的知識を持つ薬剤師が求められていることが考えられます。

また、他の東北地方の県でも高収入が得られる状況にあり、特に医療分野では専門性が収入に反映されやすい傾向にあります。地域医療の発展に伴い、収入水準も上がっているのです。

関東地方

栃木県 664.8万円 (全国3位)

関東地方の中で、栃木県が年収664.8万円と最も高く、全国でも3位の高水準にあります。次いで茨城県の年収も高く、関東地方内では栃木県に次ぐ水準になっています。

加えて、栃木県や茨城県は東京都に比べて生活費が低めです。東京都などでは高額な生活費のため、実質賃金からみても都市部を上回っていることがわかります。

中部地方

静岡県 638.0万円 (全国5位)

中部地方では、静岡県が638.0万円と最も高い平均年収を誇り、中部地方全体でも上位に入っています。

また、富山県も高水準の年収を維持している地域です。さらに、新潟県や長野県も安定した年収が得られる注目すべき地域となっています。中部地方では、医療機関が充実しているため、そこで働く機会が多いことが高年収につながっていると考えられます。

近畿地方

京都府 633.8万円 (全国7位)

近畿地方では、京都府が平均年収633.8万円と全国7位の高水準にあり、大阪府も比較的高収入が期待できます。

この背景には、両府県に多数の医療機関が集中し、医療従事者、特に薬剤師の需要が高いことが挙げられます。

医療関連職に就けば高収入が見込めるため、医療分野で活躍したい人にとって、近畿地方は良好な環境が整っているのです。

中国地方

島根 617.0万円 (全国11位)

中国地方では、島根県が平均年収が最も高く、617万円で全国11位にランクインしています。

これは地方医療への注力により、薬剤師の役割が重要視されているためです。また、広島県でも比較的高い年収が得られ、都市部に匹敵するビジネス環境と求人数が給与面での優遇につながっています。

中国地方全体としては、地理的条件や産業構造が多様な求人を生み出し、高年収を実現しやすい環境にあります。特に医療業界や都市部と競合するビジネス分野での年収水準が高くなっています。

四国地方

徳島県 590.7万円 (全国19位)

四国地方の平均年収は、全国的に見てもやや高い水準にあります。特に徳島県は、平均年収が590.7万円と全国19位に位置づけられています。

この高い年収水準は、四国地方全体が地域医療の維持と向上に力を入れている結果と考えられます。地方自治体が医療従事者への適正な報酬を重視し、地元の医療機関の存続を支えることで、地方の地域医療を支える役割を果たしています。

四国地方が一体となって医療待遇の向上に取り組むことにより、このような高水準な年収が保たれているのです。

九州地方

宮崎県 717.7万円 (全国1位)

九州地方では、宮崎県が平均年収717.7万円と最も高く、全国区でも1位のバリューを獲得しています。これは、献身的な医療スタッフが地域の医療ニーズに対応した結果、待遇が良くなっているためです。

熊本県も同様に、地域貢献が活発な医療スタッフにより高い年収を得ています。長崎県や鹿児島県においても、専門的な知識や技術を持つ医療スタッフへの手厚い待遇が窺えます。

地方特有の医療ニーズの増加に伴い、九州地方全体で医療スタッフの重要性が高まり、その結果として待遇が改善されていることがわかります。

医療系他業種との比較

医師

医師は一般的に高収入の職業とされていますが、その具体的な金額は専門分野や勤務先によって大きく異なります。

内科医の平均的な年収は1,000万円から1,500万円程度といわれていますが、外科医や特殊診療科の専門医になると、さらに高額な収入が期待できます。彼らの高度な技術と経験が適切に評価され、それが報酬として反映されています。

看護師

看護師の年収は、勤務地域や病院の規模によって異なります。一般的には400万円から600万円程度が平均的な収入です。経験やスキル、知識などが豊富になれば、管理職などの上位職に就けるため、さらに収入は上がります。

看護師は高い専門性とスキルが求められる職種であり、経験豊富な看護師ほど年収が高くなる傾向にあります。長年の実践を重ねた看護師は、高度な医療を提供し、患者の治療に大きく貢献することができるからです

医療事務

医療現場では、医師や薬剤師が診療や薬の処方を行う一方で、医療事務職員が患者の受付から診療記録の管理、請求業務まで幅広い役割を担っています。

しかし、医療事務職員の報酬は他の医療職と比べると一般的に低水準にあります。平均的な医療事務職員の年収は300万円から400万円程度です。

ただし、実際の年収は勤務先の規模や自身が持つ資格によって大きく変動します。専門性が高い他の医療職種と比べ、医療事務職の専門性が報酬に十分反映されづらいことが原因かもしれません。

薬剤師として給料を上げるには

管理薬剤師になる

薬剤師の給与を向上させるには、管理薬剤師への昇進が有効な方法となります。管理薬剤師は、薬局やドラッグストアにおいて中心的な役割を担います。医薬品の適切な管理やスタッフの指導・育成を行います。

管理薬剤師に昇格すれば、資格手当の支給や、将来的に薬局長として働くことで収入が増える可能性があります。

現在、管理薬剤師の平均年収は500万円から800万円程度とされています。そういった意味で長期的な視点に立てば、管理薬剤師を目指すことが薬剤師のキャリア形成に有益であると言えます。

MRとして製薬企業に勤める

医薬品営業職、通称MRとして働くことは、薬剤師の収入アップの有力な選択肢の一つです。MRの主な役割は、医薬品の品質、効能、安全性などについて、医師や同僚薬剤師に情報を提供することです。

MRとして適切に業務を遂行すれば、製薬会社から手厚い福利厚生インセンティブ報酬を得ることができます。これらの待遇は経済的に恵まれた環境を実現し、製薬会社の業績向上にも貢献します。

特に、外資系製薬企業に勤めることができれば、MRとしての報酬水準はさらに高くなる可能性があります。優秀な実績を残したり、管理職へ昇進すれば、一部のMRは年収1,000万円を達成するケースもあります。

薬局創業者になる

薬剤師として独立し、自分の薬局を開業することは年収アップの大きなチャンスとなります。しかしながら、当然経営リスクも伴います。近年では薬局の倒産が後を絶たず、経済的なリスクを無視できません。

そのためには、薬局経営の実務経験を積むことが重要です。実際に経営している薬局に転職し、開業のノウハウを学ぶことで、自身のビジネスプランを具体化できます。このような経験を通じて、開業のメリットとデメリットを理解することが大切です。

そうした過程で自己研鑽と市場調査を重ねることが、確かな経営力を身につけることが成功への鍵となります。

薬剤師がキャリア進展を図るには

薬剤師がキャリア進展を図るには

資格取得

薬剤師としてのキャリアを発展させるためには、基礎知識を深めるとともに専門分野の知識を身につけることが重要です。専門資格の取得は、その一つの方法となります。

臨床薬学や製薬科学、薬局管理など各分野で専門資格を持つことで、その領域での高い専門性が認められ、信頼と評価を得ることができます。

また、がん薬物療法や感染制御など特定領域で深い知識と技術が求められる専門薬剤師資格も存在します。こうした資格取得を通じて得られる専門知識は、患者一人ひとりに適切な薬物療法を提供する上で欠かせません。

コミュ力を磨く

薬剤師は単なる薬の調剤役ではなく、患者と医療スタッフの橋渡し役も務めています。そのために高度なコミュニケーション力が求められます。患者とのカウンセリングを通じて信頼関係を築き、個別の状況に応じた的確なアドバイスを行えるようになります。

また、医師や看護師など他の医療従事者と連携し、患者に最適な治療方針を立案することができます。コミュニケーション能力を磨くことで、質の高い患者ケアと薬剤師自身のキャリア向上が期待できるのです。

マネジメント力を上げる

薬剤師としてのキャリアを更に高めるには、専門的な知識や技術に加えて、マネジメント力の向上が重要です。

マネジメント力とは、人々を動かし、組織を円滑に運営する能力のことです。これは、薬局の日常業務を円滑に行うだけでなく、スタッフの教育や指導にも役立ちます。

転職エージェントに登録する

薬剤師として経験を積みキャリアアップを目指すには、転職エージェントに登録することがおすすめです。

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薬剤師の年収まとめ

この記事では、薬剤師の給与について、大手チェーン薬局から地元の個人経営の薬局まで、さまざまな視点から比較し、ランキング形式で具体的な金額を紹介しました。

この情報が、薬剤師を志す方や転職を検討されている方の一助となれば幸いです。