フリーランスや個人事業主の履歴書の書き方は?パターン別で詳細に解説
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フリーランスや個人事業主として活動する際、履歴書を書いて、自分の強みや実績をアピールすることが求められます。しかし、それらをうまく表現するのは簡単ではありません。
この記事では、フリーランスや個人事業主の履歴書の書き方をわかりやすく解説します。
様々な経歴のパターンに合わせた具体例を交えながら、あなたの経験や能力を効果的に伝える方法をお教えします。ぜひ最後まで読んでみてください。
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フリーランスや個人事業主が履歴書を書くのはいつ?
エージェントを利用するとき
フリーランスや個人事業主が案件を獲得するためには、自身の経歴やスキルを明確に示すことが求められます。
エージェントや仲介業者、クラウドソーシングサービスは、提出された履歴書や職務経歴書を通じて、フリーランサーの経験やスキルを把握することになります。そして、履歴書から得られる情報から案件に対する適性を判断します。
キャリアの変化や新たなスキルの習得に応じて、履歴書の更新を怠らずに行うことが重要となります。
新規業務委託を契約したいとき
フリーランスや個人事業主が新しい仕事を受注するためには、自身の専門性や経験を適切に示した履歴書と職務経歴書の準備が欠かせません。
特に大手企業や、自治体・官公庁等公的機関の案件に応募する際には、必ず提出を求められると言っていいでしょう。
企業側は、履歴書で応募者の実績を確認し、面接対象者を絞り込みます。一般の就職活動と同様に、履歴書は、フリーランスにとっても自身をアピールする重要な材料となるのです。
クライアントから求められたとき
エージェントを介さずに直接クライアントから仕事を受注する時や、大規模な企業からの長期案件の際は、クライアント側が履歴書や職務経歴書を確認したいと考えることがあります。また、クライアントがフリーランサーたちの履歴書を加味した上で案件を受注することがあります。
このような場合、内容が充実している履歴書は、他の応募者と差をつけるポイントになります。
正社員やアルバイトとして働きたいとき
フリーランスや個人事業主にも、正社員やアルバイトとして働く際には当然ながら履歴書が必要となります。
フリーランスは自身のスキルやサービスを提供し、依頼元から直接報酬を得る形態です。
一方、雇用契約を結び給与を受け取る「会社員」や「アルバイト」の場合も、スキルや経験、人間性を雇用主に理解してもらうため履歴書の提出が求められます。
フリーランスが履歴書に書くこと
それでは、フリーランスの方は履歴書にはどのような内容を記せば良いのでしょうか。
ここでは、フリーランスの方が履歴書に書くことについて詳しく見ていきましょう。
基本情報
履歴書の「基本情報」は、自己紹介をする重要な機会となります。
氏名、生年月日、住所、連絡先などの基本情報は、自分を正確に伝えるための必須事項です。基本情報の記載方法は、フリーランスか否かを問わず一般的な履歴書と同様です。
記載内容には間違いがないことを確認しましょう。間違っている情報を記載していると、相手からの信頼を損なう恐れがあります。
学歴や職歴
学歴については、卒業年と学校名を明確に記載する必要があります。企業は学歴を能力や経験を判断する重要な材料としているからです。
職歴については、フリーランスとなる前の従業員としての経験と、フリーランスとしての活動期間を記載します。具体的には、就労経験の開始年月と終了年月、フリーランスとしての業務開始年月と終了年月を明示することで、履歴書を見る人がキャリアパスと経験を把握しやすくなります。
ただし、業務内容やスキル等の詳細は職務経歴書に別途記述します。職務経歴書には、フリーランサーが様々なプロジェクトに携わってきた経験を整理し、獲得したスキルや知識を詳しく記載しましょう。これらを最大限アピールしたい気持ちもあるかもしれませんが、履歴書での記述は不要です。
保有している資格
フリーランスとして活動する際、自身のスキルを示す重要な手段の一つが資格となります。自身の業界知識や技術力を明確に示す必要があるため、ビジネスに関連する資格は履歴書に記載します。
一方で、表面上は無関係に見える資格でも、積極的に記載するべきでしょう。例えば英語検定を持っていれば、高い語学能力や高い理解力があることが分かります。
ただし、すべての資格を書く必要はなく、取得難易度が低い資格は省いた方が良いでしょう。履歴書は分かりやすく、読み手が求める情報に絞り込まれていることが重要です。
業務実績
一般的に、詳細な業務内容は職務経歴書の方に記載します。しかし、履歴書のテンプレートによっては記載する欄がある場合もあります。また、学歴・職歴の欄に大まかな業務実績を記すこともあります。
フリーランスとしての実績を示すためには、過去に携わったプロジェクトの詳細を具体的に記載することが重要です。クライアント名やプロジェクト内容、担当期間、使用した技術などをできる限り詳しく記述しましょう。
その際、あなたがどのような役割を果たし、どの程度の成果を上げたかを明確に伝えることが求められます。
ただし、クライアント名を明記できない場合は「某IT企業」と記載することも可能です。
自己PR
自己PRの作成に際して、即戦力となるスキルと実績を具体的な数値で示すことが重要です。
また、チームワークやコミュニケーション能力といった人間力も重視されます。過去の協働作業やクライアント折衝の経験を活かして、どのような価値を提供できるかを具体的に示すことで、信頼を築くことができます。
さらに、企業研究を行ってクライアントが求める人物像を理解し、それに一致した自己PRを作成するのもよいでしょう。
志望動機
フリーランスとして成功するためには、志望動機を明確に伝えることが重要です。履歴書に欄がある場合には、志望動機を記述します。
応募先の企業がどのようなビジョンを掲げているかを念頭に置きながら、なぜその企業に興味を持ったのか、自分は何をしたいのか、自分はどのような価値を企業へ提供できるのかなどを述べる必要があります。
それぞれの内容を詳細に伝えることで、志望度の高さを企業に伝えることができるでしょう。
パターン別フリーランス履歴書の書き方
履歴書の書き方は、一見全て同じに見えるかもしれませんが、実際には少しずつ異なってきます。
この記事では「開業届を出している場合」「開業届を出していない場合」「家族従業員等の場合」「クラウドソーシングの利用者である場合」の履歴書の書き方を各々紹介して行きます。
開業届を出している場合
個人事業主として活動していた経験がある場合、開業届の提出日を、事業を終了した場合はその日付や廃業または事業売却した日を記載しましょう。
従業員を雇用していた場合は、従業員数の記載を忘れず記載し、経理の知識とマネジメント経験をアピールしましょう。
記入例 |
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令和○年○月に制作事務所を開設し、個人事業主として活動を開始。その後、令和○年○月に同事業を株式会社○○に売却 |
令和○年○月に個人事業主としてコンサルティング事業を開始。しかし、令和○年○月に一身上の都合により廃業 |
開業届を出していない場合
フリーランスとして開業届を提出していない期間は、履歴書に「○○として活動を開始」や「一身上の都合で活動を停止」と具体的に記載することがおすすめされます。
面接では、開業届を提出していなかった理由を聞かれる可能性があるため、事前に説明を準備しておくとよいでしょう。
記入例 |
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令和××年△△月個人事業主として従事〇〇として活動 |
令和××年△△月一身上の都合により活動停止 |
家族従業員等の場合
家族事業への従事経験を職歴に表す際は、法人形態か個人事業主かで表現方法が異なります。
法人の場合は、入社日と退社日を一般的な会社員と同様に記載します。
一方、個人事業主の場合は、履歴書の欄に家族従業員であったことを明記します。
いずれの場合も、従事した具体的な業務内容やスキルを詳しく記載し、経験を明確に伝えることが重要です。
法人の場合の記入例 |
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令和○年○月より株式会社○○にWebデザイナーとして入社し、令和○年○月に一身上の都合で退社 |
個人事業主の場合の記入例 |
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令和○年○月より家業の○○設計事務所に従事し、税理士として業務に携わっていたが、令和○年○月に一身上の都合で離職した |
クラウドソーシングの利用者である場合
クラウドソーシングでの活動期間は、開始日をサービスへの登録日、終了日をサービスの退会日とし、「登録」「退会」という表現を用います。
他の仕事と並行していた場合でも、クラウドソーシングでの実績は重要な経歴の一部ですので、記載するのがよいでしょう。特に、正社員経験がない場合や将来の仕事に役立ちそうな案件を手がけた際には、その事実を履歴書でアピールするとよいでしょう。
内容として「サービス名」「登録期間」「受注案件名や件数」など、具体的な活動を記述します。これにより、どのようなプラットフォーム・どの程度の期間と頻度で、何種類の案件を扱ってきたかが分かります。
記入例 |
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令和○年○月に制作事務所を開設し、個人事業主として活動を開始。その後、令和○年○月に同事業を株式会社○○に売却 |
令和○年○月に個人事業主としてコンサルティング事業を開始。しかし、令和○年○月に一身上の都合により廃業 |
フリーランスが履歴書で注意すること
指定されている様式・形式を守る
フリーランスの皆様が履歴書を作成する際、求職先が具体的な様式や形式が指定していれば、その指示に従うことが大切です。
日本では一般的に「JIS規格履歴書」の形式が求められ、A3サイズを二つ折りにして使用するのが普通です。
作成方法については、特に指示がない場合はPCで作成することをおすすめします。PCで作成すれば、修正が容易で送受信も便利であるのと同時に、メールでのやり取りがしやすくなるというメリットがあります。
文字サイズやフォント
フリーランスの履歴書作成では、文字サイズやフォントの選び方が重要です。適切なサイズと読みやすいフォントを選ぶことで、読みやすい履歴書を作成することができます。
氏名は14pt〜18ptの大きめのサイズで、本文は10.5pt〜11ptの標準的なサイズが適しています。伝統的な明朝体のフォントを使うと、読みやすく格調高い印象を与えます。文字の色は黒が無難です。
見た目の細かい部分にも気を配ることで、経歴やスキルを効果的にアピールできる履歴書になります。
修正液や修正テープを使わない
履歴書には、修正液や修正テープを使わず間違いに気づいた際は新しい用紙に書き直しましょう。
修正の跡が残ってしまうと採用担当者からの信頼を損ねかねません。書き直しが難しい場合は、二重線で訂正し印を押すようにしましょう。
この観点から言っても、履歴書はPCで作成することをおすすめします。
本人証明写真の撮影
履歴書に使用する本人証明写真は、撮影してから約3カ月以内のものを使い、青や灰色などの落ち着いた背景色を選びましょう。
男性はジャケットとネクタイを着用します。前髪で目が隠れないよう注意し、穏やかな表情を心がけるなど、相手から好印象を得られるようにする必要があります。
「現在に至る」と「以上」の区別注意
フリーランスとして活動する際、職務経歴の記載方法には細かい注意点があります。
現在も継続して働いている場合は「現在に至る」と記載し、離職中であれば「以上」と書きます。
「現在に至る」は左寄せで、「以上」は次の行の右寄せで記入します。
些細な違いですが、履歴書の見た目や印象を左右するので、しっかりと覚えておくことが大切です。
自分のスキルはしっかり伝える
フリーランスとしての履歴書作成では、自身の強みとなる技術力や実務経験を簡潔に、且つ効果的に示すことが重要です。
しかし、細かく列挙しすぎると、本来アピールしたい点が伝わりにくくなる可能性があります。そのため、提出する目的に直接関係するスキルと経験に焦点を当て、それらを明確に強調する必要があります。
一方で、その他の経験については、簡潔にまとめて別のセクションに記載することで、全体のバランスを保ち、求められる情報を読み手に的確に伝えることができます。
マイナスな表現は厳禁
フリーランスの経験は確かに自由度の高い働き方として捉えられがちですが、企業への転職を検討する際には、その経験をどう活かせるかが重要になってきます。
転職の志望動機を述べる時、収入の不安定さなどフリーランスの短所を挙げて正社員を希望する理由とするのは避けたほうが良いでしょう。そうした表現では、なぜその企業を選んだのかが明確になりません。
そうではなく、大規模なプロジェクトに参加したり、スキルアップの機会があったりという中で、さらなる活躍の場を求めて転職をしたい、といったプラスの側面を強調することが重要です。
前向きな表現を心がけると共に、自身の持つ力を最大限にアピールすることで、転職活動の成功に近づけるでしょう。
働いていない期間にも前進していたことを伝える
フリーランスの履歴書作成では、働いていない期間の扱いに注意が必要です。
企業側は長期の空白期間を懸念する傾向にあります。しかし、その期間に自己啓発や新しいスキルの習得をしていた場合、それを前向きに説明することで魅力的な経歴になります。
自己PR欄や志望動機で、自分の働く意欲や具体的な理由を示せば、フリーランスとしての価値を適切にアピールできるでしょう。
PCに履歴書をデータ保存
フリーランスとして活動する際、自身の履歴書に最新の情報を反映させ、データ形式で保存しておくことが重要です。
紹介会社とのやり取りは主にメールで行われるため、求人への迅速な応募と自身のスキルや経験を的確に伝えることができます。
データ形式で履歴書を保存することには他にも多くの利点があります。書き間違いがあれば簡単に修正でき、応募先ごとに内容を微調整できます。
さらに、データで提出すると「PCスキルがある」と示すこともでき、採用担当者の評価に良い影響を与えるでしょう。
フリーランス向け履歴書のテンプレート
フリーランスの方々におすすめの履歴書テンプレートを、いくつかの便利なサイトからご紹介します。
リクナビNEXTや転職Hacks、厚生労働省のハローワークのページでは、Word、Excel、PDFなどの形式で簡単に履歴書を作成できるテンプレートが無料で用意されています。
履歴書や職務経歴書を書く際には、ぜひ活用してください。
・リクナビNEXT
・転職Hacks
・厚生労働省 ハローワーク
転職の手続きは転職エージェントを活用しよう
転職を考え始めると、多くの人が手続きの面倒さに直面します。
自己PRの作成や面接対策、応募書類の準備など、一人ですべてを行うのは大変な作業です。そこで、転職エージェントを活用することが効果的となります。
転職エージェントは、転職を成功に導くためのパートナーで、あなたのキャリアゴールを理解し、最適な職を見つけてくれます。また、経歴やスキルに合わせて応募書類の添削も行ってくれます。
さらに、一般公開されていない求人情報にもアクセスできるため、新しい可能性に出会える機会も広がります。
このように転職エージェントを上手に活用すれば、手続きの負担を軽減しながら、確実な転職を実現できます。
フリーランスの履歴書に書くことまとめ
フリーランスや個人事業主の方は、自分の強みや経験をアピールする履歴書が不可欠です。書き方のポイントを押さえ、専門性や得意分野を存分に打ち出しましょう。
実績や成功事例を具体的に記載することで、他者と差別化を図ることができます。依頼者の求める人材像に合わせた内容を心がけると、より魅力的な履歴書になるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。ぜひ履歴書の書き方で困った際には、もう一度この記事を読んでみてください。