ITエンジニアからの転職先はどこ?IT業界から異業種への転職のコツも解説
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ITエンジニアには様々なキャリアパスが用意されており、転職先の選択肢も豊富にあります。
この記事では、ITエンジニアの転職先として人気の企業をご紹介するとともに、IT業界から異業種への転職を検討する際のポイントも解説します。
ITエンジニアの転職先の傾向
ITエンジニアの転職先には3パターンあります。それぞれのパターンのメリットを一つずつ解説していきます。
IT業界外で異なる職種
ITエンジニアは、論理的な思考力など培ったスキルを活かして、営業企画などの異なる職種に転職する機会が増えています。
営業企画は、営業戦略の立案から実行までを担当し、プランニングからマネージメントまで幅広い業務が求められます。
このように、ITエンジニアの異職種転職は珍しくありません。異業種でのスキル活用は、ITエンジニアとしてのキャリアをさらに豊かなものにする可能性を秘めています。
異業種へ進出することで、新たな視点を得てキャリアを多角的に発展させることができるのです。
IT業界外でITエンジニア
ITエンジニアの転職先は多岐にわたっています。デジタル化が進む中で、IT技術者の活躍が期待されているためです。
ITエンジニア経験者からしても、新しい業界で働くことで、専門知識に加えて企画立案や顧客対応、部門間連携などの経験を積むことができます。
異業界への転職はキャリアアップのチャンスとなり、これまでの経験を生かしてさらなる飛躍ができる絶好の機会です。
ITエンジニアとして培った力を新たな舞台で発揮することで、次のステップを踏み出すことができるでしょう。
IT業界内でITエンジニア
ITエンジニアが新たな可能性を追求する際、同じ業界内で職種を変えずに転職することは、よく選ばれる選択肢の一つです。
ITエンジニアの領域は多岐にわたり、Web系やシステム開発、プログラミング、ゲーム開発など、これまでの経験を活かせる分野が多数存在します。新しい環境で既存のスキルをさらに磨くことで、次のステージに進むことができます。
エンジニアにとって同業界内での転職は、専門知識と技術を高め活躍の場を広げるチャンスとなり得るのです。
ITエンジニアに適正がある転職先
上記では、ITエンジニアの転職先の傾向について見ていきました。下記では、具体的に適性のある職種を解説します。
IT業界内
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、情報技術の知見を活かして顧客が抱える複雑な課題を解決することが主な役割です。顧客との対話を重ねながら、プロジェクトマネージャーやシステムエンジニアと連携し、課題解決に向けたプロジェクトを円滑に進めていきます。
一方で、システムエンジニアは新しいシステムの開発を主な業務としています。
ITコンサルタントとシステムエンジニアは、顧客の課題解決を目指す点で共通していますが、そのアプローチは異なります。
両者がそれぞれの強みを生かしながら連携することで、顧客の利益につながるのです。
フリーランス
また、フリーランスとして働くこともできます。
フリーランスの最大の特徴は、プロジェクト全体を自由にコントロールできる点です。理想的な案件を自ら選択し管理することが可能です。
またフリーランスとして活動すれば、得られる利益はすべて自分の収入となります。そのため、年収が会社員時代を上回ることも珍しくありません。
一方で、フリーランスにはデメリットもあります。案件の量が一定でなく、収入が不安定になる可能性があります。また一人で運営するため、ストレス発散の方法を工夫する必要があり、自らモチベーションを維持しなければなりません。
Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトの見た目と機能性の両面を担う職種です。フロントエンドでは、HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を駆使し、PhotoshopやIllustrator、XDなどのツールを使ってサイトのデザインと利便性を実装します。
バックエンドでは、Linuxなどの環境でサーバーを設計し、データベースを構築したりPHPやRubyなどの言語を使ってシステムを設計したりします。
このように、Webデザイナーにはフロントエンドとバックエンドの両方の能力が求められます。
ただし、求められる役割は企業や案件によって異なるため、就職や転職の際は仕事内容や募集要件を事前に確認しておきましょう。
プリセールス
プリセールスは、営業チームの一員として専門知識を活かしてクライアントをサポートする役割を担っています。開発業務は行わず、営業担当者とともにクライアントとの打ち合わせに同席し、システムの導入に関する技術的なアドバイスを提供しています。
優れた専門知識と並んで、クライアントのニーズを理解し適切な解決法を提案できるコミュニケーション能力も求められます。
プリセールスは、技術力とコミュニケーションスキルの両方を兼ね備え、企業とクライアントの橋渡し役としての重要な役割を担っています。
社内SE
社内SEは、企業内のシステムの構築・運用保守を行う職種です。システムの利用方法を社員に教えるサポート役も務めます。
また、業績改善策の立案などの経営への具体的な提言も行います。経営陣との直接的な関わりから、経営に対する深い理解を得られ非常にやりがいのある職種となっています。
一方、直接営利につながる仕事ではないため、高収入は望めません。また企業規模やシステムによっては、一人で全ての問題解決を求められる場合があります。そういった状況下では、大きな責任とプレッシャーに対応する能力が必要となっていきます。
IT業界外
経理、法務などの事務職
事務職には様々な分野がありますが、その中核を担うのが社員のサポート業務です。ITエンジニアの経験と知識は、この分野で大いに活かすことができます。エンジニア視点から業務を効率化し、Excelマクロなどを活用して作業を自動化することで、時間の節約が可能になります。
また、長年のIT業界での経験から業務系ITツールの扱いにも長けています。
さらに、業務改善を実現することで、自身の能力を評価されたり、他の社員から感謝されたりする機会が多くあります。
ITエンジニアの経験を活かしながら新たな価値を提供できる事務職は、達成感を得ることができ大きな労働意欲につながるでしょう。
営業職
ITエンジニアの多くが、転職先として「営業職」に注目しています。
エンジニア視点から製品やサービスの要点を明確に説明できるため、商談の説得力が高まることが期待できます。また、技術的知識を活かすことで扱う製品やサービスの理解が進み、クライアントの信頼を獲得しやすくなります。
さらに、業績が直接的に評価され報酬に反映されるため、キャリアアップや年収アップを目指すエンジニアにとっておすすめです。
技術的スキルと人間関係を構築するスキルも活かせる点から、エンジニアにとって理想的な転職先と言えるでしょう。
公務員
また、公務員に転職するのもおすすめです。
地方自治体には情報システム専門の部署があり、既存システムの最適化や新規システムの開発に携わることができます。
近年、多くの自治体が民間経験者を歓迎し、年齢制限も緩和しています。キャリア途中からでも公務員への転職が可能になってきています。
ただし公務員試験に合格する必要があり、民間企業への転職よりもハードルが高いと言えます。公務員の採用条件は公開されているので、自分に合っているかどうかを踏まえた上で、公務員への転職を検討してみるとよいでしょう。
ITエンジニアをやめたいと思ったら何をすべきか
仕事を辞める理由には体力的・精神的な理由、キャリアアップなどの様々な理由があります。下記では、仕事を辞めたいと思った時にするべきことを解説します。
何に満足できていないのか考える
ITエンジニアとしての仕事に疑問を感じ、やめたいと思う前に、自分自身に何が満足できていないのかをよく見つめ直すことが大切です。
不満の原因が本当にITエンジニアの仕事そのものなのか、それとも現在の職場環境や人間関係、あなたのスキルを十分に発揮できていないことにあるのかを冷静に確認する必要があります。
同じITエンジニアという職種でも、働く環境や人間関係によって実態は大きく異なります。人間関係が良好でない職場では適性があってもストレスを感じ、仕事がうまくいかなくなるかもしれません。
独立してみるのはどうか考える
ITエンジニアを続けるか、転職やフリーランスに踏み切るかは、自分に合った働き方を見つめ直す良い機会となります。
会社の制度や人間関係、働く環境に疑問を感じることが多ければ、フリーランスの生活が向いているかもしれません。フリーランスならプライバシーと自由が確保でき、仕事を選べて収入アップの可能性もあります。
一方で収入の不安定さや営業活動の負担など、独立にはデメリットもあります。
自分に合った働き方を見極めるには、周りの人に相談しながら十分に準備と検討を重ねることが重要です。
他のITエンジニア職を考える
ITエンジニアの仕事は多岐にわたり、求められるスキルや専門知識は職種によって異なります。ITエンジニアには、以下のように様々な種類があります。
- システムエンジニア
- プログラマー
- セールスエンジニア
- インフラエンジニア
- ネットワークエンジニア
- WEBエンジニア
- フロントエンドエンジニア
自分のスキルと各職種の要件を照らし合わせれば、最適な仕事を見つけられるでしょう。
現在の働き方に満足できないなら、異業種に転職するか、ITスキルを活かせる別の分野への転職を検討するのも一案です。この際に重要なのは、自分のキャリアプランを明確にすることです。どのような経験を積み、どの職種に興味があるのかを熟考する必要があります。
自分に合った働き方を見極め、新たな可能性を探してみましょう。
ITエンジニアが転職で失敗する理由は?
転職は必ずしもうまくいくとは限りません。ITエンジニアはどういった理由で転職を失敗しているのでしょうか。
自分の能力や経験を見誤っている
ITエンジニアとして転職を成功させるためには、自身の経験やスキルを正しく把握し、志望企業への適性をしっかりと伝えることが重要です。まずは自分の強みと弱みを冷静に分析し、それらをどのように活かせるかを考えましょう。
次に転職の目的を明確にすることで、志望企業に対してアピールする方向性が見えてくるはずです。
最後に、面接などで自身の経験やスキルを的確に説明し、志望企業とのマッチングを示すことが大切です。
このように丁寧な自己分析と準備を怠ると、ITエンジニアの転職は失敗に終わりがちです。
企業研究をしていない
ITエンジニアが転職を検討する際、失敗する大きな理由の一つが「企業研究の不足」です。
就職先企業を十分に理解することは、将来のキャリアに大きな影響を与えるため、選考過程で軽視してはいけません。
まず、その企業の理念を把握することが重要です。企業が何を重視し、何を達成しようとしているのか、そのビジョンが自分の価値観や志向と合致しているかを見極める必要があります。
また、業務内容やサービス内容についても把握しておくべきです。それらは企業の全体像を示すだけでなく、自分が就職した際の役割や責任を予測する手がかりになります。
企業研究が不足していると面接で露呈しがちです。面接官から質問された際に即座に答えられなければ、企業に対する熱意や誠実さが疑われ、良い印象を与えることは難しくなります。
転職先に求める優先順位が決められない
ITエンジニアの転職活動では、理想を追い求めすぎると、かえって失敗に終わってしまう危険性があります。
そこで大切なのが、自分の希望条件を明確に整理し、優先順位をつけることです。理想と現実のバランスを取り、妥協点を見極める柔軟性が不可欠となります。
転職成功のカギは、自分なりに許容できる範囲の企業を選ぶことにあります。高い理想を持ちつつ状況に応じた妥協点を設定し、現実的な選択ができるよう心構えを持つことが大切なのです。
転職エージェントを使わない
ITエンジニアが転職を成功させるには、一人で活動を進めるよりも転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントは、エンジニアの経歴や希望に合わせて、適切な業界や職種を提案してくれます。応募書類の作成や面接対策でも的確なアドバイスを提供し、転職プロセスをサポートしてくれるのです。
さらに、不合格の場合にも、客観的な視点から原因を分析し、自己分析を的確に行えるように導いてくれます。加えて、難しい企業への応募も可能になります。
転職エージェントを上手に利用することで、ITエンジニアとしての転職成功の確率を大きく高めることができます。
ITエンジニアが転職で成功するためにやるべきこととは
求人を見逃さない
IT業界では人材不足が深刻化しており、2030年には最大79万人の人材不足が見込まれています。このため、IT業界の求人数は多く、転職のチャンスが豊富にあります。
求人数には季節変動があり、2月から3月、そして9月から10月が求人の多い時期となります。この時期は新しいプロジェクトが始まるタイミングと重なるため、企業が積極的に人材を募集するからです。
ITエンジニアが転職を成功させるには、常に市場の動向を把握し、自身のスキルや希望条件にマッチした求人情報をチェックし続けることが重要になります。
なぜ転職したいのかをはっきりさせる
ITエンジニアとして転職を成功させるには、転職の理由を明確に自覚することが重要です。
単なる収入アップや待遇改善だけでなく、新しいスキルを身につけたいという強い意欲があるのかをしっかりと自問自答する必要があります。転職理由を掘り下げることで、自分が本当に目指すべきビジョンや将来像が見えてくるはずです。
転職理由を深く掘り下げることは、単に新しい職を探すだけでなく、自分自身の熱意や情熱を改めて再認識する良い機会にもなります。企業は熱意のある人材を求めており、転職理由をきちんと説明できれば、自身の魅力を的確にアピールできるでしょう。
情報を収集して分析する
転職を成功させるためには、徹底した情報収集と分析が欠かせません。志望企業の理念やサービス内容を深く理解し、自分に合った職場かどうかを慎重に吟味する必要があります。
十分な情報収集と分析ができれば、面接の場でも自信を持って志望動機を語ることができるでしょう。企業に対する深い理解があれば、自分こそが求められる人材であると面接官に強く印象づけられます。
ITエンジニアの転職後の就職先まとめ
ITエンジニアの転職先は多岐にわたり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
大手IT企業であれば、手厚い福利厚生を望めますが、一方でベンチャー企業なら最先端の技術に触れられ、自由な雰囲気の中で発言しやすい職場環境があります。
公共機関や研究機関では、社会に貢献しながら研究開発の最前線で活躍できる可能性があります。フリーランスを選べば高収入が期待できる反面、不安定なリスクも伴います。
転職先を決める上では、自身のスキルや経験、キャリアビジョンを踏まえて、幅広い選択肢の中から最適な道を選ぶことが肝心です。