技術士試験の勉強法は?必要な勉強時間や一次・二次試験対策のコツも解説

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技術士試験は、技術士としての専門性や技術力を認定するための国家資格試験です。合格には、綿密な計画と戦略的な学習方法が不可欠です。

ここでは技術士試験の特性を理解し、効率的に学習を進めるための勉強法や対策のコツをご紹介します。

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技術士試験合格のための基本的な勉強方法

科目ごとに対策を行おう

各試験の勉強方法は大きく異なるため、まずは試験内容の違いを把握することが非常に重要です。

科目ごとに最適な対策方法が存在するので、これらの個別の方法を理解し、活用することが求められます。試験ごとに特有のアプローチを取り入れることで、効率的に学習を進めることができます。

一次・二次試験の特徴を知ろう

技術士試験は、1次試験と2次試験に分かれており、技術士を目指す者は通常、まず一次試験から挑戦します。

この一次試験では、基礎・適性・専門の3科目が択一式試験として出題され、問題のレベルは大卒程度です。学生の中には、在学中に一次試験に挑む者もいます。一次試験に合格し、修習技術者となった人は、一定期間の実務経験を経て二次試験に進むことができます。

二次試験は論文および口頭試験からなり、一次試験とは異なり、専門知識だけでなく課題解決能力やリーダーシップ、マネジメント能力などのコンピテンシーが評価されます。総合技術監理部門を除く20技術部門では、必須科目と選択科目2題が出題され、より実践的な能力が問われます。

技術士試験の難易度はどれくらい?

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技術士試験は、科学技術系の資格の中でも特に難易度が高い試験として知られています。一次試験の合格率は約50%と比較的高めですが、その後の二次試験の合格率はわずか10%前後と大幅に下がります。

二次試験に挑む受験者は、既に実務経験を積んだプロフェッショナルばかりであるにも関わらず、約9割の受験者がこの段階で落とされるため、非常に厳しい試験であると言えます。

各試験に足きりがある

各段階の試験において、足切りの基準が設けられていることが、試験の合格に向けた大きなポイントとなります。

1次試験では、受験する各科目で少なくとも50%以上の得点を獲得しなければならず、2次試験においては、さらに高いハードルとして各科目で60%以上の得点が必要です。

このため、全科目にわたってバランスよく勉強し、どの科目にも極端な苦手を作らないことが極めて重要です。特定の科目で高得点を目指すだけでなく、全科目を通じて一定のレベルを維持する努力が求められます。

一般に1500時間程度の勉強時間が必要とされている

技術士試験の合格には、一般的に1100~2000時間の勉強時間が必要とされています。多くの受験者が仕事をしながらの勉強となるため、個人によってはさらに多くの時間を要することもあります。

ただ時間をかけるだけでなく、質の高い効率的な学習を心がけることが重要です。長期間にわたる計画的な取り組みが求められ、持続的なモチベーション維持が困難の一つとなります。仕事の都合上、試験前日まで勉強時間を確保できないケースもあり、これが受験を断念する理由となることも少なくありません。

こうした状況は、技術士試験の合格率が低い一因とも言えるでしょう。

一定の条件を満たすと一次試験を免除できる

技術士試験では、受験者が一定の条件を満たす場合、一次試験の一部科目または全部科目の免除を受けることが可能です。

JABEE認定コース修了者は一次試験を免除される

JABEE認定コースとは、「大学その他の教育機関における科学技術に関する課程で、文部科学大臣から第一次試験の合格と同等と指定されたもの」です。

このJABEE認定コースを修了した人は、一次試験を受けることなく修習技術者として認められ、技術士の資格取得へ向けた道が一層スムーズになります。

技術士を目指す学生にとって、JABEE認定コースが設けられている高専や大学を選ぶことは、進路選択の一つと言えるでしょう。

持っている資格によって一部試験免除

特定の資格を持つことにより、技術士試験の一部が免除される制度があります。

例えば、情報処理技術者試験の高度試験や情報処理安全確保支援士試験に合格している人は、技術士試験の専門科目である情報工学部門の試験を免除されます。

また、中小企業診断士に登録している人は、専門科目の経営工学部門を免除されることができます。

技術士試験合格のためのおすすめの勉強方法

技術者試験に合格するためには単に広範な知識を身につけるだけでは不十分であり、効率的狩る戦略的な勉強方法が求められます。

講座などを活用して客観的なアドバイスをもらう

技術士試験の勉強を進める上で、自分の力だけでは見落としがちな点や客観的な評価をすることが難しい場合があります。特に論文問題などでは、自分の考えをどのように構築し表現するかが重要になるため、客観的なアドバイスを得ることは非常にオススメです。

このような時、既に技術士資格を持つ知り合いに、自分が作成した論文を添削してもらい、新たな視点や改善点を発見できます。

また、専門の講座を利用することも一つの手段です。講座では講師が受験生の論文に対して具体的なフィードバックをくれるので、合格に必要なレベルまで引き上げるサポートをしてくれます。

このように客観的なアドバイスをもらうことで、自力では分からなかった部分を理解することができ、自信を身につけることが可能です。

計画的に学習する

技術士試験の合格を目指すには、長期間にわたる継続的な学習が必須ですが、仕事との両立は容易ではありません。このため、効率的に学習を進めるためには、長期的な視野を持って計画的に学習スケジュールを立てることが重要です。スケジュールを立てずに不規則な学習を続けると、モチベーションの維持が難しくなり、途中で挫折する可能性が高まります。

一方で、計画に基づいて学習を進めることで、目標に向かって着実に前進することができ、学習のモチベーションを保つことが可能になります。

また、通信講座などの学習支援ツールを利用する場合は、提供されるカリキュラムに沿って学習を進めることで、自律的な計画を立てる際の負担を軽減し、効率よく学習に取り組むことができます。

過去問演習に重心をおく

技術士試験の合格への道のりでは、過去問演習を中心に置くことが極めて重要です。本番の試験形式に慣れ、出題される問題の種類や問われ方を深く理解することが、成功への鍵を握ります。

過去問を通じた傾向と対策の分析は、試験合格に直結するため、特に一次試験においては、過去問を繰り返し解くことで、問題解決能力を高め、試験本番でのパフォーマンス向上が期待できます。

この過程を通じて、受験生は各科目における問題の出題パターンを把握し、時間管理や解答技術の向上にもつながります。

一次試験の具体的な対策方法

一次試験は、免除の対象とならない限り、技術士試験の最初の大きな関門です。この試験を突破するためには、一般的に約200時間の勉強が必要とされています。一次試験には3つの科目があり、それぞれ異なるアプローチで学習を進めることが重要です。

一次試験の合格率

年度

合格率

2023年度

39.7%

2022年度

42.2%

2021年度

31.3%

2020年度

43.7%

2019年度

48.6%

一次試験の過去5年の合格率は上記のようになっています。

概ね4割前後で推移していますが、2021年度には3割近くまで合格率が下がるなど、年によって1割程度の変動があります。自分が受ける年度に試験が難化する可能性も十分に考えられますので、一次試験も決して準備を怠れません。

基礎科目に苦手分野を作らない

基礎科目は5分野から各6問が出題され、範囲の広さから苦手分野を作りがちです。過去問は公式HPで無料で入手可能ですが、解説は提供されていないため、自分で理解を深める必要があります。

この科目を効率よく学習するには、まず参考書を用いて重要なポイントを複数回学習し、その後過去問演習を通じて苦手分野を特定し改善することが重要です。

間違えた問題や理解に不安がある問題は、ノートにまとめて解法やポイントを記録しするなどし、繰り返し復習することが重要です。試験直前期には、このノートを頻繁に見返し、知識の定着を図ることが本番でのパフォーマンス向上につながります。

適正科目を放置しない

適性科目は、技術士補としての適切な行動や適性をチェックするための重要な科目です。この科目は、技術士としての根本的な考え方や倫理観を身につける上で欠かせないものであり、二次試験においても重要視されるため、決して軽視できません

試験範囲は技術士法、倫理規定、製造物責任、企業責任、公益通報、個人情報保護、知的財産権など、一定しています。

効果的な学習方法としては、これらのテーマを網羅した参考書を選び、繰り返し学習することで、必要な知識と理解を深めることができます。

専門科目で得点することが大きなポイント

専門科目は技術士試験において、配点が他の科目と比較して3倍以上となっており、解答時間も2倍与えられるため、合格に向けて大きなポイントとなります。

この科目では、受験者が選択した技術部門に応じた専門知識が問われます。そのため、効果的な対策として、まずは対応する技術部門に特化した参考書を選び、基礎から応用までの知識をしっかりと身につけることが重要です。理解を深めた後は、実際の試験形式に慣れるために過去問に取り組みます。

しかし、公式に無料で公開されている過去問には解説が付属していないため、不明点があれば専門書やネットリソースを活用して自ら解決する姿勢が求められます。専門科目では解説テキストを購入するか、予備校や通信講座を利用することをおすすめします。

過去問を利用して本番形式に慣れる

技術士試験の成功への鍵は、何よりも本番形式に慣れることにあります。過去問を繰り返し解くことで、どのような問題がどのような形で出題されるのかを深く理解し、出題傾向を把握することが可能になります。

過去問に取り組む過程で、類似の問題が頻繁に出現することが多く、これらの問題に対する解答能力を高めることが、試験で高得点を獲得するために非常に重要です。

過去問を何周もすることで、同じタイプの問題に対する正確な解法を身につけ、試験本番での対応力を格段に向上させることができます。

受験する際は自分が得意な問題から解く

技術士試験においては、全問完璧に解答することよりも、自身の得意な問題を見極め、それらから解答していく戦略が非常に重要です。

各科目で半分以上の問題が解ければ良いため、時間を効率よく使うためには、「これなら解けそうだ」と感じる問題を優先的に解くことが肝心です。

これにより、不得意な問題に時間を取られ過ぎることなく、得点可能な部分でしっかりと点数を確保することができます。

試験中は問題ごとに優先順位をつけ、自信のある問題から順に解いていくことで、全体の解答効率を大きく向上させることが期待できます。

二次試験の具体的な対策方法

二次試験の対策においては、論文および口頭試験という二つの異なる形式に対応する必要があります。

この段階では、一次試験で問われる専門知識を超え、課題解決能力、リーダーシップ、マネジメント能力といったコンピテンシーがより重視されます。

成功するためには、約2000時間の充分な勉強時間を確保し、これらのスキルを磨くことが重要です。

二次試験の合格率

年度

合格率

2023年度

11.8%

2022年度

11.7%

2021年度

11.6%

2020年度

11.9%

2019年度

11.6%

二次試験の合格率は上記のようになっています。

過去5年は11%台で推移しており、非常に難易度が高いことが伺えます。

論文試験の勉強法

5年分程度を目安に過去問演習を行う

技術士試験の対策として過去問演習は非常に重要であり、特に直近5年分の過去問を解くことが推奨されます。

この期間の問題を解くことで、現在の試験傾向を把握し、頻出ワードだけでなく、問題がどのように構成され、何を求めているのかの感触をつかむことができます。

古過ぎる問題は技術の進歩によって実用性が薄れることがあるため、最新の傾向を反映した問題に取り組むことが重要です。

過去問の分析を通じて問題への理解を深めた後は、白書などの最新の資料を読むことで、その知識を現実の技術動向や社会情勢に結びつけ、より効率的に学習を進めることができます。

出題率の高いワードを確認

技術士試験の対策として、過去問を利用して出題率の高いワードの確認と整理は非常に有効な方法です。これらのワードが試験内でどのように扱われているかを理解することは、試験対策の基礎を固める上で重要です。多くの場合は、出題率の高いワードは定義や基本的な概念を問う問題として出題されます。

しかし、技術士試験は単に専門知識を問うだけでなく、その知識を現代の社会状況や技術の動向にどのように適用できるかを見極めることも重視します。

そのため、最新の白書や業界のトレンドを参考にして、現在の社会状況や技術動向で特に重視されるテーマを予測し、その上で出題されそうなワードに対する準備をすることが、効率的な学習方法と言えるでしょう。

わかりやすく文章を書く練習をする

技術士試験の論文試験では、採点官に内容が明確に伝わるようにわかりやすく文章を書く能力が求められます。

そのため、実際に論文を書く前に、論文の骨組みとなるアウトラインをしっかりと構成することが重要です。このアウトライン作成を練習することで、論点を明確にし、論理展開をスムーズにするスキルが養われます。

技術を用いて問題を解決する

技術士試験では、受験者が専門家としてどのように問題解決に取り組むかが重要な評価ポイントとなります。

試験では、具体的な技術を用いて課題をどのように解決するかを明確に記述することが求められます。単に一般的なマネジメントスキルに頼った回答をすると、受験者の専門知識が不足していると判断されるリスクがあります。

したがって、実際の技術を活用し、それをどのように適用して問題解決を図るかを積極的に示すことが重要です。

これにより、受験者が実務で直面するかもしれない実際の課題に対して、効果的かつ実践的な解決策を提案できる能力を持っていることを証明ことができます。

講座などを活用して第三者からの意見をもらう

技術士試験の対策を進める中で、自己の文章がいかに論理的かつ明瞭であると自信を持っていても、第三者の視点からは必ずしもそのようには映らないことがあります。

このギャップを埋めるためには、講座を活用して第三者からのフィードバックを受けることが非常に有効です。

講座における添削や意見は、自身の見落としている点や改善すべき要素を浮き彫りにし、それを基にしてPDCAサイクルを適用することで、文章の質を段階的に高めていくことが可能となります。

このプロセスを通じて、受験者は自己の表現をより明確にし、論理的な文章作成能力を磨くことができるでしょう。

口頭試験の勉強法

業務経歴票は丁寧に作成する

技術士試験の二次試験において、業務経歴票の重要性は非常に高いです。

本番ではこの業務経歴票を基にした面接が行われ、受験者の経験やスキルが詳細に評価されます。適切に整理され、明確に記載された経歴票は、面接官に対して受験者の能力と経験を正確に伝えることができます。

そのため、技術士としての適性を示すためにも、自身の課題解決経験や専門スキルを丁寧に整理し、わかりやすく説明できるように業務経歴票を作成することが必須です。

質問を想定し徹底的に対策する

技術士試験の二次試験では、技術士倫理と技術士制度に関する理解を問う質問が多く出題され、これらは適性に関する部分で全体の約半分を占めます。

これらの問題に対しては、知識だけでなく、それをどのように理解し、自分の言葉で説明できるかが重要となります。

特に、技術士としての3義務2責務や継続研鑽(CPD)などの基本概念は、具体的な例を交えて、明確に自分の言葉で表現できるように準備しておく必要があります。

この分野の質問は比較的想定しやすいため、事前にしっかりと対策を行うことで、実際の試験で落ち着いて回答することが可能です。

過去問のおすすめ活用方法

技術士試験では、過去問を活用することが大切です。特に第一次試験の過去問題と解答は、技術士試験を実施している日本技術士会のホームページ(こちらから開けます )に掲載されているため、無料で利用できます。

まず解いてみるのもおすすめ

いきなり過去問を解いて良いの?と思うかもしれませんが、意外と効率的な勉強法です。簡単な基礎が身についた段階で1~2年分の過去問を解いてみましょう。そこで自分の得意分野・苦手分野を把握することで、何を重点的に勉強するべきかが明確になります。

試験本番が近づいたら、また過去問を解いて作戦を練る

その後、各科目に関して自分の苦手分野を徹底的に勉強し、試験が近づいてきたら再度過去問を解いて試験時にどうやって点数を稼ぐかの作戦を立てましょう。基本的に技術士試験で満点を取ることは難しいです。そのため、自分が何が得意でどの問題なら点数を伸ばせるかを考え、そこから確実に解いて得点をのばすかの作戦が非常に重要となります。

技術士試験に独学で合格するのは難しい

技術士試験は、合格に至るまでに膨大な量の学習が必要とされる資格試験の一つであり、そのため他の試験に比べて独学での対策が特に困難です。独りで勉強を進める場合、長期間にわたるモチベーションの維持が課題となります。

また、効率的なスケジュール管理や学習サイクルの維持も一人では難しく、特に論文試験では、適切なフィードバックや添削指導を受ける機会がないため、自己の弱点を客観的に把握し改善することが難しくなります。

このような背景から、独学での試験対策は厳しい戦いとなる可能性が高いです。したがって、資格学校の講座の利用や勉強会に参加するなど、外部の支援を受けることによって、学習をより効率化し、合格への道をより現実的なものにすることが推奨されます。

通信講座を活用して合格を目指そう

技術士試験の対策に通信講座を活用することは合格を目指す際に、非常に有効です。

通信講座は、専門的な知識を体系的に学ぶことができるだけでなく、時間や場所に縛られずに自分のペースで学習を進めることができる利点があります。

また、講座には試験の傾向と対策を熟知した講師による添削指導やアドバイスが含まれていることが多く、独学では見つけにくい弱点の克服や学習方法の改善につながります。

​特にアガルートの通信講座であれば、2次試験対策講座で57,420円からとかなりリーズナブルに受講可能なのでおすすめです。またアガルートは合格者に受講料を全額返金する破格の合格特典も用意しているので、出費を大きく抑えつつ講座を受講することができるでしょう。

アガルート受講生の二次試験の合格率は全国平均の6.65倍という結果もあるなど実績も十分なので、技術士試験を目指す方はぜひアガルートの技術士試験講座をチェックしてみてください。

技術士試験の勉強法まとめ 

技術士試験合格のためには、論理的な思考と実践的な問題解決能力が求められます。

その達成の鍵となるのは、過去問演習を重ねて試験形式に慣れ、出題傾向を把握すること、通信講座などを利用して第三者からの客観的なフィードバックを得ること、そして自分の弱点を正確に把握し、それを克服するための計画的な学習を行うことです。

さらに、業務経歴票の丁寧な作成や質問への対策も重要であり、これらの努力を通じて、技術士としての高い専門性と実践能力を証明することができます。

独学の難しさを認識し、効果的なリソースを積極的に活用することが、合格への道を切り開くための重要なステップとなるでしょう。