宅建の独学はいつから始める?半年・3ヶ月の勉強スケジュールや勉強法を紹介
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宅建試験合格を目指す独学者に向け、ここでは試験準備の初期段階から直前期まで、どのように時間を配分し、どの教材で学習を進めるべきかについて解説します。
この記事を参考に、自分に合った効果的な学習方法を見つけ、宅建試験の合格を目指しましょう。
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宅建の独学勉強スケジュールの立て方
宅建試験を独学で目指すには、全体で約300時間の勉強が必要とされます。この量は一見多く感じるかもしれませんが、毎年独学で合格する人は多くいます。
具体的な勉強時間として、1日に2時間を割り当てる場合、約6ヶ月間で必要な学習量をカバーできます。もし1日3時間勉強することができれば、3ヶ月ちょっとで準備が整います。ただし、勉強に要する時間には個人差があるため、自分のペースで進めることが大切です。
試験が10月に行われることを考慮すれば、3月から学習を開始すると、余裕を持ったスケジュールで臨むことができます。独学での勉強は大変な面もありますが、計画的に進めれば十分に合格を目指せるでしょう
科目 | 勉強時間 |
宅建業法 | 130時間 |
権利関係 | 100時間 |
法令上の制限 | 35時間 |
税・その他 | 35時間 |
宅建業法
宅建業法の勉強には、配分時間として約130時間が目安です。この科目は宅建試験全50問中20問を占めるため、試験で最も重要な部分の一つです。
主に手続きや業務上の規制に関する知識が求められ、暗記するべき項目も多いため、しっかりと時間をかけて対策する必要があります。
出題傾向には一定のパターンがあるので、問題集や過去問を利用して、繰り返し学習することで効率的に知識を身につけることができます。
特に過去問はオンラインで原文のPDFファイルを閲覧できるため、これらを活用することで試験に臨む準備を整えることができます。
権利関係
権利関係は宅建試験で出題される科目の中で、宅建業法に次いで多い14問が割り当てられており、配分時間は約100時間が目安です。
特に、法律の基礎知識がない人にとっては、理解しづらい部分が多いため、十分な時間を確保してじっくりと取り組む必要があります。
この科目では、不動産に関する様々な権利や義務についての深い理解が求められます。その複雑さを克服するには、基礎から応用まで段階的に学び、徹底的に知識を身につけることが重要です。
法令上の制限
法令上の制限は8問出題されます。法令上の制限に関する学習では、配分時間は35時間が目安です。この分野は、不動産業務における各種の法律的制約に焦点を当てた内容で、全体の概念を掴むことから始めることが重要です。
具体的には、用語の定義をしっかりと理解し、これらを暗記することが求められます。慣れない専門用語やルールが多いため、注意深く何度も問題をこなして慣れていくことが大事です。
さらに、法律は定期的に改正されるため、最新の法改正にも敏感である必要があります。改正内容は試験でよく取り上げられるため、最新の情報を確認し、学習計画に組み込むことが大切です。
税・その他
税金とその他の分野は8問出題されます。税金とその他の分野についての学習には、35時間が目安とされます。税金に関連する内容では、様々な種類の税が存在しますが、覚えるべきポイントは比較的限られています。重要な部分を確実に理解し、記憶しておくことが重要です。
また、この分野では土地や建物に関連する最新の統計データからの出題もあり得るため、常に最新情報をチェックしておく必要があります。
試験においては、得点しやすい問題とそうでない問題が明確に分かれる傾向にあるため、効率的に学習時間を配分することが得策と言えます。
宅建の勉強はいつから始めるべき?
宅建試験の準備を開始する最適な時期については、試験日の約半年前、すなわち3月ごろから学習を始めることが目安とされます。
この期間を確保することで、試験内容をじっくりと理解し、十分な準備時間を持てます。しかし、スケジュールの都合上、3月からのスタートが難しい場合でも、最低限、試験の3ヶ月前、つまり6月末から7月初旬には勉強を開始するようにしましょう。
勉強スケジュールの失敗談
失敗談①勉強時間が足りなかった
勉強開始の時期を遅らせた結果、試験までの期間に必要な学習時間を充分に取れなかったケースが見られます。毎日多くの勉強時間を確保するのが難しい場合でも、準備を早期から始めることが重要です。
勉強時間がまとまって取れない場合には、通勤や通学の時間、昼休み、就寝前などのスキマ時間を積極的に勉強に使うことで、全体の勉強量を増やすことができます。
失敗談②演習時間が少なすぎた
過去問や問題集の問題演習の時間が不足していた失敗例はよくあります。資格試験の勉強においては、インプット学習とアウトプット学習が必要です。これら二つの学習スタイルを適切にバランスさせることが、効果的な勉強法とされます。
ただ知識を覚えるだけでは不十分で、実際に問題を解く訓練を通じて初めて、試験での得点力が身につきます。学習スケジュールを立てる際は、インプット学習に偏らず、アウトプット学習にも十分な時間を割り当てることが肝要です。また、新しい知識を学んだ直後に問題演習を行うことで、学習内容を効果的に定着させることができます。
失敗談③各分野に当てる勉強時間を誤った
失敗例として、各分野に適切な勉強時間をさけず不合格になった事が挙げられます。
宅建試験は全50問で構成され、1問につき1点が与えられます。合格基準は相対評価のため年によって変動しますが、概ね35点前後が合格ラインとされ、安全圏を見越して38点を目指すと良いでしょう。
具体的には、宅建業法から20問、権利関係から14問、法令上の制限および税・その他からそれぞれ8問が出題されます。この出題比率を考慮して、宅建業法に最も多くの時間を割り、次いで権利関係、法令上の制限、税・その他の順に時間を配分することが目安とされます。
半年の勉強スケジュール
宅建試験の合格を目指すには、試験の約半年前、すなわち3月から勉強を開始することが理想的です。宅建試験は年に1度のチャンスしかありませんので、余裕を持った準備期間を設けることが重要です。
この期間を使って、宅建業法、権利関係、法令上の制限、税・その他などの分野に対する理解を深め、幅広い知識を身につけることができます。さらに、約半年間の勉強スケジュールを立てることで、試験範囲を網羅的に学習し、十分な演習をこなすことが可能になります。
月 | 学習内容 |
3月 | テキストの流し読み |
4月〜6月 | 1周目:テキストと過去問 |
7月〜9月 | 2周目:過去問演習と模試 |
10月 | 3周目:復習 |
3月でやること
まず基本テキストを一通り流し読みして全体像を掴むことや、どの分野が得意でどの分野が苦手かを大まかに認識しておくことが重要です。
さらに、各科目ごとに必要とされる勉強時間を見直し、特に苦手と感じる分野にはより多くの時間を割り当てるなど、柔軟な対応が求められます。例えば、「税・その他」の分野は直前期に集中して学習するなど、科目ごとの特性に合わせた勉強計画を検討しましょう。
4月から6月でやること
4月から6月にかけては、セクション毎にテキスト学習と過去問題の解析を組み合わせて進めることが重要です。具体的には、宅建業法の「営業保証金」などの特定項目に焦点を当て、まず問題集で演習を行います。解けなかった問題や理解が不十分な箇所は、テキストを用いて徹底的に確認します。
そして、その項目に関連する過去問を解くことで、理解をさらに固めます。この方法により、学習における無駄を省き、試験に頻出する重要な事項を効率良くマスターすることができます。
また、この期間中には試験範囲全体を一通りカバーすることが望ましく、全体の概観を把握しつつ、各セクションについて深く理解を深めていくことが目標です
過去問の重要性
宅建試験の勉強において、テキストの学習は基礎知識の習得に留め、過去問題の解析に重点を置くことが非常に重要です。テキスト学習は、試験で求められる知識の範囲を理解するために役立ちますが、実際の試験でどのような問題が出されるかを知る上では、過去問の演習が不可欠です。解けなかった問題があっても問題はなく、まずは出題傾向を把握することが大切です。
宅建士試験では、約70%の問題が過去の問題と類似しており、表現や組み合わせは変わるものの、必要な知識の本質は変わりません。このため、過去問を通じて問題のパターンを学び、理解を深めることが合格への近道となります。出題形式は年によって変わるものの、過去問を繰り返し解くことで、多様な問題に対応できる準備が整います
法令上の制限は後回しでも良い
1周目の学習では、法令上の制限に関する分野は後回しにしても差し支えありません。もちろん時間がさけるならそれに越したことはないですが、この分野は暗記が必要な内容が多く含まれているため、試験の直前期に集中して学習する戦略が有効とも言えます。
代わりに、初期段階では「宅建業法」と「権利関係の民法」といった、理解と応用が求められる重要分野に焦点を当てた学習を進めることができます。
7月から9月でやること
7月から9月にかけては、2周目の学習を開始する時期です。この段階では、一度学習した全範囲を再度確認し、より深い理解を目指します。
1周目の勉強を通じて自分の得点率を把握し、特に点数を伸ばす必要がある科目を明確に特定します。また、1周目で「法令上の制限」を後回しにした場合、この時期に確実に頭に入れるべきです。
ひたすら演習
2周目の学習では、問題集や過去問題を活用しての繰り返し演習に重点を置きます。テキストは、不明点の確認や理解の補強のために参照する程度に留め、実際の試験形式に近い問題を解くことにより、試験での対応力を高めることを優先します。
つまり、2周目の学習では、理解を深化させるよりも、実践的な問題演習に力を入れ、試験本番での対応力を磨くことに注力するのが効果的です。
テキストは必要に応じて適宜参照しますが、中心は過去問や問題集を通じた反復演習になります。これにより、試験形式に慣れ、即応性の高い実力が身につくと考えられます。
模試で実力をはかる
宅建試験対策として、実際の試験環境に慣れるために模擬試験の受験がおすすめです。
模擬試験では実際の試験のような臨場感を味わえるだけでなく、自分のわからない部分を把握することもできます。
そのため模擬試験を受験した後は、徹底的な復習が重要です。試験に慣れていない受験生の場合は、二回目の模擬試験受験も検討することをおすすめします。
これにより、実際の試験の流れや緊張感への対応力を高めることができます。試験時の状況に馴染むこともでき、本番でも落ち着いて試験に臨めるようになります。
直前期10月
宅建試験の直前期である10月には、過去問題は少なくとも過去10年分を徹底的に理解し、完璧にすることが重要です。この時期になって新しいテキストや問題集に手を出すのは避け、これまで使用してきた資料での復習に専念することが効果的です。
特に、暗記が必要な科目を中心に3周目の復習を行い、知識の定着を図ります。また、試験のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、体調管理にも気を配ることが必要です。安定した体調で試験に臨むことが、良い結果につながります
3ヶ月で合格は可能?
宅建試験の合格は、3ヶ月の集中的な学習を行えば可能と言えます。
具体的な学習計画としては、1日3時間の勉強を3ヶ月以上続けることが前提となります。この期間で、宅建業法と民法は2周分の復習を目指し、その他の分野は少なくとも1周することがおすすめです。
学習方法としては、日常的には問題集と過去問を中心に取り組むことが基本的な戦略です。そして、試験の直前1ヶ月間は、過去問を集中的に復習し、知識を確実に定着させることが重要です。
つまり、3ヶ月間にわたる継続的な学習と、特に最終1ヶ月における過去問題の集中的な復習が、宅建試験合格の鍵となります。
不動産業に従事している人は5問免除にできる
不動産業に従事している方は、条件を満たせば5点免除(宅建士の試験が5問免除)になります。これによって、5点は確実に入った状態で試験を受けられる上、その分野の勉強をする必要がなくなります。条件としては、従業員証明書を持っていること・登録講習を受けることです。
派遣社員やアルバイトであっても、従業員証明書は発行されます。そのためもし宅建士を受けるのであれば雇用主にこの従業員証明書を発行してもらいましょう。
登録講習は、これを行っている機関へ郵送またはインターネットで申し込むことで受けられます。1~2カ月ほど通信講座をうけ、次に2日間のスクーリングを経て講義を受けます。最後に修了試験を合格すると、有効期限3年の「登録講習修了者証明書」が発行されます。
この2つの条件を満たしたことを宅建士の試験を申し込む際に申請することで、この5問免除が適用されます。ぜひ活用してください。
宅建の勉強方法
宅建試験の勉強方法において最も重要なのは、継続することです。一貫して勉強を続けることで、知識を深め、定着させることができます。また、勉強内容を散らさずに的を絞り、重要なテーマにフォーカスすることが大切です。
宅建試験では、特定のテーマが繰り返し問われる傾向にあり、この点で過去問の演習が非常に重要になります。さらに、法律の改正点は試験に頻出するため、これらの改正内容を明確に理解し、学習に取り入れることが必須です。
テキストの選び方
テキスト選びはインプット作業の基盤となります。市場には、要点を絞り込んだ内容のもの、図解やイラストが豊富で初学者にも理解しやすいテキストなど、出版社ごとに特色があります。しかし、どの出版社のテキストも、学ぶべき内容や重要なポイントに大きな違いはありません。
大切なのは、自分にとって読みやすく、繰り返し利用しやすいテキストを選ぶことです。また、常に最新の情報が反映されたテキストを選ぶことで、法改正などの最新情報に対応することが可能です。テキストを選んだら、過去問集も同じ出版社から選ぶことをお勧めします。これにより、テキストと過去問集の間での整合性が高まり、解説を読む際にテキストでの参照箇所を探しやすくなります。
テキスト選びの注意点
民法が2020年に改正された影響で、宅建士の試験にも登場する債権法の内容が大きく変わっています。法律用語・法律規定の変更があったため、昔の過去問や古いテキストには注意が必要です。昔と今で正答が変わる場合があります。
通信講座を利用する場合
独学ではなく通信講座を利用して試験対策を行うことで、独学と同じように自分の都合に合わせて柔軟に学習スケジュールを組みながらも、プロの指導のもとで効率よく学ぶことが可能になります。
特に最近では講義動画の視聴だけでなく、テキストの閲覧から問題演習、学習スケジュールの管理までスマホで進められる通信講座も増えてきているので、こうした講座を受講することで隙間時間を活かして圧倒的に効率よく勉強を進めることができるでしょう。
特にスタディングの宅建講座はスマホ学習に特化しているので、通勤電車の中やお風呂の待ち時間などでもスマホで手軽に試験対策が可能となっています。さらに講座料金も19,800円とかなりお手頃であり、独学で教材一式を揃えるのとさほど変わらない出費でプロ講師の講義を受けることができます。
実際、2023年度だけでも1000名以上がスタディングを使って宅建合格を手にしているので、柔軟なスケジュールで学びつつ効率も重視したい方はぜひスタディングの宅建講座をチェックしてみてください。
宅建独学スケジュールまとめ
この記事では宅建士の独学スケジュールについて紹介しました。
宅建の独学合格には時間管理と自己モチベーションの維持が不可欠です。
難易度の高い宅建士ですが、これら2つのことができれば合格を目指すことができます。
みなさんもこの記事を活かして宅建士合格を目指してください!