初心者が独学で基本情報技術者試験に合格するには?勉強法やスケジュールを解説

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基本情報技術者試験は情報技術に関する幅広い知識を評価する試験ですが、自分で計画を立てて着実に取り組めば初心者でも独学合格を目指すことが可能です。

ここでは基本情報技術者試験に独学で効率的に学習するためのコツやスケジュール例をご紹介します。情報処理の基礎から実践までを身につけ、ぜひこの機会に基本情報技術者の資格取得を目指しましょう。


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基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験の概要

基本情報技術者試験はITエンジニアを目指す人にとって重要な第一歩となる資格です。この試験に合格することでITに関する基本的な知識と技術を身につけたことを証明できます。また、学習過程を通してITを戦略的な視点から活用する力を養うことができます。

学生、新入社員、独立志向のエンジニアなど、エンジニアとしての人生を歩み始める全ての人にとってのスタートラインとなる資格として人気を集めています。

試験の概要

基本情報技術者試験は情報技術に関する知識と応用力を認定する国家試験です。年に2回、上期は5月から7月、下期は10月から11月に実施されます。試験はCBT方式で行われ、受験するのに必要な資格はありません。しかし一般的な知識だけでなく専門的な問題も含まれるため、しっかりと準備する必要があります。

試験は科目Aと科目Bの2種類があり、科目Aはテクノロジ、マネジメント、ストラテジの3分野から幅広い知識を問われます。一方、科目Bは実践的な内容で、アルゴリズム、プログラミング、セキュリティなどの深い理解と適用力が求められます。

特に科目Bは難易度が高く、実務で必要な知識と技術を身につけるために重点的な勉強が求められます。

試験の難易度や合格率

<令和5年度以前>

試験回

合格率

令和4年度上期(4月実施)

45.1%

令和4年度上期(5月実施)

38.3%

令和4年度下期(10月実施)

39.0%

令和4年度下期(11月実施)

34.8%

<令和5年度以降>

試験回

合格率

4月

56.4%

5月

54.7%

6月

52.5%

7月

49.6%

8月

48.4%

9月

47.7%

10月

42.4%

11月

44.8%

12月

41.7%

1月

43.8%

2月

44.8%

3月

42.0%

令和4年以前(特に令和元年度以前)は合格率が20〜40%と低く、難易度の高い資格と認識されていた基本情報技術者試験ですが、令和5年度の試験形式変更(筆記→CBT)により合格率が上がりました

実際、令和5年度の各試験の平均合格率を取ると47%となっており、数年前と比べると1.5倍近い水準になっています。

また、試験回数も以前は年に2回の実施でしたが現在では毎月受けられるようなったので、挑戦のハードルも下がりました。

そのため基本情報技術者試験は以前よりも独学での挑戦がしやすくなっていると言えるでしょう。

受験方法

まずは試験公式サイトにアクセスし詳細情報を確認しましょう。次に申込画面で必要事項を入力し、決済方法を選びます。クレジットカード、コンビニ払い、ペイジーなどから選ぶことができ受験料は一括7,500円です。

申し込み後、受験票が自宅に郵送されるので当日はそれを持参し、指定のCBTセンターで試験を受けます。

ITパスポートと何が違うの?

ITパスポートと基本情報技術者試験は、どちらも同じ「情報処理技術者」に属する資格ですが、ITパスポートは基本情報技術者よりも扱う内容の専門性が低くなっています。

ITパスポートはITを活用する一般ユーザー向けの初心者レベルの資格で、合格率は約50%となっています。

一方、基本情報技術試験はITシステムの開発や運用を行う専門家を対象とした高度な内容でプログラミングの知識も必要とされるため、より難易度が高くなります。

ITパスポートはユーザーレベルのIT知識を身につけたい社会人に適しており、基本情報技術者試験はIT業界で専門的なスキルを磨きたい人に適した資格となります。

プログラミング未経験の初心者でも合格できる?

プログラミングの経験がなくても基本情報技術者試験に合格することは可能です。この試験は情報技術の基礎知識を問うものであり、過去問や参考書を活用して独学で十分な対策ができます。

初心者でもこれらの教材を使えば必要な知識とスキルを身につけられます。午後の専門的な問題(科目B)についても複数の参考書が用意されているため、しっかり学習すれば理解を深めることができます。

基本情報技術者試験の独学勉強法

基本情報技術者試験の独学勉強法

勉強スケジュールを決める

基本情報技術者試験を独学で受験する際、重要なのは「勉強スケジュールを立てること」です。一人で効率的に勉強するためにはしっかりとスケジュールを組む必要があります。

まず、試験までの期間を把握し目標を設定しましょう。どの範囲をいつまでに終えるかを具体的に決めておくことで計画的に進められます。

さらに、1週間ごとに自分の進捗を確認することをおすすめします。スケジュールを立て、その進み具合を振り返ることで自分のペースを把握し、必要に応じてスケジュールの見直しができます。適宜振り返りを行いながら着実に勉強を進め、基本情報技術者試験に臨みましょう。

インプットとアウトプットをしっかり行う

基本情報技術者試験の独学では学習の過程において、知識の吸収と理解度の確認のバランスが重要です。

初めは教材から知識を学ぶ時間を十分に確保し、一定の理解ができてから実際の問題に取り組むことで自分の弱点を把握できます。そしてその弱点に焦点を当てて学習を重ねることでより効果的な勉強ができるようになります。

このようにインプットとアウトプットを繰り返すことで単なる暗記から知識の理解と活用へと学習が変化していきます

毎日勉強する習慣をつける

基本情報技術者試験に合格するには知識を持っているだけでなく継続的に学習をすることが重要です。知識はあっても問題演習が不足すると不合格になる場合があります。

忙しくても1日たった1問や1ページでも学習する習慣を付けることで確実に知識を身に付けられます。小さな行動の積み重ねが試験合格への近道となります。負担にならない程度の学習を毎日続けることが合格への秘訣です。

スマホの無料アプリの活用

基本情報技術者試験の独学勉強では、スマホの無料アプリを活用することも効果的です。従来の参考書は時間と場所に制約がありましたが、アプリなら移動中や空き時間などの隙間時間を活用して学習を進められます

さらに一つの教材にとらわれず幅広い情報を取り入れられるので、多角的な視点から知識を深めることができます。無料で最新情報が得られるアプリも多数あり、試験内容の変更にも対応できます。


基本情報技術者試験の科目ごとの対策とコツ

科目Aの勉強のポイント

科目A試験に合格するためには広範囲な内容を理解する必要があります。完璧を求めるのではなく、全体の7割程度を確実に身に着けることが重要です。

テクノロジー、マネジメント、ストラテジーの分野から均等に出題されるため、専門用語を押さえつつ、偏りのない学習が求められます。

また、科目Aは科目Bの基礎となるため、まずは科目Aに着手することが不可欠です。過去問題を活用し自分の弱点を確認しながら計画的に勉強を進めることが合格への近道となります。

科目Bの勉強のポイント

科目Bは科目Aの応用なのでまずは科目Aを確実に理解することが大切です。科目Bでは、アルゴリズムと情報セキュリティからの問題が出題されます。

アルゴリズムの問題は基本情報技術者試験の難関部分です。ロジックの理解や変数の扱い方を学び、特に疑似言語の記述形式を把握することが重要です。過去問を解きながら理解を深めることがコツです。

一方、情報セキュリティの問題は暗記が中心となります。繰り返し演習して全問解答できるようにしましょう。この分野の問題は重みが大きいので確実に得点できるよう対策を立てましょう。

科目Bでは落ち着いて丁寧に取り組むことが大切です。解けない問題に固執しすぎず、効率的に学習を進めることが重要です。

基本情報技術者試験の独学合格までには何ヶ月かかる?

目安の勉強時間は150〜200時間

合格までの勉強時間

回答数

30時間未満

3

30~50時間

9

50~70時間

11

70~100時間

10

100~150時間

8

150時間以上

17

基本情報技術者試験の独学合格には、一般的に150〜200時間の学習時間が必要とされています。そのため1日に2〜3時間の勉強時間を確保できる場合だと、合格までには2〜3ヶ月ほどかかる計算になります。

ただしこれは個人の知識や経験、学習能力によって変動します。

実際、スキルアップ研究所が独自に合格者に調査したアンケートでは、150時間以上をかけて合格した方が最多だった一方で、次点は50〜70時間程度で合格している方が多くなっているなど、かなり個々人によって合格までの勉強時間に差があることが分かります。

この結果から考えると、初心者の方は少なくとも2ヶ月以上前からの準備が望ましく、プログラミング経験者であれば1ヶ月ほど前からの対策でも間に合う可能性があるでしょう。

独学スケジュール例

2ヶ月間(約8週間)での合格を目指して、独学での学習スケジュールを組むと以下のようになります。

日数

学習内容

1〜2週目

試験の概要を理解し、出題範囲を確認する。情報技術の基礎理論を学ぶ。

具体的にはテキストでコンピュータの基本構造、ソフトウェア、ハードウェアの基礎知識、プログラミングの基本(アルゴリズム、データ構造)をインプットする。

3〜4週目

より専門的な内容の学習に入る。

ネットワーク技術の基礎、データベースの基本とSQL、セキュリティ技術の基礎をインプットしつつ、過去問題にチャレンジする。

5〜6週目

実践的な問題解決能力を身につける。試験形式に慣れることを目指す。システム開発技術、プロジェクト管理、ITストラテジ、サービスマネジメントの内容を重点的に学びつつ、毎日過去問演習を行う。

7〜8週目

知識の総復習を行い、苦手分野を重点的に学習する。また、可能であれば模擬試験にも挑戦する。

上記スケジュールで進行するためには、週末含め1日平均3時間の勉強時間を確保する必要があります。

仕事の都合等で1日2時間の勉強時間の確保が難しい場合は、上記よりも余裕を持ったスケジュールを意識するのが良いでしょう。


独学で試験対策を行うメリット・デメリット

独学のメリット

独学の最大のメリットはコストを大幅に抑えられる点です。授業に通う必要がないので、必要なコストは参考書代だけで済みます。一方、予備校などは授業料とテキスト代の両方が必要になりかなり費用が嵩みます。経済的な負担が軽減できるのは大きなメリットです。

さらに独学の場合、学習のペースを自由に調整できます。予備校はカリキュラムに縛られますが独学ではそのような制約がありません。自分の理解度に合わせて進めることができ、また仕事や家庭との両立もしやすくなります。時間を有効活用しながら自分のペースでスキルアップできるのが魅力的です。

独学のデメリット

独学は自由度が高い反面、様々な課題が伴います。疑問点を解消するのに時間がかかり、誤った理解に気づかずに無駄な時間を費やす可能性があります。これは学習効率が下がることにつながります。

また、適切な計画がないと何をいつまでに学ぶべきかが分からなくなります。家事や仕事との両立で学習時間を見つけ有効活用することも難しくなります。

さらに、試験や期限に追われる環境とは異なり、自らが学習目的と目標を設定しモチベーションを維持し続けることが求められます。加えて自身の弱点を客観的に認識しそれを自力で補う必要があるため、大きな課題となるでしょう。これらの課題を乗り越えるための工夫こそが新たな学びへとつながります。

独学か通信講座かどっちを選ぶべき?

こんな人には独学がおすすめ

独学は自分でスケジュールを立てて計画的に勉強を進められる方や、ITの基礎知識があり新しい知識を効率的に吸収できる方に適しています。

過去に試験対策で独学に成功した経験がある方、資格試験で独学で合格した方は自己管理能力が高く、独学に向いています。IT業界に詳しい方やITの知識をすでに持っている方も、新しい情報を素早く理解できるため独学がおすすめです。

計画を立てて実行し、最終目標を達成できる能力があれば独学は効果的な学習手段となります。

通信講座がおすすめな人は?

通信講座(オンライン講座)は、ITの知識が乏しい初心者の方でも自分のペースに合わせて基礎から着実に学習できる点に魅力があります。また、自己管理力が低く自発的に学習するのが難しい方でも予め組まれた学習スケジュールに従うことで、モチベーションを維持しやすくなります。

さらに、効率的に学び試験に素早く合格したい方にとっても通信講座は適しています。専門家からの指導を受けられるため、必須の知識を確実かつ効率よく身につけることができるのです。

このように、通信講座は自己管理が苦手な方、ITの素地がない方、効率重視の方など、様々なニーズに対応できる学習形態だと言えます。

スタディングならスマホで隙間時間に学べる

基本情報技術者試験の対策ができる通信講座を検討する際に特におすすめなのがスタディングの基本情報技術者講座です。

スタディングは36,800円という比較的リーズナブルな価格で受講できるオンライン特化型の講座であり、スマホを使って隙間時間に効率よく学習を進めることが可能です。

コストを抑えつつ、通勤時間や仕事の休憩時間などの空いた時間にスマホで手軽に勉強したい方は、ぜひスタディングの基本情報技術者講座をチェックしてみてはいかがでしょうか。


基本情報技術者試験の独学まとめ

基本情報技術者試験に独学で合格するには効率的な学習方法を身に付け、計画的にスケジュール管理することが重要です。

出題範囲をしっかり把握し、参考書や過去問題を活用した繰り返し学習に加え、理解度を確認するためのアウトプットを頻繁に行うことをおすすめします。さらに、日々の学習習慣を確立し復習を欠かさないことが合格への近道となるでしょう。

また、基本情報技術者は独学でも合格可能ですが、合格までの学習期間は数ヶ月に渡るので、人によってはオンライン講座等を使った方が効率よく合格を目指せるケースもあります。そのため自分のスケジュールやモチベーションを元に最適な勉強方法を選ぶようにしましょう。