基本情報技術者試験合格に必要な勉強時間は?初心者向けの勉強スケジュールも解説

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基本情報技術者試験は、IT業界でのキャリアアップを目指す上で重要な資格の一つです。しかし、その合格には、個人のスキルや経験に応じた適切な勉強時間の確保が不可欠となります。

勉強時間は個人差が大きく、一概に言えませんが、過去の受験データから一定の目安は立てられています。前提知識の有無や理解度、学習効率などにより適正勉強時間は変わってきますが、着実に学習を積み重ねることが何より大切です。

そこで本記事では、基本情報技術者試験合格までに必要とされる勉強時間の目安と、効率的な学習方法についてご説明します。


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基本情報技術者試験の勉強時間

基本情報技術者試験は、情報技術の基礎知識とスキルを認定する国家試験です。この試験は午前と午後の部に分かれています。

午前試験では80問の四肢択一式の問題が出題され、試験は9:30から12:00までの150分で行われます。

午後試験は、11問中5問を選択し、多肢選択式で回答します。午後の部も150分の試験時間が設けられ、スケジュールは13:00から15:30までとなっています。両試験ともに、100点満点中60点が合格基準となっています。

基本情報技術者試験は特定の受験資格を必要とせず、また受験料も7,500円と特筆するほど高いわけではないため誰でも挑戦可能です。しかし、試験科目の幅広さを考慮すると、合格するにはしっかりとした準備が必要です。

基本情報技術者の勉強時間は約50~200時間

基本情報技術者試験の合格までに必要な勉強時間は約50~200時間が目安とされています。すでにITパスポートを持っている方やプログラマーとしての経験がある方であれば50時間程度、全くの初心者であれば200時間程度の勉強時間が求められます。

特に、IT分野においては技術的な知識やスキルが求められるため、ストラテジ系やマネジメント系の内容に対する理解が不可欠です。

これらの分野はIT関係の仕事に就いている人でもなじみが薄いと感じることが多いため、苦手意識を持たずに、重点的に取り組むことが重要です。

初心者だと200時間程度を見込もう

基本情報技術者試験の準備にあたり、IT初心者の方は約200時間の勉強時間を見込むとよいでしょう。これは、毎日3時間ずつ勉強を行った場合、2ヶ月以上の期間を要する計算になります。

このため、長期間にわたる継続的な努力が求められます。試験内容の理解と習得には時間がかかるため、早期からの計画的な学習スケジュールの立て方が成功の鍵となります。

すでに知識がある人は50時間程度

情報処理系の知識を既に持っている方は、基本情報技術者試験の準備に50時間程度の勉強時間が見込まれます。1日に3時間ずつ勉強を行えば、約3週間で試験に必要な準備を整えることが可能です。

このように、既存の知識を活かせば、短期集中の学習でも合格を目指すことができます。

1ケ月で試験に合格できるか?

先ほども示したように基本情報技術者試験の合格を1ヶ月で目指すことは、既に一定の知識を有する人にとっては十分可能な目標です。情報処理系の基礎知識がある場合、およそ50時間の勉強で合格することができるため、1ヶ月あれば効率的な学習計画により合格を見込むことができます。

一方で、IT初心者の場合は、試験準備には約200時間の学習時間が必要とされます。毎日約3時間の勉強を2ヶ月以上続ける必要があることから考えても、初心者が1ヶ月で合格を目指すのは困難であり、より長期間の準備期間を設けることが推奨されます。

基本情報技術者試験の難易度

基本情報技術者試験の合格率

試験年度

合格率

平成31年春期

22.2%

令和元年秋期

28.5%

令和2年度10月

48.1%

令和3年度上期(5月実施)

49.9%

令和3年度上期(6月実施)

39.3%

令和3年度下期(10月実施)

46.0%

令和3年度下期(11月実施)

38.8%

令和4年度上期(4月実施)

45.1%

令和4年度上期(5月実施)

38.3%

令和4年度下期(10月実施)

39.0%

令和4年度下期(11月実施)

34.8%

基本情報技術者試験の合格率は、IT初心者にとってはやや高いハードルとなっています。

以前は合格率は20%から30%の範囲で推移していると言われていましたが、令和2年度以降は試験がCBT化した影響もあり、合格率が40%近くまで上昇しています

また、合格者の層を見ると、学生の割合が社会人よりも高いことから、着実な学習を重ねれば決して無理難題の資格ではないことが分かります。

情報処理技術者試験の中での難易度

情報処理技術者試験の中で、基本情報技術者試験はレベル2に位置づけられています。

レベル1のITパスポートと比べると、より高度な知識が問われるため難易度は高くなっています。ITパスポートを基礎としつつ、さらに発展的な内容を学習する必要があり、その分、合格に向けた準備が重要になってきます。

ITパスポート試験(科目A試験(旧午前試験)のベースとなる知識の確認)

ITパスポート試験は、合格率が約50%となっており、基本情報技術者試験に比べて合格しやすい試験とされています。この試験は、IT分野の基礎知識を問う内容であり、多くの受験者が基本情報技術者試験への入門としてITパスポート試験を選んでいます。

合格率の高さや内容から、ITに関する基本的な理解を深めたいと考えている人々にとってアクセスしやすい試験といえるでしょう。そのため、ITの知識を身につけ、さらに上位の資格を目指すためのステップないし事前準備として、ITパスポート試験が選ばれることが多いのです。

情報処理技術者能力認定試験

情報処理技術者能力認定試験は、基本情報技術者試験に比べてやや易しいとされています。この試験では、システムエンジニアやプログラマとして必要な基礎知識が中心に問われますが、合格率は約61%と比較的高めに設定されています。

試験問題は1級から3級まで全て50問で構成されており、情報技術分野における能力を段階的に証明することが可能です。そのため、情報技術分野での資格取得を目指している方にとって、最初に挑戦しやすい試験として推奨されます。

情報処理検定試験

情報処理検定試験は、情報技術の基礎知識やスキルの習得を目指す人にとって、最も取得しやすい資格の一つです。この検定は、特に情報の活用能力やプログラミングの基本を身に付けたいと考えている人向けに設計されています。

重要な点として、情報処理検定試験は「検定」であり、国家試験ではありません。職場での実務能力向上やキャリアアップのための取得を目指す人は、最高位の1級の取得を目標に設定することが推奨されます。

応用情報技術者

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の合格者が次に目指すべき試験として位置付けられています。出題範囲は基本情報技術者の内容を発展させたものであり、既に基礎知識を持つ受験者にとっては現実的に挑戦可能な難易度となっています。

合格率は20%前後となっており基本情報技術者試験よりも難易度が高いことがわかります。また必要となる勉強時間も初心者で500時間、基礎的な知識を持った人でも200時間とされています。


基本情報技術者試験の合格を目指すメリット

社会人に必要なITの知識が身につく

基本情報技術者試験に合格する過程で、社会人にとって必須のIT知識が広範囲にわたって身につきます。この試験を通じて、IT業界のみならず、様々な業界で活用できる基本的なITのスキルを習得することができます

特に、IT業界で働く社会人の場合、自分の専門領域以外の知識も学べるため、視野を広げ、キャリアアップの可能性を拡大することが可能になります。

ITの基礎知識は、現代のビジネスシーンにおいて必須のものとなっており、その知識は業務の効率化や新たな価値の創出に直接的に貢献します。

IT業界での就職や転職に有利

基本情報技術者試験の合格は、IT業界への就職や転職において大きなメリットをもたらします。この資格は、情報処理の分野に深い興味と基礎的な知識を持っていることを証明するものであり、企業に対して自身の技術的能力をアピールする手段となります。

多くの企業では、特に情報技術関連の職種において、基本情報技術者資格を持つ応募者を優遇する傾向があります。

資格取得は、就職活動を行う上での競争力を高め、より良いキャリア機会を掴むための重要なステップとなるため、IT業界での就職や転職を考えている方にとって、積極的に挑戦する価値があると言えるでしょう。

難しい資格に挑戦しやすくなる

基本情報技術者試験は情報処理技術者試験システムの中でレベル2に位置づけられており、合格することで、より高度な知識と技術を要求される上位レベルの資格への挑戦が容易になります。

上位レベルには、レベル3に位置する応用情報技術者試験や、さらに専門的な知識が求められるレベル4の高度試験などがあります。基本情報技術者試験で習得した基礎知識は、これら上位資格を目指す上での強固な土台となり、難易度の高い試験にも自信を持って挑戦することができるようになります。

このように、基本情報技術者試験は、IT分野でのキャリアアップを目指す方にとって重要なステップとなります。

試験勉強のポイントは?

科目A試験(旧午前試験)の勉強法

科目A試験(旧午前試験)の勉強にあたっては、まず広範囲にわたる学習範囲を理解し、合格を目指すことが重要です。この試験の最大の特徴は、扱う範囲の広さにあります。そのため、効率的な学習計画を立てなければ、知識に偏りが生じやすくなります。

科目A試験を効果的に攻略するためには、「苦手な分野を特定する」ことと、「公式をただ覚えるのではなく、その意味を理解する」ことの2点が鍵となります。

これらのアプローチにより、広い範囲をカバーしつつも、深い理解を目指すことができるでしょう。

科目B試験(旧午後試験)の勉強法

科目B試験(旧午後試験)の勉強に取り組む前に、科目A試験の内容をしっかりと理解し、マスターしておくことが不可欠です。なぜなら、科目B試験は科目A試験の基礎知識を応用した問題が中心となるため、基礎が固まっていないと対応が難しいからです。

効率的な科目B試験の対策としては、まず科目A試験の勉強を徹底し、その後で応用問題に挑む準備をすることが推奨されます。基礎知識を踏まえた上で、より実践的な問題解決能力や応用力を養うことが、科目B試験をクリアする鍵となります。

IT知識の基本を身につける

IT知識の基礎をしっかりと身につけることは、基本情報技術者試験の学習を始める上で不可欠です。基礎知識がない状態で応用的な内容に進むと、理解が浅くなってしまいがちです。

特に初めてこの試験の勉強に取り組む方は、テキストを繰り返し読み、IT用語の意味を深く理解し、基礎からしっかりと知識を積み上げることが大切です。繰り返し学習することで、基本的なIT知識が自然と身に付き、学習の進展につながります。

過去問演習を重視する

過去問演習を積極的に取り入れることは、試験対策において非常に効果的です。この方法では、問題の形式に慣れるだけでなく、自身の弱点を明確に把握し、それを強化する機会を得られます。特に、苦手とする分野は、他人に説明できるレベルまで理解を深めることが重要です。

過去問を解くことで、頻出する知識領域を確認し、自分の弱点を特定することが可能になり、その後の学習計画に生かせます。過去問集を購入し、利用することは、この過程を効率よく進める上で欠かせません。

メリハリをつけて勉強をする

メリハリをつけた勉強法は、効率的な学習を実現する上で非常に重要です。勉強を始める際には、あらかじめ一日の勉強時間を決めておくことが大切です。

勉強時間をあらかじめ設定しておくことで、学習にリズムを生み出し、目標に向かって集中的に取り組むことが可能になります。自分が実際に達成可能だと感じる勉強時間を設定することにより、毎日の学習の達成感を得られ、モチベーションの維持にもつながります。

勉強スケジュールをしっかり立てる

合格を目指す上で、継続的な勉強は不可欠です。学習スケジュールの計画を立てることで合格までの道筋が見え、勉強を継続しやすくなります。スケジュールを立てる際には試験範囲を正確に理解し、必要な勉強期間を見積もることから始めます。

この段階で、試験の範囲と自分の現在地を明確にすることで、合格までの具体的な計画を立てることができます。特に、頻出する範囲を把握し、それらを中心にスケジュールを組むことは、効率的な学習に繋がります。


基本情報技術者資格をとるのにおすすめの人

アピールポイントを作りたい人

資格取得は、自分自身のスキルや知識を客観的に証明する有効な手段です。特に、職場や業界内で自分の能力をアピールしたい人にとって、資格はその実力の証となり得ます。資格を通じて、専門的な知識や技術を有していることを示すことができるため、キャリアアップを目指す際や、新たな職に就くための強力なサポートとなります。

このように、資格は自己の能力を明確に示すことができるツールであり、自信の向上にも繋がります。自分の専門性を高め、市場価値を向上させたいと考えている人は、資格取得に向けて積極的に取り組むことをお勧めします。

プログラミングの基礎を学びたい人

情報技術者試験の勉強をすることで、ソフトウェア開発やネットワーク設計など、情報技術の根幹を形成する幅広い知識を身につけることができます。これらの基本を理解することで、コンピュータシステムの仕組みやアプリケーションの作り方、インターネットがどのように機能するかといった、IT分野の全体像を把握することが可能になります。

特に、プログラミングは情報技術における中核的なスキルであり、これを学ぶことは、将来的に技術革新の最前線で活躍するための基盤を築くことに他なりません。

情報技術の基礎を広範囲にわたって学び、理解を深めることは、IT業界で求められる多様な職種に適応する能力を養う上で、非常に重要です。

新卒の就活を控えている人

新卒の就職活動を控えている方にとって、自己の魅力をアピールし、他の就活生と差別化を図る方法の一つとして、基本情報技術者試験の資格取得が推奨されます。

今日のビジネスシーンでは、あらゆる業種で情報技術の理解が求められており、IT知識の幅広い基礎を持っていることを示すこの資格を保持していることは、就職活動において大きなアドバンテージとなる可能性があります。

合格率こそ決して高くはありませんが、基本情報技術者に合格できれば、その実力は高く買われることでしょう。就職に向けて大きな自身になると同時に、ITの専門知識を身につけられる点で、新卒者には強くおすすめできる資格です。

基本情報技術者試験を独学で受けることは可能か

初心者には独学は難しい

IT初心者が基本情報技術者試験などの資格取得を目指す際、独学では成果が出ないことが多いです。我流での学習方法では、必要な知識を効率的に習得するのが難しく、結果として多くの時間を無駄にしてしまうリスクがあります。

特に、ITの基本知識がまだ身についていない初心者にとっては、ITパスポート試験の受験から始めることが、基礎知識の構築に役立ちます。一方、ある程度の基礎知識がある場合には、独学でも基本情報技術者試験の合格は十分可能です。

ただし、独学で挑む際には、モチベーションの維持と効果的な勉強計画の立て方が重要になります。日々の学習をコンスタントに進め、計画的に取り組むことが成功の鍵となるでしょう。

通信講座なら働きながらでも勉強しやすい

独学での学習において、多くの人が直面する問題は、「何から手をつけていいか分からない」という状況です。このような時は、通信講座の利用がおすすめです。

通信講座では参考書、eラーニング、模擬試験などが一通りセットになっており、学習内容を段階的に進めていくことができます。さらにプロの講師による分かりやすい講義を受けられるので、独学で一人でテキストを眺めるのとは全く違うスピードと理解度で学習を進めることが可能です。

数ある通信講座の中でも、特にスタディングの基本情報技術者講座はスマホ学習に特化しており、講義の視聴から問題演習、スケジュール管理まで全てスマホ1台で完結することが可能です。

そのため仕事をしながら資格取得を目指す社会人の方など、忙しくてまとまった勉強時間がなかなか取れない方にはぴったりの講座となっています。

実際、スタディングは令和5年度だけでも165名もの合格者を輩出しているので、日々の隙間時間を活かして学習を進めたい方はぜひスタディングの基本情報技術者講座をチェックしてみてください。


基本情報技術者試験の勉強時間まとめ

基本情報技術者試験の合格には、個人のIT知識や経験に応じて異なりますが、一般的にIT初心者は約200時間、一定の知識がある場合には約50時間の勉強時間が必要となります。

この記事を参考に、基本情報技術者の取得に向け頑張ってください。