秘書検定の難易度は高い?各級別の合格率や勉強時間を紹介
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就職活動や社会人のスキルアップに人気の秘書検定。
「難易度が高くて挑戦するのが不安...」「どの級から始めればいいの?」
そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、3級から1級までの合格率や必要な勉強時間を詳しく解説します。各級の特徴や難易度を理解することで、あなたに最適な受験級が見つかるはずです。
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秘書検定とは?
秘書検定は、文部科学省後援の「秘書技能検定試験」として実施される資格試験です。
社会人としての良識やマナーの基本が身についていることを証明する資格として、多くの企業が社員教育の一環として導入しています。
累計800万人以上が受験する人気の資格となっており、就職や転職に有効な資格として安定した評価を得ています。

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秘書検定の概要
秘書検定は、ビジネスマナーやコミュニケーション能力を証明する資格です。
ここでは、秘書検定の基本情報や受験級の違いについて詳しく解説します。
科目と試験範囲
秘書検定の試験は「理論」と「実技」の2つの分野から構成されており、それぞれ以下の5つの領域から出題されます。
理論分野では、必要とされる資質、職務知識、一般知識が問われます。必要な心構えや身だしなみ、実務的な対応方法、そしてビジネスで使用される経済用語や時事用語などの知識が試されます。
実技分野では、マナー・接遇と技能が評価対象となります。具体的には、言葉遣い、来客応対、慶弔のしきたり、文書作成、ファイリング、スケジュール管理などのスキルが問われます。
合格するためには、理論・実技の両分野でそれぞれ60%以上の得点が必要です。片方の分野が高得点でも、もう片方が基準に満たない場合は不合格となります。
なお、準1級と1級では筆記試験に加えて面接試験があり、ロールプレイング形式で秘書としての適性が評価されます。
問題形式
問題形式は級によって大きく異なります。3級と2級は約9割がマークシート式の択一問題で、残り1割が記述問題となっています。
準1級になると記述問題の比率が上がり、約6割がマークシート式の択一問題、約4割が記述問題となります。また、筆記試験に合格した受験者のみ面接試験を受けることができます。
1級は最も難易度が高く、筆記試験はすべて記述式問題となっており、準1級と同様に筆記試験合格者のみ面接試験を受験できます。
試験時間は各級とも同じで、筆記試験は90分間です。面接試験がある準1級と1級については、1人あたり10分程度の個人面接が実施されます。
受験料(各級別値段)
秘書検定の受験料は級によって異なります。受験料は以下の通りです。
級数 | 受験料 |
---|---|
3級 | 3,800円 |
2級 | 5,200円 |
準1級 | 6,500円 |
1級 | 7,800円 |
また、複数の級を同時に受験できる併願制度があり、準1級と2級の併願は11,700円、2級と3級の併願は9,000円です。
受験料は他の資格試験と比べて比較的安価に設定されているため、万が一不合格になった場合でも再受験がしやすいのが特徴です。
なお、秘書検定には受験資格の制限がなく、年齢や性別を問わず誰でも受験することができます。
秘書検定の日程
申込受付期間
秘書検定の申込受付期間は、試験日の約2ヶ月前から開始され、試験日の約1ヶ月前に締め切られます。
2025年の場合、第136回(6月実施)は4月4日から5月20日まで、第137回(11月実施)は9月3日から10月14日までとなっています。
申込方法はインターネットと郵送の2通りから選択可能で、インターネット申込みの場合は24時間受付しています。
なお、CBT方式の試験については、随時インターネットでの申込みが可能となっているため、受験者の都合に合わせて柔軟に日程を選べます。
試験実施日
秘書検定の試験実施回数は、3級と2級が年3回、準1級と1級が年2回実施されています。
2025年度の試験日程は、以下の通りとなっています。
回 | 日程 | 実施級数 |
---|---|---|
第136回 | 2025年6月22日(日) | 全ての級 |
第137回 | 2025年11月16日(日) | 全ての級 |
第138回 | 2026年2月8日(日) | 2級・3級のみ |
また、従来の筆記試験に加えて、CBT方式による随時受験も可能となっており、より柔軟な受験機会が提供されています。
合格発表日程
秘書検定の合格発表は、筆記試験を受験した場合、試験日からおよそ3週間後に実務技能検定協会のホームページで確認することができます。
その後、試験日から約1ヶ月後に、郵送で合否通知書が届きます。
合格者には「デジタル合格証」と「デジタル合格証明書」が発行され、合否通知書に記載されたURLからPDF形式でダウンロードすることが可能です。
なお、CBT方式で受験した場合は、試験当日に合否が発表されるため、結果をすぐに確認することができます。
試験時間
秘書検定の試験時間は級によって異なります。3級と2級は筆記試験のみで90分間実施されます。
一方、準1級と1級は筆記試験と面接試験の2段階方式となっています。筆記試験の時間は準1級が120分、1級が150分です。
面接試験は筆記試験合格者のみが受験でき、準1級と1級ともに1人あたり約10分間行われます。面接試験では、立ち居振る舞いや言葉遣いなど、実践的なコミュニケーションスキルが評価されます。
なお、面接試験の実施日は筆記試験の約1ヶ月後に設定されており、この間に面接対策の準備を行うことができます。
試験実施場所
秘書検定は、全国の主要都市にある公共施設や学校、専門学校などの会場で実施されています。
試験会場は、東京、大阪、名古屋などの大都市圏を中心に、各都道府県の県庁所在地など、全国約200か所に設置されています。
特に3級と2級は受験者が多いため、より多くの会場で受験が可能です。一方、準1級と1級は受験者数が比較的少ないため、実施会場は限定される傾向にあります。
また、所属している学校や企業が団体受験会場として登録している場合は、その施設内でも受験できます。
受験会場は、受験申し込み時に希望の会場を選択することができ、自宅や職場から通いやすい会場を選べるため、仕事や学業と両立しながらの受験も可能です。
秘書検定の各級の難易度
秘書検定は3級・2級・準1級・1級とレベルが分かれており、級が上がるほど難易度も高くなります。
ここでは、各級の試験内容や合格率を詳しく解説します。
合格率出典:文部科学省後援ビジネス系検定 秘書検定受験者状況
秘書検定3級の勉強時間・合格率
勉強時間
秘書検定3級の勉強時間は、平均して30時間程度が目安となります。
1日1時間のペースで学習すると約1ヶ月で合格レベルに到達できます。時間に余裕がない場合でも、1日20分の学習を3ヶ月継続することで十分に合格圏内に入ることができます。
他のビジネス系資格と比べると、必要な勉強時間が短いのが特徴です。FP技能検定や簿記検定と比較しても、かなり短期間での合格が期待できます。
ただし、社会人経験の有無や、配属部署によって必要な学習時間には個人差があります。基本的な社会常識やビジネスマナーの知識がある方であれば、より短い時間での合格も可能でしょう。
合格率
秘書検定3級の合格率は、過去の試験データによると約60~70%で推移しています。
直近の試験では、令和6年6月実施の第133回で70.3%、令和6年11月実施では59.2%となっており、比較的高い合格率を維持しています。
これは他の資格試験と比較しても高い数値で、例えば中小企業診断士の合格率約5%と比べると、かなり取得しやすい資格といえます。
ただし、合格率が高いからといって簡単な試験というわけではありません。基本的な社会常識やビジネスマナーの理解が必要で、しっかりとした学習なしでの合格は難しいでしょう。
秘書検定2級の勉強時間・合格率
勉強時間
秘書検定2級の勉強時間は独学の場合、約20~70時間が目安となります。1日2時間の学習で約15~25日間の学習期間が必要とされています。
社会人経験や配属部署によって必要な勉強時間は変わってきますが、平均して1ヶ月程度(約30時間)で合格レベルに到達できます。
通勤時間などの隙間時間を活用し、1日30分~2時間の学習を3週間ほど継続することで、十分に合格圏内に入ることができます。
なお、通学での学習期間は平均3~4ヶ月、最短でも2ヶ月程度必要となります。
合格率
秘書検定2級の合格率は、全体の約60%前後で推移しています。これは3級と比べるとやや低いものの、しっかりと準備すれば十分に合格可能なレベルです。
実務技能検定協会のデータによると、2級は全受験者の55%を占める最も人気の高い級となっています。大学生や一般社会人にとって、ちょうど良い難易度に設定されています。
3級の内容に加えて、接客用語の使用法や報告・説明の仕方、社内外の文書作成能力などが問われます。年度によって合格率に多少の変動はありますが、コツコツと学習を重ねることで確実に合格を目指すことができます。
秘書検定準1級の勉強時間・合格率
勉強時間
秘書検定準1級の筆記試験に必要な勉強時間は60~180時間と言われています。1日1時間のペースで勉強した場合、2~6ヶ月程度の期間が必要になります。
ただし、社会人経験がある方は、実務経験を活かせるため、より短い時間で合格できる可能性があります。
面接試験の対策には別途2週間~1ヶ月ほどの準備期間を確保することが推奨されています。
なお、通信講座などの目安では、準1級の合格に必要な総勉強時間は約100時間とされています。短期集中で合格を目指す場合は、1日2~3時間の学習時間を確保することをお勧めします。
合格率
秘書検定準1級の合格率は30%前後と、3級・2級と比べて大幅に低くなっています。これは、筆記試験に加えて面接試験が実施されることが大きな要因です。
実際の合格までの流れとしては、まず筆記試験に合格する必要があり、その後の面接試験も突破しなければなりません。
大学生と社会人がほぼ同数を占める試験であり、就職活動対策としても有効な資格として知られています。
合格率の数値からも分かる通り、2級までと比べて明確な実力が求められる級といえます。しかし、独学でも十分に合格可能な試験であり、過去問演習を中心とした対策で合格を目指すことができます。
秘書検定1級の勉強時間・合格率
勉強時間
秘書検定1級の合格に必要な勉強時間は、150時間以上が目安とされています。
1日1時間のペースで学習する場合は約5ヶ月、1日2〜3時間集中して取り組める場合は2〜3ヶ月での合格を目指すことができます。
ただし、1級では面接試験も実施されるため、筆記試験の対策に加えて面接の練習時間も確保する必要があります。面接では所作や話し方も評価されるため、余裕を持って準備することをおすすめします。
学習者の経験や知識によって必要な時間は変動しますが、確実な合格を目指すなら、2〜6ヶ月程度の期間を設けることが望ましいでしょう。
合格率
秘書検定1級の合格率は20〜30%台で推移しており、最も難易度の高い級となっています。
これは3級の約70%、2級の約60%と比較すると大きく低下する数値です。合格のためには、「理論」と「実技」の両科目で60%以上の正答率を達成する必要があります。
1級では記述式問題が増え、より専門的な知識と的確な判断力が求められます。また、面接試験が加わることで、総合的な実務能力も評価されます。
このため、現役の秘書や、ビジネススキルの向上を目指す社会人が主な受験者層となっています。
秘書検定を取得することで得られるメリット
秘書検定を取得することで、ビジネスマナーやコミュニケーション能力の向上が期待できます。
ここでは、資格取得による具体的なメリットを詳しく解説します。
社会人として必要なマナーを習得できる
秘書検定では、ビジネスマナーや接遇の基本知識を体系的に学ぶことができます。電話応対、来客対応、上司との円滑なコミュニケーション方法など、社会人として必要不可欠なスキルが網羅されています。
特に2級では、接客用語の正しい使い方や、短い報告・説明の仕方、社内外の文書作成など、実践的なビジネススキルを習得できます。これらは、どのような職種や業界でも活用できる汎用的なスキルです。
また、試験では社会人としての理想的な振る舞いや対応力が問われるため、ビジネスシーンで求められる適切な判断力も自然と身につきます。
就職活動で強みとなる
秘書検定は就職活動において大きな強みとなります。特に1級・準1級の取得は難関であるため、採用担当者の目に留まりやすいです。
秘書検定では、ビジネスマナーや一般常識、ビジネス文書の作成など、社会人として必要不可欠なスキルを習得できます。このため、新卒であっても即戦力として期待できる人材であることをアピールできます。
特に、社外の人とのコミュニケーションに必要な言葉遣いや身だしなみの理解が証明できるため、企業が重視する人柄の良さもアピールポイントとなります。社会人としての基礎的な能力を保持していることを示す資格として、書類選考や面接での評価を高めることができます。
相手に良い印象を与えることができる
秘書検定で学ぶビジネスマナーや接遇の知識は、相手との良好な関係構築に大きく貢献してくれます。
適切な言葉遣いや敬語の使用、丁寧な立ち居振る舞いは、社内外問わず好印象を与えることができます。特に、相手のニーズを先回りして汲み取る力や、状況に応じた臨機応変な対応力は、信頼関係の構築に不可欠です。
また、電話やメールでの応対においても、秘書検定で培った知識を活かすことで、相手に誠実さや真摯な態度を伝えることができます。これは取引先との関係強化や、クライアントからの信頼獲得にも繋がります。
さらに、目上の方や初対面の相手に対しても自然と心配りができるようになり、ビジネスの場面に限らず、様々な社会的場面で良好な人間関係を築くことができるようになります。
秘書検定3級を効率よく取得するための方法と対策
秘書検定3級は基礎的なビジネスマナーを問う試験ですが、効率的な学習が合格への鍵となります。
ここでは、短期間で合格を目指すための方法と対策を詳しく解説します。
公式問題集を反復して解く
公式問題集を反復して解くことは、秘書検定3級合格への近道です。
過去問題を繰り返し解くことで、出題形式に慣れるだけでなく、試験でよく問われる重要ポイントを把握することができます。特に、問題を解いた後の解説をしっかりと読み込むことが大切です。
間違えた問題は必ずノートに書き出し、なぜその解答が正しいのかを理解するまで取り組みましょう。また、一度正解した問題でも、時間を置いて再度チャレンジすることで知識の定着度を確認できます。
公式問題集には実際の試験と同じ難易度の問題が収録されているため、本番の試験でも落ち着いて解答することができます。特に3級は60%以上の合格率があるため、過去問を確実にマスターすることで、十分に合格圏内に入ることができます。
余裕があれば上級レベルまで包括的に学習する
秘書検定3級に合格の目処が立ったら、2級や準1級への挑戦も視野に入れてみましょう。
上級レベルでは合格率が大きく下がります。特に準1級以上になると、面接試験も加わるため、より実践的なスキルが求められます。
しかし、段階的に学習を進めることで、より高度な知識とビジネススキルを習得できます。2級では電話対応や仕事の優先順位付けなど、実務に直結する内容を学べ、準1級・1級では中堅・上級秘書としての判断力や対応力が身につきます。
キャリアアップを目指す方は、3級合格後も継続して学習を進めることをおすすめします。上級資格の取得は、将来のキャリア形成において大きな強みとなるでしょう。
上級を目指す場合は通信講座を活用する
準1級以上の上級資格を目指す場合は、通信講座の活用がおすすめです。
準1級と1級では筆記試験に加えて面接試験が実施され、合格率も準1級で40%前後、1級で30%前後と難易度が高くなります。特に面接試験では、実践的な対応力や的確な判断力が問われるため、独学だけでは十分な対策が難しいでしょう。
通信講座では、専門講師による添削指導や模擬面接練習を受けることができ、効率的に試験対策を進めることが可能です。また、学習進度に合わせたカリキュラムが用意されているため、仕事や学業と両立しながら、計画的に学習を進めることができます。
さらに、通信講座では実際の試験を想定した演習問題や模擬試験も提供されており、本番の試験でも落ち着いて対応できる実力を身につけることができます。
秘書検定に関するよくある質問
秘書検定に免除制度はある?
秘書検定には試験科目の免除制度は設けられていません。全ての受験者が、各級で定められた試験科目を受験する必要があります。
準1級と1級の場合、筆記試験に合格すると面接試験の受験資格が得られますが、一度筆記試験に合格しても面接試験を欠席すると、その後の筆記試験免除制度は利用できなくなります。
そのため、準1級・1級を受験する際は、筆記試験合格後の面接試験の日程も考慮して受験計画を立てることが重要です。面接試験の日程は、筆記試験合格発表後に通知されます。
なお、3級と2級は筆記試験のみの実施となるため、面接試験に関する免除制度の対象外となります。
秘書検定は何級から就職に有利?
秘書検定については3級から履歴書に記載できます。
一方で、就職活動で強みとなるのは、2級からとされています。2級は基本的なビジネスマナーと実践的な知識が身につくため、企業から評価される資格として知られています。
特に新卒の場合、2級保持者は社会人としての基礎知識やビジネスマナーが備わっていることをアピールできます。合格率は約58%で、1日1時間の学習を2ヶ月程度継続することで取得が可能です。
3級は高校生向けの基礎レベルで、合格率は約70%と比較的高めです。一方、準1級と1級は合格率がそれぞれ約42%、約34%と難易度が上がり、面接試験も課されます。企業の採用担当者からは、特に2級以上の資格保持者は「即戦力として期待できる」と評価されています。
秘書検定まとめ
秘書検定は3級の合格率約70%から1級の約34%まで、級によって難易度に大きな差があります。
まずは基礎的な知識を問われる3級から始めて、段階的にステップアップしていくことをおすすめします。自分の目的や現在の実力に合わせて受験級を選べば、効率的に資格取得を目指すことができるでしょう。
さっそく過去問にチャレンジして、あなたに合った級を見つけてみましょう!
過去問はこちらの秘書検定公式ページから見ることができます。